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plumeria

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類が近くに居るスタッフの所に向かってから、私は1人でその場に立って待っていた。

お天気は・・・って木々の間から空を見上げたら、また一段と雲が黒っぽくなったみたい。
今にも降り出しそうでちょっと心配・・・出来たら3時までは降らないで欲しいなぁ~、なんて祈るみたいに手を合わせてるのを小さな女の子2人に笑われたりして。


「お姉ちゃん、さむいの?動いたら大丈夫だよ」
「えっ?あはは、寒くないよ、お友達待ってるの」

「知ってる~~!カッコいいお兄ちゃんでしょ?今、向こうに行くの見たもん!」
「カッコいい?そ、そうだね~~」

「もしかしてお姉ちゃん、彼女?いいなあ、まゆちゃんもあんなお兄ちゃんがいいなぁ♡」
「絶対友達に自慢するよね~!」

「はははは・・・自慢ね」


小さな子はここで「嘘でしょ?」がつかないから助かる・・・なんて馬鹿な事を考えちゃう。
寒いのに半袖で元気がいいなぁって小さな背中を見た後、類が行った方をもう1度振り返ったら、スタッフとハーネスの交換をしにまた少し下の方に移動中?

それなら時間が掛かるのかも、と大きな木に縋って待つことにした。


「あれ・・・今、誰かが・・・?」

その時にコースから少しだけ外れたところで誰かが動いたように感じて目を向けた。
それはさっきから何度も見ている緑色の服の人・・・その人に思えて身体を乗り出して見てしまった。
そこには立ち入り禁止のロープがあって、男の人はその向こうに居る・・・これをスタッフに見つけられたら凄く怒られるんだろうと思って止めに行った。


「あの、そっちに入っちゃダメだと思いますよ?」

そう言ったけど無視してどんどん奥に進んで行く。慌てて振り向いたけどスタッフは居ないし、誰もこっちを見ていない・・・当然類もまだ戻って来てない。
どうしようかとオロオロしたけど、男の人は見えなくなって、その向こうは崖のような気がして怖くなった。


「あの~、聞こえてますか?そっちもしかしたら崖じゃないですか?足を滑らせたら危ないし、今ならスタッフが居ないから戻った方が良いですよ?叱られますよ~~?」

そう言いながら私もロープギリギリのところまで行ったら、ガサガサと音がした方に緑色が見えた。

あんまり大声出すと気が付かれると思って小さめの叫び声・・・だからなのか男の人は全然振り向いてくれない。
しかも木の葉が風でザワザワするし、フード被ってるからこのぐらいじゃ聞こえないのかも・・・と、大声だそうと思った瞬間、フッとその人の姿が消えた?!


「うわ、落ちたんじゃないの?!ちょっ、大丈夫ですかぁ?!」

足元が悪いけどそれよりも助けなきゃって思って、立ち入り禁止のロープを潜って急いで消えた辺りを探した。でも緑色の服は何処にも見えなくて・・・って言うか、ここはコースじゃないから整備されてなくて視界が悪かった。
小さな木が茂みを作ってたり、蔓性の植物が生えてたり、ここで足を滑らせても見えにくい。これ以上は危ないかな?って思うような斜面だし、覗き込んだら説明の通り沢があるみたい・・・

でも叫び声も聞こえなかったから、落ちてないかも・・・?
いや、そもそも落ちる時に叫ぶのはドラマだけって言うし?


「やっぱりスタッフ呼んでこよう・・・・・・・・・えっ?!」


覗きこんだ体勢のままそんな事を呟いた瞬間、私の背中を誰かがトンっと押した。
その拍子に足が滑って真下の茂みの中に・・・!!
驚いた瞬間振り向いたけど、そこに緑色の服の男の人が両手を突き出したまま立ってるのを見てしまった・・・!


この人・・・・・・嘘でしょ?!!




**********************




ハーネスの金具故障のために新しいのと交換して、牧野を待たせたところに戻った。
でもそこに赤いパーカーの女性は居なくて、見回したけどその姿は何処にもない。付近に居る人に聞いたけどみんな「さぁ?」って返事・・・また俺を置いて先に行ったな?とムッとした。

でも、あれだけ話したんだ・・・本当にそんな事をするだろうか。

確かにお転婆で野生児の牧野だけど、根は素直で真面目な子・・・そう思うから簡単に約束を破ることはしない気がした。
無茶をするのは俺が見える場所に居るから(そう言って滑降で置いて行かれたけど)・・・そうだと信じたいから、少しこの場で待つことにした。
もしかしたらその辺に居るかもしれない・・・俺が動いたら余計はぐれてしまう。
最悪自分のネックレスで牧野の居場所は見つけられるんだから・・・とそれを触った時、コースを外れた所から不自然に現れた男を見つけた。


