続・茶と華と (12)

<side類>

どうしてこの俺が総二郎のとこの騒動に巻き込まれなきゃなんないんだろ・・・。
わざわざ総二郎の結婚式のため・・・と言いながら、長期休暇の半分以上この日本で寝て暮らそうと思って
帰ってきたのに・・・まさかこんな面倒くさいことするなんてね。

そう思いながらもMホテルまで来て・・・あれ?ここまで来て何するんだっけ?
司からつくしちゃんを取り戻すんだっけ・・・マジで嫌なんだけど!もし殴られたらどうすんの?
この顔に傷でもつけられたら総二郎に慰謝料請求しよ・・・。

ホテルに入ってブラブラ歩いてたら脚立の上で正面の巨大アレンジメントと格闘している女性を見かけた。
どこかで見たことあるんだけど・・・って思ったらそれはお目当てのつくしちゃん?

なんだ・・・探すも何も目の前にいるじゃん!



「もしかして、つくしちゃん?何やってんのさ、そんなところで」

「あら?類さん!ちょうど良かったわ!下にワイヤーが落ちちゃったの!とって下さる?」

「これ?・・・はい!で?何やってるの?まぁ・・・見たらわかるんだけど」

確か司にさらわれたんじゃなかったっけ?だから俺がここまで探しに来たはずなんだけど?
俺が声をかけてもつくしちゃんはまるで聞こえてないかのように目の前のアレンジメントに夢中だ。
すごく真剣な目つきで作業してるけど・・・何だか凄いね!この生け方・・・。
小さな宇宙を見てるかのような斬新な生け方・・・その手にも眼があるみたいだね!

華道家元の娘だって言ってたよね・・・総二郎と似てるのかも。自分のいる世界を大事にしてるんだろうな。
くすっ・・・あの総二郎が気に入るわけだ。こんな顔を見せられたらね!

こんな所は羨ましい気もする・・・この子も総二郎も。


・・・ってことを言ってる場合じゃなかった!

「ねぇ、つくしちゃんさ、司はどうしたの?あいつに捕まったから助けてやってくれって総二郎が電話して
きたんだよ?つくしちゃんを取り戻す仕事を頼まれたんだけど・・・俺はどうしたらいい?」

「え?・・・総二郎さんが?・・・えっと、そうね・・・どうしよう」

つくしちゃんは脚立から降りてアレンジメントの全体の確認してる。
そんなに動いて確認するものなの?まるで忍者みたいになってるけど・・・なんだか恥ずかしいのは俺だけ?
自分の状況わかってんのかな・・・俺の話なんて聞いてないでしょ?


「ねぇってば!つくしちゃん、どうすんのさ!大体なんでここで花を生けてるの?」

「あっ!ごめんなさい!何も聞いてなかったわ!」

マジで?ホントに聞いてなかったんだ・・・ものすごくやる気がなくなったんだけど!

「実はね・・・道明寺さんにここにつれてこられたんだけど理由も教えてもらえないから黙って
帰ろうとしたんだけど・・・ここのホテルがとんでもないアレンジメントを正面に飾ってるから
怒ってやろうと思って支配人呼んだら、逆に警備員に捕まっちゃって・・・!ひどいでしょ?」

「ううん。当たり前だよ・・・どこの世界にそんな変な格好でホテルの支配人呼ぶ人がいるのさ。
自分をよく見てみた?ここはMホテルだよ?・・・そんな人いないでしょ?ジーンズ・・・葉っぱが付いてるよ?」

つくしちゃんはそう言うと自分を見ている・・・本当に今までおかしいと思わなかったのっ?!
よく総二郎はこの子に耐えてるよね?・・・あの短気な総二郎が!

「まぁ・・・何も着てないなら困るけど一応服は着てるんだから!・・・それで、仕方ないからもう一度説明して、
フロントの責任者を呼んでもらったらその人が私の門下生の1人だったのっ!・・・凄いでしょ?」

「ううん。その人・・・かえって恥ずかしかったんじゃないの?自分の師匠がそんな警備員に捕まってるなんて。
俺だったら絶対に他人のフリするな。・・・いい人だったんだね!お弟子さんの方に同情するよ!」


「類さん・・・もしかして私のことバカにしてるの?」
「いまわかったの?・・・意外と鈍いんだね」

そう言ってもまだ頭を捻っている・・・ぷっ!ホントに面白いっ!


「今までの説明でつくしちゃんが今、ここでアレンジメントの手直しを始めた理由はわかったよ。
そのお弟子さんに、じゃあ、修正してくださいって言われたんだね?・・・うん!よくわかった!
で・・・俺は自分の仕事を終わらせてもいい?」

これ以上話してるとからかいすぎて帰れなくなっちゃう!

