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すっかり夜になってからやっと母さんが帰ろうとしていた。最後の方はなんの話しだかさっぱりわかんなかった。
覚えてるのは子供は結婚してからにしなさいって言ったことかな・・・ここは牧野が慌ててたから。
妊娠してからだと最高の結婚式に色んな制約がつくらしくて女性としては我慢しなくちゃいけないことが増えるから?
よくわかんない母さんの理論に牧野はまるで生徒のように頷いてばかり・・・でも孫は楽しみらしい。

「類みたいなのはもういいの!私に似てこんな色素の薄い子になっちゃったでしょう?ここはつくしちゃんに似て
完全日本人的な見た目がいいわ!まぁ、元気だったらいいんだけどねっ!」

「俺たちに何を要求してんの?我慢しろっていうならそんな話はもっと先だよ!・・・相変わらず話が飛ぶんだから!
牧野が驚くからもう喋らない方がいいんじゃないの?」

そう言ってるのに俺を無視して牧野に俺の悪口を散々話してる。
女性のお喋りは長いって言うけど母さんは特別・・・このままだと朝になりそうで怖かった!


「最後につくしちゃん・・・」
「まだ最後があるの?いい加減にしときなよ!」

「類は黙ってて!・・・つくしちゃん、あなたが心配していたご両親の件だけど・・・」

牧野の両親?あの玉の輿希望の?・・・牧野は俺に一言もそんな話をしたことはないけど・・・。
確か司の時、婚約話が消えたのを残念がって・・・随分と両親が牧野に辛く当たっててよく泣いてたっけ。
それからは親の話をしなくなったから。

「はい・・・なんでしょうか」

「あなたはご両親の事を心配しなくてもいいわ。もし、花沢に来てくれるんならこちらとしてはご挨拶に行くけど
だからって特別扱いはしないってちゃんとお話しするから。経済的支援はお断り・・・それでいいんでしょう?
働きたいって言うならその場所は提供する。でもそれも社員としての扱いに差はつけないわ。それでいいかしら?
それでいいなら忘れておしまいなさい。それでも何か言ってくるんなら姻戚関係を切るってちゃんと言うわよ。
あなたはあなたなんだから・・・私たちがあなたを守ってあげるからね」


牧野はここで初めて声を出して泣いた。
俺に言いにくかったんだね・・・そんな悩みを1人で抱えていたなんて知らなかった。

「ごめん・・・牧野、俺がわかってあげられなくて・・・」

「違うよ・・・言えなかった私が弱かったんだよ・・・。類に嫌われたくなかったから・・・」

「そんなことで嫌いになったりしないよ・・・バカだな」

もう別荘を出たと思っていたのにいきなり駐車場の入り口付近で母さんの怒鳴り声が響いた。
せっかく牧野を抱き締めていい感じになりそうだったのに!

「バカはあなたよ、類っ!・・・鈍いにもほどがあるわっ!」


そしてトドメに車に乗ってから窓から顔だけ出して恐ろしいことを言った。

「あと旅行は半分残ってるんでしょう?もう正体もバラしたから明日からは一緒に遊びましょう?
明日の朝は迎えに来るわ!類も久しぶりだから私に付き合いなさい!じゃね、おやすみ!・・・仲良くするのよ~!」

「おば・・・お母様、ありがとうございました!」

走り去る車に向かって手を振り続ける牧野。もう見えなくなってから2人で部屋の中に戻った。
もうこの時はお互いに寄り添ってて、俺たちの間に入る隙間なんてないくらい。

********

随分と遅い晩ご飯は少しだけ・・・あとは少し酒を飲みながら今まで話せなかったことをお互いに話していた。
司とのこと、両親のこと、仕事のこと・・・俺の仕事の内容についても気になるらしかった。

「そうだね・・・基本はフランスか日本の本社・・・どちらかにいるけど多分海外出張は多いと思う。
父さんが現役なのは当分続くからその間は修行だな。一年中、いろんな国に行かされそうだよ。
出来たら牧野には同行して欲しいんだ。パートナーを変えたくないからね。外国では女性を伴うパーティーも結構あるんだ。
だから秘書が同行することも多くてね。でも俺はイヤなんだ・・・牧野以外は」

「そうなの?だからもしかして私には外国語選択を薦めたの?おかげで4カ国語もやってるのよ。
そういってくれたらやる気になったのに・・・。中国語とか追加しちゃう?」

シャンパンを口に運びながら秋から講義を増やそうかなんてブツブツ言い始めた。
そんなに急いで勉強しなくてもいいのに・・・普通の秘書でも4ヶ国語出来る人なんてそうそういないから。

