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「どうぞ・・・」

そう言って差しだしたお茶をゆかりさんは手にとって飲んでくれた。

「結構なお点前ですわ・・・でも、私は元哉様に・・・」

今度はゆかりさんが思わず口を押さえた。そのお顔は赤くなってて気まずそうに私から目をそらした。
あら?・・・そういう事なの?あんなに大きな声で怒鳴っていたのに、ここにも素直じゃない人がいると思うとおかしくなった。
私が少し笑うとゆかりさんも観念したのか、下を向いたまま同じように笑っていた。

「わかりますわ・・・お嬢様のお気持ち。でももう少しだけ素直になりませんか?そうしたらきっと一歩前進しますよ?
うちの若宗匠みたいに・・・」

その言葉に今度は顔を横に向けて意地を張ってる・・・そして、すっと立ってお屋敷の奥へと入って行った。
それを目で追う元哉さん・・・あら、この人もなの?それじゃあ話は早いんじゃないかしら。

「元哉様・・・早く後を追ってお着物を見て差し上げて下さい。ここはこのまま私が替わりますから!」

「え?でも・・・それではあなたが・・・」

「いいんですよ。これも勉強ですから・・・それよりも早く!」

私が背中を押すと元哉さんは丁寧に頭を下げてゆかりさんの後を追って行った。
世話の焼ける人だとは聞いていたけど本当だ。顔は西門さんにそっくりなのに、なんて臆病なんだろう・・・そんなことを思っていた。


「さてと・・・じゃあ、私はこちらのお茶席を・・・あれ?」

今までここにた女性達はみんな隣の西門さんのところに移っていた。
そして新しく私の前にいるのはこっちの支部の男性ばかり・・・それこそ若い人からおじさんまで全員男性になってた。
視線を感じて隣を見たら、西門さんが凄い目で睨んでる!
いや・・・だって私が好きでこの人達を呼んだんじゃないわよ?気がついたらこうなってただけだもん!
その先はどれだけ怖い視線を感じても彼のほうを見ないようにした。どうせ終わったらお説教が始まるんだろうし。

「家元夫人のお弟子さんですかな?このまま京都に滞在されたらよろしいのに。若宗匠に頼みましょうか?」
「はぁ・・・あ、いえいえ!まだまだ勉強中ですので。また機会がございましたら京都にも来てみたいとは思いますわ」


この会話も全部聞いているんでしょうね・・・地獄耳だから!
チラッと見たらやっぱり目が合った!でも西門さんの茶席もとんでもない事になってるんだけど。
一段と迫られてるお茶席は色とりどりの着物で鮮やかなこと!

「総二郎様はどうして私たちを見て下さらないの?そんなに向こうが気になりますの?」
「そうですわ!目の前の私たちがいますのに!早くお点前をお見せ下さいませ」

「申し訳ありません・・・向こうが不慣れな者なので気になりまして・・・ではこちらも続けましょうか」



結局この後元哉さんは戻って来なかったから、家元夫人と西門さんと私でこの野点を最後まで務めた。
最後のお客様がお屋敷を出るまで見送る・・・その時は3人並んで頭を下げた。
お見送りの時の西門さんは嬉しそうに笑っていて、家元夫人にもよく頑張ったと褒めてもらった。

金井支部長にも直接挨拶を済ませて一乗寺の別邸に戻った。


********


そしてその夜は別邸を出て2人で鴨川沿いを散歩していた。
もう随分と夜は気温が下がっていて少しだけ冷たい風が吹いてる。東京と比べると京都の方が肌寒いみたい。

「今日はお疲れだったな。びっくりしたよ・・・いつの間に出来るようになったんだ?お袋の特訓でも受けたのか?」

「そうだね・・・意外と厳しかったよ。毎日おば様が野点の練習って言ってね・・・何度やっても失敗するから怒られっぱなし!
最後はもう演技だって言われたから一生懸命演技してたの!上手かった?」

「あぁ!最高だったよ。さすが牧野だと思った」


鴨川デルタと呼ばれるこの場所は東の高野川と西の賀茂川が合流するところで昼間だと飛び石で遊んだり水鳥を眺めたりと
人の多いところらしい。でも夜だから人はまばら・・・外灯が幻想的に灯してあって流れる川の水音が心地よかった。

そんなところを西門さんと手を繋いで歩いていた。

「もう少し元哉がしっかりしてくれたらなぁ。そしたら早く帰れそうなんだけど。いつになるんだろうな・・・」

「・・・そうねぇ。でもさ、あのお嬢様・・・ゆかりさんだっけ?どこかのお嬢様でしょう?あの2人・・・もしかしたらそうなのかもよ?
今日見てわかんなかった?すっごくわかりやすかったでしょ?」

「マジで?見てなかった。・・・お前しか目に入んなかったからな」

「・・・え?そっ・・・そうなの?」

ぐいっと引き寄せられて西門さんの顔がすぐ近くに来た!
これはどう見ても私に要求してるわね?周りをキョロキョロ見回してもみんな恋人っぽい人達・・・。
抱き合ってる人も確かにいるけどって迷っているうちに待ちきれなかった西門さんが顔を押さえ込んでキスしてきた。

