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牧野の運転する車は横浜方面に向かっていた。
しかも何の説明も無し・・・どうしたんだろうとチラッと運転席を見るけどフンフンと鼻歌交じりでご機嫌だし。

こんな事されると少し変な期待をするじゃないか・・・と、俺は軽くパニックだけどそれを顔に出すのはみっともない。
それにお互いにオトナだ・・・イチイチ方向が違うぐらいで大慌てする時間でもない。この行き先がホテルでも無い限り・・・と思っていたら、真正面には見覚えのある一部会員制の高級ホテル・・・?


まさかここでディナーとか?
いや、牧野の格好は全然そんな感じじゃない・・・このままスーパーに買い物に行きそうなぐらいだし。
まさか部屋・・・いやいやいや!それこそ有り得ないだろう!!

司の元カノの牧野だぞ?
類のソウルメイトで総二郎の喧嘩友達みたいな牧野がそんな事を・・・と顔だけフツーだけど、今度は頭で大パニック起こしてる俺。それを全部無視して、この車はホントにホテルの駐車場に入った。


「・・・・・・・・・」
「はい、着いたよ~」

「・・・・・・牧野、間違えてないか?」
「間違えてないよ。はい、降りて?」

「・・・ディナーするのか?もしかして」
「う~~ん、それも後のお楽しみかな?」

「お楽しみ?!」


ここでも牧野は小さな鞄ひとつで運転席から出て、呆気にとられてる俺のところまで来た。
そしてドアを開けてくれて「どうぞ~」なんて・・・そんなの女性にした事はあっても自分がされた事はなかったから吃驚を通り越して恥ずかしい!
まったく・・・人の気持ちも考えずに、と拗ねた顔を出してしまったじゃないか!



ホテルに入ったら今度はフロントを素通りしてエレベーターへ・・・それに驚いて「何処に行くんだ?」と言えば、ニコッと笑って「いいからついてきて」と。

もう予想外の事だらけでついていけない・・・。
でも隣の牧野はすごく嬉しそうで、それを見ると「まぁ、いいか・・・」なんて、成り行きに任せようと思う自分が居る。
おそらくここのレストランでも予約してて、飯を食いながら昔話でもしたいんだろうと・・・総二郎じゃ喧嘩になるから俺ってことか?と小さく溜息をつきながらエレベーターの壁に縋っていた。

でもそれも外れた・・・牧野が歩いて行くのは会員制のエリアで、しかも特別なスィートルーム・・・?


「ちょっと待て!牧野、絶対に間違えてるだろう!」
「なんで?ほら、キー持ってるもん」

「・・・・・・は?」
「ここがお部屋だよ?さぁ、入って入って~~」

「入ってって・・・牧野!意味判ってるのか?!」
「判ってるよ。だからこの部屋なの」

「・・・は?」
「着替えてくるから待っててね」


部屋に入ったら牧野は俺を置いて奥の部屋に向かった。
その背中を見ながら1人呆然・・・一体何が起きてるんだ?!とお袋に電話してみたけどやっぱり繫がらない。それならと自宅に電話したけど誰も出ない。
みんなでグルになって何やってんだ?!と焦ってるうちにカチャッとドアが開いて・・・・・・ペールピンクのドレス着た牧野が現われた。


それは色こそ可愛らしかったが、俺好みのシンプルなヤツ・・・腕だけ総レースでウエストにフロントリボン、プリンセスラインのシルクだった。
胸元を飾るのはパールのネックレスでお揃いのピアスが揺れてる。
さっきと全然違って美しくて・・・俺はここでも言葉がすぐには出なかった。

その牧野が穏やかに微笑んで俺の前に立ち、「エスコートしてくれないの?」・・・そう言った。


「・・・どうしたんだ?なんで・・・」
「だって美作さん、いつも差し障りない会話だけで終わっちゃうんだもん。帰って来て欲しくて電話してるのに、帰国したって私には会ってもくれないから。だからおば様に頼んでこのお部屋、取ってもらったの」

「・・・・・・いや、でも・・・」
「お誕生日のお祝い、私とじゃイヤだった?」

「そんな事はない!俺はいつも・・・!」
「・・・じゃあ28日が来る時を私と・・・・・・だめ?」

「いいのか?」
「勿論・・・ずっと待ってたんだよ?」


そう言ってスッと出された手・・・それを取ると牧野の目に光るものがあった。
その目を見ると我慢出来なくなって彼女を引き寄せ、情けないほど震えてる腕で抱き締めた。そうしたら泣き笑いしながら「お帰り、美作さん」・・・それに小さく「ただいま、牧野」と答えるのが精一杯。

