Sister Complex (27)

クラスメイトの1人が興奮しながら私の目の前で叫んだ一言・・・誰が誰と婚約だって?

「私と・・・道明寺が・・・?」
「なにとぼけてんのよ!本人が知らないなんて有り得ないでしょう?」

お母様の態度と道明寺の言葉・・・さっきの類の表情・・・その理由が総てこれなの?

私に話しかけた同級生を突き飛ばすようにして教室を飛び出して、急いで大学の校舎へと向かった!
今すぐに類に確かめないと・・・今すぐ類にこれは嘘だと言ってもらわないと!

私は震えながらも大学までの通路を必死に走っていた。


類は経済学部・・・その教室をめがけて走るけど迷子になるだけで、今自分がどこにいるのかさえわからない。
だっていつもは横に類がいて、ちゃんと私の手を引っ張ってくれるんだもの・・・!
その手がなくなったらどこにも行けなくなってしまった。

通りがかった人を捕まえては類の居場所を聞いて回った。

「あの・・・!花沢と言いますが、兄を・・・類を探しているんです!どこかで見ませんでしたか?」

「花沢君?今日は見かけてないわよ?彼ならいたらすぐにわかるもの。今日はお休みなんじゃない?」

「いえ、学校にはいるはずなんですけど・・・すみませんでした」

何人かに聞いても答えはほぼ一緒だった。みんなが今日は見かけていないと・・・。
でも、間違いなく類は学校には来ているんだ!どこか・・・類が行きそうな場所は?
急に呆然として大学の廊下に立ちすくんだ。息だけが上がって・・・強く握った手に汗だけかいて。


結局、私は類のことをなにも知らないんだ。
そう思ったら急に足が動かなくなってしまった・・・だって、探す場所すらわかんないんだもの。
類がどこが好きで、空いた時間に何をしているのか・・・大学でどんな毎日を送っているかなんて知らない。

大好きなのに・・・何も知らないんだ。類のこと・・・。



「あれ?つくしちゃん?どうしたんだ?大学に用でもあったのか?」

不意に後ろから私に声をかけてきたのは西門さん・・・!この人なら知ってるかもしれない!
彼を見た途端、止まっていた足が動いた!

「あの・・・類を探してるの。でも、どこにもいないっていうか・・・どこを探したらいいのかもわかんなくて
迷子になってしまって・・・ここはどこなの?西門さんは類とは学部は違うの?」

「俺は史学部だから経済学のあいつらとは違うけど?・・・会えてないのか?俺も今日は類は見てねぇな。
・・・もしかしたら屋上じゃね?あいつ時々一人になりたくなったら屋上で寝てるから・・・」

「屋上?・・・わかった!行ってみるよ!」

私が行こうとしたら西門さんは急に私の前に立ちふさがって真面目な顔で聞いてきた。
急いでいるのに!・・・でも、いつも笑っている西門さんの表情が真剣すぎて・・・びっくりして立ち止まった。

「類のこともいいけど・・・つくしちゃん、例の件、良かったのか?あの話マジで決まったのか?」

「あの話?・・・西門さんもなにか知ってるの?・・・私はさっきクラスの子から聞いてびっくりして・・・」

私がそう言うと顔色を変えてしまった。
何でそんな顔をするの?私が一番驚いているのに!・・・西門さんは周囲を見渡してから私にその手を伸ばした。

「ちょっと来い!」

そして私の手を引っ張って近くの教室に入れた・・・そこはても小さな教室で僅かな机しかなかった。
西門さんは誰も来ないことを確認してから私をそこにあった椅子に座らせて、自分も私の向かい側に座った。
大きくため息をついた西門さんは小さな声で私に話し始めた。

「司の家が花沢に正式に話を持っていったのは本当らしい。さっき流れた情報だ・・・つくしちゃんが知らなくても
無理はねぇよ。でも、花沢のおばさん達は昨日から知ってたはずだ・・・なにも話してくれなかったのか?」

「今朝・・・類とお母様の話し方が普通じゃなかったわ。でも、なにも聞いてないの」

「そっか・・・責任感じるな。つくしちゃんをエスコートしたらどうだって言ったのは俺とあきらだからな・・・。
まさか急に道明寺のおばさんまで動くなんて思わなかったから・・・それに類のことも心配だったからさ」

