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<side総二郎>
西門と安藤に繋がりがあったと判明したのはいいが、これ以上の情報源がなくなってしまった。
後はもう科学的証明しか残っていない。高城美智子のDNA鑑定だ。そのサンプルをどこかから持ってこないといけなかった。
でも、今は高城一家が日本にいない。例えいたとしても、サンプルを手に入れるための理由は説明できないけど。

「そろそろ何かが見えてきそうだ。あきら、お前は高城美智子のサンプル、どうにかして手に入れろ。俺は大叔父さんのものを手に入れる。
鑑定までには時間が掛かりそうだから急ごうぜ・・・可能性は高いからな。相手が西門ならいくら隠れて産んだとしてもそれ相当な
準備はしてやっただろうからな」

「つくしちゃんのことか。それが本当なら今度は高城とつくしちゃんが・・・ってことか?」

「それも違う。高城はおそらくどこかからもらった養子だからな。そのことはつくしちゃんの後でいいさ」

俺の中の疑問・・・なぜ高城が祥一郎に似ていると思うのかは解決しなかったけど、それよりも事実から埋めていくしかないと思った。
もしかしたら俺がつくしちゃんと血の繋がりがあるかもしれない。それもくすぐったい気がしていた。


「簡単に言うよな!でも待てよ?高城の会社を始めに調べたときにあの社長夫人が何かの病気を煩ったって書いてあった気がする。
ちょっと調べてみる。確か何かの記事で・・・」

あきらが自分のスマホで何かを調べ始めた。
そして暫くしたら画面を指さして、にやっと笑った。サンプルが見つかったらしい。

「道明寺系列の病院だけど、高城美智子が子宮筋腫の検査で引っ掛かってる。前に何かで読んだんだ。手術を受ける時の輸血用
に自分の血液を少しずつ採血して冷凍保存してるって!やっぱりな!小さい記事も見落とさないってすごいだろ?
この記事が半年くらい前で手術の予定が今年の年末・・・って事はまだその血液は病院だな」

「・・・すげぇな。じゃあ、頼んだぞ。血液なら成功率が高いからな」

まぁ、病院なら看護師の1人ぐらい捕まえてどうにかするだろ・・・何故か嬉しそうなあきらを横目で見ながら溜息をついた。
俺は再び大阪に出向いて大叔父さんのサンプルをとらないといけない。こればかりは他人には任せられない。



翌日、家元には内緒で大阪に出向き、病院に頼み込んで面会謝絶の大叔父さんに会った。
意識がないわけではなかったが朦朧としていて会話は出来そうにない。幸いにも血液の付着したガーゼがあったのでこっそりと
持ち帰った。俺の方を見る目は弱々しくて衰弱を認めざるを得ない・・・「頑張れ」、その一言だけ耳元で残して病室を出る。

すっかり年老いた大叔父さんに、もしかしたらまだ見ない子供が存在してるかもしれない。それを知らせてやることが幸せなのか。
それとも何も知らずにいた方がいいのか。

何となく病室を振り向いて考える。


『あの子が困るだろう・・・』・・・大叔父さん、確かにあなたの子供は運命に翻弄されて困ってるかもしれねぇな。

手に入れたサンプルを握り締めて俺は病院を後にした。


あきらの方は道明寺の系列病院で予定どおり、遊び慣れた風の看護師を捕まえて高城美智子の保存血液をほんの少しだけ
奪うことに成功した。勿論ルール違反だ・・・その見返りにキス一つで終わらせたらしいが潔癖のあきらはぐったりしていた。


「そんぐらいで落ち込むなよ!ベッドに入れられた訳じゃあるまいし!・・・始めから好みの女にしないからだろうっ!」

「そこの担当責任者がその女だったんだよっ!思いだしても・・・いや、やめよう・・・」

「そんなにすごい女だったのか?残念だったな・・・あきら」


まぁ、色々あったらしいがとにかく高城美智子と清四郎叔父さんの血液サンプルが手元に揃った。
それを持ってあきらが美作の研究所に向かう。ここでDNA鑑定をしてもらい、つくしちゃんとの親子鑑定を進めてもらうことにした。
これまでの事ははすべて類にも報告して、検査結果が出たらすぐに知らせると付け加えた。

『ありがとう、総二郎。今、こっちでは高城のシステム不具合でアメリカからあいつが来てるんだ。しばらくはフランスに足止めを
されるだろうからつくしを日本に帰すよ。また、帰ったらその話をしないとね・・・びっくりしなきゃいいけど』

