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医務室でずっと寝続けた私は最後のホームルームの時間にやっと教室に戻った。
教室に入るなり、みんなの視線は私に集まり一瞬会話が止ま類Xつくし。

でも、そんな空気をあえて無視して自分の荷物を片付け始めると、教室のあちこちから色んな会話が聞こえた。

「今まで何処に行ってたのかしら・・・?」
「まさか・・・道明寺様と?意外とやるわね・・・」

「あれだけ毎日花沢様が着いてきていたのにもう会えないのかしら・・・」
「それは残念だわね・・・今度から道明寺様が来るんじゃない?」

勝手な言葉が・・・まるでわざと聞こえるように話しているのか全部聞こえてるんだけどっ!
確かに道明寺とは会ったけど、会いに行ったわけじゃないわよ!

「でも、噂じゃさっき西門様に抱きかかえられて医務室に行ったらしいわよ?」
「うそっ・・・!なんなの?今度は西門様まで出てきたの?・・・本当のお相手はどっちなの?」

今度はそっち?・・・えぇ!それも事実よ・・・でも、私の「お相手」なんてどこにもいないわよ!

大きくため息をついて・・・時計を見たらとっくに類が来てもおかしくない時間だった。
もしかしたら・・・本当に類じゃなくて道明寺が来るのかしら・・・?


「やだ・・・!本当に道明寺が来たらどうしよう・・・!帰らなきゃ!」

類が来るかもしれないけど、それより道明寺に会うのが嫌で慌ててカバンを持って廊下に飛び出た。
急いで階段を降りて・・・急いで駐車場に向かおうと廊下を曲がったときに思いっきり人にぶつかった!

「きゃっ!ご・・・ごめんなさい!」
「なんだ・・・おとなしく待ってろって言ったはずだが?」

ぶつかった途端に掴まれた腕・・・目の前には一番会いたくなかった男が立っていた。
また、手首を掴まれて・・・朝のあの部屋でのやりとりを思い出した。

「・・・なんで、あんたを待たないといけないの?勝手に決めた話なんて私には関係ないわ!
そこをどいてよ・・・腕を放してっ!私は1人で帰るんだから・・・!」

「そんな事をさせるわけがないだろう?婚約者を1人にさせたらこの俺が笑われんだよ。
心配しなくてもまだ花沢の家に送ってやるよ・・・そのうちはわかんねぇけどな!」

どういうこと?まだ花沢に送るって・・・
そのうち帰る場所まで道明寺家っていうんじゃないでしょうね・・・?!


睨み合ってたら周りに同級生達が集まってきて、結構な数のギャラリーが出来ている。
またみんなの興味半分、冷やかし半分の眼で見られる・・・そんな事はもうたくさん!
それでも道明寺に腕を掴まれたまま歩くなんて嫌だったからその場で抵抗していた。

今度はギャラリーの後ろ側がざわつき始めた。
道明寺もチラッとその騒ぐ声のほうに視線を向けた。

その人集りの向こうからゆっくりと近づいてきたのは・・・・・・類!


「何やってんの?つくし・・・もしかして、また司に捕まってんの?」

その声にそこにいたみんなが場所を開けた。
私の腕を掴んでいる道明寺の前にゆっくり近づく類・・・何度かしか見たことない類の怒った表情・・・。
私を掴んでいる道明寺の腕を今度は類が掴んだ。

「放しなよ・・・前にも言ったよね。今度つくしの腕を掴んだら許さないって・・・」

「類・・・!お前、何言ってんのかわかってるんだろうな!」

「もちろん・・・それにこれからも俺がつくしを連れて帰るから。わざわざ司が出てこなくていいよ。
たとえ、その立場が何であってもね」

冷静に類は話しているけど、道明寺の方は完全に頭にきているようだった。
片手はポケットに手を突っ込んだまま・・・類はもう一つの手で道明寺の腕を掴んでいた。
そして、私を放した道明寺は今度はその類の手を振り払って拳を握りしめる・・・類に殴りかかるつもりだ!

「道明寺!類を殴ったりしたら私が許さないわよっ!」
「うるせぇっ!女は黙ってろっ!引っ込んどけっ!」

その大きな声にびっくりして前に出かけた足がとまってしまった!


「つくしを怒鳴るのはやめろよ。すぐにそうやって頭に血が上るようなヤツに大事なつくしは渡せないけど?」

「てめぇっ!」

道明寺は右手の拳を振り上げて類に向かって殴りかかっていった。

「きゃあぁぁっ!やめてよっ!・・・類っ!」

私はつい大声を出してしまった!いつも静かな類だから絶対にやられると思って自分の手で顔を覆った!
でも・・・類はポケットから手を出すこともなく道明寺の拳を交わして、むしろ道明寺は勢い余って類の後ろ側に
倒れそうになった!

「うそ・・・!あの類が?避けた?」

今度は後ろから道明寺が類めがけてまた殴りかかろうとしたから、類も向きを変えてその長い足が宙を舞った・・・。
道明寺もそれを避けて、類の脇腹を蹴ろうと道明寺の足が上がる・・・!
類はそれを腕で止めて・・・今度は類の拳が道明寺のお腹を殴りつけた!

「なんなの・・・この2人は・・・!」

180㎝超えてる2人の殴り合いはもう誰にも止められなくて・・・声も出ないし誰も動けなかった。
いい加減やり合った後に、先に床に膝をついたのは道明寺・・・類は唇から血を流しながらも倒れる事はなかった。

「類っ・・・!ちょっと・・・大丈夫なの?血が・・・血が出てるんだけど!」

「こんなのどうって事ないよ。帰ろう・・・つくし」

これ以上は戦いそうになかったから急いで類の側に駆け寄った。
振り向いたら道明寺ももう立ち上がっていて、服の汚れを叩いていた。
そして、私たちを睨んで・・・先に駐車場の方に向かった。

さすが・・・あれだけ殴られたのに道明寺は何の変わりもなく歩いていった。



「すごいんだね・・・類って喧嘩が出来るのね!びっくりした・・・心臓が止まるかと思ったよ・・・」

「バカにしないでよ・・・守るものがあれば、このくらい・・・」


守るもの?それは私のこと?
途中で言うのをやめてしまった類だけど・・・私はそれ以上は聞かなかった。


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