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plumeria

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牧野に電話をかけたら会社の飲み会だと言って、呂律の回らない状態で酔っ払っていた。
そして電話の最中に誰かから声をかけられて・・・山川って男と話し始めた。
山川って言えばあの時に路上で牧野を振った男だ・・・あいつが今でも牧野の側にいるかと思ったら
何故か腹が立って電話を切って車を走らせた。

T駅前の「みゆき」って言ったっけ・・・居酒屋なんて行ったこともないけど駅に車を止めてその店を探した。
まぁ・・・すぐにその店は見つかったけど。


そして店に入って今日の予約客を確認したらやっぱり牧野の会社がある。
宴会をしている部屋を案内してもらってその入り口に近づいたら牧野と上司のやりとりが聞こえた。

色気があって愛嬌がないと嫁のもらい手がなくなるなんて・・・あの牧野がそんな事を言われる年に
なったんだと思うと少し笑いが出た。しかし散々な言われようだな・・・。
どこかの酔っ払いジジイの言うことなんてどうでもよかったけど、あの山川って男からは引き離したい。

なんでだろうな・・・よくはわかんないけど。


相変わらず頭に血が上った牧野は何をしたかったのか立ち上がろうとした。
でも、もう足がフラフラで立つことも出来ない・・・こいつ、マジで酔っ払ってんな?

俺が部屋の入り口で声をかけようとした時、タイミングよく牧野は俺の目の前で倒れ込んできた。
だから片手でその身体を受け止めた・・・真っ赤になった牧野はびっくりして俺の顔を見てる。
どうしたの?・・・なんて聞くからみんなの前でわざと怒っているフリをして・・・全員の反応を楽しんでしまった!

そして牧野に嫌味を言っていた上司に忠告をしておいた。こんな時、西門というブランドは役に立つよな。


********


部屋を出るとき、わざと牧野を抱きかかえた。こんなことして出て行くヤツなんて見たことがないだろ?
結構インパクトがあるよな!特に山川には・・・。

案の定、奥にいるアイツは随分と嫌そうな顔を俺たちに向けてきた。
自分が振った女がすぐに違う男に抱き抱えられるのが面白くないってか?

「きゃっ・・・!ちょっと、西門さん!」
「暴れるなよ?あんまり動いたら落っこちるぞ?」

わざと牧野の耳元で囁くと真っ赤な顔をして俺を睨むけどその手は落っこちないようにと俺の首に回った。
牧野の薄いブラウスが俺の胸元に当たって・・・その膨らみに一瞬ドキッとしたけど。


「お会計は西門につけておいてかまいませんよ。牧野がいつもお世話になっているのでそのぐらいはさせて下さいね。
では失礼します。これからは遅くなるようでしたら参加は出来ないと思いますから・・・」

こいつがこの場の責任者だろうと思うジジィに向かって嫌味を込めた営業スマイルをしてやった。
そして牧野の同僚には得意角度で笑顔を送る・・・明日こいつはとんでもない目にあうかもな!


「だから・・・自分で歩けるってばっ!」

「その割にはしがみついてるじゃん?店の中だけ危ないから捕まってろよ?」

思いっきり優しい彼氏だろ?こいつらの目には絶対にそう映ってるはず・・・。
店内に響きわたる女の悲鳴・・・まぁ無理はねぇな。牧野まで叫んでいるのはどうかと思うけど。


********


そして店の外に出たら一度牧野を下に降ろした。
赤い顔して叫びまくったから牧野は息が上がってるんだけど・・・まぁ、なんとか1人で立っていた。
仕方がないからすぐ側にあった自販機でミネラルウォーターを買って牧野に渡した。

「どんだけ飲んだんだよ。お前・・・酒、弱いのか?自分の量ってのを考えて飲まないと酷い目にあうぜ?
ほら・・・ミネラルウォーター飲んどけ。車は駅に駐めてるから歩けないなら抱いてやってもいいけど?」

「い・・・いいよ。大丈夫、1人で歩けるから。肩だけ貸してくれる?」

「ばーか!お前が俺の肩になんか手を回せるか!ほら・・・支えてやるからお前は荷物だけ持ってろ」

そう言ってフラフラの牧野をもう一度引き寄せた。
確かにこれは女っぽくはないんだけどこんな牧野を嫌だなんて思わない・・・むしろ何故か可愛いヤツだと思った。
俺の前には絶対にこんな姿を晒さない女しかいなかったからな。



「あのっ・・・すみません、待ってもらえますか?」

車に向かって歩こうとしたら後ろから1人の男が声をかけてきた。・・・山川だった。


「あの・・・牧野さんは俺が送っていくんで・・・西門さんでしたよね。あなたにはお帰りいただいてもいいですよ。
あなた・・・牧野さんの彼氏じゃないですよね?」

「あんたは山川さんだっけ?この前こいつを振った男だよな?・・・なに?まだ牧野に未練でもあんの?」


冴えない男・・・どうせあの時に連れていた派手なねぇちゃんにも振られてもう一度牧野とやり直そうってところか?
それにしても牧野も男を見る眼が少しもないんじゃねーか?こんな男と一時期でも付き合ったなんて・・・。

