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plumeria

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「本当に困った人ねぇ!総二郎さん・・・何をどうやったらそんな勘違いをするの?浮気現場だと思ったの?・・・呆れちゃう!」
「ホントだよね?俺の事を何だと思ってるんだろ。信用されてないなんて悲しいんだけど・・・!」

「悪かったよ・・・でも、そっちにも問題はあるだろうよ!わざわざ他人の目の中のゴミを取るヤツがいるのか?」


まるで俺が悪いかのように二人が並んで責めてくるが、どう見たってソファーに寝そべって男が上に乗ってたらそう思うだろ?
しかも相手は妊婦なんだ!だけど天然の類が相手だ・・・何が起こっても不思議はねぇよ!

俺1人を悪者にする意味がわかんねぇけど、こいつらはすっかり意気投合してきゃあきゃあ話し出した。
俺の事は当然のように無視!で、一方的につくしが顔を赤くして話しかけてるんだけど!

「あのね、類さん!これが鳴子峡で買ったお土産なんだけど!!・・・見て見て!可愛いでしょうっ!」
「うそっ・・・!なにこれ、マッチなの?初めて見た!」

「こけしマッチって言うの!はい、類さんには犬マッチ!それと、これがMIXバージョンでね、これが達磨マッチ!気に入ってくれた?
ちなみに総二郎さんはひよこマッチなの!」
「あーっ!わかる・・・意外とチキンだからねーっ!」

「・・・・・・」

何なんだ、このウキウキ感は・・・こいつらの方がイチャイチャしてどーすんだよ!つくし・・・お前の亭主が今どこにいるか分かってるか?
目の前だっ!!お前達の目の前にいるんだよっ!!

「ねぇ、つくしちゃん、このひよこマッチ、何で汚れてんの?なんか泥がついてない?」
「あぁ!それは・・・言えないわよっ!やぁねぇ・・・類さんったら!山の中でなんて何もしてないわよ!」

「えっ!山で・・・総二郎ってそんなとこでも大丈夫なの?へぇ・・・場所を選ばないって噂、本当なんだね・・・」

おいおいおいおいおい!!それ以上言うなっ!!妙な話に持っていくんじゃねぇよ!類っ!!
類の言葉でギロッと光ったのはつくしの目・・・俺は思わず両手を振って無実を証明しようとした!つくし以外あんな場所でやってないって!
しかも、今回も寸前でやめたじゃねぇか!そう言いたかったけど類の目の前で?・・・それはダメだろう!


「る・・・類!お前、今日はここに泊まるんだろ?明日の朝飯、一緒に食おうぜ?俺たちも明日には東京に帰るし。な!そうしよう!」

「いいけど?じゃあ、つくしちゃん、また明日ね!」
「うん!類さん、マッチ、ちゃんと飾ってね?」

「もちろん!俺の部屋に飾っておくよ!ありがと!」


飾るんだ・・・流石だな、類。期待を裏切らない男だ。

だが、俺はこの時とんでもない事を考えていた。そう・・・せっかくのこの雰囲気をぶち壊した礼はさせてもらう。
類には悪いが、今、俺の中では悪魔が囁いてるんだ!絶対に「これ」を使ってやる!明日の朝が楽しみだ・・・覚えとけよ、類!


********


次の日の朝、俺はルームサービスでモーニングを3人分頼んでいた。もちろん3人目は類・・・この部屋で楽しく食べてもらおう。
そして類はいつものように無駄に爽やかな笑顔を振りまいてこの部屋にやってきた。

「おはよう!つくしちゃん。昨日はありがとう・・・よく眠れた?」
「うん!1人でよく寝たわ。朝までぐっすりよ!」

「・・・・・・」

類の「山の中発言」が昨日の夜につくしを怒らせ、俺はベッドから追い出されたからな。このクソ寒い中、ソファーで寝たんだよっ!
まぁ、つくしが一晩寝たら機嫌が直る単純なヤツで良かったけど。

で、何故だか知らないが、この朝食・・・俺の目の前に類とつくしが座ってんだよ。で、何故だかこれもわかんないけど無茶苦茶楽しそう。
つくし・・・俺にそうやってフルーツを口に入れてくれたことないんじゃないか?類もいい歳してあーんって口開けてんじゃねぇよ!みっともないっ!
だからってお返しに類がつくしのスクランブルエッグをわざわざハート型に作り直してる・・・妙なとこで器用だな。
プチトマトで目なんて作ってんじゃねぇよっ!アホか・・・普段何の役にも立たないくせにっ!!


俺は心の中でそんな言葉を呟いていた。多分、かなり冷めた視線を送っていたんだろうけど鈍感コンビは気づきもしない。
ほとんど食い終わった頃・・・俺はトドメを刺しに立ち上がった。

コーヒーを類に入れてやろう。ルームサービスで持ち込まれたヤツがサイドテーブルに置かれていたからな。
そして・・・俺の手には「これ」がある。そいつをカップの中に・・・半分入れた。量を減らしてやるよ・・・ここは友情だな!


「類・・・コーヒー飲めよ。俺が入れてやるから。で、飲んだら帰れ。俺たちも早いうちに東京に戻るから」
「え?コーヒーなんてもういらない・・・総二郎が飲んだら?」

「この俺が茶じゃなくてコーヒー入れたんだからさっさと飲め!・・・ほらよ!」
「・・・何なの?総二郎・・・相変わらず短気なんだから!」

コクン・・・

飲んだ。飲んじゃった・・・!ここで俺は流石に少し罪悪感が・・・ヤバい!さっさと類を部屋に帰そうっ!
キョトンとした類をものすごい勢いで部屋から追い出し、俺はつくしを抱えるようにしてこのホテルから飛び出た!

