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人気の喫茶店だけあって価格も凄かった・・・フルーツパフェを食べてみたかったけどお値段2000円近くて手が出せない。
だからバニラアイスだけを頼もうとしたら、高瀬君が「俺の奢り」なんて言って、1500円のチョコパフェを頼んでくれた。
そして本人はチョコクレープで、飲み物は2人ともアイスティー。

まさかこの人とこんな風にデザートするとは思ってなかったから少しドキドキする。


「・・・それでさ、話ってなに?電話じゃ難しいって言ってたじゃん」
「あぁ、うん・・・」

「なに?言いなよ、ここまで来たんだから」

急に真面目な顔して俯いて、暫くは黙ったまま・・・そしてパフェとクレープを食べ終わった頃にやっと本題に入った。
その第一声、「妹がさ・・・」ってところで「Stop!」。


「あのさ、記憶違いかもしれないけど高瀬君、独りっ子だったよね?」
「あぁ、妹ってのは腹違いのな」

「えっ、どういう事?」
「親父が死んだ後に判ったんだ・・・実は都内に3歳下の妹が居るってさ。お袋は認めないって言うんだけど、俺は兄妹に憧れがあったから会うようになったって訳」

「そうなんだ・・・じゃあ今は18ぐらい?」
「あぁ、来月19になる」


異母妹か・・・それでも可愛いんだろうなって思えるぐらい高瀬君の顔が緩んだ。そして写真も見せてくれて、この人とはあんまり似てないけど美人だ。
高瀬君の腕にしがみついてるけど、兄妹でそこまでベタベタするなんて仲良すぎ!私なんて進がそんな事したら一発殴ってると思うけど。
それに高校生の時みたいだけど茶髪で化粧・・・ギャルだなぁって見ていたら、「すこし悪かったんだ」って苦笑いしてた。


「その妹さんがどうしたの?」
「こいつ、ずっと母子家庭だからさ、あんまり贅沢出来ないって言うか・・・貧乏でさ」

「・・・・・・(うちは両親いたけど貧乏だったわよ?)そうなのね・・・」
「だから梨沙・・・あぁ、妹の名前だけど、梨沙がバイトするって言うんだ」

「・・・(そうでしょうね。私もバイト三昧だったもん。今もだけど)うん、それで?」
「そのバイトをさせたくないんだ」

「どうして?まさか夜の・・・?」
「いや、そうじゃなくて何処かのレストランのウエイトレスらしいんだけど」


・・・それは極普通のアルバイトではないだろうか?お兄ちゃんが悩むほどのものではないような気がするんだけど、高瀬君は凄く不安そうに「辞めさせたい」を繰り返してた。
未成年が居酒屋でバイトでもないし、深夜営業のホステスでもないんだよね?そりゃ確かに変なお客に当たるとクレームつけられたりはあるけど、それは何処に行っても同じだし。
被害がなさそうで立場も上だと思われがちな家庭教師だって生徒からの攻撃には遭ってる。むしろ的確に痛いところ突いてくるからかなりヘコんじゃうよ?

それに比べたらレストランなんてお皿さえ割らなきゃ恐れることはなさそうだけど?


「そう思うだろ?でも梨沙にはタチの悪いストーカーみたいな男が居てさ。何故か偶然だって言って妹の前に現われるんだ。それなのにレストランなんかで働いたら客として来そうだろ?そうなったらバイト終了後に待ち伏せしてそうで怖いんだよな」

「・・・・・・・・・(それ、何処かで似たようなシチュエーションがあったような・・・)」

「前にもバイト先から帰る時、急に車でやって来て乗れってしつこかったらしくてさ」

「・・・・・・・・・(それも覚えがあるような・・・)」

「だからアルバイトに反対なんじゃなくて、レストランに反対してるんだ。
でもそのレストランのバイト面接に申し込んでるからどうしても行くって聞かなくて、店側も急募だからほぼ決まりらしいんだ。もしも辞退するなら誰か代わりをって言われたみたいで・・・」

「もしかして、それを私に?」
「ダメか?お前ならそんなバイトしたことあるだろ?少しだけ働いて嫌なら辞めてもいんだけど、どうだ?頼めないか?」


そう言う理由ならってことで話を聞いたら、そのレストランは私の家から少し離れてるけど面接はこの近くだって言われた。バイト時間も頼まれた曜日の中で金曜以外ならいけそうだし、夏休みの間だけでもいいならって事で引き受けた。

そうは言っても私もバイトに力入れてる場合じゃない。
夏休み明けには絶対に就職決めなきゃいけないし・・・そう言うと「そうだよな~」なんて高瀬君も笑ってた。
でもお金になるなら問題ないし、その時に詳しく聞いてみることにして、資料として妹さんが行く事にしてうたレストランの求人広告をもらった。


「じゃあ今度の日曜日が面接なのね?日曜日・・・レストランなのに日曜日?」
「あぁ、人事の人は店に出ないからだろ?」

「そっか!じゃあ行ってみるよ」
「悪いな、牧野」

「どういたしまして!妹さんには別のバイト、探してあげなよ」
「おぉ、そうするよ。面接会場もそこに書いてあるから」

「・・・えーと、ビジネスホテル?そんな所でやるの?」
「確かそのホテルの中に会議室みたいなのがあるって言ってたけど」

「そうなのね・・・うん、判った」


高瀬君の話はこれで終わり、ホントにお金を払ってくれた。
こう言う依頼だったから奢ってくれるんだと甘える事にして、2人一緒に店を出た。時間はもう4時過ぎてて、今からならバイトに間に合う・・・そう言うと、途中まで一緒に行こうって事になって、また昔話を始めた。

でも少し歩いたら、すぐ目の前の交差点のビルの陰に見覚えある後ろ頭発見・・・・


・・・・・・まさか、また?!




