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英徳に入ってもうすぐ2ヶ月になろうとしていた。
いつものように類を待たせたまま、朝食に時間をかけていた私に加代さんが話しかけた。

「つくし様、学校はもう慣れました?類様は大学生ですからいつもご一緒ではないでしょう?
男子生徒とか・・・なにかお困りのことはありませんか?何でもおっしゃって下さいませね」

「うん!学校には慣れたわ。あそこは勉強するところじゃなくてお洒落とお化粧とパーティーの話しをする
場所なんだって事が最近わかったよ。男子生徒もね、どんな彼女を持つかって事が大事みたいよ?
その人の中身はどうでもいいの!とにかくどこのご令嬢かって事が一番大事なの!・・・わかる?」

「えぇ・・・わかるような気はしますよ。ふふっ・・・つくし様は相変わらずですわね。その様子じゃあ特定の
男子生徒からのお申し込みはなさそうですね」

加代さんはクスクス笑いながらそう言った。

そりゃそうでしょ?
加代さんだって類を見たらわかるわよ。毎朝、類が警備員顔負けの警護をしてくれてるんだから!
最近は慣れたけどあの顔で睨まれたら、誰も私には声かけないと思うわよ?怖すぎるもん・・・。

あれで私に近づくことが出来るのはあの3人だけでしょ?


「類様は心配なのですよ。お小さいときからつくし様をお守りされていたから・・・その癖が抜けないんでしょうね」

「そうね。でも、それはそれでいいのよ!だって類が私に夢中だから、逆に他の女子が類に近づかないのよ?
それってラッキーだと思わない?」

「つくし様・・・類様はお兄様ですよ?お兄様の恋まで邪魔してはいけませんよ?」


え?・・・類の恋の邪魔?
加代さんの言葉は私の動きを止めてしまった。私が類の邪魔をしていたの?

「つくし様・・・お二人が仲がよろしいのはいいことですわ。でも類様はあくまでもお兄様です。それ以上には
なりませんよ?わかっておいでですね?」


わかってるわよ・・・そんなこと!
この日は加代さんに行ってきますを言えなかった。
車で待っている類にも何も言えなかったから不思議な顔をして私を見ている。

「どうしたの?そんなに怖い顔して・・・加代と喧嘩でもした?」
「何でもないよ!・・・加代さんがちょっと煩かったのよ!」

それだけ言うと類の反対側の窓に顔を向けてしまう。類の顔を見たら泣いてしまいそうだから・・・。
類の恋の邪魔なんて・・・考えたこともなかった。

類が誰かに恋するなんて考えたくもなかったのよ。


********


お昼になって大学のラウンジに行った。
最近はもう類が高等部に迎えに来ないから、一人でここに来るようになっていた。
ここには大抵西門さんか美作さんがいた。噂によると道明寺は今はアメリカに行ってるとか・・・。
だから余計にここに来るのは気分的に楽だった。


「へぇ・・・つくしちゃん、料理得意なんだ!お嬢様なのにね!花沢でもそんな事教えるんだね。
じゃあさ、今度うちにおいでよ。うちのお袋はケーキ作りが趣味だからほぼ毎日焼いてるよ。
妹たちも退屈してるし、俺は相手するの面倒だし・・・つくしちゃんが相手してくれたら喜ぶよ」

「妹さんってたしか双子ちゃんですよね?・・・可愛いですか?」

さりげなく聞いてみた。この人は自分の妹をどう思ってるんだろう。でも年が離れてるとは聞いたけど。

「そりゃ、可愛いよ!でも、どっちかって言うとうちの場合は妹が俺に夢中なの。将来は俺と結婚するらしいから!
今でも毎日プロポーズされてるよ!」

「そうなの?私だけじゃなかったのね!あっ・・・!」

慌てて口を塞いでしまった。
二人とも笑ってるけど・・・顔が引きつってるわよ?自分で言うのも変だけど。

「・・・もし、もしですね。妹さんに彼氏が出来たらどうします?ヤキモチやきます?」

「焼かないよ!そんなの。彼氏のチェックはするけどね。一応俺よりいい男だとすぐOK出すけどそんな男は
滅多にいないだろ?まぁ、いつまでも彼氏の出来ない妹も困るけど・・・あれ?これってつくしちゃんのこと?」

いや、そうなんだけど。
男の人の・・・って言うか兄としての気持ちなんてわからないから美作さんに聞いてみたかったんだよね。
類が私のことを妹としてどう見ているのか知りたかった。

西門さんには男の兄弟しかいないらしいからそれまでは口を出さなかったけど急に類のことを話し始めた。

「類は・・・俺からしてみれば異常だな。俺たちはガキんときから一緒にいるけど絶対に妹には会わせないって
そこだけは譲らなかったもんな。あの司が頼んでもこれだけは拒否してたからどんだけ妹が大事なのかと
思ってたよ。で、会わせたらこれだろ?毎日のガードの厳しさはマジで異常だと思うが?」

