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総ちゃんが考ちゃんとの話を断われって言ってくれたとき、嬉しくて嬉しくてすぐにでも総ちゃんに抱きついてしまいたかった。

でも・・・それはすぐに現実に戻る。
総ちゃんは次男だけどこの西門家の跡取りになった。もう昔の総ちゃんじゃなかった。
両親のいない私はとてもじゃないけどこの人の横には立てない・・・そこは「選ばれた人」しか立つことが許されないんだって・・・。

「つくしじゃないとダメなんだ」この一言は、これまでの悩みを一気に吹き飛ばしてくれた。
後ろから感じる総ちゃんの身体の温かさが、冷め切っていた私の身体を温めてくれる・・・勇気を出してその手を掴んだ。


その後も総ちゃんと沢山話して、今までのこともお互いの誤解も、そして本当の気持ちも確かめ合った。
総ちゃんの膝の上に座るだなんて考えたこともなかったけど、頼れる胸があるってなんて幸せなんだろう。
初めはドキドキして強張っていたのに最後の方は全部総ちゃんに身体を預けて甘えてしまった。

時計はもう0時を回った・・・総ちゃんに送ってもらおうと思って振り向いた途端、総ちゃんのキスが来る・・・。
それはとても優しいキス・・・顎を抱えられてるから逃げられなくて、両肩もしっかりと総ちゃんの腕の中・・・

「んっ・・・総ちゃん、もう遅いから・・・」
「帰すとでも思ったのか?ほら、まだ動くな」

それはどういう意味?総ちゃん・・・次の言葉を出す前にまた塞がれた唇、今度は深くて激しい大人のキスだった。
私は今までに何度かキスしたことはあった。総ちゃんには冗談でされたキス、道明寺とのキスは震えるほど緊張した。
どれも覚えているけど、今日のキスが今までで一番・・・一番嬉しかった。

そして総ちゃんが手を引いて連れて行ったのはマスターベッドルーム・・・キングサイズのベッドが存在感たっぷりにあるんだ!
それは一瞬で私の身体を硬直させて、これから起こることを想像したら変な汗が出る・・・!
だって、総ちゃんにおにぎりを持ってきただけで、こんな事になるなんて思ってもいなかったから!

総ちゃんは笑って一緒に入るか?なんて聞くけどそんなこと出来るわけがない!
貸してくれるって言う服だけ持って、慌てて総ちゃんとは違うシャワールームに駆け込んだ!
ゲスト用のシャワーだけど私のアパートとは比べものにならない豪華さ・・・そこで身体を洗いながら考えた。

「はぁ・・・どうしてこうなったんだっけ・・・あれ?私、総ちゃんに好きだって・・・言われてないような・・・」

どう考えても今までの事は告白と同じようなものだけど、ちゃんとした言葉で聞きたいというのは我儘かしら・・・。

お湯を浴びながら今の状態を考えたら急に頭がカァーっと熱くなって、このままだと逆上せて倒れてしまう・・・!
そうなる前に慌ててキュッと音をたててシャワーを止めた。

ここまで来てドキドキしている私の心臓の音・・・このまま総ちゃんに聞こえてしまうのかと思うほど高鳴っていた!



ベッドルームに戻ったら総ちゃんはもうバスルームから出てきてベッドサイドに座っていた。
そこに行こうにも足が進まなくてオロオロしていたら総ちゃんから「今日は何もしない」なんて恥ずかしい言葉が出た。
そして手を引っ張られてベッドの中に入れられた・・・少しだけ距離を開けて総ちゃんの顔がある。


これで寝られたらすごい神経だわ・・・、ベッドに入っているのに逆に目が冴えるってどういう事?!


*********


つくしをベッドに引きずり込んだのはいいが、この状況でこの俺が何も出来すに朝まで我慢できるんだろうか。
そんなことを考えながら両手を頭の後ろで組んで天井を見上げていた。
つくしも同じかもしれない。すぐ横で寝ているのに息をしていないようだけど・・・そう思って横目で見たら目が合った。

「なんだ・・・寝てないのか?もしかして息してねぇの?」

「し・・・してるよ!してるけど、上手く出来ないだけだよ」

「なんだそりゃ!変なヤツだな・・・しかたねぇか、ここで寝るなんて思って来てないもんな」

「そうなのよ・・・そうよっ!それよっ!」


「・・・・・・は?」

つくしはガバッと身体を起こして俺の方を見た。それは怒ってるような、疑ってるような顔・・・思いっきり眉間に皺を寄せてる。
なんでそんな顔してんだ?さっきまでの甘かった時間が嘘のように目の前のこいつは俺を睨み付けた。

「なんで、総ちゃん・・・いきなりこうなったの?考ちゃんのところに行くなとは言われたけど、どうして急に・・・だって、総ちゃん
この前まで好きにしたらいいって言ったじゃん!」

