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今日も快晴な夏空・・・少し朝寝坊したからその日差しが眼に痛いくらい。
ホテルから空港まではすぐだから時間ぎりぎりまでコーヒーを飲んで部屋でくつろいでいた。


「ねぇ・・・本当に向こうに着いたら荷物って届いてるの?何にも持たないで不安じゃない?」

「全然!・・・この方がいいじゃん。牧野は手を繋いでないと迷子になるでしょ?その時荷物が邪魔をするから
なくていいんだよ。空港で余計な手続きもしなくていいし、その時間をこうして2人でいるんだからラッキーだよね!」

「・・・でも、けっこう時間迫ってるよ?」
「やばっ!・・・牧野、急いで行かなきゃ!・・・乗り遅れたら1日無駄になるよ!」

のんびりしすぎて本当に時間が迫っていたのに気がつかなくて、笑いながらホテルを後にした。
そして空港では手を繋いで歩くっていうより、牧野の手を引っ張って出国ゲートをくぐり抜けた感じ!

機内のファーストクラスでは牧野と2人だけの特別シート・・・そこに座って牧野に無茶苦茶怒られた。
俺が昨日から浮かれすぎてて何もかもが狂ってるんだって!汗を拭きながら真面目な顔で叫んでた。

こんなに楽しいことが始まろうとしてるのに・・・浮かれるな、なんて言われても無理だよ。
笑って頷いてるけどそんなお小言なんにも聞いてない・・・牧野の声でも怒ってるのだけは無視できるのが俺の特技!

そして予定どおり・・・俺たちを乗せた飛行機は真夏の空へと飛び立った。


*******


日本を飛び出して約7時間・・・いつも動きまくってる牧野には過酷な時間だったみたい。
座ってるだけなのになんでそんなに疲れてるんだろう?俺みたいに寝てたらいいのに・・・。

「私は類みたいに明るい時間には寝られないのよ!しかも座りっぱなしでおしりが痛いんだから・・・!
もうっ!これからはしばらく立っときたいっ!」

「我儘だね・・・飛行機の中でバイト始めるのかと思って心配したよ」

「ホントだ、すればよかったわ!・・・時給良さそうじゃない?」

出来るわけないでしょ!働き者っていえば聞こえはいいけど俺はいつもそこら辺に放っとかれるから冗談じゃないよ!
バリ島でも時間を持て余してバイトするなんて言うんじゃないよね?
牧野ならインドネシア語が話せなくても申し込みそう・・・まぁ、俺が離さないから大丈夫だけど。


バリ島に着いたらうちのコンドミニアムがあるヌサドゥアに行く。

ここではうちの専用タクシーですべて移動するから、連絡してあった場所にすでにそれは待機していた。
ここはインドネシア語が公用語だけど花沢の現地使用人はみんな英語が出来るから心配はない。
牧野も英語なら日常会話は大丈夫だから・・・運転手は年配の男性で気さくな現地の人だった。

「荷物はもう部屋に着いてる?」

「はい。たくさん届いてましたよ?引っ越しかと思うほどね」

そう?って笑ってるけど隣でまた無駄遣いだと牧野が怒ってる。でもほとんどがあんたのものなのにね。
絶対に見たら喜ぶくせに・・・3週間分の服だからそりゃ結構な量になっていた。

「何言ってるのよ!洗濯すればいいのよ!・・・毎日違う服なんて必要ないでしょ?まさか・・・類のも?」

「当たり前じゃん。なんで牧野だけなのさ!・・・ただ牧野の方がかさばるだけだよ。男の服なんてたためば小さいもん。
思い出作りなんだから毎日違うのがいいんだよ。俺の最後の頼みって言っただろ?」

「ここが日本だったら返品しに行くのに・・・もう!準備は自分でしたら良かったわ」

返品・・・?この花沢に商品の返品させる気?・・・そんな事言うの牧野だけだよ?
でもコンドミニアムに着いたら牧野は目の前の海と庭のプールを見て大はしゃぎだった。
さっきまであんなに文句ばっかり言ってたくせに。


すぐに俺が揃えたリゾートウエアに着替えて、もう夕方だから近くのホテルで食事をしようと出かけた。
白い花柄のブルーのサマードレス・・・髪をポニーテールにまとめて涼しげな牧野。

「インドネシア料理・・・牧野大丈夫かな。食べたことある?」

「ないと思う。でも、なんでも食べられる自信があるもん!類が連れて行ってくれるんなら美味しい所なんでしょ?」

「まぁ・・・ホテルだからね。結構人気のお店なんだ。前に4人で来たことあるんだけど変わってないかな」


そこはライトアップされたオープンエアのレストラン。木造で海風がよく通るから気持ちが良かった。
このレストランはインドネシア料理だけじゃなくてスペイン料理や地中海料理も出してくれるからいろんなものが楽しめる・・・
つまりは牧野にぴったり場所!すでに他のテーブルのカラフルな料理に大興奮だ。

インドネシアン温野菜ガドガドやエビのグリル、トマトのブルスケッタなんかが並んで俺たちのテーブルも
すぐにカラフルに染まる。もちろんカクテルも忘れないけど。


目の前に広がる夕日と賑やかな観光客の声、色んな国の言葉が聞こえてきて旅行気分はイヤでも盛り上がる。
普段はホテルで二人きりが多いから牧野はこの賑やかさに浮かれていつもよりテンションが上がっていた。

