FC2ブログ

plumeria

plumeria

なんだか身体中が痺れて動けなくなって・・・なんとかつくしを外に連れ出したのは良かったがもうそれが限界だった。
外に出たらあきらがいる。そう思っていたから微かにライフル銃の音が聞こえたときに助かったと思った。
その後はもう覚えていない。気がついたら病院のベッドの上だった。

まだ会話が上手く出来ない俺に、警察官が犯人の男は逮捕されたと話した。詳しくはまた後日と・・・そう言って帰った。
つくしは自分が拉致されて酷い目に遭ったってのに何故か警察官に怯えていた。


「総二郎さん・・・大丈夫?」
「あぁ・・・つくしか?お前は大丈夫か?酷いことされなかったか?」

「ううん、大丈夫だよ。それよりごめんね・・・」

つくしが俺に謝っている。それがどうしてなのかよくわからなくて・・・ぼんやりとあの時のことを思い出そうとしていた。
そう言えば、何かをつくしから投げられて・・・それがすごく苦くてその後に苦しくなったような気がする。

「なぁ・・・俺はなんでこうなったんだっけ?お前に何か投げられたような気がするんだけど・・・」
「あっ・・・あれね・・・アレはね、聞きたい?聞かない方がいいとは思うけど」

「・・・は?言えよ・・・隠し事はなしだろう」
「怒らない?約束してくれるんなら話してあげる。でも絶対に秘密よ?」

「誰に秘密にすんだよ・・・言わねぇとそれこそ怒るぞ?」

「・・・アレはね、毒草の粉末。結構強い作用を持ってるドクゼリの粉・・・だったの」


「・・・・・・毒草・・・?」

つくしの話によると、牧野の家元が何らかの騒動につくしが巻き込まれたらいけないと思って持たせたものだったとか。
何も知らないつくしは言われるがまま持ち歩いて・・・いざという時、つまりあの時に俺に投げつけたってわけだ。
なんて親子だ!いくら花の知識があるからって今時そんな粉末を家で作るなんて!これも立派な傷害罪だぞ?

「マジで?・・・俺あの時に死ぬかもしれなかったのか?」
「ううん。ドクゼリは精神障害や痺れは出るかもしれないけど滅多に死なないと思う。今までの死亡例も高齢者が多いの。
良かったわ・・・トリカブトにすればってお父様と話はしたんだけどね」

「・・・・・・それは助かったな」

トリカブト?・・・そんなもの投げられたら確実に死んでるな!・・・殺人罪成立だ!
でも、もうつくしが助かってここにいるっていうだけでどうでも良かった。俺が申告しなかったら傷害罪も問われないだろうし。
そういや罪と言えばあきらは?あいつはどうしたんだろう・・・ライフル銃ぶっ放したようだけど。

「あきらはどうした?助けに来てくれたか?あいつがお前の場所を見つけてくれたんだ。その髪飾りに発信器がついてたからな。
悪かったな・・・西門内でゴタゴタがあったのをお前に話さなくて。心配かけたくなかったんだ。
俺の次期家元辞退の要求なんてみっともなくて言えなかったんだよ。」

「うん・・・それはもういいよ。美作さんは総二郎さんをここに送ってくれた後、ライフル銃の手入れがあるからってすぐに帰ったわ。
そう言えば美作さんから伝言だった!例の件忘れるなよ』だって。何のこと?」

例の件・・・あぁ、極上の紹介ね。そんなものは退院したらいくらでも釣ってくるさ。つくしに内緒で・・・。

「お前を助けるのを手伝ってくれたら、飲みに連れてってやるって言ったんだよ。それだけだ・・・」


「じゃあさ、エトワールの夏美って・・・誰?」
「エトワールの夏美?・・・誰だそれ?」

「犯人が言ってたもん。エトワールの夏美が総二郎さんに夢中だけど最近来なくなったって・・・誰なの?」

あぁ・・・あの夏美か。そういや、最近は行ってないからな。あの女は極上だったな・・・ん?極上の女?
ちょうどいいや、あきらに紹介する女が決まったじゃん!

「それはあきらに紹介する女だよ。俺が紹介してやるって言ったままだから怒ってんだろう・・・すぐ紹介しといてやるよ」
「なんだ!そういう事なの?心配したよ~!浮気かと思ったわ!」

結婚前だから浮気じゃねぇよ!それが通用するようなつくしじゃねぇけど。


「なぁ・・・俺のハーレーどうした?誰かちゃんと持って帰ってくれたんだろうな。あきらかな・・・」
「あぁ、ハーレーは放置してきた」

「・・・は?」

俺は今までの中で一番耳を疑った!いや、ドクゼリもかなりの衝撃だったけどハーレーは別格だろうっ!
あれは今までのバイクの中でも一番気に入ってるヤツで俺の特別仕様・・・本体価格の5倍ぐらいのオプションつけてんだけど!
推定で2000万近いはず・・・改造に改造を重ねた総二郎スペシャルなのに!