「お前を何処にもやりたくないって言っただろ?それが本音・・・で、なんで今頃それを言うのかって事を聞いてんのか?」

「そう・・・今までそんなふうに見てくれてただなんて思わなかったから。それにまだ何も聞いてない・・・その、あの・・・」

俺を見下ろしながら不安そうにそう言った。
そうか・・・そうかもしれないな。今まで相手にしていないフリをしていたのに急に抱き締められても混乱するよな。
俺はつくし覗き込むように見ているつくしの腕を掴んで、もう一度引き寄せた。
そのまま俺の上に倒れ込んだつくしは慌てて離れようとするから、それをさせないようにと腕の中に抱え込んだ。

「そうだな・・・どこから話そうか。全部話したら朝までかかるかもしれねぇな・・・それも大変だ。そのうち始まりは話してやるよ」

「始まりって・・・なんの始まり?」


「俺がつくしを好きだって・・・それを感じた始まりってこと」


つくしは黙って俺に抱かれていた。ちょうど心臓の上辺りに顔を寄せて視線は合わせていない。
こんな風に女が横にいることはあったけど、そう言えば胸の上になんて乗せたことはなかったか・・・。
つくしが逃げないように支えている左手に力が入った。話すときに少し俺の顔に掛かるつくしの髪がくすぐったい。


「確かにお前に対して素直じゃなかったからな。どうしても子供の時の俺を知られているから気恥ずかしかったってのはある。
気がついたら話すきっかけもタイミングもわかんなくなってた。さっきも言ったけど、司の時はマジで頭にきてたよ」

「そうなんだ・・・確かに私もそうかも。特にここでは話せなくなってたよ・・・総ちゃんが遠くに離れたような気がしてた」

つくしの左手がぎゅっと俺の服を掴むとドキッとする・・・無意識に女の行動を取るつくしに少し驚いた。


「類のプロポーズ・・・がきっかけかもしれない」


つくしが掴んでいた手がビクッと動いて、その後更に強く掴んできた。

「だからかもしれない。急に類がお前にプロポーズして、すぐに考がお袋を使ってお前を雁字搦めにした・・・それが許せなかった。
俺が抱え込んでいたものを無視して考がお前を連れて行くなんて我慢できない・・・それを、ここで一生見るなんて絶対に出来ない。
類にしてもそうだ・・・あいつの気持ちは知ってるけど、俺だってあいつに負けないぐらいつくしを見てきた・・・類の知らないつくしを
ずっと見てきたんだ!いきなり戻ってきてお前を連れて行かれて溜まるか!俺がどんな想いでお前を見てきたと・・・・・・!」

思わず熱くなってしまった自分にハッとして、言葉を止めた。さっきの説明とは違う言葉・・・こっちの方が本音だ。

つくしは俺の胸から顔を上げない。
もしかしてこのまま寝てんのか?・・・そう思って顔を覗き込んだら、ポトって一粒涙を流した。


「悪ぃ・・・声が大きかった」


つくしは小さく首を横に振った。涙で潤んだ瞳がベッドのライトに光っている。
あまりに綺麗だったから、その眼の横に一つキスを落とした・・・舌で涙を舐めてやると肩を竦めて顔を背けた。

「なんで逃げんだよ・・・ほら、戻ってこいって!」
「イヤだ・・・総ちゃん、すぐにそんな・・・」


逃げていこうとするのを捕まえて今度は俺がつくしの上に乗るような格好になった。
両手首を捕まえて顔の横で押さえ付けると、潤んだ目から再び涙がこぼれた。

「逃げたら捕まえたくなるだろ?そうやって泣いたら抱き締めたくなる・・・こうやって上から見下ろしたら我慢できなくなる・・・」

「・・・えっ!」



「ぷっ!面白い顔すんなって!始めに言ったろ?今日は何もしねぇよ・・・次はわかんねぇけどな!」


20年間の想いなんてそんなに簡単には話せない。
確かにまだ何も伝えられてないんだろうけど、取り敢えずつくしの心は掴まえた。
この俺が何もしないで女と寝るだなんて初めてだ。


でも、一緒に朝を迎える女も初めてだった。


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Comments 2

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2017/09/27 (Wed) 23:13 | EDIT | REPLY |   
plumeria  
Re: タイトルなし

さとぴょん様!今晩は!

あはは!私も乗っていたいですが、多分乗った瞬間落とされますわ!
小さくて可愛いんなら許されるだろうが、こんな大女は無理だろうな・・・。

せめて片腕でもいいんだけど・・・総ちゃん、貸してくれるかな・・・

返さないけど(笑)

2017/09/28 (Thu) 19:10 | EDIT | REPLY |   

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