「きゃあぁーっ!何よっ・・・どうしたの?総二郎さん!ご・・・ご飯がっ!」
「いいから早く帰るぞ!飯ならもう一回食わしてやる!親父もお袋も心配してるからな・・・忘れもんないな?じゃあ、行くぞっ!!」

仙台の朝早く、1台のメルセデスベンツが爆音と共に南下していく!この後のことを想像したら・・・俺も吐きそうだった!



*******


「ただいま戻りました~!」
「あら、つくしちゃん、お帰りなさい!何だかいろんなものが届いたわよ?楽しかったのねえ!」

「はい!お母様、留守をして申し訳ありませんでした。おかげさまでゆっくり出来ましたわ」

ゆっくり出来たのはおまえだけ・・・俺は運転した上に、お前のせいで色んな所で走ってばっかりだ!しかも、お袋のヤツ、つくしには笑って話すわりには後ろ手で俺に渡したもの・・・。
今月のスケジュール?・・・今から先は休みがゼロ?よくこんな鬼みたいなスケジュールを組むな!
後ろから睨んだらちょっと振り向いて「文句あるの?」って言いやがった!
あぁ!無理言って3連休とったから文句なんぞ言わねぇよっ!俺はそのスケジュールを手に持って先に自室に戻った。


「はーっ・・・疲れた。紅葉狩りってのはこんなに疲れるもんか?来年は絶対行かねぇ・・・うちの庭で十分だ!」


暫く横になってたら、廊下の向こうからドタバタと走る足音・・・つくしには間違いないんだけど、今度はまた何があったんだ?
バーン!とドアを開けて部屋に入って来るなりテレビをつけて、慌てた様子で俺に見ろという・・・!
面倒くせぇなぁ・・・っていいながら身体を起こして、その画面とアナウンサーの声を聞いた。あれ?・・・もうニュースになったのか?


『・・・それではもう一度中継です。今朝早くにこちらのホテルで腹痛を訴えられた花沢物産のご子息、花沢類さんが原因不明の薬物中毒であることが判明し、現在も仙台市内の病院で手当を受けておられます。
命に別状はないとのことですが、胃洗浄をして今でもかなりの吐き気があるようで、緊急入院となっています。
昨日の宿泊先であるこのホテルでは現在も市の検査員が入って厨房を中心に調査を進めています。一体何が原因なのか・・・』

うわっ・・・ヤバかったかな。あいつ、全然わかんないだろうな・・・可哀相にって、犯人は俺だけど。


「ねぇっ!総二郎さん、類さんったら私達と別れてから1人で何食べたのかしら!でも、心配だわ・・・お見舞いに行く?」
「いや・・・明後日には退院できるだろ。ほっとこうぜ?」


『次のニュースです。これも宮城ですね・・・紅葉で有名な鳴子峡の山の奥から1人の男性が全身に怪我を負った状態で発見され
病院に搬送されました。川に落ちたらしく全身ずぶ濡れで、両方の腕に骨折があるようですが幸いにも足に骨折がなく歩けたようです。
ヨロヨロしながら川沿いを歩いていたところを観光客に見つけられて保護されたようです。この男性の身元は・・・』


「「・・・・・・」」


類の事は心配ない。あれの辛さは俺が体験済み・・・「毒セリ」から生還してるから。まぁ・・・3日間もあれば元に戻れる。
それに半分にしたんだ・・・俺よりは軽いはずじゃねぇかな。
あの男もやっぱり落ちたんだ・・・そりゃそうだ。まぁ、コイツも命が助かって良かったな!・・・ってことにしよう。


「紅葉狩りってのは危険が伴うんだな・・・来年は場所、変えようぜ?」

「・・・うん、そうだね。そうしよっか!」


つくしはさっそく部屋にニヤリと笑った「こけし」を置いた。
俺にはそれが類に見えて仕方なかった・・・だからつくしに内緒でサングラスの落書きをした。

来年はこの西門の庭に宮城野萩が生い茂るはずだ・・・それを見る度にこの紅葉狩りを思い出しそうだな!


yjimageKYE6PWZ1.jpg
皆さんはどうぞ安全に紅葉狩りをして下さいね。
それでは・・・この2人にまた会えたら、その時はよろしくお願いいたします。
あっ!類くんに関するクレームはご遠慮くださいっ!(笑)笑って許して下さいませ!
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2017/11/10 (Fri) 12:30 | EDIT | REPLY |   
plumeria  
Re: こんにちは!

えみりん様、こんにちは!

ええ!やっちゃいました!あっはは!
ごめんねぇ~類君!短期集中ダイエットさせちゃって。
このお話の時に仙台とか東北とか調べてたら、紅葉のあんまりないところに住んでる私は
羨ましかったです。あんなに赤くなるんですねぇ!
実は東京より北は北海道に一回行っただけで、東北には足を踏み入れたことがございません。


鳴子峡に行きたくなりましたよ。でもやっぱり・・・いもくり佐太郎?

2017/11/10 (Fri) 13:48 | EDIT | REPLY |   
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2017/11/14 (Tue) 00:28 | EDIT | REPLY |   
plumeria  
Re: タイトルなし

さとぴょん様、こんにちは!

覚えてました?毒草、持ってたの(笑)
いろんなものを出したから忘れられてると思っていましたよ!流石ですね!

これを最後に出したくて書いておりましたが、本当は飲ませるのは類じゃなかったんです(笑)
美和子の彼に飲ませるつもりだったんですが、彼が崖から落ちたんで(落としたんだけど)
誰を出す?って思ったときにあきらか類のどっちにする?ってなって・・・笑えるのは類かな?
ってなりました。


冬ですか(笑)
考えときます!山・・・以外でね(笑)

2017/11/14 (Tue) 11:58 | EDIT | REPLY |   

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