続・茶と華と (15)

「牧野つくしさん・・・あなたとお話がしたいわ」

「はいっ?!私には別にお話しする事なんて・・・」

「いいから!道明寺のおば様、それにお父様、お母様・・・今日はこれで終わりましょう?私はこの人と話がしたいの。
・・・それと司君!あなたとはまた今度、二人で会いましょうよ!逃げないでちょうだいね!」

「だっ・・・誰がそんな約束するかっ!大体この俺に逃げるなとは・・・!」
「今日も逃げてるのと同じじゃない?!・・・私はいつでもいいのよ?また、連絡してねっ!」


・・・すごい!この人!!
道明寺さんに向かってそんな事が言えるなんて!
でもよく見たら道明寺さんだって顔が赤いわよ?・・・もしかしたらこの人、滋さんのことを・・・?

滋さんは次の瞬間、私の腕を掴んでこの部屋を出た。
もの凄い力で引っ張られて・・・なんでさっきっから色んな人に引っ張られてるわけ?!

「ちょっ・・・ちょっと何処に行くんですかっ?私はこれが済んだら家に帰ることに・・・」
「家なんてどこにも逃げないでしょう!でも、あなたは逃げそうだからこうやって捕まえてるのよ!」

ごもっとも・・・間違いなく逃げようとしてるんだけど・・・。
意外と力の強いお嬢様なのね・・・もしかしたら類さんより力があるんじゃないの?
そして連れてこられたのはやっぱり最上階の部屋・・・着いたときにはすでに息が切れてた!

「どうしたの?そんなに呼吸が乱れるなんて・・・持病でもあるの?」
「違います!・・・あなた達のせいじゃないの!私は好きでここに来たわけじゃないんだから!
あんなに力入れて引っ張らなくてもいいじゃない・・・脱臼するかと思ったわ!」

あら、そう?って笑いながら滋さんはソファーに座って、私にはその向かいの席に座るように指示してきた。
言われるがままにそこに座って、改めて滋さんと向かい合う・・・しかし、本当に綺麗な人ね。
足が長くて色も白くて・・・ちょっと普通のお嬢様とは違ってサバサバした感じ?
意思が強い眼をしているけど、でも冷たい感じじゃない・・・って人間観察してる場合じゃないかも!


「ねぇ・・・さっきの話しだけど、あなたは要するに司の恋人じゃないんでしょう?」

「え?・・・まぁ、そうですね。横に立ってるだけでいいからって頼まれたの」

「なんで?なんで頼まれたの?ちょっと!あの人わたしと結婚したくないってそう言ったの?」

急に身を乗り出して飛びかかるような勢いで向かってきたから思わずソファーの後ろ側に落ちそうになった!
その動きはどうにかならないのかしら・・・何て身が軽いの?

「理由なんて詳しくは聞いてないですよ・・・っていうかそんな暇がなかったっていうのが正しいかもしれないわ。
強制的にここに連れてこられて、ただ横に立って笑ってろしか言われてないの。
今日の話をぶち壊したいとは言ったけど、まだ結婚したくないだけじゃないかしら。滋さんのことが嫌いとかじゃなくて・・・」

「ホントにっ?ホントにそう思う?どうしてっ?!なんでそう思ったの?」

だからっ!その襲いかかるような近づき方はやめて欲しいんだけどーっ!!
ソファーから壁の方まで追い詰められて逃げ場がなくなったじゃないのっ!

「だ・・・だって、あの部屋に入ったときにあなたの顔を見た眼が真面目だったから・・・少なくても嫌いならあんな眼では
見ないと思うのよ?照れてるんじゃないの?赤い顔してたし・・・明らかに私を見る眼とは違うわよ?」

「うわっ!ホントっ?!さっすが華道の人ね!見るところが違うわ!」

そこに華道は全然関係ないんじゃないの?
それに・・・ほら!こう見えて経験者だから・・・見合いで怒鳴り合ってもその後はどうなるかなんてわかんないわよ?



「つくしちゃん・・・彼がいるって事よね?」

は?いきなりのつくしちゃん呼ばわり?いつの間にお友達になったんだっけ?

