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plumeria

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もうみんなが朝食をすませた後にキッチンに降りてきた俺はお袋の用意したコーヒーだけをもらった。
昨日見た夢が忘れられなくてコーヒーカップを持ったまま窓の外を眺めていた。

明日も来てね・・・はっきりとその声を覚えている。


あまりにもリアルな夢に、この首に残った痣に何とも言えない恐怖を感じたが同時に不思議な期待がある。
あの少女にまた逢いたいと・・・そう思っていた。
コーヒーを飲み終えてお袋に空いたカップを手渡したとき、首の痣に気付かれてしまった。

「あら・・・あきらくん、虫にでも刺されたのかしら?首のところ赤くなってるわ・・・どうしたの?」

「あ?・・・あぁ、これ?わかんないんだよ。朝起きたらこうなっててさ。後で薬でも塗っとくよ」

お袋にはそう言ったけど薬なんかでは消えない・・・これはあの少女が付けていった「印」なんだから。
そこを触れても痛みも痒みもない。まさにそれが証拠だ・・・ただ彼女の柔らかい唇の感触がここに残っていた。

「お兄様・・・ご気分でも悪いの?今日は遅かったのですね!つまらなかったわ」
「そうですわ。これから私たちはすぐ近くのガラス工房へ行きますの。お兄様もいかが?」

「ごめんな。少し頭が痛いから俺はここに残るよ。2人で行っておいで・・・気をつけるんだよ」

「昨日からお兄様ったら様子がおかしいわね。全然お付き合いくださらないんだもの」
「私たちよりも気になるものがおありなのかしら!」

妹達には悪いけど今はあの子達よりも湖の少女の方が気になっていた。
早く夜になればいい・・・いや、もう近づかない方がいい・・・この2つの気持ちが交差していた。


********


そして夜・・・早めに食事を終わらせた俺は家族から離れて自分の部屋に戻っていた。
窓を開けていつもの場所を見つめる・・・窓枠を持つ手が微かに震えた。

この季節独特の生暖かい風が吹いていて、森が放つ香りで息が苦しかった。
月が雲に見え隠れするのは昨日と同じで、段々とその時間が近づくと自分が緊張しているのがわかった。

そして初めてあそこに行ったのと同じ時間になると森の中で1つの光が見えた。
あれは・・・やっぱり湖のある場所だ!その光を見た瞬間、俺は部屋を飛び出して家からも出て行った。
何故だかはわからない・・・わからないがその場所まですごい速さで走ったような気がする・・・!


また、その湖の畔に白いドレスの少女を見つけた。


俺を見た瞬間、嬉しそうに笑うあどけない顔の少女は昨日と同じように俺の前までやってきた。
息を整えながら・・・俺は少女が眼の前に来るのを待って・・・そしてその身体を抱き寄せた。

初めて会ったときもそうだったが確かにこれは人の温かさで・・・抱き締めた感触も実在の人間と同じ・・・
これが幻影だとか亡霊だとかそんな感じは一切しなかった。
彼女が俺の背中に立てている指にもちゃんと力を感じられる・・・俺は無意識に彼女にキスをしていた。
段々とお互いが深く求め合って・・・俺は彼女の中に舌を潜り込ませ彼女は俺の両頬を抱え込む。

薄く眼を開けると・・・彼女も俺の眼を見ている。その漆黒の瞳の中に月の光が見える・・・とても魅惑的だ。


「やっぱり思い出したい・・・君と会ったのはここなのか?」

「そうよ・・・ここで会ったの。思い出したいの?・・・でもそれなら私を抱いてくれる?」

「え?・・・ここで君を?」

少し身体を離した彼女はゆっくりと着ているドレスのリボンを解き・・・胸のボタンを外していった。
彼女の手の動きから眼が離せない・・・あまりにも突然の言葉とその白い肌が徐々に露わになるのを黙って見ていた。
ボタンを外し終えてそのドレスは彼女の肩に引っ掛かっているだけになった。
そして俺の手を取って・・・ゆっくりと自分の肩からそのドレスを落とさせる・・・如何にも俺が脱がせたみたいに。


