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「何奴の仕業か知らねぇが、折角のバレンタインディナーだ。楽しまなきゃ損・・・だよな?」

西門さんがそう言ってアペリティフのグラスを持った。
そして私も同じように・・・でも、言ってる意味が判らなくてキョトンとしたまま。
すぐに持って来られたアミューズの後のオードブル、それを「食おうぜ」なんて言いながらこの状況を説明してくれた。


「えっ?これって・・・態と?!」
「じゃねぇのか?因みに俺にはお袋が『牧野さん、お客さんにモテるから、近々お嫁入りが決まるかも。ご指名の男性が居るからバレンタインはその人かもね~』、って言ったぞ?」

「嘘だよ!森山さんから言われたのはあの日が初めてだよ?それにお店の奥さんが『美咲様なら確かもうすぐ良いお話があるらしいわ。家元夫人が美咲様に似合う着物ってどんなのかしら~』って言ったもん!」

「あいつが誰と良い話になるかは知らねぇけど相手は俺じゃねぇな。着物は単に祝いじゃね?」


マジで?って2人で話してたら馬鹿馬鹿しくなって、そのうちお料理に夢中になった。
うん、彼の言う通り折角のディナーだもの、楽しまなきゃ損だ!クラシックコンサートで爆睡した分頭が冴えてるし、西門さんは「もう、いいか!」なんて言ってお酒を飲み始めた。
聞けば美咲さんとは気が乗らなかったから、早く帰るために車で来たって・・・それヤバいんじゃないの?って言えばニヤリ・・・

その笑顔にちょっとドキッとした。


「それにしてもお前、そんな鞄持ってた?」
「あぁ、これは美作さんからの贈り物」

「・・・あきらから?もしかしてそのドレスは・・・」
「これは道明寺から。そしてコートは花沢類から・・・・・・だって送ってくるんだもん、強請ったわけじゃないわよ?!」

「・・・・・・ふぅ~~ん」
「い・・・1番身近に居る人は何もくれないもん!」


この時にもニヤリ・・・・・・やだっ、またゾクゾクするんだけど///!!


この後に出て来たオマール海老と鮑の鉄板焼きに黒毛和牛のサーロインステーキ♡それにローストオニオンスープにその他諸々・・・可愛いお皿に豪華な飾り付け、しかもすっごく美味しくて手が止まらない!
西門さんも「落ち着いて食え!」って言うけど、落ち着けるわけないじゃん?
だから口を動かすことで必死に誤魔化してた。


「本日はバレンタインですから当店からのプレゼントでございます」

そう言って最後に出されたのは生クリームの小さなホールケーキ・・・しかもピンク色のクリームで薔薇の花が作られてて、それが1番上にドーン!と乗っかってた。
その回りにもピンク色のクリームでハートが描かれてて超ラブリー・・・どう見ても私の抹茶ロールケーキは見劣りする。
・・・って言うか、目の前には抹茶をこよなく愛する茶人だし?

それを入れた袋をチラっと見ると、西門さんはすぐに気がついたらしい。
テーブルの上と袋の中を交互に覗き込む私に「何隠してるんだ?」って声を掛けて来た!


「あっ!いや、別に・・・」
「まさか森山に?」

「・・・・・・そうだけど、だって、こんな日だし、義理でも、一応は・・・・・・ねぇ?」
「見せてみ?」

「えっ、なんで?!嫌だよ!」
「義理なんだろ?いいじゃん、見せてみ?」

「西門さん、食べないじゃん!抹茶のケーキなんて・・・・・・あ・・・」
「・・・お前、抹茶をケーキにしたのか?」


ほらぁ!!もう怒ってるじゃん!
せっかく楽しく食べてたのに~~~~っ!



それでも出せって言うから仕方無く・・・こんなレストランで自分の作ったケーキなんて出していいの?って思ったけど、何度も催促するからヤケクソで袋から出した。
そして凄く綺麗なケーキの横に置いて、自分でラッピングした箱を開けたら・・・イチゴでハート作ってる抹茶のロールケーキが姿を現した。


「なんでハート模様?」
「それは・・・たまたま切り口のイチゴがそうだっただけだよ」

「実に分かり易くカットされてるみたいだけど?」
「気のせいだよ、気のせい」

「これを森山に渡すつもりだったのか?」
「・・・チョコじゃないからいいじゃん!もういいでしょ、持って帰るから!」

「阿呆、俺が食う!」
「・・・えっ?」


甘いものなんて食べない人で、
抹茶をお菓子に混ぜたら怒る人で、
バレンタインの贈り物なんて絶対に受け取らないくせに・・・そんな西門さんが私の作ったケーキを目の前で食べてる。しかも見事に全部・・・その間、私は全然ケーキが食べられなくて唖然としてた。

「食わねぇのか?」って言われて、慌ててめっちゃ綺麗な薔薇のケーキにフォークを入れたけど、何故だか味が判んない。
そのぐらいカラになった箱の中身に驚いてた。
その間彼はスマホで何かを操作中・・・でもそれは数秒間ですぐに終わり、珈琲カップに手を伸ばしてた。


「・・・美味しかった?」
「ケーキとしては美味いんだろうが、抹茶は許せねぇな」

「だから食べなかったら良かったのに・・・」
「そのピンク色のケーキよりはマシだと思っただけだ」

「うわ・・・なに、その言い方!頑張って作ったんだよ?!」
「・・・いいから食い終わったんなら行くぞ!」

「えっ?あっ、はい!」


彼が席を立つと奥から出て来た素敵な男性が、「こちらでございます」と言って小さな封筒を手渡してる。
それが何かは判らなかったけど、デザートが終わったんだからもう帰るんだと思って、急いでコートを手に持って西門さんの背中を追った。
この人が歩くと他のテーブルの女性たちが一斉に見る・・・彼氏が目の前に居てもそうなるのね?と、後ろをついて行く私は何処を見ていいやら判んない。

とにかくレストランを出たらエレベーターホールに向かって、そこで西門さんが昇降ボタンの▲を押した。

・・・ん?何故▲?・・・▼じゃなくて?


このレストランの上にあるのは・・・・・・


「ほら、早く乗れって」
「あぁ、はいはい!」

「部屋取ったから」
「あぁ、そうなんだ・・・・・・・・・えっ?!!





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明日、ValentineStoryはお休みです。
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Comments 4

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2021/02/27 (Sat) 17:07 | EDIT | REPLY |   
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2021/02/27 (Sat) 18:04 | EDIT | REPLY |   
plumeria  
Re: タイトルなし

ビオラ様、こんばんは。

コメントありがとうございます。

総ちゃんは気付いたらソッコーかもしれませんが、つくしちゃんはそうはいかないですよね(笑)
なんたって経験不足ですから💦

そこを上手くリード出来るかな?
総ちゃんが焦って強引になったら、また一揉めしそうですけど(笑)

さて、どうしようかなぁ~~、臨時便は都度書いてるのでまだラストまで辿り着いてないからなぁ~~♪
今晩ゆっくり考えます(笑)

2021/02/27 (Sat) 21:44 | EDIT | REPLY |   
plumeria  
Re: タイトルなし

パール様、こんばんは。

コメントありがとうございます。

あら、お部屋取っただけじゃないですか(笑)
そこでババ抜きするかもしれないし(2人で?)、朝までシリトリするかもしれないし、広いだろうからかくれんぼかもしれないし?

ダメダメ、期待だけ膨らましちゃ♥
お利口で待ってて下さいね(笑)

次はいつになるか判らないけど(笑)あっはは!

2021/02/27 (Sat) 21:47 | EDIT | REPLY |   

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