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ホテルの最上階でエレベーターを降りたら、一番奥の部屋まで引きずられるようにして連れて行かれた。
そこには黒いスーツの男性がいて、道明寺が来ると姿勢を正してそこに整列した。


「この部屋には今日は誰も通すな・・・花沢類がもしこの階に来たら絶対に近づけるな!いいな・・・」

「花沢様はいかが致しましょうか・・・もしこちらに来られたらお知らせしますか?」

「いや・・・しなくていい。類には手を出させるな。お前達でも下手したらやられるぞ。おとなしく帰らせたら
それでいい。・・・お前達に任せる」

なんなの?この会話は・・・怖すぎて声が出ないんだけど・・・。
類を近づけるなってどういうこと?

道明寺はその男性達に指示を出すと奥のその部屋に私を投げ込むようにして入れた。
何が起きたのかわからない・・・目の前にあるのは真っ白なキングサイズのベッドが置かれた部屋・・・。
振り向いたら険しい顔の道明寺・・・ドアを閉めたらゆっくりと近づいてきた。


「何をする気なの・・・どうしてこんなところにいきなり連れてくるのよ!まだパーティの途中よ?
戻らないとみんなが心配するわ・・・聞いてるの?」

無言で歩いてくるこの人が怖くて・・・私も後ろに下がっていく。
ヒールがカーペットに引っ掛かって躓いたのはちょうどソファーの上で、そこに倒れ込んだ。
道明寺はそれを見ても何も言わずに私の目の前に立った。

何度も見上げてきたこの顔・・・怒っているわけではないの?どうしてそんな眼をするの?
さっきまでは明らかに怒ってたのに・・・今、ここから見上げる道明寺は落ち着いた眼をしていた。
でもこの横にあるベッドに眼が行くとこの後のことを考えて怖くなった。


「やめてよ・・・!来ないで!私に触ったら許さないわよ!」

「許さない?・・・誰がだ?もう俺たちはこういう関係だろ?」

「何を言ってるのよ・・・これはただの取り引きみたいなものでしょう?・・・私の中にあなたはいないわ!
この先何年かかっても私があなたを好きになるなんてことはないわよ・・・だって・・・」

私の中には類がいるんだから・・・そう言いたかったけど言葉には出来なかった。
本気で兄を愛しているなんて、そんな事が世間に知られたら大変なことになりそうで・・・。


「まさかと思うが、お前・・・本気で類のことを想ってるわけじゃねぇよな?」

「・・・あなたには関係ないでしょ。説明する気にもならないわ」

「否定しないんだな・・・おかしいとは思ってたけど。やっぱりそういう事なんだな!」

それまで動かなかった道明寺がそう言うと私の上に乗りかかるようにして私の両腕を押さえ込んだ!
その勢いでソファーの背もたれから落ちて完全に道明寺に組み敷かれてしまった。
身体が震えて身動きが出来ない!あまりにも違う体格差にどうすることも出来なくて私は押さえ込まれたまま
その道明寺の眼から視線を外すことも出来なかった。

「・・・やめてよ!その手を離して・・・お願いだから!」
「類じゃないからか?・・・もうお前達はそういう関係なのか!」

「そんなわけないでしょうっ!いくら好きでも兄妹なのよっ!あんたに何がわかるのよっ!
私たちの気持ちなんて誰にもわかんないわよっ・・・類と私以外の人にわかるわけがないのよっ!」

そういう関係か・・・なんて聞かれたせいで動転してしまった私は本心を叫んでしまった。
その言葉を聞いた道明寺が凄く驚いた顔をしたけど・・・もう我慢が出来なかった。

「・・・そうよ!あんたの言うとおり私がずっと好きなのは類だけなのよ。もう小さいときから1人だけ・・・
類じゃないなら他の誰のところにも行かないわ・・・そう思ってたのに、現実はそうならなかっただけよ!」

「・・・おかしいだろう!お前だけじゃなくて類もだって言うのか!・・・そんな事があるのか?兄妹で!」

「信じなくてもいいわよ!どうせ誰にも理解してもらえないんだから・・・でも、自分に嘘はつけないでしょう!」

ソファーに押し倒されたまま、両腕を掴まれたままの姿でそんな説明をしている自分が情けなくて・・・
絶対に見せたくなかった涙が一つ溢れた・・・。


それを見た道明寺は私の腕を離して・・・逆に身体を起こしてくれた。
あれ?・・・何で急にそうなったの?・・・もっと怒って怒鳴ってくると思ったのに・・・。

道明寺は私の横に座って今度は両手で顔を覆っていた。
そのせいで今道明寺がどんな顔をしているのかまったくわからない。
まさか泣くわけもないし・・・むしろ私の方が勢いで喋ってしまったせいで今頃になって涙が止まらない。

