Sister Complex (17)

西門さんが類と静お姉様が一緒にいるんじゃないかって言った瞬間、心臓がドクンとひとつ大きな音をたてた。
どうしたんだろう・・・手が震えてしまう。

「でも、類はそんな事一言も言わなかったわよ?静お姉様が帰ってきてるなんて・・・」

私の動揺がわかったのか道明寺がいきなり私の片腕を掴んだ!

「なにっ?!痛いじゃないの!何するのよ・・・離してっ!」
「自分のその眼で確かめたらいいんじゃねぇか?連れて行ってやるよ・・・来いっ!」

「ちょっと・・・!手を離してよっ!痛いってば・・・!」

道明寺は私の手を掴んだままラウンジから大学の校内へ・・・類がいる場所へ連れて行った。
周りはいきなりの道明寺の出現と、この私が引きずられていくもんだから唖然として見ているだけ・・・。
中にはわざわざ道をあけてくれる人までいた。

どこまで行くんだろう・・・随分引っ張られて歩いたような気がするんだけど・・・!
そうしたら道明寺がいきなり止まった。
そこは類が専攻している国際経済学部の教室の前・・・数人の学生が群がる中に類はいた。
背が高いから遠くからでもわかる・・・道明寺に言われなくても。


「ほら・・・あそこだ」

道明寺が指を差した・・・その向こうには藤堂静・・・あの静お姉様がいて、私の前で類に手を伸ばしていた。
その手は私の目の前で類の顔に触れたんだ・・・!


*******


「類・・・!どうして?」

ふと、つくしのそんな声が聞こえた気がして、後ろを振り向いた。
そこには司に腕を掴まれたつくしの姿があった。俺の眼にはその司の手が強烈に焼き付いた。

「つくし?どうしたの・・・こんな所にまで来て・・・しかも司と?」

俺は肩に手を掛けている静のその手をゆっくりと外した。
もちろんそれは無意識で、この時静のことは頭にもなかった・・・俺の視線はその司の手に向かっていたから。

「類がいねぇからってこいつが泣くからここまで連れてきてやったんだよ。文句でもあるのか?」

「・・・いつアメリカから帰ったのさ。ホントに相変わらずだね・・・つくし、こっちにおいで」


つくしは司の手を振り払って俺の方へ来たけどいつもと表情が違った。
どうしたんだろう・・・すごく怒ってる?本当に今にも泣きそうな顔で近づいてくる。

「どうした?何かあったの?まさか・・・本当に俺がいなかったから?」


つくしは俺の横まで来ると視線を隣に移した・・・そこにいたのは静だ。
もしかしてつくしがジェラシーでも感じてくれたんだろうか・・・思わずつくしを見る眼が笑ってしまう・・・
目の前に司がいることも忘れて俺はつくしの肩に手を置いた。


「あら!つくしちゃんなの?うそっ!大きくなったのね・・・何年ぶりかしら?」

「あ・・・はい!お久しぶりです。静お姉様・・・」

つくしはその引きつった顔のまま静に挨拶をして、軽く頭を下げた。
小さいときから唯一つくしを知っている静・・・彼女も俺から離れて今度はつくしに抱きついてる。
男女関係なく知り合いには抱きついてしまう静は、多分つくしの気持ちもわかってなんかいない。



「司・・・余計なことしないでよ。つくしが誤解するだろ?」

「ふん!誤解されたってどうって事ねぇだろ?兄妹でデキてるわけじゃないんだから・・・お前も妹から離れた
方がいいんじゃねぇか?そんなだから兄貴がいないくらいでオロオロしてんだよ!」

「それが余計なんだよ。司もつくしに興味なんてないだろ?俺の妹だってだけで手を出すのは止めときなよ。
さっきみたいにつくしの腕を掴んだりしたら次は許さないからね・・・」

「ふん・・・そん時はどうする気だよ?お前が俺に手を挙げるのか?・・・出来ねぇだろ?」

「そう思ってればいいよ。つくしには・・・近寄るな!」

司は何一つ表情を変えないまま俺の横でつくしを見ていた。
そして無言で向きを変え、ついさっき来たその廊下を1人で戻っていった。

その後ろ姿を視界の端で確認しながら・・・完全に見えなくなった時、初めてその方向を見た。
つくしが見せたジェラシーに対する嬉しさと、司のつくしを見る眼に対する不安が入り交じる。


つくしはしばらく静に捕まっていた。
その困ったような笑顔に少しだけ笑いながら、俺は二人を眺めていた。


*******


その日の帰りに高等部へつくしを迎えに行ったけど、そこにつくしの姿はなかった。

「花沢さんならもうお帰りになりましたわよ?お兄様を待たないなんて初めてですわね?」

クラスメイトの言葉で急いで車まで行ってみたら、その車内につくしの姿はあった。
運転手が困ったような顔でつくしの相手をしているようだった。


「どうして何も言わずに車まで来てるのさ!びっくりするだろ・・・ひとこと言ってくれれば・・・」
「類だって私には何も言わなかったじゃない!お昼に静お姉様と会うだなんて・・・私は知らなかったわ!
だから同じ事をしただけよ!私に黙ってただけじゃなく・・・廊下であんな事を・・・!」

あんな事?あぁ・・・静が抱きついたこと?

「あれは外国暮らしの長い静がいつもやることだよ?つくしにだってしたじゃん!あれが総二郎にでもあきらにでも
同じ事やるんだって・・・俺だからしたわけじゃないよ」

「え?・・・そうなの?」

「そんな事で怒ってたの?・・・あんなの挨拶みたいなもんでしょ・・・気になった?」

わざとそう聞いてみた。つくしのヤキモチなんて新鮮!
多分今俺はすごく嬉しそうに笑ってると思う・・・それこそ運転手が見たらびっくりされるよ!

「気になるよ・・・類がそんな事するの見たことないし、加代さんが・・・」

「加代?加代が何か言ったの?」

「類の恋の邪魔をしてはいけないって言ったのよ。類から離れなさいって・・・」


恋の邪魔・・・それはもう17年も前に始まってるよ。つくしが妹になってしまったときから・・・。
いつの日かこの邪魔なものを取り払える日が来ることを願ってる。


それがいつ・・・どんな形で現われるのかを待っているんだ。

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花より男子

2 Comments

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2017/06/28 (Wed) 10:11 | EDIT | REPLY |   

plumeria  

Re: タイトルなし

わんこ様、こんにちは🎵

おっしゃるとおりですね。
私はどちらかというと英徳が絡まないのがすきです。
でも、設定を学生にしたらどうしてもそうなっちゃうんですよね~❗

とうとう苦手な静さんまで書いてしまった!
わたしが苦手な静さんと司君が出てるなんて…

類君とつくしちゃんも大変だけど、私も大変!
頑張らなくちゃ‼

今日もありがとうございました❗

2017/06/28 (Wed) 16:25 | EDIT | REPLY |   

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