今カレはInvestigator・70
お爺様と総二郎を残して私はお婆様と別のお部屋に向かった。
そこは椿が咲いてる庭が見えて、珍しく炬燵があった。床の間もない極普通の部屋・・・でも隅にはちゃんと一輪挿しに水仙の花が生けてあった。
宗家には無い炬燵・・・勿論上品な天板に豪華な炬燵布団だから実家のそれとは大違いだけど、それでもホッとした。
「さぁさぁ、お入りなさい。妊婦さんは身体を冷やしてはいけませんよ?コートを脱いだらそんな薄着だなんて、風邪を引いたらどうします?お待ちなさい、羽織るものを持ってきましょうね。ちょっと年寄臭いものだけど」
「くすっ、ありがとうございます、お婆様」
「あなただけなら雪合戦でもしたい気分だったけど、そうはいかないでしょう?」
「あはは!したかったですねぇ~!」
お婆様はそんな戯けたことを言いながら部屋を出ていき、羽織り物を探しに行った。
・・・きっと総二郎は竜司・・・宮本さんの事を報告してるんだろう。
これから支部に行って話合い・・・もう警察も入ってるから心配ないって言ってたけど、それでもやっぱり気になる。
総二郎・・・まさか誰かを殴るとかしないよね?
相手の歳を考えて冷静になれるよね?
あぁ、そっちが心配だわ~~って炬燵の天板に頭をくっつけて考え込んでいたら、襖が開いてお婆様が戻って来た。
手にはみかんの入った籠と、その腕に半纏持って。
「うわっ、可愛い半纏!」
「着物なら着られませんけど洋服ならこれがいいでしょ?はい、どうぞ」
「懐かしい~~!子供の時は冬になったら半纏でしたもん!」
「ほほほ、そうなの?京都の冬は寒いですからねぇ、私はここに来て初めて着ましたよ」
梅の花柄の赤い半纏。
ホントに子供に戻ったみたいにそれを羽織ってはしゃいで、その後でみかんを手に取って・・・その時、遠くで「いってらっしゃいませ」って声が聞こえた。
総二郎が出掛けたんだ。
私に心配掛けないように黙って1人で出掛けたんだ・・・。
そう思ったら手が止まって、無意識に襖を見てしまった。
「心配しなくても大丈夫よ。あの子は血の気は多いけど頭の良い子だから、ちゃっちゃと上手く片付けてきますよ。それに待つ人が出来ましたからね」
「・・・そうですね!ありがとう、お婆様」
「あら、このみかん、甘いわね♡」
お婆様の少し照れた笑顔・・・それに安心して私もみかんを頬張った。
「・・・うわ!お婆様、これ酸っぱいですよ!」
「おや、そうかい?みかんも人を選ぶのかしらねぇ?」
****************************
宮本の話は終ったが、俺には密輸以外にも許せない問題が1つある。
「話は変わるが、齋藤さん」
「は、はい!」
「あんたは娘にわざわざ宗家の茶碗の写真まで依頼したみたいだが、思いがけず現物が来た・・・それが今どうなってるか、知ってるか?」
「・・・・・・・・・いや、そ、それは・・・」
「無事に安西のところから引き上げて、今は西門の茶道会館に保管されている。
詩織が元気ないって言ってたよな?その茶碗を無断で持ち出した事で家元の怒りを買い、婚約解消されたんだよ。確かに考三郎にも非があったからあいつは禅寺修行に出される。親の巫山戯たひと言で娘が破談になったんだ、それもよく覚えとけ!」
「破談?!じゃあ詩織は・・・帰されたんか!」
「もう西門の門を潜る事は無い。じゃあ、今度はこっちも話してもらおうか」
つーーっと差し出した琥珀色の瓶・・・親父の身体を蝕んだ毒入りの蜂蜜だ。
それについては丸山と櫻井はあまり詳しく知らないのか、さっきと同じように顔を見合わせた。
でも堀部は青褪めている・・・それを見てこいつの入知恵だと直感した。元々は果樹を使った食品製造に関わっていたんだから、禁断の花を知っててもおかしくはない。