俺の背中に回った手が同じように抱き締めてくれて、そこで漸くこれは夢じゃないって・・・思えた。



この後牧野をエスコートしてレストランの特別席に向かい、そこでフレンチのフルコースディナー。
この選択に驚いたのは勿論だけど、それよりも牧野がマナーを覚えてることに吃驚した。それはかなり手慣れててスムーズな動き・・・いつの間に?って聞けば・・・


「夢子おば様が教えてくれてね、何度もここで練習してるの」
「お袋が?」

「うん、初めは何も出来なくて大変だったけど、今じゃ和食マナーも着付けも出来るのよ?」
「そうなのか?!着物・・・へぇ~!」

「外国に行くんなら覚えなさいって。着る機会もあるだろうけど手伝ってもらえないからって言われてね」
「・・・・・・・・・?」

「でもダンスは習ってないの」
「ダンス?あぁ・・・それも意味があるのか?」

「・・・やだなぁ、それはパートナーに教えてもらいなさいっておば様が言ったのよ」
「・・・・・・・・・・・・」

「他の男性と踊っても良かったの?」
「いや、それは許せないな。よし・・・じゃあイギリスで特訓するか?」

「・・・宜しくね、あきらさん♥」
「あ、後で土産があるから///!でもイギリスに来るなら・・・買うんじゃなかったな!」

「くすっ、照れちゃって!」
「・・・たまには悪くないだろ///!」



今日から牧野には態と作った笑顔じゃなくていい・・・こんな情けない顔も晒していいんだって事が嬉しかった。
少しぐらいの我儘も、少しぐらいの不機嫌さも、少しぐらいの・・・いや、ジェラシーは思いっきり表わしてもいいんだと・・・そして牧野が太陽みたいに笑うのも、元気に飛び回るのも、出来たての料理を食うのも独り占め出来るんだと。




部屋に戻って28日が来た瞬間・・・牧野から初めてのキス。

そして可愛らしいドレスのフロントリボン・・・プレゼントのリボンを解くようにそれに手を掛けた俺・・・


「HappyBirthday・・・あきら」
「I’m in love with you・・・つくし」




終♥



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あきら君、こんなもので許してねっ💦
またいつか、彼のお話を・・・(書けるのか?)
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Posted by

Comments 6

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2021/03/01 (Mon) 16:31 | EDIT | REPLY |   
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2021/03/01 (Mon) 18:16 | EDIT | REPLY |   
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2021/03/01 (Mon) 21:05 | EDIT | REPLY |   
plumeria  
Re: タイトルなし

まりぽん様、こんばんは。

コメントありがとうございます。

あはは💦それは流石に可哀想ですよね~!
誕プレにならない(笑)

私もそこまで野暮ではありませんので、今回はあきら君に素敵な思い出を♥
物足りないかもしれないんですが、なんせ26日に思い立ったので、お話を組み立てることもできず(笑)

ほんとにごめんよ、あきら君💦
って事で、楽しんでいただけたのでしたら良かったです♥

2021/03/01 (Mon) 22:27 | EDIT | REPLY |   
plumeria  
Re: タイトルなし

ビオラ様、こんにちは。

コメントありがとうございます。

うふふ♥あきら君を振り回しちゃいました♥
こんな感じも似合うかなって思って。


それにしても、あきら君っていいですよね~~~♥
ある意味類君より王子様的な部分があるし、やっぱり旦那様にするならこの人が安定してそうだし(笑)
でも○○○は書けません(笑)

無理無理っ💦あっはは!!

2021/03/01 (Mon) 23:10 | EDIT | REPLY |   
plumeria  
Re: No title

SWAN様、こんばんは。

コメントありがとうございます。


あらら♥喜んでいただけました?(笑)
何故かつくしちゃんも可愛くなるのよね~~♥
別の話じゃ縛られた挙句、パンツ見せてるクセに(笑)

そうですね~~~💦
時間があれば書きたいけど、なんせ忙しくてねぇ💦
今、連載続けるのも必死ですから・・・うん、マジで(笑)

そのうちもう少し長めのも考えたいとは思っております。(約束は出来ないけどww)

2021/03/01 (Mon) 23:14 | EDIT | REPLY |   

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