Sister Complex  (33)

道明寺の横に立ってはいるものの私は会場の端にいる類の方を見ていた。
類の横には今日も静お姉様がいる・・・周りの人がみんなあの2人に注目してるじゃない!
お姉様は今日はシックなダークブルーのドレス・・・誰もが認めるその美しさはこの会場でも一番かも。

だけど類は何でもないって言ったわ・・・ただの友達だって!
だから類のその腕を取らないで・・・そんな眼で類を見ないでよ!
心の中でずっと静お姉様を責める言葉を叫んでる・・・そんな自分が嫌だった。


「なにを考えてる?・・・お前はどこを見てるんだ?」

「・・・関係ないでしょう。ちゃんと言うことをきいてあなたの側にいるんだから。これであなたは満足なんでしょ?
私の気持ちはどうでもいいと思ってるのよ・・・自分勝手だわ!」

「・・・お前の気持ちがどうでもいいなんて思ってない。そのうち気持ちが俺の方に向くって自信があるからな」

「なっ・・・なにを言ってるのよ!信じられない・・・自信過剰よ!」


会場の中を歩きながら、誰にも聞かれないくらいの小さい声で道明寺と言い争っていた。
そのうち私があなたを好きになるって・・・そんな自信があるって言うの?
絶対にそんな事はないわ!・・・そう思うのに胸の奥が熱くなる。
ときめいているわけでもないのに、道明寺の一言はいつも私の気持ちを混乱させてばかり・・・。


そしてあるテーブルで白髪の男性に呼び止められた。

「司君がこんなに早くにフィアンセを紹介するとは思わなかったよ。何とも可愛らしい人だねぇ・・・」

「ありがとうございます。柏木会長・・・お元気そうですね」

この人は経済界の大御所と言われる柏木フィナンシャルグループの会長さん・・・。
この道明寺でさえ丁寧に頭を下げるとんでもない人物らしい。

「お嬢さんはヨーロッパ中心で活動している花沢の娘さんだろう?アメリカで展開している道明寺と組めば
それはまた大きな力になるってものだね!日本の経済にも良い影響が出そうだ」

「まだ先の話ですよ・・・式は大学は卒業してからになると思いますし」

「あと2年もあるじゃないか!今頃は学生婚というもの珍しくなはい・・・あまり女性を待たせるものでもないよ?」


何を言ってるのかしら!こっちは2年経っても式を挙げる気になんてならないわよ!
どうにかしてこの話を解消しないと・・・例えば、私がこの道明寺には相応しくないとわからせるとか?
実はとんでもない問題児で、素行も悪くて行儀も言葉も悪くて、成績も悪くてって噂を流すの。
スキャンダルを起こしてもいいし、他に危険な恋人がいることにして・・・でも類って訳にはいかないし・・・。

「今度はなにをブツブツ言ってるんだ!・・・変なことは考えるなよ?この話を消そうとでも思ってるならやめとけ。
そうなったときに花沢の家に何が起きるかわかってんのか?・・・類がどうなるか、そっちを考えろ」

「え?・・・類に?」

ニヤッと笑いながら道明寺は私を牽制した。心の中を見透かされたような気がした。
道明寺の腕を持つ手が震える・・・それでも正面を見たままの道明寺は言葉を続けた。

「やっぱり何か考えてただろ?・・・無駄だな。それにお前には無理だ。もしもお前が何かを企んでこの婚約を
取り消したらその時は花沢を巻き込むぞ?そうなったら次の経営者・・・類に被害が及ぶと思っとけ。
今の花沢がなくなるって事だ。花沢の社員が職を失う事になる。俺は相手が親友でも容赦はしねぇからな」

「そんな・・・類には手を出させないわよ!花沢の社員にだって・・・!」

「だから言ってるんだ。・・・お前次第だってな!」


まるで脅迫のような言葉・・・それでも本当にこの人は私のことを想っているのかしら・・・。
少し前に西門さんが言っていたのを思い出した。この人が本気なのだと・・・。

本気なら・・・もしこの人が私のことが好きならこんなにも苦しめたいと思うわけ?


一通り挨拶が終わって、私と道明寺は両親達がいるメインテーブルに戻った。
そこには道明寺社長とうちの両親が和やかに歓談している。今となってはこの笑顔も信用できなくなった。

そしてここにも類は戻ってきてはいなかった。
さっきまで静お姉様といた場所に眼を向けるとそのまま同じ場所に2人でいる・・・本当に恋人みたい。
頑張って作ってきた笑顔もここでは消えてしまう・・・すぐにでもここから出て行きたかった。


そしてまたいつものように美作さん達が私たちのところに近づいてきた。

「司!この前から言ってるだろ?こんな席でつくしちゃんを脅してんじゃねぇよ!すっかり怯えてるって!
女の扱いが上手くないヤツが一番に婚約するからマジで心配だよ!」

「うるせぇぞ!誰も脅してねぇよ・・・真実を教えてやっただけだ。そのうちこいつもわかるだろうよ」

「何の話だ?無理矢理わからせようとしても女には無理だよ。もっと離れていくだけだから・・・
そうはいっても司には理解出来ないだろうな。押しつける一方だから、つくしちゃんが気の毒だな」

そう言って2人は笑ってるけど、私はこの2人にも言葉をかけることが出来なかった。
遠く離れたところで話し続ける2人のことが気になって・・・この3人の会話なんて耳に入らなかった。


*******


「類・・・向こうに戻らなくていいの?さっきからつくしちゃんがこっちを気にしてるわ。気がついてるくせに・・・
また私が悪者になるじゃない?」

静が苦笑いでそういうけど、どうしてもあの花嫁のようなつくしの側に行く気にはなれなかった。
側に行けば何を言うかわからない・・・司に向けてこの手が出るかもしれない。
もし押さえることが出来なかったらつくしを浚ってこの会場から飛び出すかもしれない。

こんなに離れていても、見ないようにしていても心の方がつくしを求めてしまうから・・・。


「いいんだ。あんなつくしを近くで見たくないしね。親友を殴りたくもないし・・・」

「噂は聞いてるわよ?・・・もうやったんでしょ?おせっかいな知り合いの高校生が教えてくれたわ。
あの花沢さんが高等部で道明寺さんを殴り飛ばしたって・・・ホントに困った人ね!」

「・・・我慢できなかったんだ。俺と違って堂々と申し込める司が憎かったんだと思う」


見たくなくても自然と眼がつくしを探している。
そして、見つからなくても良いのにすぐにその姿を捕らえてしまうんだ。

悲しそうに笑う小さな花嫁姿のつくし・・・今にも倒れそうなつくしを見つけてしまうんだ。


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花より男子

2 Comments

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2017/07/14 (Fri) 00:17 | EDIT | REPLY |   

plumeria  

Re: タイトルなし

わんこ様、おはようございます。

あら?睡眠妨害でしたか?申し訳ございません。
明るくなってからお読み下さいね?
ややこしいでしょう?本当に・・・こんな家に生まれたら大変ですよね!
普通の家でも結婚なんて問題が起きたりするのにね!

当然ハピエンに持っていきますよ!plumeriaの信念ですから。
少々時間はかかるんですけどね。

こんなの書いてると突然類つくでも超明るい話を書きたくなるんですよね!
確かに・・・夜更新の話にしては深刻すぎるかも?

困りましたね・・・早く明るい展開部分までに持っていかないと。


でももう少し先かな。

お昼寝して下さいね・・・。

2017/07/14 (Fri) 08:08 | EDIT | REPLY |   

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