もう1枚、美作の成分分析表を並べると、それに目をやったのは齋藤、堀部以外の3人だった。
「見ての通り、こいつの中には有毒成分グラヤノトキシンが含まれてるって証明書だ」
「有毒成分?総二郎様、これは何処にあったんですか?」
「この瓶は齋藤家から西門宗家、家元に贈られた物だ」
「はぁ?!毒入りの蜂蜜を、い・・・家元に?!」
新たなネタに再び怯えたのは遠藤で、ブルブル震えながら紙面を見詰めるがおそらく内容なんて頭に入らないだろう。見えているのは『有毒』という言葉だけかもしれない。
そこに映し出されている瓶と目の前の瓶を見比べ、再び腰を抜かして椅子に倒れ込んだ。
「そうだ。わざわざ使用方法まで念入りに教えてくれたおかげで、家元夫人がドリンクにして飲ませた・・・その結果、家元は体調不良で12月はろくに仕事が出来なかったって訳だ」
「・・・・・・飲みはったんですか?」
「よく言うな。指示したのはあんたの奥さんだろうが!」
「・・・・・・詩織からも家元の状態なんて聞かんかったから、飲んでないと思うてました」
「あんたの娘は俺の婚約者を攻撃するので忙しかったんだろうよ。とてもうちの両親の健康なんか考えてる風には見えなかったからな」
「総二郎様の婚約者?・・・じゃあさっき言ってた・・・」
「あぁ、宮本が騙して保証人にした女だ。あんた達が悪用しようとした黒楽茶碗を盗んだ犯人に仕立て上げられそうになったが失敗した・・・そう言うことだ」
「・・・・・・・・・くっ・・・!」
シャクナゲで蜂蜜を作ってはいけない・・・それは堀部が持っていた知識だった。
品種改良なんかに興味があったこの男は、随分前から自家製の蜂蜜をアカシアやレモンで製造して果樹園の商品として販売をしていた。
その時に来園して蜂蜜にハマったのが齋藤夫人で、自分でも作りたいと農園の一画を借りて自宅用の蜂蜜を作るようになったらしい。その時に気に入ったのがアカシアだったようだ。
その頃に宮本と知り合い、裏の取引をするようになると何かの役に立つかもしれないとこのシャクナゲの蜂蜜作りを思い付いた。命までは取らないが健康を脅かすことで,「誰か」を一線から遠ざけるため・・・まずそのターゲットになったのは前崎さんだった訳だ。
「うちは果樹園やからシャクナゲを沢山植えると怪しまれる。その時に安西の山を思い出してそこにシャクナゲの木を植えたんや。安西は現金は持って無かったけど、どうにもならん場所に山だけ持ってる変人や。貸してくれ言うたら金を払うことで簡単に貸してくれた。ケシのビニールハウスの時と同じ・・・花の時期だけ世話してもらって、後は全部私が蜜の回収やら製造をしたんや。
そして齋藤さんとこの娘さんが西門に嫁ぐって聞いた時に・・・話を持ち掛けたんや」
「じゃあ前崎さんの時は堀部の単独犯ってことか?」
「そうです・・・あの人はジャムが好きや言うたから試してみたんです。そうしたら暫くして寝込んでしもうた・・・でも命が危ないってことにはならんかったから、噂は本当なんだと思った訳です」
思うように仕事が出来なくなった前崎さんに代わって堀部が会計になり、その後は櫻井と支部の保管物を思いのままに使った。その経験上、命に関わらないからと西門流家元に蜂蜜を摂取させ、徐々に体調を崩していけばやがて考三郎が家元に就任し、詩織は家元夫人になる。
俺達が推測した通りの言葉を出すから、ガックリして全身の力が抜けそうになった。
阿片の取引なんて危ない事をしなくても、正規の骨董取引で儲けることも可能になるかもしれない・・・齋藤は泣きながら「私らもやめたかったんです!」と言ったが全然信用出来ない。
何度も言うが、そんなに簡単にお宝に手は出せねぇんだよ💢!!