「全部がわかってから教えてやるんだろ?今話しても結論が出てないからな・・・まぁ、類が帰ってからでも良くないか?」

『そうだね・・・直接俺が言うよ』

類のホッとした声が耳に残った。


********


加代さんのすすめでマンハッタンのセントラルパークから地下鉄を利用してブロードウェイ・タイムズスクエアに行ってみることにした。
私と花沢では常に一緒だったと思うのに、何故か加代さんはアメリカに何度か来ていて地下鉄の乗り方も知っていた。
私は東京でも電車に乗ったことが一度もなくて、1人ではこんな大きな街を歩くことも出来ない。

意外にも英語で書かれた何かのカード販売機を素早く操作してる。その姿はいつもののんびりした加代さんじゃなかった・・・。

「宜しいですか?つくし様、これがメトロカードですわ。これで乗るんですよ。私の後に付いてきてくださいね」

「は・・・はいっ!っていうか、加代さんってすごいのねぇ・・・」

「このぐらい知っておかないといけませんわ。つくし様も、どういう形であれ花沢で生きていくのでしたらね。フランスのことは加代も
知りませんからそれは類様にお聞きになってくださいね」


どういう形であれ・・・か。

まぁ、確かに1人で街にも出られないっていうのは問題だわ。私は加代さんに教えられたとおりに人混みの中をオドオドしながら
歩いていた。日本の地下鉄はテレビで見ることはあったけど色んなお店があったり綺麗にしてあったりで、広いものだと思ったけど
アメリカの地下鉄は金属質で殺風景・・・お店も何もなくて色んな国の人があちこちから集まってきて目が回りそうだった!
それに、至る所で何かのパフォーマンスをする人がいて、それに立ち止まって拍手が起きたりしてる。

「加代さんっ!これって普通なの?いつもこんなに人がいるの?」

「さようですよ、今日は少ないぐらいですわ。ほら・・・ちゃんと前を見ないと日本と違って危ないのですよ?ぶつかられたら何かを
掏られているかもしれませんわ。お気をつけくださいませ」

「えっ!犯罪まであるの?」

当然です、と言いたげな加代さんはすごい人混みの中を堂々と歩いていく。全く隙を見せずに周囲に眼を向けながら少し早足で。
そうやって私の手を引いてずんずん前に進んでいく。なんて逞しくて頼りになるの・・・?クスッ・・・お母さんみたい!
いつか西門さん達に会う時もこうやって手を繋いで歩いたけど、今日はすっかり頼りっぱなし。私は甘えるように後をついて行った。

「ブロードウエイってお買い物できるの?加代さん、何か欲しいものある?」

「加代はつくし様が無事で日本に帰られたらそれでいいのです。類様に何か選びましょうか・・・お好みはつくし様がご存じでしょう?」

類の好きなもの?なんだろう・・・類の部屋はあまりにもものを置いてないから何が好きなのかを考えたら思いつかなかった。
多分、何でもいいんだと思う。「もの」に執着しないのよ・・・大事なものは目に見えないものばかり。
類はきっとそんな人なんだろうと思う。

「そうね。きっとブロードウエイって名前が入っていたら何でもいいのよ!それこそキーホルダーでも怒らないと思うわ」

加代さんもそうですね・・・なんて言って笑っていた。
地下鉄の中の座席に座って、目的地までの短い距離をそんな会話で楽しんでいた。

「これから寒くなるから何か温かくなるようなものにしようかしら。帽子とか、マフラーとか・・・ねぇ、加代さん」
「はいはい、何でも喜ばれますよ!つくし様がお選びになったらね。どうせならお揃いにでもしますか?」

「えっ?!嫌だわ、そんなのどこで一緒に身につけるの?それこそ笑われるんじゃない?」
「ほほほ・・・やっと、つくし様らしくなりましたねぇ・・・良かったですわ。そんな声が聞けて・・・」

「加代さん・・・」

最近はずっと私が塞ぎ込んでいたから、加代さんは無理矢理私を街に連れ出したんだ。
そしてわざと明るい話をして、ふざけて笑わかせてくれたのね?久しぶりに私も類へのプレゼントを考えて夢中になっていたから。

「お昼でもミュージカルを見ることは出来ますわよ?せっかくですから何か見ていきましょうか?どうせ帰っても何もないでしょうし、
高城の奥様ならお許しくださるでしょうしね。どんなものがお好きですか?日本でお馴染みのものもありますよ?」

「そうねぇ・・・悩むわ。こんな事一度もしてこなかったから。ホントにいろんな事を損してるのね、私って」

「そうですねぇ・・・仕方ございませんわ。あのようなお屋敷で育った方はほとんどがそうですよ。だから、こうやって少ないチャンスを
有効に使うのですよ。それでは、加代が選んで差し上げますわ・・・えーと・・・」


