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日曜日になった。
レストランのアルバイト面接だからスーツじゃなくてもいいだろうけど、少しだけ真面目な格好・・・と言うか、ワンピースに薄手のカーディガンにした。
髪はキチンと括って、お化粧もちゃんとして、印象だけは良くしなきゃって思うけど出てくるのは溜息ばかり。

高瀬君の頼みだから行くだけだもん、もしも不合格でも全然問題無いし。ぶっちゃけその方が有り難いくらい今のバイトで生活が出来てる。
・・・西門さんの紹介してくれた家庭教師のおかげで。


「それなのにあんな事言っちゃって・・・もう許してくれないだろうなぁ・・・」

こんな思いするぐらいなら素直に光流さんとの事を祝福してあげれば良かった。
「結婚祝い何がいい?」とか「可愛いお嫁さんで嬉しいでしょ?」とか「西門さんが1番とか意外だよね~」とか「もう自由には出来ないね~」とか「過去の女性問題片付けなさいよ?」とか(←途中から祝福になってない)・・・そうしたら清々しい気持ちでさよなら出来たかもしれないのに。

「・・・って、友達の場合はさよならしなくてもいいんだけどね」


そんな事を呟きながら鞄を新しいものに変えてる。
いつもの古い鞄じゃこの格好に似合わないもの。

「西門さんが見たらアホか!って言うのよ、ホントにあの人は口が悪くて・・・」、そう言った時には手が止まる。
気が付いたらいつもこの名前が出てくる・・・いつも誰かとこの人を比べちゃう。


・・・そうなのよね。

1番肝心な言葉を呑み込んでるのは自分でも判ってる。
でも、それは無理なこと・・・絶対に望んじゃいけないこと。

もう道明寺の時と同じミスはしないって決めてるから。


ほっぺたをパンパン叩いて今の事を頭から叩き出し、下駄箱からキレイめな靴を出して履いた。そして態と鼻歌歌いながら玄関を出て、ドアに鍵を掛けたらリズミカルに階段を降りた。


「うわ、暑っ・・・面接会場に行くまでに溶けちゃいそう~!」

青空に片手翳して太陽を仰ぎ見る・・・NYの空もこんな感じだったなって思い出しながらバス停に向かった。



そして到着したのは午後3時15分で、覚えていたビジネスホテルに入った。
面接開始は3時半だったから丁度いい。部屋番号は10階の「108」・・・部屋番号があるのに会議室なんだ~、と深く考えもせずにその部屋を探してノックしてみた。

コツコツと靴音がする・・・緊張してないつもりが、やっぱり面接だと思うとドキドキするなって手の平にかいた汗をスカートで拭いて待っていた。
そしてドアが開くと、そこに立っていたのは普通の服着た男性・・・間違えたのかな?とその人の顔を見上げて・・・


「あの面接に来た牧野と申しますけど、間違えましたか?108号室と聞いて来たんですけど」
「あぁ、間違えていませんよ。どうぞどうぞ、お入り下さい」

「失礼します。履歴書も今日持って来ましたので」
「それはご丁寧にありがとうございます。ささ、奥へどうぞ」

「・・・・・・?」


その人は私の背中に手を当てて、少し強引に中に入れた。
普通こんな時に身体に触るだろうかと、凄く嫌な感じがして振り向いた瞬間・・・・・・・・・!!


「いやああぁーーーーっ!!」



*************************



日曜日の午前中、何の予定もなかった俺は部屋で悶々と考え事をしていた。
光流に言われた言葉もそうだけど、あの男の態度が気になる・・・あれから何度か牧野に電話してみようかと思ったけど、俺からだと出ないかもしれない、そう思うとかけられなかった。

だからと言って玲那や凜々花に牧野の様子を聞くわけにもいかない。
じゃあ残りは・・・と思い付くのはあの喫茶店だ。そこに行ってマスターにでも聞いてみようかとヘルメットとハーレーのキーを手に持った。

