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plumeria

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4月・・・俺は大学2年になった。つくしは卒業後、お袋の紹介した会社に入り、社会人となった。


「会社の方はどう?もう慣れた?」

「うーん・・まだまだ!なかなか難しいよね。花は好きだけど知識はないんだから。それにこの会社、研究のほうだから専門的で・・・でもね、人はみんな優しくていい人ばっかりだよ」

「そりゃ、良かった。俺、今日は大学の後は会社の方に行くから」

「了解!遅くなるんでしょ?頑張ってね!」


会話としては至って普通の恋人同士。
ゆっくりでいいって言ったけど、本当にゆっくり進んでいる俺たちの関係・・・・
夜だってそう。この俺が?・・・って思うほどつくしの気持ちに合わせている。
少しでも迷いがあればお預け・・・ってことだ。

毎日抱き締めていたいけど・・・時々気持ちがどこかに行ってしまう。


まだ、あきらめられないか?
まだ、忘れられないか?・・・どうしたら俺だけを見てくれる?

つくしは物で動く女じゃない。意味のないプレゼントを嫌い、必要のない物を買うことを嫌う。
高価な物なら絶対に受け取らない。

本当に欲しい物は・・・心だ。


「あきら・・・好きだよ」

ってベッドの中では言ってくれるけど、『愛してる』とは言わない。
それでも離れられないほど惚れている。
こんなに嫉妬深い男だったか・・・?本当は会社の男性社員に会わせたくないほどだ。
会社全体が女性ってところが中々ないから我慢してるんだ。


俺の心の中なんて、わかってはないだろうな・・・・


****


そんなとき、会社で社長である親父に呼ばれた。


「そろそろ、牧野さんのことを真面目に考える気はないのか?いつまでもこのままマンションで同棲する気なのか?」

「俺はずっと本気だよ。あいつとのことは真面目に考えてるつもりだ。ただ、俺はまだ学生だし、牧野も就職したばかりだから卒業まではこのままでもいいと思ってる」

「反対しているわけではない・・・せめて婚約という形をとったらどうだ?」



「婚約・・・?」

結婚できる?牧野と・・・?
考えたことがないわけじゃない。でも、あいつの気持ちが追いついてないのにそんな事を言えるとは思わなかった。
家族が反対しないのは嬉しいことだが・・・


「あいつに話してみるよ・・・ありがとう」

複雑な気持ちで会社をでて、マンションに向かった。


**

「ただいま。・・・・つくし?」

リビングのドアを開けても返事がなかった。ベッドルームにもキッチンにもいない。
どうしたんだ?どこに・・・?そう思ってテラスの方を見ると・・・・いた。
そこにあるベンチに座っている。

どうやら気がついていないようだ・・・



遠くを見ている。

何を見ているというわけでもない。ただ、遠くを見ている。


こんな時は、つくしの中には・・・類がいるんだ。


もう、泣くこともなかったし、名前も出さなかったが・・・わかっている。
つくしの中の類が消えていないって事は。


俺の中に小さく火が付く・・・・・・嫉妬している・・・・・
いつまでも牧野の心を捉えている類に・・・・

小さい火も、やがては大きくなり俺は押さえられなくなるだろう。

いやもう、限界が来ているかもしれない。


「つくし、帰ったよ?」

感情を押さえて、いつも通りに声をかける。

「あっ、ごめん!気がつかなくて!何か食べた?」

「あぁ、済ませてきた。ちょっと話があるんだ」


もう、迷うのもやめよう。
俺はあいつと違って間違えない・・・・!


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こんなお話だけど・・・

あきら君、お誕生日おめでとう!!


後であきら君のお誕生日プレゼントします!!
これで許してね!
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