FC2ブログ

plumeria

plumeria

朝起きたら自分の身体がやけに重くて、息苦しくて・・・何故かすごく熱かった。
何だろうこの感じ・・・巨大な動物抱いてる感じ?そう思ってほんの少し眼を開けたら、私のすぐ横にサラ髪の男の人が俯せて寝ていた。


・・・ん?なにっ?!この人・・・誰よっ!っていうかここ何処?

天井がすごく高くて、すごく広い和室にチョコンと布団が敷かれてて、そこにこの男の人と寝てるって状況がイマイチ理解出来ないっ!でも、この香りはいつも嗅いでる気がする。それもドキドキしながら・・・あれ?

「あ、あのー・・・もしもし?」
「・・・ん・・・あぁ、朝かぁ・・・寒っ!・・・お前もう少しくっついとけよ。隙間出来たら寒い・・・あれ?」

「・・・・・・にっ、西門さんっ!どうしてここに?!」

やっぱりこの香りはこの人だよねっ?!
寝ぼけた感たっぷりの西門さんは、ぼーっとした顔で私を見てる。その距離僅か30㎝!近すぎて眩しすぎて、むしろ声が出なかった!

「ふあぁ・・・なんだ、俺までここで寝ちゃったんだ。どおりで布団の中は熱かったんだ!そりゃそうか、高熱のヤツ抱いてたんだからな!どうよ、牧野・・・熱は引いたか?」

西門さんの手がまた私のおでこを触った。いや、むしろ西門さんの手の方が熱いんだけど。
自分のおでこと比べながら「下がったな!」って一言。そして、バサッと布団を剥いで立ち上がった彼は昨日の服のままだった。
もしかしたらお稽古のあと、着替えもしないで私の横についててくれたの?頼んでもいない添い寝までして?

「ごめん・・・すごい迷惑かけたんだね。あの、家元夫人も知ってるの?」

「当たり前だろう。うちの主治医まで呼んだんだから、この家の連中全員にバレてるさ。別に気にすんな。んじゃ、俺、シャワーしてくるからお前も早めに水分取っとけ。昨日の熱で脱水症状の一歩手前までいってるから」

見たら枕元にスポーツドリンクが置いてある。
その向こうには点滴一式と山ほどタオルが散らかっていた。ど、どれだけ騒がせたんだろう・・・この部屋を出ていく勇気がなくなりそうなんだけど!しかも、私は自分の服じゃなくて所謂”寝間着”ってものを着てるんだけど、これって・・・?
西門さんが出ていった襖の方を見ながら何故か汗が流れた。


その時に1人の女性のお手伝いさんが襖の向こうから声をかけてきた。

「おはようございます。お目覚めでいらっしゃいますか?」
「あっ!はい。起きてます」

「失礼致します」

そのお手伝いさんはもう着物を着ていて、とても上品な立ち居振る舞いで、さすが西門の人だと感心するほど。
そして私の布団の横に数枚の服を置いた。一つは昨日着ていた私の服で、もう一つは新しいもの?私のではないけど?って不思議な顔をするとにっこり笑って説明してくれた。

「こちらは総二郎様から牧野さんへお渡しするようにと。本日のお洋服だそうです。今から朝食をご用意致しますがそれもこちらで総二郎様とお召し上がり下さい。そのあと体調がよろしければご一緒に登校していただき、まだ調子が悪ければ西門でお過ごし下さいとのことです。昨日のお熱がかなり高かったので無理はなさいませんようにと家元夫人からもお言葉がございましたわ」

「はぁ・・・そ、そうですか。あの、私の着替えは誰がしてくれたんでしょう。ご存知ですか?」

「いいえ、私は知りませんわ。総二郎様以外の方が牧野さんに付いてはいなかった・・・とは、思いますけど。それではまたあとで参ります」


それは・・・どういう事なの?まさか西門さんが私の服を脱がせてこの寝間着を?!まさかっ?!
私はお手伝いさんが持ってきてくれた服を手に取った。そうか・・・昨日と同じ服で大学に行くわけにはいかないわよね。
それが西門さんと一緒に登校でもしたら1日で噂が広まって、多分私がとんでもない目に遭うんだわ。

それなら申し訳ないけどお言葉に甘えようと、かなり乱れた寝間着をすとんと下に落としたとき、バンッ!と襖が開いて彼が戻ってきた!しかも濡れた髪をタオルで拭きながら、この寒いのに上半身裸でっ!!

「きゃあぁーっ!なんて格好してんのよっ!服着なさいよッ!!服ッ!早くっ!」

「やかましいヤツだな・・・そういうお前はなんて格好してんだよ。マジ・・・子供体型だな」


・・・え?私?
ハッとして自分を見たら私は自分の足元に寝間着を落としたままで見事にブラとパンツ一枚・・・!!

