Prince Charming&honey bunny・前編
いつもいつも大変な時に助けていただいてるあきら君なので、久しぶりに彼のお話を書きました♥
(花沢城で書いてるから久しぶりでもないんだけどww)
あきら君お誕生日おめでとう~~♪&いつもホントにありがとう~~~♪
これからもヨロシク~~~~♥
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「Why don’t we open the meeting, since it is time to start?」
「We are going to discuss the current ad campaign」
「あれ?今日は部長も会議に参加ですか?」
「あぁ、時間があるから傍聴させてもらう」
親父が居るイギリスに来て3年・・・丁度新商品に関するミーティングが行われると言うから会議室の1番端の席に座り、その会話を聞いていた。
・・・と言っても実は頭の中では別の事を考えている。
ついさっき、司のバースデーパーティーの様子をネットで見て昔を思い出したから・・・。
この3年の間に数回しか帰国してないけど、あいつとは1度も会っていない。
たまに電話があって、たまにLINEで写真が届いて・・・その時のあいつはいつも笑ってて忙しそうに動き回ってるみたいだった。
入社した会社に怖い先輩が居るとか、社内旅行で沖縄に行ったとか、新しく出来たイタリアンの店が気に入ったとか・・・男の話は1度も無くて、その度にホッとしたりして。
それを知らせてくれるだけでいい・・・そう思って会わないようにしていただけ。
会えば気持ちが抑えられないような気がするから。
あいつにはこの世界は窮屈だろうし、日本を離れる気もないだろう。
辛い思いをしたのに同じような俺のところに・・・なんて考える訳がないし、伝えて敬遠されるのはごめんだ。それなら遠い国に居る友人の1人として、このままの関係を続けていたい。
俺と同じように考えてる類や総二郎、そして今でも本当は想いを寄せてる司・・・みんな何処かでブレーキかけてるのかもな。
牧野の自由な羽を捥ぎ取らないように・・・。
「If you have any questions, please feel free to ask me at the end of my presentaion」
それにしても司、この歳になってもまだパーティーなんてやってるんだな。
まぁ、あいつがしたくてやってるんじゃなく、お袋さんの意向・・・着飾った令嬢達に囲まれて鬱陶しそうな顔してたけど、あの中から決めるのか?
いや、まだそんな事しないだろう。
あの中に牧野みたいな女性がいたら別だろうけど、あんなヤツには然う然う巡り会わないしな・・・。
「We had a productive meeting today!」
「あきら様、終わりましたよ」
「・・・・・・・・・」
「あきら様?どうかしました?」
「・・・あ、何でもない。有意義な会議だったな」
「くすっ、そうですか?あなたが1番ボーッとしてましたよ?」
「あはは!見抜かれたか」
秘書とそんな会話をしながらミーティングルームを出て自分の執務室に向かっていたら、ポケットに入れていた私用のスマホが鳴った。
画面を見ると日本のお袋から・・・それを言うと秘書が「先に戻ってますから」と笑ってエレベーターに乗った。
彼を見送って「はぁ」と溜息・・・その内容が何となく判るからだ。
時期的に2月後半・・・また帰国の催促だろう。
俺にも同じような会を用意してるってか?
面倒だからいいって言うのに凝りもせず毎年同じ事を言うんだから・・・と嫌々通話をタップした。
『あきら君、元気してる~~?』
「・・・そっちは夜だろ?もう歳だから夜更かししないんじゃなかったのか?肌荒れするぞ?」
『やぁねぇ、第一声がそれなの?可愛くないんだから!』
「もう25なんだよ、可愛くてどうすんだ?」
『あら、来週には26だわ♥今年こそ帰って来るでしょ?』
「誕生日だからって帰国しないって。悪いけど俺抜きでパーティーでもしたら?」
『それの何処に意味があるのよ』
「じゃあ諦めてくれ。そんなに暇じゃない」
『でも今年は帰って来るわ、あなたの大事な人が待ってるから』
「・・・大事な人?誰だよ、それ」
『あなたに会いたいって言う人がすっごく楽しみにしてるから絶対に帰ってきなさい。
もう飛行機の手配もしてるし、パパに頼んで休暇ももらってるから心配ないわ♪いいわね?27日に日本に着くように帰って来るのよ~、じゃあねぇ~~~♪』
「あっ、待て!誰だよ、それ!」
・・・お袋は言いたいことだけ言って電話を切り、急いで掛け直したら電源落とされてた。
何考えてるんだか・・・昔からお茶目な人だけど、今度は何処の令嬢を用意したんだ?今まで紹介された中には居ないって事か・・・あまりにも多いから見当もつかないけど。
執務室に戻れば秘書が飛行機の件を伝えてくるし、親父からも「ママから連絡あってな」なんて態とらしく告げてくる。
どうしても帰国させたいんだな?と睨めば2人して「ママがね!」「夢子様が!」・・・仕方なく今年は日本で誕生日を過ごすことになった。
総二郎じゃないけど特別な日は誰とも過ごしたくはない・・・それも何となく判る気がしてる。
過ごしたい相手が決まってるから、他の誰かじゃダメなんだよな。
そう言ってるうちに2月26日になり、俺はヒースロー空港に来ていた。
現地時間19:00の飛行機で日本に向かい、27日の15:55に羽田到着予定だ。
まだ今は17:30・・・少しだけ時間があるから空港内をぶらぶら歩き、土産物屋の前で止まると・・・そこに飾られているものを持つ牧野の姿を思い描いた。
「いや、食い物のほうがいいか・・・でも菓子なんて食べ慣れてるものの方がいいもんな。紅茶・・・はどうかな」
今までだって色んなヤツに土産を選んだのに、こんなに悩んだことはない。
極簡単に目に入ったものを買って帰った・・・それを持つ姿なんて想像した事もない。お袋であろうが妹達だろうが、馴染みの女性だったとしても、気に入ってくれるかどうかなんて考えなかった。
気に入らなかったら捨てても別に構わないってぐらい・・・つまり感情がなかったんだろう。
それなのに今はどうだ?
別に会う予定もないし、連絡もしてないのに牧野の為に選ぶなんて・・・・・・俺らしくもない。
「フォートナム&メイソンの紅茶セットと・・・ジョー・マローンのホームフレグランスもいいかも。
あぁ、あいつは自分じゃ買わないからバーバリーのマフラーと・・・トレンチコートなんて着ないだろうからトートバッグかな・・・」
自分の荷物なんて全然ないのにあいつへの土産だけ持って機内に向かった。
ただの自己満足、それに苦笑いしながら・・・でもどことなく擽ったい幸せを噛み締めてる。
「今頃何やってるんだろうな・・・」

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次話は本日15:00です♥
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