「そうなの?私も小さい頃から会いたいって言っても絶対ダメだったの。でも・・・類じゃなくて両親が・・・かな。
私は外の世界には出してもらえなかったの。・・・おかしいでしょ?」

ここで二人は眼を合わせた。


「で?つくしちゃん、そんな事を聞くって事は類の他に気になる男でも出来たわけ?まさか・・・俺たち?
それは類が許さないと思うけどな~!俺はあの類に殴られるのだけは勘弁して欲しいよ!」

「そうだな・・・意外と類は喧嘩させると強いから・・・悪いけど俺もパス!ごめんね、つくしちゃん!」

「誰もそんな事言ってないし、あなた達じゃないもん!」
「うそっ!!ホントにそんなオトコ出来たの?!」

「だから!そんなんじゃないってば!」


この二人とそんな馬鹿な話しをしていたときだった。
いきなり西門さんと美作さんが会話を止めて、私の後ろを見てびっくりしていた。
そう言えば・・・何となく後ろに誰かが立っているような気がする。

私も後ろを振り向いた。


そこに立つていたのは道明寺・・・すごく上から私のことを見下ろしていた。
久しぶりに見た・・・その彫刻から抜けて出てきたような美しい顔。そして強烈なオーラ・・・。

「何だよ、司!・・・いつ帰ってきてたんだ?連絡ぐらいしろよ!」

「今日の朝だったからな・・・まだ、身体が痛えよ。それに眠たいし・・・」

「それじゃ、大学に来なきゃいいのに・・・そんな真面目な性格でもないくせに!」

2人がが交互に声をかけていたけど、私は今まで忘れていたこの男の存在に今更ながら驚いていた。
そう言えばこんな綺麗な人だった・・・。
道明寺を見上げるこの眼をそらせることが出来ない・・・完全に時が止まっていた。


「よぉ・・・つくしだっけ?この二人とは仲良く話してんだな。・・・類はどうしたんだ?今日はお前に
くっついてないのか?珍しいな」

「え?・・・あぁ。そう言えば類はどうしたんだろ・・・お昼も見てなかったけど」

私は慌ててやっと道明寺から眼を反らせた・・・またドキドキしている。
この人がアメリカに行ってる間忘れていたのに・・・!
思い出したように西門さんが身を乗り出して話し始めた。

「そういえば・・・静が帰ってきてるんだろ?もしかしたら類は静といるんじゃねぇの?仲良かったし。
さっき藤堂の車が大学に来てたの見たもんな」


「藤堂・・・?藤堂って、静お姉様のこと?大学で類と仲が良かったの?」

そんな事聞いたことがない・・・。
今まで一度も類の口から静お姉様のことを聞いたことはないわよ?


道明寺に会ったドキドキがこの瞬間止まった。


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Comments 4

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2017/06/27 (Tue) 06:31 | EDIT | REPLY |   
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2017/06/27 (Tue) 08:02 | EDIT | REPLY |   
plumeria  
Re: おはようございます

えみりん様~!おはようございます!

私もね、スマホで見たんですよ!そのタイトル・・・。
ドン引きしましたよ!知らなかったわ・・・そんなものが出ているなんて。
絵だけ見たらあれはコメディなのかしら?よくわかんないけど。

静さん・・・私の苦手キャラですが、ここでオリキャラ出すのもなぁ~って思って。
うん!私がこの方を優遇することはございません!多分・・・ここで書くな?(*^▽^*)


義理兄・・・なんかそれは世間でありそうじゃないですか?
怖いよ~!小栗くんが義理兄だったら事件が起きそう~!!

朝から変な想像をしてしまいました・・・今日は仕事が忙しいんだった。
行って参ります・・・ありがとうございましたっ!

2017/06/27 (Tue) 08:21 | EDIT | REPLY |   
plumeria  
Re: タイトルなし

わんこ様、おはようございます!

娶る・・・なんかこの言葉は好きですねぇ!
色っぽい言葉・・・総二郎にはお似合いな気がします。

すみませんねぇ・・・いつもどちらかが切なくて・・・。
私は意外と(アホな話しも好きなんですが)こんな切なくて悲しいお話しが好きみたいです。
自分にストレス溜めるってわかってるんですけどね・・・

最後は・・・♥ってなるのが好き!なので日々このじれったい内容と戦っております!
まぁ、少しずつ進歩すると思うので類君が悶えておりますがそれを楽しんで下さいませ!(*^▽^*)

今日もありがとうございました!

2017/06/27 (Tue) 08:30 | EDIT | REPLY |   

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