続・茶と華と (23)
しばらく俺は笑いが止まらなかった!まさかここまで来て帯を忘れられても・・・!
「お前ホントにバカだな!これだけ小物揃えてんのに帯なんか忘れるか?」
「急いでたのよーっ!でも、どうしよう。こっちで挨拶回りをしなさいってお義母様に言われてるのに・・・」
「別にいいんじゃねぇか?今からホテルに戻って着替えて・・・回れる範囲を行けばいいさ」
持ってきた着物を抱えてまた逆戻り・・・こいつといるとホントに退屈しねぇな!
そしてホテルに戻ったら、そこには結婚式を終えて帰る連中と出会った。
つくしのアレンジの前で写真を取る人達をつくしは嬉しそうに眺めていた。
「忘れ物のおかげでいいもの見ることが出来たじゃん。しかし・・・今日の花もまた大胆な・・・良く思いつくな!
お前の生け方はホントに豪快だな!まるでつくしみたいだ」
「それ、褒めてるの?バカにしてるの?」
「愛してるの!」
そう言ってホテルのド真ん中でつくしにキスしたら、回りのヤツらから歓声が上がった!
「ちょっと!また、こんな所で・・・さっきより場所がマズいんじゃないの?もうっ!」
背中を本気で叩かれたけど、やっぱり笑いしか出なかった!
俺を置いて早足で逃げるつくしを追いかけてエレベーターに乗り込んだ。
残念ながら二人っきりじゃない。だから、つくしの横でその手を掴んで指を絡めた。
赤い顔して俺を睨むつくしにはとっておきのウィンク一つで終わり!
いいじゃねぇか!このくらい・・・新婚なんだからさ!バチなんて当たらねぇぜ?
部屋に戻ってベッドの上に綺麗に置かれている帯を見てまた2人で笑った。
そしてつくしに着物を着せてやった。
「ハプニングだらけじゃねぇか?まったく・・・1日があっという間だな!お前といると・・・」
「あら!そうかしら・・・じゃあ、総二郎さんの一生はあっという間に終わってしまうわね!」
「別にいいぜ?最後までお前が側にいるんならな」
俺に口で勝とうなんてまだまだ早いって!
唇を尖らせて次の言葉を探しているけど見つからないのか慌ててる・・・だからその唇を塞いだ。
そしたら急にジッとして・・・身体を俺に預けてくる。
次につくしの顔を見たときには大人っぽい女の顔をしていた。
「どうした?・・・甘えたくなったのか?昨日の続きでもしたくなっちゃった?」
そう言うと赤い顔して抱きついてくる・・・おい!それはそれで意外すぎて・・・このまま理性が吹っ飛んだら
どうすんだっ?!まだ仕事が残ってるし弟子が待ってんだけど・・・?
「言ってみただけよ・・・最後までとか言っちゃ嫌だ。まだ、なにも始まってないもん・・・」
「・・・そうだな。まだ今から楽しまないとな。俺は今までいろんなものを諦めないといけないんだと思ってたけど
お前と出会って、お前に惚れて一緒になれて・・・すっげー幸せだと思ってるよ」
「私も・・・同じだよ。大事にされすぎて何にも世間のこと知らないのに、総二郎さんに選んでもらえて
良かったと思ってる。色んな総二郎さんを知ることが出来て・・・嬉しいよ」
色んな俺?・・・それってやっぱりあの時の俺?
違うとはわかってるけど・・・やっぱりこの後のつくしの反応を楽しみたくてからかってしまう!
これは一生続くんじゃねぇかな!
「まだ仕事中だから続きは夜に・・・明日はもう東京に帰るから今晩も思いっきり楽しもうなっ!」
「はっ?・・・たっ・・・楽しみになんてしてないわよ!そんな意味じゃないからっ!」
「いいから、いいから!・・・行くぞ!」
着物になったらさすがのつくしもおとなしくなる。
淑やかに俺の一歩後ろをついてくる・・・この瞬間につくしを守ろうって思うよな。
******
午後もかなり過ぎてから、やっとつくしを連れて福岡の店や教室に挨拶がてらまわることが出来た。
何処に行ってもつくしの美しさに見とれるヤツがいる・・・俺が選んだんだから当然だけどな!