・・・とは言え防犯システムの説明は出来ないから黙っておいた。
「幸い家元は1ヶ月内に何度か口にした程度だから今では仕事復帰もしている・・・が、有毒植物の摂取はその人の体質で症状にはかなりの差が出てくる。命は奪わないというのも統計的なもので個人には当て嵌まらない。
家元に何かしらのアレルギーがあったら数回摂取で死に至ったかもしれないんだ。そうなったらあんた達のした事は殺人未遂・・・それも頭に入れとくんだな!」
「さ、殺人未遂?!」
「そんなっ、そんなつもりじゃ・・・」
「なかったって?そりゃ警察で言うんだな」
ここでマイクのスイッチを切ると、すぐにドタドタと足音が聞こえて来た。
控えていた警察の人間がガラッと扉を開けると、遠藤以外は腕を抱えられて部屋から連れ出された。俺は蜂蜜の瓶と分析表を其奴らに渡し、始めに出していた種はこっそり回収。
会議室に残ったのは俺と遠藤支部長だ。
「遠藤さん」
「・・・は、はい!」
呆けた顔で全員が出ていったドアを見てる遠藤に声を掛けると、ビクッとしたように俺に向き直った。
「宗家としてはあなたにも責任があると考えている。それに副支部長の櫻井も会計の堀部もいなくなったから幹部は一新されると思ってくれ。取り敢えず遠藤さんは副支部長で残ってもらい、新しいメンバーが慣れるまでは取り纏めを頼みたい。
人選は京都支部に任せるから決まったら家元に報告するように」
「・・・判りました。私が暢気に構えていたせいでご迷惑お掛けしました・・・申し訳ありません」
「大らかであると言う事は悪い事じゃない。でももう少し細部に目をやるべきだった。
今回の事は西門流とは関係ないところで起きた事件であり、むしろ西門流は被害者側だという報道がされるはずだ。その対応も京都に任せるからな」
「・・・はい、承知致しました」
今頃齋藤家にも警察が向かっているだろう。
両親のした事をここで初めて知る詩織はどうするんだろうな・・・と、少しだけあの強気な顔を思い出した。
「よし!つくしの所に帰るか・・・!」
これで全部終った!。
後はつくしと思いっきり・・・・・・・・・・・・出来ねぇんだった。

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宗家には無い炬燵・・・勿論上品な天板に豪華な炬燵布団だから実家のそれとは大違いだけど、それでもホッとした。
「さぁさぁ、お入りなさい。妊婦さんは身体を冷やしてはいけませんよ?コートを脱いだらそんな薄着だなんて、風邪を引いたらどうします?お待ちなさい、羽織るものを持ってきましょうね。ちょっと年寄臭いものだけど」
「くすっ、ありがとうございます、お婆様」
「あなただけなら雪合戦でもしたい気分だったけど、そうはいかないでしょう?」
「あはは!したかったですねぇ~!」
お婆様はそんな戯けたことを言いながら部屋を出ていき、羽織り物を探しに行った。
・・・きっと総二郎は竜司・・・宮本さんの事を報告してるんだろう。
これから支部に行って話合い・・・もう警察も入ってるから心配ないって言ってたけど、それでもやっぱり気になる。
総二郎・・・まさか誰かを殴るとかしないよね?
相手の歳を考えて冷静になれるよね?