お節介だろうし、牧野が知ったら嫌がるだろう・・・でも、何故か今日はすげぇ嫌な予感がする。
何かが起こりそうな・・・事故なのか怪我なのかなんて判んねぇけど。

グローブをはめてハーレーに跨がりエンジン始動・・・何だろう、やっぱりゾクゾクする。それを吹っ切るように今日も爆音を響かせて屋敷を飛び出した。



そして喫茶店に着くと店内に入り、マスターの真ん前のカウンターに座った。

「いらっしゃいませ・・・おや、あなたは確か・・・」
「この前はどうも。牧野の知り合いなんですけど、あいつ今日はバイトじゃないですよね?」

「えぇ、次は明日の月曜ですから。ご存じなのに来られたんですか?」
「はい。少し聞きたいことがあって」

「・・・もしかしてあの事ですか?」
「あの事?」


俺が聞くより先にマスターがそう言って、奥から1枚の紙を持ってきた。
それを俺に向けて「牧野さんの忘れ物ですけどね」・・・そう言うから見てみると、レストランの求人広告ってヤツか?これを牧野が持って来たと言って、マスターが少し心配そうな顔をした。

俺にはこんなレストランに関する情報は全くなく、入ったこともない店。都内に幾つか店舗があるらしいが名前すら知らない。だからマスターが心配する部分が判らなくて聞いてみたら・・・


「そのレストランは今、あまり客がいないようで危ないって話です。オーナーが去年お亡くなりになって、全然違うオーナーが買い取ったらしいんですけど、そこが失敗したというか・・・それなのにアルバイト急募ってのが引っ掛かりまして」

「牧野はなんて?」

「それがお友達に頼まれて断わられなかったって言ってましたよ。本当はしたくないけど、どうしてもって言われたから夏休みの間だけにするとか・・・確か今日が面接ですよ。そこに書いてあるでしょ?」

「・・・・・・今日の3時半から・・・え、こんなところで?」
「はぁ・・・それもおかしいでしょ?普通は店舗の中に事務所のようなものがあると思うんですけどね。それにチェーン店なら本部があるんだからそこですると思うんですが」


友達に頼まれて断わられなかった・・・それはあの時の高瀬の事だと思った。
あの喫茶店で牧野に頼んだのはこれか?わざわざ呼び出してまでバイトの面接依頼・・・電話じゃダメだったのか?

マスターの話と高瀬の態度が重なる・・・俺の嫌な予感はこれなのだろうかと広告をジッと見ていたら、妙な事に気が付いた。


広告に記載されている文字のフォントが違う箇所がある。
よく似ているが、微妙に・・・そこの「か」の文字と、上部にある「か」を折り曲げて隣に並べるとその違いが判る。
その違う箇所こそ、今牧野が向かってる場所と時間だ。

急いでこの広告に書いてある電話番号に掛けてみたら、電話に出た人間にあっさり「面接なんてありませんよ」と言われた。


「えっ!でも牧野さんは今日行くはずですよ?私にもそう言ってたし・・・」
「マスター、この広告もらっていいですか?この場所に行ってみます!」

「えぇ、どうぞ!牧野さんを見掛けたら面接なんて受けないように言って下さいね!」


不味い・・・あのクソ馬鹿、今度は同級生に嵌められたのか?!

喫茶店を飛び出すと、近くに停めていたハーレーに飛び乗り、牧野が居る場所に向かった。
飯田の時よりも田坂の時よりもヤバい・・・牧野は無防備のままここに入ったはずだ。まさかと思うがあいつに手を出してねぇだろうな?

もしもそうなら絶対に許さない・・・!!


「それもこれも牧野が俺に迷惑とか言うからだ!あのド阿呆!!」





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Comments 4

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2021/02/28 (Sun) 12:33 | EDIT | REPLY |   
plumeria  
Re: タイトルなし

パール様、こんにちは。

コメントありがとうございます。

これが10日前に白紙だったお話です(笑)
思ったよりヤバかった?でも想像出来たでしょ?
このぐらいじゃないと総ちゃんがボコボコにされないのでね~~(笑)

コメディとは言え、つくしちゃんの相手はみんなすっごいワルだよね💦
でも今回は相手が力技で来てるから1番ヤバいかも?


さぁ、総ちゃんは間に合うのか?!!
つくしの代わりにボコボコか?!(笑)

なーんちゃって♥

2021/02/28 (Sun) 14:02 | EDIT | REPLY |   
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2021/02/28 (Sun) 17:03 | EDIT | REPLY |   
plumeria  
Re: タイトルなし

パール様、こんばんは。

コメントありがとうございます。


あっはは!信じてやって!!

ってか、今度はドラゴンボール?!(爆)
普通に悟空の話だよね?

イベントの悟空なら記憶から消して下さい!!!!お願い~~~~💦

2021/02/28 (Sun) 23:45 | EDIT | REPLY |   

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