「類の心配?なんで・・・なんで西門さんが類の心配するの?」

この人達が道明寺に余計なことを言ったのね?
そう思うとつい西門さんを睨んでしまった・・・この人が悪いわけじゃないって知ってるけど。


「類がつくしちゃんのことになると異常にムキになるんだ。兄妹の仲がいいってのは悪くはないけど
あんた達は俺たちから見たら限度超えてるよ。だから、つくしちゃんと少し距離を置いたらいいと思ったんだよ。
別にちょっと冗談のつもりで・・・婚約にまですぐ話を持っていくなんて誰も思わねぇよ!特に司だからな・・・」

「私の気持ちはどうなるの?・・・道明寺の事は好きでもなんでもないのよ?」

「そんなものは関係ないさ。好き嫌いなんて全く考えてもらえねぇよ・・・俺たちの結婚なんてそんなものだ。
これは道明寺と花沢の取引だからな」


取り引き?・・・あのお父様とお母様が私を取り引きのためだけに婚約させるの?
確かに英徳に行くように言われたときから少しずつ感じてはいたわ・・・ただ可愛がってくれた昔とは違うって・・・。
でも、それまでは本当に優しくて・・・愛されてるって思ってたわよ?それでも取り引きなの・・・?

「そんな顔すんなよ。これは花沢に限ったことじゃねぇよ。俺も同じだし・・・まだ話しが来ないだけでそのうち
言われるがまま・・・だろうさ!でも・・・今回はわかんねぇな」

「どういうこと?今回って私のこと?」

「つくしちゃんじゃなくて司だよ・・・あいつはもしかしたらあんたにマジなんじゃねぇかな・・・司は今まで一度も
自分からエスコートしたことはないはずだ。どこに惹かれたかはわかんねぇけど本気なのかもな。
ただ、類がそんなにショック受けなくても良さそうなのに・・・まぁ、司と兄弟ってのは俺でも絶対に嫌だけど!」

西門さんは真面目なんだかふざけているのかさっぱりわからなかった。
わかったのは自分の家も含めて不自由な世界なんだということだけ。
子供の幸せのために親は働くものだと・・・なんとなくそう思って生きてきたから・・・。


「西門さん、ありがとう。屋上に行ってみるね。類のことが心配だから・・・」

「やっぱり変な兄妹だな!心配すんなら自分の事じゃねぇの?・・・1人で行くか?」

「うん・・・!大丈夫」

教室を出ようとドアに手を掛けようとしたら、私の手が取っ手を掴むより早くにそのドアが開いた!
びっくりして前を見たら・・・私の前には道明寺が立っていて西門さんを睨んでいた。
私を押しのけると教室の中に入ってドアを閉める・・・そしてゆっくりと西門さんの方に歩いていった。


「なんでこんな所に2人でいるんだ?・・・総二郎、どういう気だ?」

「道明寺・・・なんで、あんたがここに来るのよ!」

まさか・・・!西門さんに何かする気なの?そう思ったときには道明寺が西門さんの襟元を掴んでいた!
すごく怖い眼で彼を睨む道明寺・・・なぜ、そんな事をするの?
あまりに突然で叫びたかったけど声にならなかった。

「向かいの校舎から見えたんだよ・・・総二郎がこいつをこの部屋に連れ込んだのが・・・わかってるよな?
そんな事はもう俺の前では出来ねぇって事ぐらい・・・そうだよな!・・・総二郎!」

「手を離せ!・・・頭に血が上りすぎんだよっ!」

西門さんは道明寺の手を振りほどいて、自分の服を整えながら逆に道明寺をにらみ返した。
なんでなの?・・・なんで私の知らないところでこんな事が起きてるの?

「どうして・・・?どうして道明寺がそんなに怒るのよ!私はまだ認めてなんかいないわよ!」


睨み合う2人の間でただ震えながらその場に立っていた。
私はただ・・・類に会いたいだけなのに!


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花より男子

2 Comments

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2017/07/08 (Sat) 11:00 | EDIT | REPLY |   

plumeria  

Re: タイトルなし

わんこ様、こんにちは‼

雨はまだ降っております。止むと蒸し暑いし‼
関東ははれてるんですねぇ。距離を感じます。

でも、関東はゲリラ豪雨があるんでしょ?
どんなのだろう、激しいを上回るんですよね?
私は高台にいるから水害はないけど土砂崩れは怖いです。

難しいですよね~❗なんでこんな話にしたんだろう(笑)
ややこしくて先を書いてる私が混乱しちゃう!
雨の降る日より心理面で大変ですわ!

つくしのセレブって書いてみたかったけど、意外と難しいですね?同じ半分セレブな「茶と華と」はそこまで難しくはないんだけど。
やっぱり楽なのは初期設定のつくしちゃんですね。

毎回書いては反省してます。

2017/07/08 (Sat) 13:01 | EDIT | REPLY |   

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