plumeria

plumeria

<side総二郎>
「高城美智子が自分で認めたらしい。つくしちゃんの母親だってな。・・・だけど、父親については何も言わねぇらしいや」

類からつくしちゃんの生存と同時に母親確認の報告を受けた。DNA鑑定もだけど、つくしちゃんの身体の痣を見つけた美智子が
それを認めたと。
大学でその話しをあきらとしていた・・・気になるのは父親だけだが、絶対に大叔父さんだと思っていた俺はつくしちゃんが血縁関係では
なかったことが嬉しいような寂しいような、妙な気分になっていた。


「一番落ち着きそうだったのにな・・・西門の子供なら花沢もなんとかして認めてくれただろうに・・・」

「今思うとさ・・・俺が大叔父さんに会った時に言ってた、あの子が困るだろうってのは誰のことだ?俺はあの時は聞き流したんだけど
よく考えたらやっぱり大叔父さんには気になる子供がいたって事だ」

「その時に高城にいたのは誠だろう。でもお前の叔父さんの歳で考えたらあの子って言うのが小さい子だとは限らないんじゃないか?
それこそ高城美智子だってその頃は20代だろ?50ぐらいの叔父さんなら十分に”あの子”扱いできるだろ?」

あきらと話しながら気になっていたのは高城誠のことだった。
俺が誠を気にかけたのはあいつが祥一郎に似てるからだ。ふとした角度で見る顔がそっくり・・・西門の「血」を感じたんだ。
そこから始まったのにすっかり忘れてた・・・もしかしたら、清四郎叔父さんの言うあの子はやっぱりそういうことなのか?


「あきら・・・今度はどうにかして高城誠のDNA鑑定出来ねぇかな。ちょっと電子工学科に行ってみねぇか?」

「はぁ?今度はあいつのを調べるのか?・・・まさか、お前!」

「あぁ・・・多分、そうだと思う。じゃないと俺の中で生まれた疑問が解決しねぇしな」


高城誠のサンプルを探しに、行ったこともないエリートの集まり「電子工学科」に足を運んだ。
確かに頭の良さそうな生徒が必死に何かのプログラムを作ってるみたいで、俺たちが行っても他の科のような騒ぎにはならない。
女子でさえ科学論文に夢中・・・恋愛なんて眼中になさそうな美人もいる。それはそれでもったいないと、声をかけそうなのはあきらだ!

これは俺たちにとって不思議なことだったが、おかげであっさりと高城のロッカーまで辿り着いた。

この科の連中は自分たちの研究資料を個別保管するためのロッカーがあるらしい。
簡単な鍵しか付いてないからあきらがピンで弄くったらすぐに開いて、お互いに顔を見合わせてニヤリと笑った。

「こんなんで保管って言えるのかよ。まぁ、俺たちにはラッキーだったけど」
「中に何かサンプルになるものねぇか?一番いいのは血液だけど、そうじゃなかったら毛根付きの髪の毛だけど」

「そんなに都合良くこんなとこに・・・ってこれでもよくないか?」
「なんだ?へぇ、男のくせにこんなもの持って来てんだ!流石だな・・・神経質っぽいし」

「「じゃあ。これで!」」

俺たちがロッカーから持ち出したのは爪切り・・・そこに高城誠の爪が入ってる。DNA鑑定にはほんの少し精度が落ちるが使える。
俺たちに無反応なエリート連中を横目で見ながら、何食わぬ顔で歩いて電子工学科から離れた。

そしてすぐにそれをMIMASAKAの検査機関に送り、急いで鑑定をしてもらうように手配した。
今度はこれを西門清四郎のDNAと照合する。何となく見えてきた高城誠の背景だ・・・だけどこっちは母親がわからなかった。


「つくしちゃんはまだ意識が戻らないのかな。類のヤツ、フランスに戻らないで病院にいるんだろうな」

「あぁ、きっとそうだろ。類の事だから同じベッドで寝て怒られてんじゃねぇの?想像出来て笑えるな・・・」

「全くだ!早くそれが本物になりゃいいけどな」
「どうだろ・・・でも、どうにもならなかったら2人でどっかに逃げそうだな・・・それでも幸せなら応援してやるか・・・!」


遠く離れたアメリカで類もこの空を見てるだろうか・・・つくしちゃんの意識が戻ることを信じて。


********


つくしが助けられて今日で5日目が過ぎた。

あれから怪我は処置を続けているから少しずつでも良くなっていたけど、意識の方はまだ戻っていない。つくしはずっと寝たままだった。
これにはドクターも首を傾げる・・・長時間の圧迫がどの程度脳に影響しているかがわからないということだった。
そして今日はフランスから母さんが来ると連絡があった。予定ではもうすぐ・・・渋滞でもない限りそろそろ来る時間だった。

そしてドアがノックされたから「どうぞ」と声をかけたら・・・入ってきたのは司だった!
仕事の途中だろうか、ダークグレーのスーツにJOHN LOBBの靴。廊下には秘書1人とSPが2人待機しているようだ。
中に入ると俺の事はまるで無視・・・真っ直ぐにつくしの方に行こうとするから、その前に片手を出して動きを止めた。


「どうしたの・・・仕事良かったの?つくしならまだ目が覚めてないんだけど・・・」

「そのぐらい俺には連絡がある。ここを誰の病院だと思ってんだ!お前が全然離れなくて困ってることも全部聞いてるぞ!」

「クスッ・・・そうなんだ!あぁ、あの時はありがとう。最後まで傍で見てくれてたんだってね。俺にも筒抜けだよ?」

司はバツが悪そうに苦笑いして、俺の手を軽く払いのけてつくしの傍に行った。
そしてつくしの顔を覗き込んでその大きな手で頬を撫でてる・・・気分のいいものじゃなかったけど仕方がない。
キスするわけじゃないだろうから大目に見てやろうと我慢していたら、急につくしの額に唇をくっつけたっ!!

