Sister Complex (24)

庭に出てから静と向かい合ってベンチに座っていた。

「静にはどう見えた?・・・やっぱりおかしいよね。わかってるんだけど・・・みんなにもバレてるよね」

「そうね・・・この私の耳にも入ってきたんですもの。類がつくしちゃんのことを溺愛してるって・・・。
でも、みんなは兄妹愛だと思ってるでしょう?・・・類はつくしちゃんのことを女性として愛してるの?」

女性として・・・自分以外の人からそう言われると不思議な気がする。
そうだと答えたら、もう静には真実を話さないといけなくなるから・・・ほんの少し時間をおいた。


「そうだね・・・でも多分、つくしも同じ気持ちだと思う」

「そうなの?・・・それは初めて聞いたわ。類がこの前の誕生日のお祝いの席で、恋人のようにつくしちゃんを
離さなかったって聞いて・・・そうしたら学校でも全部あなたがガードしてるって言うからびっくりしたのよ。
でも・・・そうなの。お互いが・・・愛し合ってるの?」

俺を覗きこむように心配して話しかけてくれている・・・そんな静にやはり打ち明けてようと決めた。
俺と両親と僅かな使用人しか知らない事実・・・。


「静に聞いて欲しいことがあるんだ。でも誰にも言わないって約束してくれる?おじさん達にも絶対に・・・」

「いいわよ。私は弁護士の卵ですもの・・・依頼人からの守秘義務は守るわ」

少し笑いながら俺の緊張を解してくれようとしたのかもしれない。
そして静は隣に座り直して真面目な顔をした・・・その眼は今までの穏やかなものとは違う。
俺の顔を見る静に対して、俺は正面を向いて静から視線を外した。


「つくしは・・・本当の妹じゃないんだ。血が繋がってない・・・養子なんだよ」


「・・・え?」

静の顔色が変わった・・・その反応をどう受け止めたらいいんだろう。
でも、もう話すしかなかったから・・・やっぱり静の方を見ずに俺は言葉を続けた。


「つくしはね・・・俺が2歳の時に花沢の家の前に置かれていた子・・・両親がわからないんだ。
母さんが女の子が欲しくてももう産むことが出来なかったから・・・うちの子になったってわけ。
すぐに弁護士を呼んで特別養子縁組をしたんだ。だから戸籍上は花沢の実子になってる。
今までどこにも公表しなかったのは両親に何かそのことで迷いがあったんだろうね・・・」

「本当のご両親の・・・なにか手がかりになるものはなかったのかしら・・・探すことは出来なかったの?」

「俺も小さかったからね・・・何も知らないけど、つくしには痣があるんだ。胸の所に・・・わかるとすれば
それくらいかな。でも置いていった人が今更それを言いに来るとは思えないでしょ?・・・17年だよ?
花沢だから置いていったのか、無関係に裕福な家の前に置いたのか・・・うちの関係者なのか。
いろいろ探したみたいだけどね。俺の知る限り、両親の情報はないと思う。」

静はそれ以上は何も言わなかった。
少しの間二人とも何も話さずに窓の中の賑やかな光景を眺めている・・・司といるつくしを探しながら。
外にいる俺の事はもう気がついてるだろう・・・また、静といたって怒るんだろうな。

しばらくして小さな声で俺に話しかけた。


「おかしいと思ったことはあるのよ。両親も話していたけど・・・花沢のおば様はいつご出産されたんだろうって・・・
それに付き合いの深い藤堂家にも何もお話しがなかったなんて・・・言われたときには生まれていたんですもの。
・・・そういう事なのね。だから、類とつくしちゃんって似てないのね」

「まぁね。・・・フランスにいることが多かったから向こうで産んだことにでもしてるんだと思うけど・・・
公表もせずにつくしを誰にもあわせないようにしてたから。静ぐらいだよ、子供の時のつくしを見ているのは」

「そうなの?・・・でも、あなたは辛いわね。どうする気なの?その想いは・・・どこに向かうのかしら。
類は真実を知っていて辛いけど、つくしちゃんは知らずに類のことを思ってるのなら・・・彼女も辛いわね」