緑色の服でフードも被り、ほぼ真下を俯くように歩いてる。
とてもアスレチックをしようという雰囲気に見えない、根暗そうなヤツ・・・その男が出て来た場所には「この先立ち入り禁止」の札もあるし、少し覗き込んだらロープのようなものも見えた。

そいつは俺に一番近付いた時、フードで見えないのに何故か顔を反対側に向けた・・・その態度はやはり気になった。


牧野、海ほたるから同じ人間を見掛けてるって気に掛けてなかった?
まさか、この男だろうか・・・連れがいないようだって話は一致する。
でもさっきは自分達の前を歩いてるって言わなかったっけ?それなのにどうして今は俺達の後ろから来るんだ?

幸いスタッフが居ない・・・ロープさえ跨がなければ問題ないだろうと、そっちに向かった。



遊具がある場所とは違って鬱蒼としてる・・・と、足元を見たら、誰かが下草を踏んだような跡があった。
しかもこの様子だと新しいもの?不自然に折れた茎があって、その向こうは斜面・・・枝の揺れる音が煩かったけど、耳を澄ませば微かに水の流れる音がする。つまり、この下に沢があるって訳だ。

でも赤いパーカーなんて何処にも見えない・・・やっぱりこれは発信器で探るしかないと思ってネックレスに着いている受信機のスイッチを押した。


この発信器は場所の特定は出来ないけど、音の大きさで近付いたのか離れたのかは確認出来る。
今、確かに音が聞こえてるから牧野はこの辺りに居る・・・問題はこの下なのか、アスレチックコースなのか、だ。だからそのまま立っていた場所から元のコースに戻ると、音が小さくなった。

不味い・・・本当にあの下に落ちたのかもしれない!


急いで立ち入り禁止ロープの場所に戻ったら、俺の行動を見ていた人が連絡したんだろう、スタッフが数名走って来た。


「どうしました?!この先は立ち入り禁止だって書いてあるでしょう?!」
「一緒に来た女性がこの下に滑り落ちたかもしれないんだ!沢に降りる道はないのか?!」

「えぇ?!本当ですか?・・・いや、離れた場所にはあるけど、ここは比較的急斜面なんで道なんてないですよ?本当に落ちたんですか?」
「それは判らないけど誰かが踏み入った痕跡があるんだ。それに念の為に持たせていた発信器の反応がこの下にあるんだ!」

「発信器?なんですか、それは・・・」
「いいから早く捜索態勢を取れ!!」

「は、はいっ!!」
「あなたは危ないから下がってください!」

「馬鹿言うな!俺が助けに行かなくてどうする!」


「・・・あっ、雨だ・・・!」
「不味い、降り始めた・・・コースを中止します!」

「・・・・・・雨?」


係員の言葉のすぐ後に俺の頬にポツンと・・・・・・

牧野が何処に居るのか判らないのに今度は雨?!
もしも短時間でザッと降ればこんな狭い沢にはあっという間に水が・・・それを考えた時にはスタッフの制止を振り切って斜面を滑り降りていた。

怪我して動けなかったとしたら・・・
それよりも気を失って返事も出来ない状態だったら・・・


「牧野ーーーっ!!
何処に居る、返事をしろーっ!!」






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Comments 4

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2020/07/01 (Wed) 00:48 | EDIT | REPLY |   
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2020/07/01 (Wed) 07:20 | EDIT | REPLY |   
plumeria  
Re: タイトルなし

シナモン様、おはようございます。

コメントありがとうございます。

そうそう(笑)
襲われた方は冗談じゃないってパターンですよね!
つくしちゃん、なにも知らないんだもん。しかもまだ付き合ってないし(笑)

すっごい迷惑な話ですよね💦

急に行動が素早くなる類君・・・卵焼きのおかげかな?(笑)
まぁ、こっちはシリアスって言っても安心レベルだからご心配なく~~~!

熊と遊んでるかもしれないしね~♡
(花沢城じゃないって?)

2020/07/01 (Wed) 08:14 | EDIT | REPLY |   
plumeria  
Re: タイトルなし

ビオラ様、おはようございます。

コメントありがとうございます。

ははは💦そんなところでしょうかねぇ?
愛しの類君に特定の誰かが居ることが許せないのではないでしょうか。
一緒に休日を過ごすなんて耐えられなかったのだと思います♡

もしかしたら期待を裏切りました?(笑)彼が類君を襲うと思ったでしょ?

いやいやいや、それは書けないからお許しくださいね💦
BLは問題外、サスペンス専門ですから♡

2020/07/01 (Wed) 08:21 | EDIT | REPLY |   

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