「ちょっとっ!!俺の前でよくそんな事するよね?離れろよ・・・っ!司!」

「いいじゃねぇか!このくらい・・・こいつだって起きてないんだし!助けてやったんだから、この程度のことでガタガタ言うなっ!」

「・・・やっぱりダメ!」


司をつくしの傍から引き離してソファーに座らせると、この前の高城美智子の話を教えた。
えらく考え込んでた司はイマイチよくわかってないようだったけど、とにかくつくしの母親だけはわかったと言えばつまらなさそうに
天井を見上げていた。その表情は何を意味しているのかと聞いたら、意外な返事が返ってきた。

「つまんねぇな・・・親が判明するとは思わなかった。このままわかんなかったらもう一度つくしとの婚約に話を持っていこうと思ったのによ。
そうすれば、影でこっそり類と会わせてやって、俺には嫁さんって形でつくしが傍にいて・・・上手くいくんじゃねぇか・・・とか?」

「バカじゃないの?まるで俺が犯罪者じゃん!」

ははっ!って笑う司が・・・本当は今でもつくしのことを諦めきれないっていうのはよくわかってるつもりだった。
でも、そんな不可能なことまで真剣に考えたのかと思うと俺まで苦笑いするしかなかった。


再びするノックの音・・・今度こそ母さんだと思ってドアまで出向いた。
開けるとそこに立っていたのはベージュのコートを着た母さん。急いで来たのか少し息が荒かった。そして中に入ると、そこにいる
司に気が付いて慌ててすぐ側に近寄った。

「まぁ、司君・・・!この度はつくしを助けて下さってありがとうございます!お礼はまた改めてさせていただくわ!本当にありがう!
あんな事があったのにつくしを守って下さったのね・・・ニューヨークにあなたがいてくれて良かったわ」

「いえ、たまたま近くにいましたから・・・それでは俺はこれで失礼します。じゃあな、類。・・・・・・たまには別の部屋で寝ろ!」
「余計な一言だよ!早く仕事に戻りなよ!」

司はニヤッと笑って特別室を出て行った。母さんが来たってのにとんでもない一言を残していくのは絶対わざとだ・・・!
だけど母さんは司の一言なんて聞いてもなかったようだ。
もうすでにつくしのベッドの横に跪いて、その手を握り締めている。覗き込む眼は母親そのものだった。

「類・・・つくしの傷は大丈夫なの?本当に大きなものはないの?骨折はしてない?あぁ・・・こんなに包帯だらけで可哀相に・・・!
どうして眼を覚まさないのかしら・・・頭を打ってるの?ねぇ、類。どうなの?」

「母さん、落ち着いて下さい。見てのとおり、奇跡的に軽傷なんですから。意識が戻らないのは心配ですけど戦っているのはつくしです。
待ってやりましょう・・・きっともうすぐ眼を覚ましますよ」

「本当に?私達がアメリカに行かせなかったら良かったのかしら・・・まさか、こんな事になるなんて・・・」

「事故は誰にも予測できないことでしたから・・・高城がフランスで問題を起こさなかったら地下鉄になんて乗らなかったでしょう?
いろんな要因が重なっただけです。母さんが悪いわけでもつくしが悪いわけでもない。そうだ、後で加代にも会って下さい。
加代の方が怪我が酷くてここに入院してますから。でも、責めないで下さいね?」

何度もつくしの顔と髪を撫でて、手をさすって、時には身体に被さって泣く母さんに、これ以上の面会は疲れるだろうと説得して
加代の方に行くようにと話した。
部屋を出ていくまでハンカチで目頭を押えてつくしを振り返る・・・今までで一番取り乱した母さんを見たようだった。


これをつくしに見せたかったよ?みんながつくしの意識が戻るのを待ってるって・・・


今日もつくしは眼を覚まさなかった。

KOSU45.jpg
関連記事

Comments 4

There are no comments yet.
-  
管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

2017/10/19 (Thu) 07:11 | EDIT | REPLY |   
plumeria  
Re: おはようございます!

えみりん様~!おはようございます。

わかった?あきらくんの出番をどうにかして作りたかったらこうなってしまったの(笑)
どこからピンが出るんだかっ!しかも、この2人を無視する状況はあり得ないだろうっ!
と、思った方はいらっしゃると思います。まぁ、そこは知らん顔で・・・。

ねぇ!99話ですってよ?100話越えは想像もしていなかったのにっ!

あと、どのくらいで終わるのかしら・・・。11月から新しくなるのかしら?って私が考えてどうする!!
でも、頭の中はクリスマスストーリーでいっぱいです♥

2017/10/19 (Thu) 08:25 | EDIT | REPLY |   
-  
管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

2017/10/19 (Thu) 14:20 | EDIT | REPLY |   
plumeria  
Re: タイトルなし

さとぴょん様、今晩は!

なかなかいいでしょう?司くんの考え!要するに類くんは人妻に手を出す不埒者・・・。
またいつか司くんをこんな感じで出演させようと思っております!

うん!この司くんは好きだったぞ!・・・少しずつ慣れてきた感がある(笑)

そろそろ眼を覚ましてもらいましょうか!
まさかの100話越えですって!二度とないと思います!
始めの予定は全部で60ぐらいだったのに・・・。何故延びた?

2017/10/19 (Thu) 20:14 | EDIT | REPLY |   

Leave a reply