「・・・彼って言うより旦那様がいるんだけど。実は・・・」

「うそっ!!結婚してんの?・・・マジで?!」

そこまで驚かなくても・・・っていうか、一つ一つがホントにオーバーリアクションな訳ね?
そりゃ、あの道明寺さんなら引くかもね・・・この人なら私以上に喧嘩売りそうだし。

「うん・・・でも結婚してまだ3日目なんだけどね・・・」

「きゃーっ!!新婚さんなの?!・・・ちょっと!こんな所で遊んでる場合じゃないんじゃないの?早く帰りなさいよ!
・・・でも、聞きたいわ!相手はどんな人なの?何してる人?・・・有名人?」

「ど・・・道明寺さんの親友で西門総二郎さん・・・茶道の西門流の跡継ぎなのよ」

壁からずり落ちて今度は床に座ってるんだけど・・・それでも滋さんは目の前30㎝のところから私の両手を
握りしめて離さない・・・この距離は総二郎さんの次に近いんだけど!!
これ以上近寄ったら女の人でも叫んで良いのかしら・・・身の危険を感じるのは何故っ?!


「・・・その名前、聞いたことがあるわ。とんでもない美形だけどものすごい女ったらし・・・でしょ?
同時に二桁の女と付き合ったことがあるって言う伝説の男・・・だよね?・・・大丈夫なの?」

すごい!・・・こんなところで総二郎さんの伝説・・・過去を知ってる人に直接心配されるなんて思わなかったわ・・・。
微妙に複雑・・・大丈夫ってすぐに答えられないってのはどうなの?


「うん・・・いまはもう落ちついてるから。・・・多分大丈夫だと思うわ」

「・・・・・・上手なの?やっぱりアレは」

「・・・・・・はい?アレ・・・とは?」

「・・・アレよ!・・・噂どおりだった?」

なんで今までになくそんな囁くような声で聞くのよっ!
意味は何となくわかるんだけど・・・いま、私が一番答えられない内容なんじゃないの?
絶対に言えない・・・!言ったらとんでもない事になる気がする!でも・・・どうやってこの人を誤魔化したらいいの?
すべてにおいてこの分野は未経験・・・いわゆる初心者マークなのにっ!


「・・・どんなテクニックがあるの?すごいわけ?・・・長いの?」

「長いっ?!・・・何がっ?」

「・・・時間よ!なに、慌ててんのよ!・・・で?どんなスタイルが好きなの?」

「・・・スタイル・・・とは?」

「上とか下とか・・・後ろとか・・・まさか立ったままとか?どうなの?・・・良かった?」

「・・・立ったまま?・・・どこで?」

「場所にも拘りがあるの?一応室内でしょうねっ!まさか野外プレイっ?!」

「・・・野外?どうやって?」

「・・・いいわ。言いにくいわよね。夫婦間の好みまで立ち入らないわ!・・・でも、いいなぁ!そんな事してもらえて!」


違うのよ!まだシテもらってないの・・・実は!それにしても立ったままと野外が気になるんだけど・・・?
それは初心者向けなの?それとも上級者コースなわけっ?!
この人の言ってることはさっぱりわかんなかったけど、頭の中ではあの日の総二郎さんを思い出していた。

要するにすごく・・・もったいないことした訳ね?


なんだかとっても総二郎さんに会いたくなった。別に上級者コースを試したいわけじゃないけど。
早く・・・帰ってこないかなぁ・・・って壁に追い詰められたまま遠くを見ていた。


滋さんしか見えないんだけど。

sadou19.jpg
あら?今日も総二郎はどこ?

花より男子

2 Comments

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2017/07/05 (Wed) 13:01 | EDIT | REPLY |   

plumeria  

Re: こんにちは

えみりん様、こんにちは🎵

総二郎が初心者コースで終わってくれればいいですが、問題は私が書けないって(笑)ことかな?
上級者、しかも立たれても‼困りましたね…
なんで調子にのってこんな会話にしたんだか!

実は流れ的に自分の首を締めた気がします。
総二郎、私を助けてーっ‼

さて、そろそろ総二郎を起こさないと🎵( *´艸`)
福岡で寝てるかもしれないから。

今日もありがとうございます❤
蒸し暑いから気をつけてくださいませ!

2017/07/05 (Wed) 14:53 | EDIT | REPLY |   

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