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plumeria

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お昼になったらお弟子さんが母屋のダイニングに行くようにと言ってきた。
この家のことはほとんど知らないので案内してもらってそのダイニングに行ったら西門さんが待っていて
お昼ご飯が用意されてる・・・その豪華なテーブルの上の料理に釘づけになった!


「ねぇ・・・これどういう事?」

「お前、昨日はあれだけ酔っ払ってたんだから弁当なんて作ってないだろ?だからここで一緒に食おうと思って
用意させたんだ。有り難く思えよ?ほら・・・お前はそっちに座れ。時間ねぇだろ?」

今まであれだけ怒っていたのにこの目の前の料理に完全敗北・・・言われたとおりに座ってお昼をいただいた。
家元夫人まで合流して、なんだか家族団らんみたいになってる・・・。

昔はそこまでお母さんと話してなかったと思うんだけど・・・西門さんも少しは大人になったのね?


「うわっ・・・!なにこれ、美味しいっ!こんなの食べたことないかもっ!」

「まぁっ!・・・牧野さんは随分と豪快にお食べになるのね?見てて気持ちがいいわね!
総二郎さんが連れてくる娘さんがこんなタイプだったなんて・・・なんだかすごく安心したわ!」

「本当に美味しいんですもの!これ・・・作り方聞きたいなぁ!隠し味とかあるんでしょうね?」

「・・・隠し味?そうねぇ・・・隠してあるんなら探さなくてもいいんじゃないかしら?」

「・・・え?」


・・・そうか、家元夫人はご飯とか作らなくてもいいから隠し味がわかんないんだ。
確かに言われたらそのとおりかもしれないけど、それを探したいのが主婦というものでは?
そしてほとんどのおかずが西門さんの前から私の前に移動してきた!

「さっ・・・牧野さん、たくさん食べてね!総二郎さんはそんなに食べないのよ。このままだと残ってしまうわ」


そして、さらっと聞き流したけど「総二郎さんが連れてくる」じゃなくて「総二郎さんに呼び出される」が正解!
私は西門さんに強制退職させられて、ここに強制入社させられたんですよ?家元夫人・・・知ってます?

西門さんにそっくりな家元夫人はものすごい美人・・・とてもこれで50に近いなんて思えない。
どんな化粧品使ったらそんなに肌が綺麗になるんだろう。20代の私よりキメが細かいのでは・・・?
私の正面で並んで座っているこの二人を見ていたら自分が情けなくなってくるのは何でだろう・・・

その顔に見とれて食べるのを忘れていたら、西門さんが咳払いをして睨んできた。


「さっさと食わないと昼休みなんてすぐに終わるぞ!ついでにデザートまでいきたいなら尚更だ!」

「ほんとっ?!・・・頑張るっ!」

ご飯を頑張る?・・・家元夫人の前で間違った日本語を使ってしまったけど、それも気にせず笑ってくれた。

「突然、総二郎さんが無茶をするから驚いたでしょう?ごめんなさいね・・・でもここで働いてもらえるかしら?
総二郎さんは気むずかしいから誰も続かないのよ。西村さんが困ってるの。牧野さんぐらいお話しが出来るなら
総二郎さんも仕事がしやすいわ。お仕事といっても秘書さんの補佐みたいなものよ?ついて回るようなことはないと思うわ。
ゆっくりでいいから覚えていってね?・・・その時までお時間もあるしね」

「はぁ・・・なんだかもう落ち着きましたから。それにここを辞めたらそれこそ行くところがありませんし」

とてもお給料に負けたなんて言えないわ。西門さんは横向いて笑ってるからバレてるのね?
ん?・・・お時間があるってどういう事?