「ちょっと待て!そこはちゃんと聞いときたいが・・・放置とはどういう事だ?まさかあんな海沿いの倉庫街にハーレーを残して
帰ったなんて言わねぇよな!あのハーレー・・・西門に戻ってるよな?」

「どうだろう。だって総二郎さんを病院に入れることの方が先だったんだもん。美作さんがハーレーに乗ったら総二郎さんを
後ろに積めないでしょ?仕方なかったんだもん。怒った?」

「・・・怒ったって・・・そりゃ、お前・・・」

ハーレーは1人じゃ西門には帰らねぇよ・・・イヌじゃねぇんだから。


何だか最後にハーレーの悲劇を聞いた俺は再び気分が悪くなってベッドに倒れ込んだ。
騒いだつくしが主治医を呼んできて点滴が始まった。この時に主治医が言った言葉はつくしを固まらせた。

「総二郎様の血液からは不思議な成分が検出されたんですがどうしますか?警察に届けるのでしたら書類を作りますよ。
ちなみにシクトキシンという毒性の強いものです。植物から採取するのですが何かそんな覚えはありますか?」

「・・・いいえ。でもこれは西門内部の問題もありますから・・・内密にお願いします。警察にもいいですから・・・」

犯人は捕まってるんだ。そいつらが喋ったら投げつけたのがつくしだとバレてしまう。
幸いにもあきらのライフルで撃たれたヤツはまだ意識不明で入院中らしいし・・・このまま忘れてしまいたいぐらいだ!

********

点滴が始まって少し寝ていたらしい。
左手が熱いような気がして目を開けたら、つくしが俺の手を持ったままベッドに伏せて寝ていた。
まだ浴衣のまま・・・つくしもあの現場からここに来てそのままなんだって今頃気がついた。

箱入り娘で怖い思いなんかしたことないから・・・いや、司には拉致されたけど、それ以外はこんな事なかっただろう。
どんなにか恐ろしかっただろうと思うと胸が痛んだ。西門に嫁いだためにこんな目に遭ったんだから。

でも、少しだけ覚えているのは俺に触るなって言って怒鳴っていたこいつの姿・・・。

「・・・ん、総二郎さん・・・危ない・・・よ」


「・・・寝言か?色気ねぇなぁ・・・」

俺はちゃんとつくしを助けられたのかどうかわかんなかったけど・・・病院のベッドの上でつくしが手を握ってる。
それだけで今は何も考えられなかった。



maturi3.jpg
関連記事

Comments 4

There are no comments yet.
-  
管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

2017/08/27 (Sun) 12:43 | EDIT | REPLY |   
plumeria  
Re: こんにちは

えみりん様、こんにちは~!

調べたんですけどよくわからなかったから書かなかったんです。
こんな毒草持ってたら麻薬取締法とかに当たるのかしら・・・。サスペンスという名のコメディーなので
あんまり難しいこと書くの止めたんですけど。
本当はこの手のものを持っていたら何に当たるのか・・・傷害罪になるとしかわかんなくて。

でも麻薬じゃないしね。向精神薬・・・でもなさそう。牧野のお父さん変なもの作ったな~!

ハーレー、何処に行ったんでしょうね。
始めは名前書こうかと思ったんですが、書いてておかしくなったので止めました。
良くあるでしょ?三輪車に名前書くの。

つくしちゃん、マジック持ってなかったから。あきらが持ってたらおかしいし。
「にしかどそうじろう」ってマフラーに書くの。

総二郎泣きながら消すだろうなぁ・・・。

あと2回です!頑張るぞーっ!

2017/08/27 (Sun) 12:59 | EDIT | REPLY |   
-  
管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

2017/08/27 (Sun) 23:24 | EDIT | REPLY |   
plumeria  
Re: タイトルなし

さとぴょん様、今晩は!

あはは!もう最後だからなんでもやってしまおうと思いましてやりたい放題ですよ。
ライフルを手入れするあきらの膝の上に夏美ちゃんがいてもいいじゃないですか!
ハーレーに自動帰宅装置がついていたら楽かもしれない!2000万のハーレーですもの!

夏だから頭が沸騰して思考回路がおかしくなっています。

この続編もあと2回です!
終わり方はわりとしっとりしているはずです!あ~、疲れた!この2人に・・・。

2017/08/28 (Mon) 01:11 | EDIT | REPLY |   

Leave a reply