「あっ・・・ちょっと!・・・もうっ!」
「お前が悪いんだって・・・その笑顔は反則なの。俺を誘ってんだよ」

今度は甘くて情熱的なキスがきた・・・その魅惑的な瞳に久しぶりに酔ってしまった。




その夜は鴨川沿いにある彼の馴染みのお店に泊まった。
民宿も兼ねているそこは如何にも京都らしいお洒落な作りの入り口・・・中に入ると古風で落ち着いた部屋。
差し出された手に自分の手を重ねたら、もう次の瞬間には転げ落ちるようにそこにある布団の上に倒された。

「やっぱりお前がいなきゃ耐えられねぇや・・・ホント限界・・・今日は覚悟しとけよ」
「うそ・・・今、ここに来たばかりなのに・・・あっ・・・」

西門さんのキスがまた降ってくる。その後のことなんかほとんど覚えてはいない。
いきなり始まったそれはあっという間に私を夢の世界に連れて行った。

ただ私の身体中に彼の痕跡が残っていくだけ・・・持っていき場のない手を西門さんが押さえつけては私の上に汗を落とした。
時々耳元で名前を囁かれると全身にざわっとした波が来る・・・愛してるって言われると涙がこぼれた。

場所が変わると行為も変わるものなのかしら・・・今日の彼は昨日よりも荒々しいんだけどすごく魅力的で余計に感じてしまう。
身体の奥が疼くような、痺れるような感覚がして、掴む腕に力が入る・・・それを怖がってるって思ったみたい。

「大丈夫だって・・・もし怖いなら上に来るか?・・・意外と気持ちいいかもしれねぇぞ?」
「えっ・・・イヤだ。よくわかんないから・・・きゃっ・・・!」

西門さんはあっという間に私を自分の上に乗せて、脚の間に入ってきた。もうどうしていいのかわかんなくて彼に身体を預けた
ゆっくりとソコに彼自身が入ってくる・・・声も出せなくて必死に彼の手を掴んできたら最後にすごい衝撃と共に身体は繋げられた。

「いやぁあっ・・んっ!あぁっ・・・!そんなっ・・・!」
「・・・お前の中が締め付けすごいんだって・・・!こうした方が奥まで行きやすいんだよっ・・・!」

下から突き上げられるその動きに声が抑えられない!小さな悲鳴をあげながら髪を振り乱した。

それが快感に思える頃にはもう息が上がってて・・・でも離れることも出来なくて。
そのまま彼の胸の上に倒れ込んだ。


「残念だけどここからが本番だから!・・・このくらいで終わると思うなよ?」
「は・・・?もう限界かも・・・いやぁあっ!」


このあと朝までほとんど寝させてはもらえないほど・・・彼はとんでもない狼になってしまった!


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Comments 4

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2017/08/29 (Tue) 12:55 | EDIT | REPLY |   
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2017/08/29 (Tue) 13:51 | EDIT | REPLY |   
plumeria  
Re: 狼さん!

えみりん様、今晩は!

京都・・・そうですよね。何度か行ってるんですけど、伏見稲荷に行ったときものすごい土砂降りで
ずぶ濡れになりましてホテルで高熱出しました。
二条城に行った時は娘が案内してくれたんですけど、案内ミスで外回りを2周する羽目になり大変・・・
金閣寺では綺麗な虹を見ました。清水寺ではその年に限り紅葉が遅くて紅葉がまだ染まっていませんでした。

どーしていい思い出がないんだろう・・・。

子供が言うには鴨川デルタには恋人はそんなにいないそうです。
はい、申し訳ない!!適当に書きました!京都の方、スルーして下さいませ。

今日もありがとうございました!

2017/08/29 (Tue) 19:28 | EDIT | REPLY |   
plumeria  
Re: タイトルなし

さとぴょん様!おやめくだされ。

plumeriaにはそんな技術はございません。
たまたまこれが重なったんですよ。ホントに、さぁ!チェックしよう!って思って記事画面開いたら・・・あれ?
って感じでですね。またこんな事になってたの?みたいな・・・3話更新だと何書いてるかわかんなくなるんです。
ここだけの話(だからそうじゃないんだけど!)最近、正しい恋の方のチェックを30分前まで忘れててびっくりしましたもん。
茶と華とのチェックで総二郎は終わったって思ってて、なんか忘れてるような気がする・・・って考えてたら思い出しました。

落ち着け!私・・・このぐらいのシーンで慌ててたら先輩に叱られてしまう・・・。
凄く簡単にRの話をされる先輩方を尊敬します。

いつか、私も・・・とは、絶対にならないけど(笑)

と、いいながらこの話にはもう一回ある。あはは!

2017/08/29 (Tue) 20:09 | EDIT | REPLY |   

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