「ぎゃあぁーっ!どこ見てんのよっ!出て行きなさいよっ!このドスケベッ!!」

「誰がドスケベだよ。昨日からそこまでは見てるぜ?出来たらブラとパンツはセットがいいな。別々ってのはイマイチだ」

そういう問題じゃないのよ!って言っても気にもせずに入ってきて、その場に座り込んで頭を拭いてる。手に持ってた服を着ると、まだ生乾きの髪を片手で掻き上げた。その色っぽい仕草にドキッとする・・・自分の服を着ながら、眼ではしっかりと彼の動きを見ていた。

「牧野・・・」
「な、何よ。あ!お礼言ってなかった・・・服、ありがとう」

「ブラとパンツも変えとけよ?そこにあっただろ?」
「・・・・・・!」

何枚か持ってきてもらった服の間をよく見たら・・・確かにあった!超可愛いモノがッ!!もちろんセットでサイズもぴったり・・・。

「なんでサイズを知ってるのよ。教えたことないじゃん!」
「・・・服の上からでもわかるぐらいのサイズじゃねぇか!」

反論できない・・・でも、有り難く使わせてもらったわ。


さっきのお手伝いさんともう1人が朝食を運んできてくれて、お布団も片付けてくれた。
そして西門さんと向かい合ってお膳を前に正座した。なんか・・・すごく恥ずかしいんだけど。新婚さんの朝みたい。
西門さんのは普通のご飯なんだけど、私のはやっぱり「病人食」。お粥に少しずつのおかずが綺麗に盛り付けられていた。

「あんまり固くならなくていいぜ?だからここにしたんだ。お袋と親父がいたらお前、飯食えねぇだろ?ここでは足も崩していいぞ」
「ホントに?良かった・・・すぐに痺れちゃうから!いただきます!」

「調子良さそうだな。大学どうする?行くか?」
「もちろん行くわよ!教授に聞かなきゃいけない箇所もあるし、1日無駄にしたんだもん!取り返さなきゃ!」


「・・・無理すんな。身体の方が大事だ」


小さな玉子焼きをぱくんと口に入れた時に彼のつぶやきを聞いた。

無理もしたいよ。
この顔を毎日見られるなら無理したいよ。

私は今までこんな西門さんを見たことはなかった。穏やかで優しい顔・・・何も武器を持たない彼の顔を初めて見た気がした。


そしてこのあと2人で車に乗って大学まで一緒に登校した。


*********


大学に着いたら私達はそれぞれ自分たちの学部がある方に行くから正面入り口で別れた。

「いいか?昨日はあれだけ熱があったんだからまだ無茶すんなよ?少しでもおかしくなったらすぐに家に帰れ!いいな!」
「はいはい!わかってます。大丈夫よ、元が頑丈だって言ったでしょ?ありがとう!」

そう言って手を振って元気よく見せたけど・・・本当は限界だった。
実は朝起きたときからまだ全然体調が回復してなかったんだけど、あれ以上西門にお世話になるわけにもいかなかったから無理して食べて、ありもしない元気を振りまいただけ。


「はぁ・・・ヤバいわ。どうしよう・・・試験が近いのに。やっぱり図書館で自習かな」

フラフラしながら教室には行かずに図書館に向った。
そこでなら何とか勉強できる。この時はそう思っていた。


まさかもう一回倒れるなんて・・・。



new-year-2946701__340.jpg
関連記事
Posted by

Comments 4

There are no comments yet.
-  
管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

2017/12/21 (Thu) 13:05 | EDIT | REPLY |   
plumeria  
Re: こんにちは!

えみりん様、こんにちは。

流石だわっ!これは中々ぴったりな(笑)
スケジュールの・・好きですねぇ!こんな台詞(笑)いいじゃーーん!キュンキュン♥

まさにこんな感じで進んでる?事務所で笑いすぎて若い子にまた変な目で見られましたよ(笑)
あいうえお・・・総ちゃんのラストの暴走がこれにぴったりの気がするぞ?

こういうの読むと妄想が膨らんでくるんですよね!
(ホント・・・こんな可愛い話ばっかり書けたらいいのにねぇ・・・爆弾魔だから・・・)

今度助けるの?・・・あいつです(笑)

怒っちゃいやーよ!

今日もありがとうございました!

2017/12/21 (Thu) 15:54 | EDIT | REPLY |   
-  
管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

2017/12/22 (Fri) 01:29 | EDIT | REPLY |   
plumeria  
Re: タイトルなし

さとぴょん様、どははは!キュンキュンしてますね!

そんなにお好みでした?実は私もこの回が一番好きかも~♥
好きな場面は書くのが早い早い!さくさく進むわ~♥自分好みに好き放題書くからねぇ!(笑)

私のお好みは、起きたての「もうちょっとくっつかないと寒い」ってとこと
「身体の方が大事だ」って言うとこーーーっ!!きゃーーっ!!♥

憤死・・・(笑)

もうここで終わらせようかと思いましたよ(笑)

さて、誰が助けてくれるやら!類だったら爆笑かも!

2017/12/22 (Fri) 11:28 | EDIT | REPLY |   

Leave a reply