「類さんの仕事?何やってるの?ここで」

「つくしちゃんを西門に送り届けること!ホントに何も聞いてなかったんだね?総二郎が福岡で心配してるよ?
俺だってこうやって借り出されたんだから・・・早く済ませて帰りたいんだよね」

「そういう事?・・・じゃあ、帰ろうかな!その前にこれでいいかどうか支配人に聞いてこなくちゃ!頼まれたからには
これもお仕事ですもの。満足していただかないと帰られないわ!やっぱりこのクラスのホテルの正面ですもの!
あの花だけはどうしても見逃せなかったのよねーっ!」


いや、違うでしょ?
そういうときはさっさと家に帰らないと・・・あんた、ほぼ誘拐されたんだよ?
ほら・・・靴だって履いてないからホテルのスリッパじゃん・・・ホントにどこかのねじが外れてるよ?

本当に世間知らず・・・まぁ、後で司には説明したらいいか!って思ってたら向こうから司が凄い勢いで
こっちに向かって走ってきた!ほらね・・・時間がかかりすぎて発見されちゃった・・・。


「てめぇ!勝手に部屋から抜け出しやがって!早く部屋に戻って支度をしろっ!」

いきなりそういってつくしちゃんを掴もうとするから殴られないようにギリギリラインで間に入った。

「ちょっと待ってよ!司・・・なんでつくしちゃんを誘拐してんの?西門に訴えられるよ?それに総二郎にも
バレてるんだから今度会ったら本気で殴られるって!一体どうしたのさ?」

「あぁ?なんでここに類が来てんだ?」

「だから!総二郎からの捜索願だよ!どうせあきらがここを見つけたんじゃないの?俺は暇してるから
つくしちゃんを西門へ連れて帰るように福岡から命令されただけだよ!・・・連れて帰ってもいい?」


・・・って俺たちがこれだけあんたの事で揉めてんのにまだアレンジが気になるの?
俺たちを無視して修正に励むの止めてくれないかな・・・!今はそれどころじゃないってのに・・・。

俺はつくしちゃんの側に行ってその腕をかるく掴んだ。そしたらまるで子犬みたいな眼で見上げてきたんだ。
こんな顔で見られたら総二郎が手を出せないのもわかる気がする・・・。

「類っ!俺はまだこいつに用があるんだよっ!その手を離して俺に引き渡せ!」

つくしちゃんは何かの犯人か?引き渡せってのはないでしょ?総二郎が聞いたら一発どころじゃ済まないよ?
俺がつくしちゃんの左腕を離さなかったから、今度は司がその右腕を掴んだ!
両腕を俺たちに掴まれたつくしちゃんはいわゆる引っ張りだこ状態・・・左右を見ながら動揺してる。

「ちょ・・・ちょっと!何すんのよ、2人とも!」

「だから!西門へ連れて帰るんだってば!離せよ、司っ!」
「馬鹿言うなっ!先に確保したのは俺様だ!お前こそ離せ!最上階に行くんだよっ!」

2人同時に叫ばれてつくしちゃんは何が何だかまるでわかっていない。
その時、どこかでフラッシュが光った!・・・その瞬間俺と司は同時にそっちを振り向いた!

つくしちゃんは相変わらず何が起きたかわかっていない・・・。


「ねぇ・・・司。今のヤバくない?」
「いや、大丈夫だろう・・・俺たちはともかくこいつのことは知られてねぇし・・・」

「違うよ・・・総二郎にだよ」
「あぁ?・・・それは・・・そん時は俺たちは日本にいねぇよ。俺は明後日にはアメリカだ」

「そうだね。俺も早くフランスに帰るよ」


俺たちの間でいまだに引っ張りだこ状態のつくしちゃんが一言だけ。

「総二郎さんの何がヤバいの?今のは何かあったの?なんで光ったの?」

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花より男子

4 Comments

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2017/07/02 (Sun) 14:00 | EDIT | REPLY |   

plumeria  

Re: こんにちは

えみりん様、こんにちは🎵

そう!結局何にも役に立たない類を書きたかったんです。
たまには、おとぼけな類もいいかなぁ~❗って。

あきらだとお説教しながら小脇に抱えて連れてかえりそうでしょ?有無を言わさず。

週刊誌の見出しはどうしようかなぁ🎵
思いっきり総二郎が嫌がる見出しにしたいなぁ!
と、今日は考えております。

やっと雨が降った‼

どしゃ降りだけど。

2017/07/02 (Sun) 15:49 | EDIT | REPLY |   

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2017/07/03 (Mon) 14:08 | EDIT | REPLY |   

plumeria  

Re: タイトルなし

さとぴょん様!気がつきましたか?

総二郎のお話なんですよ!
ここまで総二郎を無視しておりますけど・・・!

確かに・・・類と司の引っ張りだこ状態はなかなか・・・。
これ書きながら、私だと類と総二郎の引っ張りだこがいいけど
そうなったらどっちに行こうかと真剣に考えましたよ!

でも、この類なら完全に司には負けますけどね!
類の両手でも司の片手に負けそう・・・。ぷぷぷ!

そろそろ違う展開になってきますので・・・笑っていただけると嬉しいな!

今日もありがとうございます!

2017/07/03 (Mon) 20:37 | EDIT | REPLY |   

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