FC2ブログ

plumeria

plumeria

次の日の朝・・・見慣れない部屋で眼を覚ました。
回りには何もなくて一瞬ここがどこなのかわからなかったけど、包まれているシーツの匂いが類のものだったから
一気に眼が覚めた!そうだ・・・ここは類のマンションだった!

昨日ここに来て類に衝撃的な話をされて・・・泣き疲れて眠ってしまったんだ!


「嫌だ・・・類はどこ?・・・類?」

慌ててベッドから降りて部屋のドアを勢いよく開けた。
その目の前のソファーに類は倒れるようにして寝ていた。何かわからない沢山の書類に囲まれて・・・。

側に行くと類は顔色も悪くて少し眼の下にクマなんてつくってて・・・毎晩ここで何かを調べていたんだと思うと
何も知らなかった自分が情けなくなった。道明寺の事も親のことも全部・・・私の為なんだね?


「類・・・朝だよ?大丈夫?・・・いつまで起きてたの?」

「ん・・・つくし?・・・おはよう、ね・・・もうちょっとこっちに来て?」

類が少しだけ手を伸ばしてきたから言われるがまま側に行くと、急にその手は強く私を引っ張って・・・!
類の上に乗るような体勢になった!慌ててソファーに腕を立てたけど真上から類を見下ろす感じになってしまった。
ちょっとっ・・・こんな角度で類を見たことないんだけど?

「なんでそんなにびっくりしてんの?・・・いけなかった?」
「そっ・・・そうじゃなくて!いきなりなんてことするのよ!誰だってびっくりするよ・・・」

「だって・・・昨日もう話したからいいじゃん。朝の挨拶ぐらいこうしても・・・」

類はそう言うと私にキスした・・・しかも私は類の上にいるから背中に回る類の手の力が強くて動けない。
唇が離れても少しの間・・・すごく近くでお互いにその眼を見つめ合ってた。類の顔も少し赤いかもね。

でも、ずっとこんな朝って夢見ていた気がする・・・。


「良かった・・・ちゃんとつくしがここにいて・・・どこかに逃げたらどうしようかと思った・・・」
「これ以上行くとこなんてないよ・・・そんなに何回も迷子にさせないでよ」

その言葉に類はクスッと笑ったけど同時に悲しそうな眼をしていた。
そして私を抱えたまま身体を起こして、そのあたりに散らばった書類を手で掻き集めていた。
その紙には17年前の新聞記事や事件の調査書なんかも含まれているようだった。


「心配しなくてもいいよ。少しずつ調べてるから・・・つくしは今までどおりに暮らしてればいいからね。
これからはちゃんと報告するから。その時は落ち着いて聞いてくれたらいいよ」

「うん・・・わかった。でも私は何も出来ない?やらない方がいいの?」

「つくしは調べなくていいよ。辛くなるかもしれないから・・・頼みたいときには言うからね」

類はこの後ルームサービスで朝食を手配してくれた。
類はコーヒーだけ・・・私にはトーストの他にもフルーツやジュースを頼んでくれていた。
その時に見ていたテレビでは道明寺HDのアメリカでの事業提携のニュースが流れていて、その画面には彼も映っていた。
とても力強く・・・眩しいほど自信家の笑顔の道明寺・・・その隣にいるのが新しい婚約者だろうか。
金髪の綺麗な人が彼の腕をとっていた。

この人とは上手くやれるんだろうか・・・何となくそれが心配。
私はそんな彼をもう応援することしか出来ないけど、どうか穏やかな気持ちで暮らせるようにと祈った。

不意にそのテレビは消されて類が笑顔で話しかけて来た。


「自宅に戻るよ・・・朝食がすんだら一緒に帰ろう」

心配しなくてももう道明寺の事は大丈夫・・・私には類がいるからね。
この日・・・この時間をこれからも持つために自分の過去と戦おうと決心したんだ・・・!