「総二郎様・・・またお二人でこちらまで足を運んでくださいね」
「ありがとうございます。これからも宜しくお願いしますね。」
「時々はこちらにも寄らせていただきます。まだ、わからないことも多いものですからよろしくご指導下さいませ」
「若宗匠、噂どおりの奥様ですね。お淑やかで美しい方だとこちらの支部長が言っておられたがその通りだ。
これからは自宅に戻るのが楽しみでしょう?お子様のご誕生も近いのではないですかな?」
「いえ・・・まだそのような予定はないのですよ。でも、自宅が楽しいのはそうかもしれませんね」
「・・・支部長様はなにかおっしゃってませんでしたか?」
「いえ?なにも・・・どうかしましたか?」
つくしは見られているからな・・・作業着姿で廊下を走りまくって逃げた姿を・・・。
思い出し笑いをここでもしてしまう・・・つくしはまた相手にわからないように俺の腰を抓った!
行く先々で二人で挨拶をしていく・・・何件目かでもうぐったりだった。
真夜中につくしが空から降ってきて始まった1日だ・・・寝てないのもこの時間になってかなりヤバくなってきた。
最後の店を出てから車に乗ったら、その1分後・・・つくしは俺の横でもう寝ていた。
窓の方に頭が倒れそうになるから慌てて俺の肩につくしの頭を向けてやる。
「ん・・・総二郎さん・・・」
「どうした?・・・つくし?」
なんだ、寝言か?俺の名前を寝た後でも口走るなんて・・・俺の事をどんだけ愛してんだ?
つくしの頭を抱え込んで車の中なのについ口元が緩んでしまう。
「総二郎さん・・・お腹すいた・・・」
「・・・え?」
マジか!こいつは寝てまでもこの俺をおちょくってんだな?
わかったよ!ホテルに着いたら3人前でも4人前でも10人前でも・・・死ぬほど食わしてやるよ!
その代わりその後は覚悟しとけよ!絶対に初心者コースじゃ終わらせないからな!
車が急ブレーキを踏んで、つくしの身体が前の方に倒れそうになった!
両手でそれを止めたけど、つくしはぐっすり寝ていて起きなかった。
つくしは気がつかないだろう?・・・そんなお前を俺が抱き締めてる時どれだけドキドキしてるかなんて・・・。
お前が花嫁修業で西門に来たときから、本当は会う度にドキドキしてたんだって。
俺がこの世を去るときにこの事を教えてやるよ。
お前は聞きたくないって・・・言ってたけどな。
それも随分先のことだ。そんな未来でもお前の事を今と同じように愛してる自信があるからな・・・。

「お前ホントにバカだな!これだけ小物揃えてんのに帯なんか忘れるか?」
「急いでたのよーっ!でも、どうしよう。こっちで挨拶回りをしなさいってお義母様に言われてるのに・・・」
「別にいいんじゃねぇか?今からホテルに戻って着替えて・・・回れる範囲を行けばいいさ」
持ってきた着物を抱えてまた逆戻り・・・こいつといるとホントに退屈しねぇな!
そしてホテルに戻ったら、そこには結婚式を終えて帰る連中と出会った。
つくしのアレンジの前で写真を取る人達をつくしは嬉しそうに眺めていた。
「忘れ物のおかげでいいもの見ることが出来たじゃん。しかし・・・今日の花もまた大胆な・・・良く思いつくな!
お前の生け方はホントに豪快だな!まるでつくしみたいだ」
「それ、褒めてるの?バカにしてるの?」
「愛してるの!」
そう言ってホテルのド真ん中でつくしにキスしたら、回りのヤツらから歓声が上がった!
「ちょっと!また、こんな所で・・・さっきより場所がマズいんじゃないの?もうっ!」
背中を本気で叩かれたけど、やっぱり笑いしか出なかった!
俺を置いて早足で逃げるつくしを追いかけてエレベーターに乗り込んだ。
残念ながら二人っきりじゃない。だから、つくしの横でその手を掴んで指を絡めた。
赤い顔して俺を睨むつくしにはとっておきのウィンク一つで終わり!
いいじゃねぇか!このくらい・・・新婚なんだからさ!バチなんて当たらねぇぜ?
部屋に戻ってベッドの上に綺麗に置かれている帯を見てまた2人で笑った。
そしてつくしに着物を着せてやった。
「ハプニングだらけじゃねぇか?まったく・・・1日があっという間だな!お前といると・・・」
「あら!そうかしら・・・じゃあ、総二郎さんの一生はあっという間に終わってしまうわね!」
「別にいいぜ?最後までお前が側にいるんならな」
俺に口で勝とうなんてまだまだ早いって!
唇を尖らせて次の言葉を探しているけど見つからないのか慌ててる・・・だからその唇を塞いだ。
そしたら急にジッとして・・・身体を俺に預けてくる。
次につくしの顔を見たときには大人っぽい女の顔をしていた。
「どうした?・・・甘えたくなったのか?昨日の続きでもしたくなっちゃった?」
そう言うと赤い顔して抱きついてくる・・・おい!それはそれで意外すぎて・・・このまま理性が吹っ飛んだら
どうすんだっ?!まだ仕事が残ってるし弟子が待ってんだけど・・・?