そこまで話した時だった。

ガタンっ!!ガガガガガーーーッ!!
「きゃあぁーっ!」「うわぁーーーーっ!!」

「きゃあぁーっ!何々っ!」

前の方からすごい衝撃音と爆発音がして私たちの乗っていた地下鉄の前方車両が急ブレーキを踏んだんだろう、思いっきり前の
方に身体が傾いて床に倒れ込む人が大勢いた!私も椅子から転げ落ちて膝を付くような姿勢で頭を抱え込んだ!
勿論加代さんも同じ・・・だけど加代さんは自分よりも私を庇おうとして、何かにぶつかったのか脇腹を押さえ込んでいた。
車内にいた人達はあちこちで転がっていて中には頭から血を出している人もいた。

「なにがあったのかしら・・・!事故なの?爆発したのかしら・・・なんか焦げ臭くない?」
「いたたた・・・つくし様大丈夫ですか?お怪我はございませんか?」

「えぇ、ないわ・・・加代さんが守ってくれたからね。それよりもどこか痛めた?!私より加代さんの方が心配だわ」



その時だった。今度は私たちが座っていた最後尾の車両の後方から大きなブレーキ音が響いてきた・・・!

「ダメだっ!後続の電車が突っ込んでくるぞっ!みんな、前の車両に移れっ!時間がないっ!早くっ!」

誰だかわからない男の人の怒鳴り声がして、そこにいた全員が一瞬ハッとして後ろを見た。
金色のライトが勢いよく近づいてくるかと思うと、そっちもすごいブレーキ音をさせて警笛を鳴らした!

キィーーー!キキキキキィーーーー!!!
「きゃあぁぁーっ!」「逃げろぉっ!!」


私の目の前が真っ白になった・・・!


類っ・・・!助けて・・・!



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Comments 8

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2017/10/11 (Wed) 07:59 | EDIT | REPLY |   
plumeria  
Re: お、おはようございます。

えみりん様~!おはようございます!

うん・・・緊急事態だけど山Pの出演はないかも・・・ごめんなさい!アメリカまでドクターヘリ飛ぶかな・・・。
って言うか、いきなりの山Pに驚いてしまった!こんな場面なのに笑いながらコメ返するとは思わなかった!

記憶喪失はないない!ロイヤルブルーデツカッタカラモウイイヨ・・・。

あ!いかん、カタカナになってしまった!つい・・・。
お腹大丈夫ですか?夜に冷えちゃったのかしら・・・お腹出して寝ちゃいけませんよ?

どうぞ一日お気をつけて・・・。

2017/10/11 (Wed) 08:36 | EDIT | REPLY |   
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2017/10/11 (Wed) 09:32 | EDIT | REPLY |   
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2017/10/11 (Wed) 15:11 | EDIT | REPLY |   
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2017/10/11 (Wed) 15:23 | EDIT | REPLY |   
plumeria  
Re: タイトルなし

さとぴょん様!今晩は!

爆笑!!この場面でギャグですかっ!!怖いからっ・・・フランスからそんなもの来たら!
あー、誘拐かぁ・・・なるほど。誘拐?・・・この夏につくし拉致されたような気がする・・・。
総ちゃんに毒盛ったような覚えがあるぞ?

この度は書くのに疲れまくった事故でした。
本当はこういうの書くと嫌な思いされる方もいるんだろうなぁって思うんですけど
暫く大慌てするみんなを見守ってあげて下さい。

多分、本物の類がそのうち来る・・・と思う(笑)マッテテネ・・・

2017/10/11 (Wed) 19:21 | EDIT | REPLY |   
plumeria  
Re: タイトルなし

きゃあぁーっ!凪さんっ!

久しぶりっ!(?笑)こんな超面倒くさいのにお付き合いいただいていたのね?
あはは!皆さんがそう思ってるだろうな!とは感じておりましたが。

わかる?こんなの夜の12時更新しながらのラインがとんでもなく大変だったの・・・。
たまに更新チェックがヤバいのに、ブラックになりまくってるときがあってね。
毎日が死にそうでした(笑)

私も髪切ったの~!鏡みたらつくしのママかと思ったよ・・・。

2017/10/11 (Wed) 19:37 | EDIT | REPLY |   
plumeria  
Re: タイトルなし

わんこ様、今晩は!

そうなんです・・・あまりにすぐにわかるのは面白くないと思って捻ったら捻りすぎました(笑)
でも、登場人物が出揃ったので何となくわかりませんか?ダメ・・・?

ホント、次からはもっと簡単なラブストーリーにします。
でも、そうなったら皆さん先読みしてストーリー予想されるんですけどね!

中間ぐらいが理想ですね!難しいなぁ・・・。

今日はありがとうございました!

2017/10/11 (Wed) 19:42 | EDIT | REPLY |   

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