どこに向かうのか・・・それがわかればこんな気持ちにはならないのに。


会場内で司といるつくしの姿を見つけた。
一生懸命笑顔を作っているのがわかる・・・少しも嬉しそうじゃないその笑顔は見ている方が辛かった。


「静・・・このまま司がつくしをさらっていく気がするんだ。俺の手の中からつくしを奪っていくのかもしれない」

「道明寺は本気かもしれないわね。相手が花沢なら問題もないでしょう?司の様子から見てもつくしちゃんのことは
好きなようだし・・・でも企業なんてわからないわよ?裏切りなんて日常茶飯事ですもの」



「・・・こんな話しを聞かせてごめん。でもありがとう・・・もしもの時は相談するよ」

ベンチから立ち上がって静の手を取った。
いつものように美しい笑顔を俺に向けて今度は静から打ち明けられた。

「類・・・私の彼はフランスで絵本を書いてる人なの。何も売れてない無名の作家・・・そんな人よ?
とても藤堂家は許してくれないわね。でも・・・いずれ私は藤堂を捨ててでも彼の所に行くつもりなの。
だから・・・ここは契約しましょう?こういう場ではお互いにパートナーよ?類には他の人からの話が来ないように
私にも余計な男性が近づかないように・・・恋人のフリをしましょうか?」

「それは・・・どうかな。裏切らないって約束できる?」

「もちろんよ!悪いけど類は昔から弟ですもの。彼にはならないわね!」

「・・・傷つくけど。いいよ、じゃあ、そうしよう。・・・でもキスもしないからね?」


そんな会話をしながら俺たちは会場へと戻った。
そしてすぐに近寄ってくる総二郎とあきらを交えて・・・なんとかこのつまらないパーティーをやり過ごした。


*******


訳もわからず道明寺に引っ張られてこのパーティー会場にいるけど、なんでこの私がこの人の後ろにいないと
いけないのかさっぱりわからなかった。
どこの誰かわからないおじさんに頭を下げること、もう何回目なの?

「司君も今日は随分と綺麗なお嬢さんを連れているんだねぇ・・・どちらのお嬢さんかな?」

「花沢家のつくしさんです・・・親友の妹ですけど縁がありまして・・・」

「ほう・・・!花沢のお嬢さん、それは良いご縁ですね。良いお話しを待っているからね」

「ありがとうございます」


道明寺につられて私までこのおじさんに頭を下げた。
なんで私まで頭を下げなくてはいけないの?いつもとは全く態度が違うじゃないのっ!
そう思って睨み付けてもニヤッと笑うだけで、すぐにまた同じ事を違う場所で繰り返した。

道明寺が背中に当てる手が直接肌に触れてる・・・まるで恋人宣言みたいで嫌だった。
それにすごくその部分が熱く感じてドキドキしてしまう・・・。

「ちょっと!くっつきすぎでしょう?・・・離れてよ!」

「あぁ?何言ってんだ?今日のエスコート役は俺だ・・・お前は黙って俺の横にいればいいんだよ!」


そうやって上から見下ろさないでよ・・・眩しいくらいな眼を向けないで!
その眼を向けられるとずっと見ていることが出来ない・・・やっぱり変だ。


類じゃない人の眼にドキドキするなんて・・・!

その類は庭に出て静お姉様と長い時間話し込んでいた・・・一体何の話をしていたの?
私がこんなに助けを求めているのに類は気がついてもくれなかったの?


愛してるって・・・この前の言葉は嘘じゃないよね・・・。

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花より男子

2 Comments

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2017/07/05 (Wed) 05:13 | EDIT | REPLY |   

plumeria  

Re: おはようございます。寝不足です

えみりん様、おはようございます‼

それはいけませんでしたね!
私は雷雨は嫌だけど雷は好きなんです。
光るヤツだけですけど。遠雷っていうのですかねぇ。

司君は確かに信長っぽいかも。
総二郎はだれかなぁ。真田幸村はだめ?類は黒田官兵衞、
あきらは家康‼

時代物には弱いんだけど、どうしても総二郎は光源氏で
ライバルの頭の中将があきらなんですよね。

朝からすみません( *´艸`)

体調に気をつけてがんばりましょう!

2017/07/05 (Wed) 07:29 | EDIT | REPLY |   

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