「あきら・・・寒い・・・」

足元にドレスを絡ませたまま、他は何も身につけていない状態になった彼女はそう言って俺にしがみついてきた。

普段なら有り得ないこと・・・俺は彼女を抱きかかえてその場に押し倒した!
それと同時に彼女の唇をもう一度塞いで両手で彼女の腕を押さえつけた。
動けない彼女は俺にされるがまま・・・俺がその唇から耳に、首筋に、鎖骨にと・・・滑らせてゆく舌先に
小さく喘ぎながら細い身体を反らせていく。俺の名前だけを何度も・・・何度も囁きながら背中を反らせていく・・・。

あまりにも甘くて白い肌・・・この暗闇の中で彼女の身体はそこだけが光っているかのように見える。
汗をかいているのか白い胸には水滴が見えた・・・思わずそのピンク色の頂を口に含んで舌で転がすと
顔を歪めながら感じているのがわかる・・・それを眼で確認しながら苛め続けた。
まだ誰も知らないだろうこの身体は・・・多分初めての感覚に震えているのかもしれない。
俺の背中に回る彼女の指が微かに波打っていた。

「はぁ・・・っ!あきら、あきら・・・っ!・・・あぁっ!」
「どうして欲しいの?・・・本当にこれ以上進んだら止められなくなるよ?それでもいいの・・・?」

「いいよ・・・あきらだけが欲しい・・・」

その拷問のような言葉・・・犯してはイケないものを犯しているような・・・犯罪者のような感覚に陥る。
そして俺は一気に彼女の残されたドレスを剥ぎ取って自分の着ているものもそこに脱ぎ捨てた。

真下にいるのは全部を脱ぎ捨てた彼女・・・優しく笑ってまた俺に手を伸ばした。

ゆっくりと俺もその上に覆い被さろうとしたとき・・・誰かが俺の名前を呼びながら近づいてきた。



「あきらくん?!そこにいるの?・・・返事をして?・・・あきらくん?」

その声はお袋のもの・・・。
ハッと気がついたら俺の下にいた彼女はまた姿を消していた・・・そこに真っ白なドレスを残して・・・。

俺は脱ぎ捨てたはずなのにちゃんと服を着ていて、そのドレスの上に座り込んでいた。


「何をしてるの?・・・それは誰の服なの?あきらくん?」

「わからないんだ・・・俺にも。でも確かにここにいたんだ」

「誰がいたの?・・・ここには誰もいないし、後ろをご覧なさい。湖なんてないのよ?」


お袋の言葉で後ろを振り向いたら・・・そこはただの草原で確かにさっきまであった湖はどこにもなかった。
俺が立ち上がってそのドレスを拾い上げたらそこから落ちたのはあのネックレス。

「お袋・・・ここに確かにいたんだ。このネックレスの持ち主が・・・さ」
「それは夢だわ・・・ここには誰もいないって言ったでしょ?夢を見たのよ・・・」



・・・・・・もう一度だけ逢いたい・・・あきら・・・・・・

最後に聞こえたその声は俺にだけ聞こえた。


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Comments 4

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2017/08/08 (Tue) 11:26 | EDIT | REPLY |   
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2017/08/08 (Tue) 11:42 | EDIT | REPLY |   
plumeria  
Re: タイトルなし

わんこさま、こんにちは🎵

さて、夏と言えばミステリーですよ。
あきらにちょいと色っぽい幻影とイチャイチャしてもらいました。
この彼女の正体は…?
溺れたのははたしてだれ?

ちょっと明日の更新は難しいかも(笑)
実はぶっつけ本番で書いてます‼️
頑張りますけど~❕

2017/08/08 (Tue) 12:59 | EDIT | REPLY |   
plumeria  
Re: タイトルなし

みわちゃんさま、こんにちは🎵

あら、バレました?やっぱり気がつきますよね✨
3話で終わらなかったんですよ(笑)
でもSSですからね。長くないです。

なんか、あきらくんに色っぽいお話を書いてみたかったんですが…夏の特番みたいになってしまった❗

終わり方は…どうしよう。
珍しく即興で書いてます。夜に一人でウズウズしながら…(笑)

頑張ります‼️あきらくんにも幸せをあげられるのかな?

2017/08/08 (Tue) 14:45 | EDIT | REPLY |   

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