あぁ、そっちが心配だわ~~って炬燵の天板に頭をくっつけて考え込んでいたら、襖が開いてお婆様が戻って来た。
手にはみかんの入った籠と、その腕に半纏持って。
「うわっ、可愛い半纏!」
「着物なら着られませんけど洋服ならこれがいいでしょ?はい、どうぞ」
「懐かしい~~!子供の時は冬になったら半纏でしたもん!」
「ほほほ、そうなの?京都の冬は寒いですからねぇ、私はここに来て初めて着ましたよ」
梅の花柄の赤い半纏。
ホントに子供に戻ったみたいにそれを羽織ってはしゃいで、その後でみかんを手に取って・・・その時、遠くで「いってらっしゃいませ」って声が聞こえた。
総二郎が出掛けたんだ。
私に心配掛けないように黙って1人で出掛けたんだ・・・。
そう思ったら手が止まって、無意識に襖を見てしまった。
「心配しなくても大丈夫よ。あの子は血の気は多いけど頭の良い子だから、ちゃっちゃと上手く片付けてきますよ。それに待つ人が出来ましたからね」
「・・・そうですね!ありがとう、お婆様」
「あら、このみかん、甘いわね♡」
お婆様の少し照れた笑顔・・・それに安心して私もみかんを頬張った。
「・・・うわ!お婆様、これ酸っぱいですよ!」
「おや、そうかい?みかんも人を選ぶのかしらねぇ?」
****************************
宮本の話は終ったが、俺には密輸以外にも許せない問題が1つある。
「話は変わるが、齋藤さん」
「は、はい!」
「あんたは娘にわざわざ宗家の茶碗の写真まで依頼したみたいだが、思いがけず現物が来た・・・それが今どうなってるか、知ってるか?」
「・・・・・・・・・いや、そ、それは・・・」
「無事に安西のところから引き上げて、今は西門の茶道会館に保管されている。
詩織が元気ないって言ってたよな?その茶碗を無断で持ち出した事で家元の怒りを買い、婚約解消されたんだよ。確かに考三郎にも非があったからあいつは禅寺修行に出される。親の巫山戯たひと言で娘が破談になったんだ、それもよく覚えとけ!」
「破談?!じゃあ詩織は・・・帰されたんか!」
「もう西門の門を潜る事は無い。じゃあ、今度はこっちも話してもらおうか」
つーーっと差し出した琥珀色の瓶・・・親父の身体を蝕んだ毒入りの蜂蜜だ。
それについては丸山と櫻井はあまり詳しく知らないのか、さっきと同じように顔を見合わせた。
でも堀部は青褪めている・・・それを見てこいつの入知恵だと直感した。元々は果樹を使った食品製造に関わっていたんだから、禁断の花を知っててもおかしくはない。
もう1枚、美作の成分分析表を並べると、それに目をやったのは齋藤、堀部以外の3人だった。
「見ての通り、こいつの中には有毒成分グラヤノトキシンが含まれてるって証明書だ」
「有毒成分?総二郎様、これは何処にあったんですか?」
「この瓶は齋藤家から西門宗家、家元に贈られた物だ」
「はぁ?!毒入りの蜂蜜を、い・・・家元に?!」
新たなネタに再び怯えたのは遠藤で、ブルブル震えながら紙面を見詰めるがおそらく内容なんて頭に入らないだろう。見えているのは『有毒』という言葉だけかもしれない。
そこに映し出されている瓶と目の前の瓶を見比べ、再び腰を抜かして椅子に倒れ込んだ。
「そうだ。わざわざ使用方法まで念入りに教えてくれたおかげで、家元夫人がドリンクにして飲ませた・・・その結果、家元は体調不良で12月はろくに仕事が出来なかったって訳だ」
「・・・・・・飲みはったんですか?」
「よく言うな。指示したのはあんたの奥さんだろうが!」
「・・・・・・詩織からも家元の状態なんて聞かんかったから、飲んでないと思うてました」
「あんたの娘は俺の婚約者を攻撃するので忙しかったんだろうよ。とてもうちの両親の健康なんか考えてる風には見えなかったからな」
「総二郎様の婚約者?・・・じゃあさっき言ってた・・・」
「あぁ、宮本が騙して保証人にした女だ。あんた達が悪用しようとした黒楽茶碗を盗んだ犯人に仕立て上げられそうになったが失敗した・・・そう言うことだ」
「・・・・・・・・・くっ・・・!」
シャクナゲで蜂蜜を作ってはいけない・・・それは堀部が持っていた知識だった。