*******


自宅に戻った俺はすぐに自分の部屋に加代を呼んだ。
そして昨日からのことを総て・・・つくしに17年前のあの日の事を話したことを伝えた。


「今・・・なんておっしゃったのですか・・・類様!」

加代は倒れそうなほど驚いてその場に座り込んだから慌ててつくしが支えて側の椅子に座らせた。

「ごめん・・・加代。でも、もうつくしに黙ったまま暮らしていくことは出来なかったんだ。加代に相談せずに17年前の
事を話してしまったのは悪かったと思ってる・・・でも、わかって欲しいんだ!加代だけには・・・」


俯いたままの加代は震えながら俺に聞いてきた。

「どうなさるんですか?・・・旦那様にはなんと言われるのですか?奥様には・・・」

「父さん達にはつくしに話したことはまだ言わない。つくしにもそう言ってあるから、そのつもりで対応してくれ。
それよりも加代・・・聞きたいことがあるんだ」

つくしはずっと加代の後ろからその身体を支えていた。
加代は涙を浮かべてつくしのほうを見上げた・・・つくしは小さな声で大丈夫だと伝えていた。


「つくしがここに置かれていた日・・・俺はまだ2歳だったから覚えていないんだけど本当につくしは何も持ってはいなかったの?
身元に繋がる手がかりは何も?小さなものでもいいんだ」

「えぇ・・・身元がわかるようなものは何もありませんでした。ただ・・・ここを花沢だとは思わずに置かれたのだと思いますわ。
「どなたかはわかりませんけどこの子をよろしく」・・・そんなメモがございました。
ここがこの辺りでは大きなお屋敷だからでしょうかねぇ・・・。
そしてつくし様が包まれていたのはとても上質なものでしたから不思議でした。だから、旦那様達と悩んだのですよ。
とても生活の苦しい家の用意できるものではないと・・・それなら何故置いていかれたのかと・・・。
本当に大切に・・・宝物のように包まれておいででしたから」

「でも・・・捨てられたって事でしょう?私・・・」


「つくし様・・・理由も事情も私たちではわかりませんわ。でも、その時に旦那様達と話したのはつくし様をとても
可愛がられていたのだと・・・幸せを願ってここに置いて行かれたのだということでしたのよ?」

加代は振り向いてつくしを諭すように話した。

「きっとつくし様は望まれて愛されてお生まれになったのですよ。それだけは真実だと加代は思います。
そして今は類様がお側にいらっしゃいますわ・・・あまりご自分の事を卑下しないでくださいませ」

今度つくしは加代の前に座り込んで加代の両手を持って話した。

「加代さん・・・私はいつか本当の両親に会えたらいいと思ってるわ。でも私の両親はこれから先も花沢のお二人なの・・・。
こちらのお二人は私のことをちゃんと愛してくれていたかしら・・・」

「まぁ・・・もちろんですよ。随分と悩まれていたのですよ?どんどん大きくなっていくつくし様を見て・・・
本当のご両親に見せて差し上げたいと奥様はよく言われてました。道明寺様のこともつくし様が嫌いでとか
本当のお子様ではないからとか・・・そんな理由で婚約させたのではありませんわ。
あれは本当にこんな家にお生まれになった方の宿命のようなもの・・・本当のお嬢様だと思えばこそですわ」

加代の話に泣き出したつくしを側まで行って抱き締めていた。
まぁ・・・一瞬忘れていたんだけど・・・こんなに目の前にいる加代のこと。


「もう!困りますわ!類様ったら・・・これでは加代は目のやり場に困るじゃありませんか!
そういう事はマンションでどうぞ!ここではご遠慮くださいませ!」

つくしは途端に真っ赤になって余計に俺にしがみついたけど・・・加代はもう笑うしかないよね?



その夜遅くに加代はつくしに古いおくるみを渡した。

「これはつくし様がつつまれていたもの・・・唯一つくし様の持ち物です。どうぞお手元に・・・」

つくしはそれを胸に当てて・・・少しだけ笑っていた。
つくしがこの世に生まれて大事にされていた事を証明するたった一つのもの・・・。


本当に大事そうにつくしはそれを抱き締めていた。


14970952320.jpeg
関連記事

Comments 2

There are no comments yet.
-  
管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

2017/07/30 (Sun) 00:37 | EDIT | REPLY |   
plumeria  
Re: タイトルなし

さとぴょん様!おはようございます!

ええとこの・・・笑!
さてどうでしょうか・・・牧野家ではないのは確かですね。
牧野って書かないのも慣れちゃった・・・。

これからの方がややこしいかもしれないのですけど
2人が恋人になってくれたので書きやすくなりましたっ!
今まではなんだかイケないことを書いてるような気がして
1人でソワソワしてたので・・・自分にも兄がいますからね。

何となく自分に置き換えたら気持ち悪くなってました!←バカ!

これからの後半、再び問題がおきますけどどうぞよろしく!

2017/07/30 (Sun) 09:12 | EDIT | REPLY |   

Leave a reply