どうしていいかわからないのは私の方だった。


「類のことを忘れさせてやる・・・そう言ったらどうする」

しばらくして道明寺の口から出た言葉・・・類を忘れさせる?
さっきまで覆っていた手を口元までずらして、道明寺の眼は私の方を見ていた。
1メートルも離れてない距離・・・ソファーの隣に座ってお互いに顔を見合わせていた。

「忘れることはないわ・・・類が私のことを嫌いになっても私は変わらない・・・」

「どうしてそう言い切れる?・・・俺は知ってるぞ?お前が俺を男としてみていたのを・・・」

「え・・・?」


一瞬・・・道明寺から視線を外した。見抜かれていた・・・?
私が自分でも知らないうちにこの人に気を取られていたことを?・・・知らず知らず眼で追ってたことを?
でも・・・それは恋とか愛とか・・・そんな気持ちじゃなかった!
自分でもよくわからない感情だったのよ!

「それは・・・違うわよ。ただ珍しかったのよ!あなたみたいな乱暴な人・・・初めて見たから!」

「正直になったらどうだ?・・・類しか見なかったお前が初めて惹かれた男が俺だったって!
お前は小さいときから類しか見てないから、それを恋だとか愛だとかに勘違いしてんだよっ!」

「違うわよっ!・・・そんなんじゃない、そんなんじゃないわっ!」

私の大声に道明寺はついに行動に出てしまった!いきなり腕を引っ張られて抱きかかえられた私は
恐れていたとおりすぐ横のベッドに投げ込まれて・・・白いドレスが捲れ上がって足が丸見えになってしまった!

「いやぁあっ!何するのっ・・・やめてぇっ!」

慌ててドレスを戻してベッドの上を必死で逃げた。
でも道明寺の動きの速さに震えている私は追いつけなくて・・・さっきみたいに上から組み敷かれた。

「お前は俺のものだ・・・道明寺が選んだ女だっ!諦めろ!」
「嫌よ・・・!気持ちは変わらないわ・・・お願いだから手を離してっ!」

道明寺の顔が目の前まで迫った・・・その時に廊下で聞こえた声は・・・類だった!
それは道明寺にも聞こえたんだろう・・・一瞬眼がドアの方に動いた。
でもそれはすぐに治まった・・・さっきの人達が類を遠ざけたんだ・・・。

少しだけ聞こえた類の声に涙が止まらなくなった・・・ここまで来てくれたんだと思っただけで嬉しかった。
でもそれを拭くことも出来ない。道明寺に押さえ込まれているから・・・。

私の涙はベッドのシーツを濡らしていった・・・。


「俺はお前の事を本気で愛している・・・いつからかなんて自分でもわからねぇがお前の事が欲しくて堪らなかった。
だから、無理矢理こんな形で類からお前を奪いたかった・・・まさかお前までが本気だとは思わなかったからな・・・
でも、俺は婚約解消なんて絶対にしねぇぞ!必ずお前のことは手に入れる!」

「気持ちまでは自由に出来ないわよ・・・!」

「それでもいいさ・・・いつか必ず俺しか見えないようにしてやるよ!」


どうしてそんな事が言えるの?
それって本当の愛情じゃないよね?・・・押しつけてるだけだよね?


「無駄だよ・・・?私は類を愛してるから」

次の瞬間・・・道明寺の唇は私の唇を塞いだ・・・。

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Comments 4

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2017/07/16 (Sun) 08:05 | EDIT | REPLY |   
plumeria  
Re: タイトルなし

はなさま、おはようございます!

あらっ!司君がお好き?・・・それともこのお話の中の司君かな?
申し訳ないですねぇ、司君にあまり美味しいところをあげていなくて。
でも、このお話ではこの後色々ございますけど・・・爽やかに変化すると思うのだけど。

うんうん、応援してあげて下さい!私はこのお話の司君は好きなんですよ。

これからもよろしくお願いいたしますね!ありがとうございました!!

2017/07/16 (Sun) 08:57 | EDIT | REPLY |   
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2017/07/16 (Sun) 18:38 | EDIT | REPLY |   
plumeria  
Re: タイトルなし

さとぴょん様!こんばんわ~!

あはは!コメントしにくいお話しでしょう?
この辺の司君確かにやってることは乱暴なんだけど私は好きなんですよ!
揺れる男心・・・つかつくは本当に無理だけど
いつかコメディな司君を長編で入れてみたいなんて考えてます。

いつもありがとうございます!

2017/07/16 (Sun) 20:38 | EDIT | REPLY |   

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