品種改良なんかに興味があったこの男は、随分前から自家製の蜂蜜をアカシアやレモンで製造して果樹園の商品として販売をしていた。
その時に来園して蜂蜜にハマったのが齋藤夫人で、自分でも作りたいと農園の一画を借りて自宅用の蜂蜜を作るようになったらしい。その時に気に入ったのがアカシアだったようだ。
その頃に宮本と知り合い、裏の取引をするようになると何かの役に立つかもしれないとこのシャクナゲの蜂蜜作りを思い付いた。命までは取らないが健康を脅かすことで,「誰か」を一線から遠ざけるため・・・まずそのターゲットになったのは前崎さんだった訳だ。
「うちは果樹園やからシャクナゲを沢山植えると怪しまれる。その時に安西の山を思い出してそこにシャクナゲの木を植えたんや。安西は現金は持って無かったけど、どうにもならん場所に山だけ持ってる変人や。貸してくれ言うたら金を払うことで簡単に貸してくれた。ケシのビニールハウスの時と同じ・・・花の時期だけ世話してもらって、後は全部私が蜜の回収やら製造をしたんや。
そして齋藤さんとこの娘さんが西門に嫁ぐって聞いた時に・・・話を持ち掛けたんや」
「じゃあ前崎さんの時は堀部の単独犯ってことか?」
「そうです・・・あの人はジャムが好きや言うたから試してみたんです。そうしたら暫くして寝込んでしもうた・・・でも命が危ないってことにはならんかったから、噂は本当なんだと思った訳です」
思うように仕事が出来なくなった前崎さんに代わって堀部が会計になり、その後は櫻井と支部の保管物を思いのままに使った。その経験上、命に関わらないからと西門流家元に蜂蜜を摂取させ、徐々に体調を崩していけばやがて考三郎が家元に就任し、詩織は家元夫人になる。
俺達が推測した通りの言葉を出すから、ガックリして全身の力が抜けそうになった。
阿片の取引なんて危ない事をしなくても、正規の骨董取引で儲けることも可能になるかもしれない・・・齋藤は泣きながら「私らもやめたかったんです!」と言ったが全然信用出来ない。
何度も言うが、そんなに簡単にお宝に手は出せねぇんだよ💢!!
・・・とは言え防犯システムの説明は出来ないから黙っておいた。
「幸い家元は1ヶ月内に何度か口にした程度だから今では仕事復帰もしている・・・が、有毒植物の摂取はその人の体質で症状にはかなりの差が出てくる。命は奪わないというのも統計的なもので個人には当て嵌まらない。
家元に何かしらのアレルギーがあったら数回摂取で死に至ったかもしれないんだ。そうなったらあんた達のした事は殺人未遂・・・それも頭に入れとくんだな!」
「さ、殺人未遂?!」
「そんなっ、そんなつもりじゃ・・・」
「なかったって?そりゃ警察で言うんだな」
ここでマイクのスイッチを切ると、すぐにドタドタと足音が聞こえて来た。
控えていた警察の人間がガラッと扉を開けると、遠藤以外は腕を抱えられて部屋から連れ出された。俺は蜂蜜の瓶と分析表を其奴らに渡し、始めに出していた種はこっそり回収。
会議室に残ったのは俺と遠藤支部長だ。
「遠藤さん」
「・・・は、はい!」
呆けた顔で全員が出ていったドアを見てる遠藤に声を掛けると、ビクッとしたように俺に向き直った。
「宗家としてはあなたにも責任があると考えている。それに副支部長の櫻井も会計の堀部もいなくなったから幹部は一新されると思ってくれ。取り敢えず遠藤さんは副支部長で残ってもらい、新しいメンバーが慣れるまでは取り纏めを頼みたい。
人選は京都支部に任せるから決まったら家元に報告するように」
「・・・判りました。私が暢気に構えていたせいでご迷惑お掛けしました・・・申し訳ありません」
「大らかであると言う事は悪い事じゃない。でももう少し細部に目をやるべきだった。
今回の事は西門流とは関係ないところで起きた事件であり、むしろ西門流は被害者側だという報道がされるはずだ。その対応も京都に任せるからな」
「・・・はい、承知致しました」
今頃齋藤家にも警察が向かっているだろう。
両親のした事をここで初めて知る詩織はどうするんだろうな・・・と、少しだけあの強気な顔を思い出した。
「よし!つくしの所に帰るか・・・!」
これで全部終った!。
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