************************




牧野を遠くから監視して数十分・・・すげぇ長話じゃね?と自分が茹でられてる気分の俺は意識が朦朧としてきた。
昼過ぎからエアコン効きまくりの会館で仕事してたし、さっきの車でもガンガンに冷やした身体だ。いきなり午後3時からの街中で、しかも身動きしねぇから足元から煮えてくるようだった。

電話しようにもスマホがない・・・しかも金もない。
よく考えたらどうやってここから帰ろうかと悩んで、あまりにも牧野達に動きがなかったから視線を外して考え込んでいた。
そうしたら・・・・・・


「西門さん?」・・・その声にビクッとして振り向いたら、牧野が高瀬と一緒に並んで立っていた。

ほんの少し目を離した隙に出てくるんじゃねぇよ!!


「やっぱり西門さんだ!どうしたの?こんなところで!」
「・・・お!この前の茶の人?」

「茶道家だ!いや、それはどうでもいいが・・・ちょっと道に迷って・・・」

「えっ?西門さんがこんなところで迷子になる?そんな馬鹿な!」
「あんた、もしかして牧野のストーカー?」

「・・・何だと?」


高瀬って野郎は俺を見てニヤリと笑い、何故か牧野を自分の方にグイッと引き寄せた。牧野はそれに驚いてこいつを見上げてたけど、その手を振り解くわけじゃない。
それを見てムカッとしたのもあるが、この俺をストーカーだと?その言葉が許せなくて高瀬を睨みつけた。
普通のヤツならここで怯むんだが、こいつはそうじゃない・・・逆に俺を煽るような目で見ながら牧野の肩を抱いた。

・・・・・・どう言う態度だ?


「た、高瀬君?ちょっと、あの・・・」
「牧野、さっきしつこい男が居るって言ってたけど、あんたの事じゃねぇの?」

「しつこい男?」

「高瀬君!誰もそんな・・・」
「そうやって見張られるの嫌だってよ?気味悪いって言ってるからやめれば?」

「誰が見張ってるって・・・?」


女にしつこくされ見張られたことは何度もあるが、俺をしつこいと言った女は1人もいない!
ましてや気味悪いだと?!💢💢

・・・と、この西門総二郎が街中でチャラ男相手に喧嘩なんてする訳がない。
ここは落ち着いてオトナの対応だ。

そう思ったのに、ここで牧野から思い掛けない言葉が出た。


「あ、あの・・・西門さん!実はね、た・・・高瀬君の言う通りなの。ちょっと怖いなと思ってたの、毎回こうやって私の前に急に現われるから。
それ、迷惑だから・・・もう会いたくない・・・んだよね」





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Comments 6

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2021/02/25 (Thu) 13:16 | EDIT | REPLY |   
plumeria  
Re: タイトルなし

パール様、こんばんは。

コメントありがとうございます。

って言うか、激怒(笑)💦あっはは!
そんなに怒らなくてもいいじゃないですか~~~~~💦

つくしちゃんが気持ち悪いって言ったんじゃないし(笑)
悪いのは高瀬ですよ、高瀬!
総ては花火大会でギャン泣きした子供が悪いのですよ(笑)そこで「従姉妹」が伝わっていれば💦

確かに総ちゃんは粉々に砕けそうな感じですが、そんなに弱い男じゃないって(笑)
この後の総ちゃんにワクワクしていただきたいと思います♥


西門総二郎を気持ち悪いと書いた女・・・あはは!これも歴史に残るかな~~♪

2021/02/25 (Thu) 19:09 | EDIT | REPLY |   
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2021/02/25 (Thu) 21:32 | EDIT | REPLY |   
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2021/02/25 (Thu) 22:23 | EDIT | REPLY |   
plumeria  
Re: タイトルなし

パール様、こんばんは(笑)

ね?悪いのは高瀬だよ~~💦
確かに迷惑とか言ってるけど(笑)

このつくしちゃんの心情も明日か明後日には判ると思うから、落ち着いて・・・そして素敵総ちゃんを待ちましょう(笑)
いやいや、素敵総ちゃんを書ける腕はないんだけどさ💦


「リテ・ラトバリタ・ウルス アリアロス・バル・ネトリール」・・・おやすみなさい(笑)

2021/02/25 (Thu) 23:33 | EDIT | REPLY |   
plumeria  
Re: タイトルなし

麦猫様、こんばんは。

コメントありがとうございます。

ははは💦そりゃ申し訳ない(笑)
でもこのぐらい鈍感でお人好しじゃないと、このお話は進まないんですもの💦
この度はこんなつくしちゃんなので、温かい目で見てやって下さいませ~~♥

いいんですよ、私は総ちゃんが格好良く登場してくれればそれで楽しいので(笑)


もうすぐ終わる話なのでお許しを~!

2021/02/25 (Thu) 23:36 | EDIT | REPLY |   

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