「確かにそうですけど・・・それはつい最近ですよ?その時にあなたのような人の話は聞いたことがない。
どういう関係かは知りませんが恋人になるには時間がなさ過ぎますよね?」

「時間があっても進展しなかったヤツに言われたくはないな」


俺は山川から牧野が見えないように隠してもう一度睨み付けた。
この俺に睨まれて可哀想に・・・山川はビビって声も出なくなった。

「悪いけどもうあんたの出番はねぇな。あんたにはこいつのいいところがわかんなかったんだろ?
こいつもあんたには自分の全部を見せられなかったんだ。その時点で恋人としては終わってんな。
確かに俺たちはまだそんな関係じゃないけど、あんたよりはこいつのこと知ってるぜ?
こいつも俺には色んな顔を見せてくれるよ。・・・いつかはこれが本物になるかもしれねぇって感じてるよ。
そういう事だから、あんたは他の女を探しな!・・・じゃあな!」

牧野があんまり意識がはっきりしてないのをいいことに、山川には本心を話していた。

俺の中にある気持ちがなんなのか・・・こいつが友達なのかそれとも大事なのか、守りたいのか・・・。
牧野は俺をどう思ってるのか、あの頃と同じ友達のままなのかそれとも1人の男として見られているのか・・・。
今はまだ俺にもわかんねぇんだけど。



「牧野さんが俺の所に戻りたいと言ったら?」

「それが牧野の本心なら返してやるよ。でもそれは残念だけどないな。あんた・・・みっともないことだけはすんなよ?
もしも牧野にこの先何かしたら絶対に許さねぇからな・・・それだけは覚えとけ!」


急に横にいた牧野の身体ががくっと崩れた。

「牧野!・・・酔いが回っちまったな。こりゃダメだな・・・」


俺にその身体を支えられたまま完全に酔いつぶれた牧野はもう立っていられない状態だった。
大勢の通行人と山川が見ている前でさっきみたいに牧野を抱きかかえた。

俺に全身を預けてまるで眠るように胸に顔を埋める牧野・・・その顔を見ながらそっと瞼にキスをした。
山川もそんな俺たちを見て黙って頭を下げて店に戻った。


「うん・・・西門さ・・・ん・・・?」

「本気で寝てんな?・・・俺が来なかったらどうする気だったんだよ。・・・バカ野郎!」


こんな迎え方なんて初めてだ。
酔いつぶれた女を店から運び出して自分の車で連れて帰るなんて・・・。

でもこれってすごく特別なことのような気がして・・・何故か気分がよかった。

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Comments 6

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2017/07/25 (Tue) 12:57 | EDIT | REPLY |   
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2017/07/25 (Tue) 16:12 | EDIT | REPLY |   
plumeria  
Re: タイトルなし

花さま、こんにちは❗

私も多分来てもらえないよ?
抱っことか私の身長では無理だよ。
体重なんて論外だし。総二郎がギックリ腰になるかもしれないよ?

してもらいたいことを全部書いちゃおうかな⁉️
って思いながら進めてます❗

花さまの新しいの、あとで見に行くね❗
ちょっとまだ行けてない‼️(笑)

2017/07/25 (Tue) 16:26 | EDIT | REPLY |   
plumeria  
Re: こんにちは

えみりんさま、こんにちは🎵

珍しくお怒りですね?(笑)
朝起きたら総二郎?ふふ、それはとんでもないわ。
飛び付いてしまいそう‼️
酔ってる場合じゃないですよね。

うなぎ?私も無理です。
私も穴子は大丈夫なんだけどなぁ。
なんでですかね?

食欲がた落ちですよ。飲み物で生きてます。
えみりんさまも気をつけてくださいませ。

2017/07/25 (Tue) 16:33 | EDIT | REPLY |   
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2017/07/25 (Tue) 16:56 | EDIT | REPLY |   
plumeria  
Re: タイトルなし

さとぴょん様!今晩は!

じれったいお話しですよね~!忍者の合い言葉ね・・・なるほど!

このセリフは昔、これに似た言葉を言われたんですよ!(出た!plumeriaの昔話!)
反対の意味で、「好きになるのに時間が必要なのか?」みたいな・・・。
そのパクリですね!

しかしながら私は実際にお姫様抱っこされている人をテレビ以外では
見たことないんですよね。見たことあります?

だから想像で書いたんですけど、やっぱり首に手を回しますよね?
これを一人では実験できなかったので困りましたよ・・・。

総二郎が送り狼になりませんようにっ!

今日もありがとうございました!

2017/07/25 (Tue) 20:56 | EDIT | REPLY |   

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