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plumeria

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****3年後****



「専務、今日の予定ですが午後はTV会議の後、打ち合わせが1件とヴェルニー社の社長がいらっしゃいまして、会食がございます」

「わかった。資料を出しておいて。あと、この前のアメリカでの観光事業の計画書をもう一度見たいから、
早めにデータを送信しておいてくれ」

「かしこまりました」


「専務、社長がお呼びです」

「・・・わかった。すぐに行く」


フランスでもう5年。
仕事の方も忙しくて、あれだけ昼寝してた学生時代が嘘のよう。
ヨーロッパ諸国のみならず、最近はアメリカや中国での案件も増えてきて頭の中が爆発しそうだ・・・!


そんな忙しいときに社長が何の用だ?
あまり俺を呼びつけることなんて今までなかったのに。

まさか・・・?
いや、この年で身を固めろなんてことはまだないとは思うけど・・・
秘書からの話で聞いてはいる。いくつかそんな話しが社長の方には来ていると。

冗談じゃない!もしそうなら、この家を捨ててでも日本に戻ってやる!

****

ドアをノックして社長室に入る


「社長、失礼します。お急ぎの用件でしたか?」

二人の秘書に囲まれてこの人も相変わらず忙しそうだが・・・

「類・・・1ヶ月後、日本に戻れるか?」

厳つい表情の父親・・社長が書類に目を通しながら顔も上げずに言った一言。


「はい?日本に・・・ですか?」

「日本本社の方が人材不足で上手く回ってないようだ。しかも、今の本部長があまり役に立っていないようだから、
お前が戻って日本の方を立て直してみろ。・・・出来るだろうな?」

日本の方を俺に任せる・・・ってことか
それは重責だけど、願ってもないチャンスだ!

「わかりました。では、こちらの方の仕事を早急に片づけます」

「任せたぞ。ついでに日本の家の管理もな」

「はい!」


****


社長室のドアを閉めて、その場で天井を見上げて壁に寄りかかった。
身体が震えてる?自分の心音が聞こえてくるようだ・・・

日本に帰れる・・・

やっと!やっとだ・・・!
これで牧野を探せる・・・今度こそ自分の力で!

日本で実績を上げて、自分の立場をもっと強くして誰にも文句を言わせない力を付けて・・・今度こそ牧野を守る!


俺はこの1ヶ月、ものすごいスピードで仕事を纏め上げた。


そして、懐かしい日本へ戻った。



*****



〈花沢邸〉

「類様、お帰りなさいませ」

「あぁ、しばらくはここに住むから。変わったことはない?」


懐かしい気がする。5年前、牧野が少しの間だけここに住んだっけ。
庭は?そう言えば、あのひまわり畑!

牧野と作ったひわまり畑はまだ残っていて、使用人達が季節の花を植えているようだった。
ひまわりとは違う花が咲いていたけど、あの時を思い出す。
あの時の太陽のような笑顔をいまでもしっかりと覚えている。

目を閉じたら、あの日の牧野の声が聞こえてくる。
早くあの笑顔を・・・あの声を聞きたい・・・!


「もう一回、ここに植えなきゃ・・ね」


庭師に頼んだ。今の花が終わったらひまわりを植えたいからと・・・
またいろんな種類のひまわりをここに咲かせる。
それを二人で見るんだ。


俺は仕事をこなすと共に牧野を探さないといけない。

牧野と繋がりのある人物と会ってはその行き先を探した。わかったのは都内に居るということだけ。
でも、絶対に見つけてみせる。


次は間違えない!

そう決心したから、とにかく探した。


「牧野・・・必ず見つけるよ。あきらめないからね、今度は」

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