「総二郎さん、お稽古は金曜日ですって?それならその日はうちに泊まっていただいたらどうかしら?
お若いお嬢さんなのに遅くに帰すなんて私は反対だわ。何かあったら怖いし・・・」

「お袋・・・そりゃまだ早すぎねぇか?俺はいいけど・・・まぁ、空いてる部屋なんていくらでもあるし」

「あら!客間だなんて寂しいわね。せっかくだからお部屋を作ろうかしら。・・・総二郎さん、どう思う?」

「好きにしなよ。牧野がいいなら俺はかまわねぇよ。親父にはお袋が説明してくれんだろ?」

「もちろんよ!大丈夫・・・反対なんてしないわよ。この私が決めたことなら許して下さるわ」


私が一言も話さないのになんでこの親子は私の週末を決めてんのかしら・・・。
誰が働いた場所でお泊まりすんのよっ!帰りたいに決まってるでしょう?似たような顔して恐ろしい親子だわ。


「あの・・・さっき言われた時間があるってどういう意味ですか?お泊まりって・・・ホントにここに泊まるんですか?」

「そうね・・・なんと言っても西門は長い歴史があるもんだから、何かと全部覚えるのは時間がかかると思っただけよ?
あら?・・・・・・嫌だ、総二郎さん違うの?」

家元夫人はキョトンとした顔で西門さんを見た。その西門さんは涼しい顔してお茶なんて飲んでるけど。


「さぁな、牧野次第じゃねぇの?まぁ・・・稽古はみっちりつけてやるよ。お前は筋が良かったから心配すんな。
そのうち俺の片腕ぐらいにはしてやるよ」

私次第?みっちりと稽古?まるでほんとに花嫁修業じゃないの!
思いっきり睨んでやろうと思ったら逆にその切れ長の瞳で見つめられた・・・あの悩殺的な角度で。

またドキッとする・・・そしてまた身体中が熱くなる。
その熱さを最後のデザートで冷ましてから、私はまた事務所へと戻っていった。


*******


午後からは西村さんに西門の歴史と取引先の名簿、後援会の資料、地方支部の名簿なんてのを見せられた。
パラパラとめくったら・・・あるじゃないの!見慣れた名前が山のようにっ!
道明寺に花沢に美作に・・・三条に大河原・・・みんなの顔を思い出したら鳥肌が立ったわ!


「主要なお取引先と後援会の方・・・地方支部長さん達は間違うと大変なことになります。
お時間があるときに見ておいて下さいね。あとは年間行事予定表・・・これは早めに覚えて下さい」

「はい。わかりました」

いったん仕事モードに入ったら自分で言うのも変だけど、至って真面目な方だと思う。
高校生から働いててお給料をもらうってことがどういう事か・・・よくわかっているから。



そうしていろんな意味で目まぐるしかった今日一日が終わった。

「牧野さん、お疲れ様でした。明日から宜しくお願いしますね。お渡しした書類を書いて明日持ってきてください。
出入り口は今日と同じです・・・気をつけて帰って下さいね。このあと総二郎さんには会いますか?」

「いいえっ!いいです。・・・・これ以上話すとまた喧嘩になりますから!では・・・明日から宜しくお願いします」


なんでこんな事になったのかしら・・・。
やっぱりいくら考えても納得は出来ないんだけど・・・お給料が良かったから、まぁ、いいかっ!
人生こんな事もあるわよね!無職にならなくて良かったわ・・・そう思うしかないじゃない?

裏口から出てバス停に向かって歩いていたら、あのとんでもない車が私の隣で優雅に止まった。


「牧野!お疲れさん!送っていくから乗れよ!」

「疲れさせたのは誰よっ!」


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再度申し訳ありません。
この意味がわかったかたは夜更かししましたね?
( ̄∇ ̄)では・・・夜と違うところを見つけてみましょう!
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2017/07/29 (Sat) 23:26 | EDIT | REPLY |   
plumeria  
Re: タイトルなし

さとぴょん様!おはようございます!

あはは!あれはですね・・・また類のお話しと同時公開したんですよ!
気をつけてるつもりなんですけど暑いからかな・・・。
総二郎のお話まで00:00で予約したみたいで。

今回は先輩からの連絡がなかったのですが、何気に自分で確認したら類のお話しが
出ないといけないのに総二郎のお話が出ててびっくりしたんですよ!
「またやってしまったっ!」・・・とは思ったんですが、せっかくだから少し変えたんです。

お昼にまた見たらわかるかな~って思って。すみませんでした!

家元夫人・・・いつかはまた嫌な人で書くかもしれないのでその時は予告します!
本当に嫌いなんですね!綾乃ちゃんの時の家元夫人!爆笑!

いつもありがとうございます!

2017/07/30 (Sun) 08:47 | EDIT | REPLY |   

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