「ううん。それ以上はやらなくていいよ。無理をさせたくて言ったんじゃないから。本当は話せなくてもいいんだ。
俺の隣にいつもいてくれたら・・・牧野の言葉は俺にわかればそれでいいんだよ」

「でも話せた方が役に立つならやりたいと思う。それが私に出来ることなら喜んで!ただ側にいるだけじゃ
イヤだったの。だって他には何にも持ってないんですもの」


そんな話がしばらく続いて、会話が途切れたときに気になったことを聞いてみた。

「牧野は・・・ご両親と上手くいってないの?俺はそんなことに気が回らなくて・・・さっき気がついたんだ。
そう言えばあれだけ仲が良かったのに最近話を聞かないなって・・・」

「うん・・・毎回花沢さんと上手くいかないなら他を当たれって言うの。それがイヤで連絡しなかったのよ。
だって・・・類にお金を強請りに来たらと思うと・・・怖くて言えなかったの。働かないわけじゃないけど
楽をしたい人達なのよ・・・昔はそうじゃなかったんだけどね」

「俺の所に来ても財布は牧野だからって言うさ!何とでもなるよ・・・でも見捨てられないでしょ?」

「うん・・・まあね」


ソファーに座っていつまでも・・・全然恋人らしい会話じゃないのに何故か嬉しかった。


*******


その夜は当然牧野は俺の隣にいる。
2人で一つのシーツにくるまって牧野は俺の腕枕で寝ていた。

「ねぇ・・・牧野、今でも怖い?母さんの話を聞いたあとでもさ・・・」

「まぁね・・・でも、お母様を信じてみようかと思うわ・・・私が強くなれば受け入れてくれるっていう言葉・・・」

「ホントに?じゃあ、考えてくれる?フランスに・・・俺と住もうよ・・・」

俺はいきなり起き上がって牧野を思いっきり抱き締めた。
すごく苦しがってるみたいだけど・・・今度は嬉しくて離せない・・・だから苦しがってるついでにもう一回抱いてしまった!
すでに一度牧野は意識を飛ばすほど俺に抱かれてるんだけど、今度はもっと激しかったかもしれない。
このままだと折れてしまうんじゃないかと思うほど・・・牧野の肌が燃えるように熱いのが余計に俺を狂わせた。

そしてその後はお約束のように怒られるんだ。


「もう!どうしてすぐにそうなるの?・・・嬉しいからってまた・・・そんな、急に!」

「だって可愛いんだもん・・・いけなかった?」


アパートの時と同じだね!怒ってるっていってもこうやって抱き締められたままだよ?
だから言ったじゃん!俺たちは離れられないんだって!

この時すでに外は明るくなっていて俺も牧野も一度は起きたけど・・・昨日の疲れからまた寝てしまったみたい。
次に起きた時はもう随分と日が高かった。

「牧野・・・おはよ!もう起きようか・・・」
「うん・・・あれ?もうこんな時間?・・・お母様来るんじゃなかったっけ?」

牧野はむくっと起き上がったけど・・・すごくいい眺め。寝ぼけて気がついてないのかな・・・。
窓の方を見ようとしてもっと身体を起こしたから思わずその先っぽにキスしたらもの凄い声で怒られた!

「きゃあああぁあっ!!なんて事するのよっ!びっくりしたっ!」
「だって・・・目の前を通過したんだよ?・・・誰が悪いと思う?」

「・・・それって私なの?・・・」
「もちろん。これを無視したら男じゃないでしょ?」

牧野は真っ赤になって俺からシーツを奪い取って自分に巻きつけて・・・ベッドルームから出て行った。

「ぷっ・・・いつまでもそんなところは可愛いよね・・・!」


今日からは母さん付きの旅行・・・もうあと少しでこのバカンスも終わるんだね!


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Comments 2

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2017/08/10 (Thu) 05:45 | EDIT | REPLY |   
plumeria  
Re: おはようございます

えみりん様~!おはようございます!

あはは!そうでしょう?類君をボロカスに言うお母様を書いてみたかったんですぅ~!
さて・・・ルンルン3人組でバカンスするんでしょうか?それとも流石の類君もブチ切れしちゃうのか?
でも、いいなぁ・・・私はお盆休みもないのに。

夏休み中の子供が3食全部作ってくれるのでちょっと楽はしています。
子供のくせになかなか料理上手。うんうん!親孝行してくれてます!
会社に持っていくお弁当も・・・それでいいのか?私。

オカメインコが夏ばてしてます。ちょっと心配・・・。
それでは今日もお仕事に行ってきまーす!

2017/08/10 (Thu) 08:06 | EDIT | REPLY |   

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