「言ってみただけよ・・・最後までとか言っちゃ嫌だ。まだ、なにも始まってないもん・・・」
「・・・そうだな。まだ今から楽しまないとな。俺は今までいろんなものを諦めないといけないんだと思ってたけど
お前と出会って、お前に惚れて一緒になれて・・・すっげー幸せだと思ってるよ」
「私も・・・同じだよ。大事にされすぎて何にも世間のこと知らないのに、総二郎さんに選んでもらえて
良かったと思ってる。色んな総二郎さんを知ることが出来て・・・嬉しいよ」
色んな俺?・・・それってやっぱりあの時の俺?
違うとはわかってるけど・・・やっぱりこの後のつくしの反応を楽しみたくてからかってしまう!
これは一生続くんじゃねぇかな!
「まだ仕事中だから続きは夜に・・・明日はもう東京に帰るから今晩も思いっきり楽しもうなっ!」
「はっ?・・・たっ・・・楽しみになんてしてないわよ!そんな意味じゃないからっ!」
「いいから、いいから!・・・行くぞ!」
着物になったらさすがのつくしもおとなしくなる。
淑やかに俺の一歩後ろをついてくる・・・この瞬間につくしを守ろうって思うよな。
******
午後もかなり過ぎてから、やっとつくしを連れて福岡の店や教室に挨拶がてらまわることが出来た。
何処に行ってもつくしの美しさに見とれるヤツがいる・・・俺が選んだんだから当然だけどな!
「総二郎様・・・またお二人でこちらまで足を運んでくださいね」
「ありがとうございます。これからも宜しくお願いしますね。」
「時々はこちらにも寄らせていただきます。まだ、わからないことも多いものですからよろしくご指導下さいませ」
「若宗匠、噂どおりの奥様ですね。お淑やかで美しい方だとこちらの支部長が言っておられたがその通りだ。
これからは自宅に戻るのが楽しみでしょう?お子様のご誕生も近いのではないですかな?」
「いえ・・・まだそのような予定はないのですよ。でも、自宅が楽しいのはそうかもしれませんね」
「・・・支部長様はなにかおっしゃってませんでしたか?」
「いえ?なにも・・・どうかしましたか?」
つくしは見られているからな・・・作業着姿で廊下を走りまくって逃げた姿を・・・。
思い出し笑いをここでもしてしまう・・・つくしはまた相手にわからないように俺の腰を抓った!
行く先々で二人で挨拶をしていく・・・何件目かでもうぐったりだった。
真夜中につくしが空から降ってきて始まった1日だ・・・寝てないのもこの時間になってかなりヤバくなってきた。
最後の店を出てから車に乗ったら、その1分後・・・つくしは俺の横でもう寝ていた。
窓の方に頭が倒れそうになるから慌てて俺の肩につくしの頭を向けてやる。
「ん・・・総二郎さん・・・」
「どうした?・・・つくし?」
なんだ、寝言か?俺の名前を寝た後でも口走るなんて・・・俺の事をどんだけ愛してんだ?
つくしの頭を抱え込んで車の中なのについ口元が緩んでしまう。
「総二郎さん・・・お腹すいた・・・」
「・・・え?」
マジか!こいつは寝てまでもこの俺をおちょくってんだな?
わかったよ!ホテルに着いたら3人前でも4人前でも10人前でも・・・死ぬほど食わしてやるよ!
その代わりその後は覚悟しとけよ!絶対に初心者コースじゃ終わらせないからな!
車が急ブレーキを踏んで、つくしの身体が前の方に倒れそうになった!
両手でそれを止めたけど、つくしはぐっすり寝ていて起きなかった。
つくしは気がつかないだろう?・・・そんなお前を俺が抱き締めてる時どれだけドキドキしてるかなんて・・・。
お前が花嫁修業で西門に来たときから、本当は会う度にドキドキしてたんだって。
俺がこの世を去るときにこの事を教えてやるよ。
お前は聞きたくないって・・・言ってたけどな。
それも随分先のことだ。そんな未来でもお前の事を今と同じように愛してる自信があるからな・・・。

明日が最終話でございます。
ふざけたお話しにお付き合いいただきましてありがとうございました。
ラスト一話もほんわかしていただけたらと・・・願っております。
ふざけたお話しにお付き合いいただきましてありがとうございました。
ラスト一話もほんわかしていただけたらと・・・願っております。