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plumeria

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両親がフランスから帰ってくる。
迷わず牧野を会わせることにした。

「牧野、今度の日曜日に両親が日本に帰ってくるんだ。こんな家だから大変とは思うけど、
結婚することをあの人達に認めてもらわないと、最終的には牧野が辛い目にあうから・・・
頑張って会ってくれる?」

なるべくプレッシャーをかけないように軽く言ってみたけど、本当はここが一番大事なところだ。

「だ・・・大丈夫かな。なんの作法も出来ないんだけど」

「大丈夫。あと5日あるから教えてあげるよ。でも、いきなり一緒に食事するかどうかもわかんないよ?
日本での俺の仕事ぶりでも見に来るんだろうから、あんまり時間もないだろうし」

「うん・・・頑張る!」

「くすっ・・・そのままでいいんだけど。緊張し過ぎないようにね」

****


当日、両親は昼過ぎに自宅に戻ってきた。
俺の隣で、綺麗に身支度を整えた牧野が真っ赤な顔をして出迎えた。


リビングでテーブルを囲み、両親に紹介する。

「彼女が牧野つくしさんです。英徳の後輩になります。彼女は一般家庭の人ですが、
私は真剣に結婚したいと考えています。お許しいただけませんか?」

牧野は緊張しすぎて固まっていて、挨拶するので精一杯だ。
でも、多分この人たちは牧野の事は調べているはず・・・屋敷の人間にも確認しているんだろう。


「私は特に反対はしない。この花沢物産も今は好調で伸び続けている。この状態ならお前が誰と結婚しても、
その相手の家を頼らなくてもいいわけだからな。しかし、これからもこの状態が続かなくてはならないがな。
・・・類、いずれお前がこの会社を継ぐときに今よりももっと成長させる自信はあるのか?
その覚悟があるなら問題はない」

「牧野さん?この世界も中々大変よ?あなたも類と共に生きるのなら相当な覚悟が必要です。
会社についても社交界についてももっと勉強しなくてはならないわ。大丈夫かしら?」

厳しい表情の父親に次いで、こちらは穏やかな顔の母さんが牧野に話しかけた。

俺の覚悟?出来てるさ・・・そんなもの。
そのためには牧野の存在が大前提だけど。

「大丈夫です。必ず花沢を今よりも大きくしてみせますよ」

「私も・・・類さんの側にいられるのなら努力いたします」

牧野も両親の目をみてしっかりと答えてくれた。


「わかった。後は自分たちで進めなさい。早くしないとお前の見合い話も随分と来てるしな。・・・はっはっはっ」

「み・・・見合いっ?!」

はっとして口を押さえる牧野を見て母さんが笑う。

「まぁっ!可愛らしい方ね。もう、からかわないで差し上げたら?お見合いって言ってもほんの20件くらいですもの」

「20っ!!って事は・・・20人っ!!」



「牧野・・・あんた、遊ばれてんだよ?」

えっ?って周りを見回してる・・・両親とも笑っていて、思わず俺も吹き出してしまった。
いつぶりだろう、この俺が両親の前で声を出して笑うなんて。


「本当に類の笑顔・・・久しぶりだわね・・・」




一通り話をして席を立った。

「あ、言い忘れた。・・・言っときますけど仕事は頑張ります。けど、記念日はすべて休みをいただきますからね?」

「バカ者!!・・・好きにしろっ!!」

そう言い残して部屋を出た。



****



「す・・・すごく疲れた・・・」

「ふふっ・・あの人達あんたのこと気に入ったみたいだね」

「そう・・・なのかな?」


2人で部屋にいる・・・こんなことぐらいですごく幸せを感じる。

ねぇ・・・今、どれくらい嬉しいかわかる?
あの独りぼっちで非常階段にいた頃、こんな将来は想像も出来なかったよ。

いつまでもこれが続くんだよ?自然と笑っちゃうよね?


「どうしたの?類、なんで笑ってるの?」

「思い出してたんだ、初めて会ったときのこと。非常階段を飛び降りた牧野の足が速かったなって」

「えーっ!そんなの早く忘れなさいよっ!」

「その時にスカートがさ・・・」
「類!!それ以上はやめてってばっ!!」

だって、忘れないよ。全部覚えてるよ、あんたの言葉も笑顔も全部!
あの時に追いかけて良かったよ。それだけは本当に良かったと思ってる。
怪我をさせたのは悪かったけど、あの出来事が今に繋がってるんだと思うと・・・不思議だね。

「牧野のご両親にも会いに行かなきゃね。俺、緊張するかも!」

「緊張させるような親じゃないもん。会えばわかるけど・・・逆に大喜びしちゃうと思うよ?」

じゃあ、次の日曜日に2人で行こうってことになった。
照れくさいけどちゃんと言わなきゃね・・・お嬢さんを僕に下さいって・・・


「あ、今度は何を思い出して笑ってるの?」

「・・・秘密!」   


****


牧野の両親は言ってたとおり、俺があれだけ練習した大事な一言を言うまでもなく、大喜びで踊ってた。
ちゃんと言おうと思ったんだけど、お母さんは大笑いだしお父さんは大泣きだし・・・
とても、そんな雰囲気にならなかった。

でも・・・これでいいかって思ってたら、牧野が泣いてた。
嬉しくて嬉しくて・・・俺と両親が会ったってだけで嬉しくて泣いたんだって。

「つくし、幸せだね。こんな素敵な人と一緒に生きていけるなんて・・・おめでとう!」

お母さんが言ってくれた一言に、更に大泣きの牧野を思わず抱き締めたら怒られた。

「もー!!親の前でなんて事すんのよー!!」


そんなの全然気にならない。
仕方ないよね。あんたが愛おしくて自然とそうなるんだから。


****


それから半月後、2人で庭のひまわりを採って大きな花束を作った。
あの日と同じように。

でも、今日は手渡し出来るんだ。あの時に伝えられなかった想いを今日は一緒に贈るよ。



小さな箱に入った指輪と共に・・・・・・



「はい、牧野・・・これ、プレゼント!」

hima.jpg
明日、ラストです~
そんなに長編でもないのに、初めて書いたから疲れた~

書き終えるってこういうことなんですね~~
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2017/03/10 (Fri) 16:41 | EDIT | REPLY |   
plumeria  
Re: タイトルなし

N様、本当にいつもありがとうございます。
何度、励まされたか❤(涙)

甘過ぎるお話を書くと、マジで恥ずかしくなりますね!
書いててニヤニヤしちゃいますよね?私だけかな⁉

何とか最後までこれて良かった‼
まだまだいろんなことがわかってないけど、これからも頑張ろうって思ってます!

では、これからも宜しくお願いします🎵
( ^-^)ノ∠※。.:*:・'°☆

2017/03/10 (Fri) 18:56 | EDIT | REPLY |   

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