「類!こっちのエビ、すごく美味しいよ?・・・類のは何?」

「俺のはサンバルソースのポーク・ソテだって!肉が軟らかいよ。食べてみる?」

「うん!食べるっ!」

店員が俺たちの横を通る度にウインクなんてしてくる。南国らしいいかにも開放的は接客だな。
俺のそばで「彼女と上手くいってる?」なんて聞いてくるから、親指だけ立てて応える。
「もちろん!最高に上手くいってるよ?」・・・店員は笑いながら去って行くけど牧野はそんなの見もせずに食べてる。


そして食事が終わるとコンドミニアムまで手を繋いで歩いて帰る。
太陽はもうほとんど沈んでいて空の色は赤から紫へと変わろうとしていた。
牧野と繋いでいる手はちょっと汗ばむけど、離したりはしない。


「牧野・・・ごめんな。無理を言ってこんなところにまで付き合わせて・・・」

「何言ってんの!今更だわ。もう今帰れって言われても困るわよ。バイト辞めてきたんだから!」

「そうだったね!働き過ぎてるから俺からのプレゼントだと思ってよ」

「私は類には何もしてあげてないわ。バイト代は全部自分のために使ってるもん」

お金の行き先なんかじゃないよ。生きるための元気を牧野からもらってるんだよ。
南の島の暑い風が牧野の髪を靡かせる・・・ポニーテールの先っぽが俺の腕をくすぐる・・・。

しばらくしたらあたりは真っ暗になった。もう少ししたらコンドミニアムに着く・・・
旅行の1日目はこうして終わった。

もちろんこの後に、もっと暑苦しい夜はあったけどね・・・。


*******


次の日の朝、類はヌサドゥアの砂浜にあるオンザビーチのカジュアルダイニングに朝食を食べに連れて行ってくれた。
そこは白い砂浜の上のビーチにあるオープンダイニング・・・もう南国そのものの風景に朝から気分は最高だった!
竹で出来た席や大きな木なんかがフロアに植えられてて木陰が出来ていた。

そこで海風を受けながらの朝ご飯・・・これがいかにもバリ島って感じなのかな?


「あっ!ごめん、この後に行く店のチケット忘れた!急いで取ってくるからここで待っててくれる?わかってると思うけど
絶対にここから動かないで・・・日本じゃないんだから油断しないでよ?」

「うん!わかった。気をつけてね!」

テーブルに着いたら珍しく類が忘れ物をしたらしくてコンドミニアムに戻っていった。
類がいない間、全然読めないメニューなんかを眺めて待っていたけど、急に真後ろから女の人のうめき声が・・・。
振り向いたら40歳代ぐらいの女の人がそこにしゃがみ込んでた!

「い・・・痛いっ・・・!」


聞こえてきたのは日本語っ?!慌ててその人のところに行って背中をさすってあげた。
観光客が往来する真ん中で座り込んでいたから、身体を支えて自分の席に座らせたけどその人はあまりに
痛いのか私の顔を見ようとしなかった。

「大丈夫ですか?日本の方ですよね?・・・ホテルはどこですか?送りますから!」

「え?いえ・・・大丈夫よ。ちょっとお腹が痛くて・・・うっ!痛い・・」

大丈夫なんて言いながらお腹を押さえる女性を放っておけなくて彼女のホテルまで付き添うことにした。
なんだか上品な・・・とても綺麗な人で多分お金持ちなんだろうなって思った。
家事なんかしないような綺麗な指をしていて私の腕にしがみついてるんだもの。

この時すっかり類の忠告を忘れて、2人でこのダイニングから姿を消してしまっていた。

でもこの人どこかであったことあるような気がするんだけど・・・なんでそう思うんだろう。


bari5.jpg
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Comments 6

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2017/08/03 (Thu) 01:41 | EDIT | REPLY |   
plumeria  
Re: もしかして、まさか‥もう?

えみりんさま、おはようございます❤️

あはは!お邪魔虫!2日めなのに⁉️

でも、まだわかりませんよ?誰でしょうね、彼女!
るんるん類くんはまだ継続中‼️(笑)
バカンスを楽しむ予定ですから。

昨日の夜に最終チェックをしようとしたら、画面が開かなくて出来なかったんです。びっくりしましたよ。
混みすぎてダウンしたようで…。
パソコンが壊れたかと思って慌てました。(笑)

私の住んでるとこはたまに帆船が来ます。
その時はなんでか賑わってますね。
私は小さいときに海で流されて漁船に助けてもらいました。故に実は海が苦手です!(笑)

今日は珍しく有給休暇‼️…寝まくります!

2017/08/03 (Thu) 07:42 | EDIT | REPLY |   
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2017/08/03 (Thu) 11:54 | EDIT | REPLY |   
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2017/08/03 (Thu) 12:56 | EDIT | REPLY |   
plumeria  
Re: タイトルなし

ゆきたろう様、こんにちは~!

あはは!どうでしょうねぇ・・・。まぁ、このお話は夏の短編ですので
難しくもややこしくもないのでご推察どおりですよ。
ただ、どうやって絡んでくるのか・・・

ちょっとドジな人のようですよ?

どうぞお楽しみに!

2017/08/03 (Thu) 14:23 | EDIT | REPLY |   
plumeria  
Re: タイトルなし

さとぴょん様!最高ですね!連打!

ありましたよね!でも、あれって設定が難しいんですよ。
やりたかったけど出来なかったです。しかも私に隠せる技はないですってば!( ̄∇ ̄)
隠せるぐらいなら堂々と全面に出しますよ!楽しいなぁ!

これはホントに夏の短編だからそこに集中すると大変じゃないですか!笑
イチャイチャぐらいが心地よいと思ってくださいませ!

ルンルン類君、明日もLOVEモードは全開だけどアレはないです!ごめんなさいね!
しかも謎のおばちゃんがいるから・・・。


2017/08/03 (Thu) 14:46 | EDIT | REPLY |   

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