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私の前に座ってるつくしさんは可愛らしくてふんわりした印象で、とても女らしかった。
なんて言うのかしら・・・満たされてるって感じで幸せそう。時々チラッと類さんを見てる、その瞳が輝いて見えた。

「翔子ちゃん、お兄様とはどんな会話するの?お兄様、強引じゃないかな?ちゃんと楽しい会話できてます?」

「た、楽しい会話?どうかしら・・・私は楽しいんだけど、誠さんに楽しいかって聞いたことはないかも・・・」
「何処にも行かないの?お兄様ってどんな所が好きなのかしら。私も一緒に遊びに行ったことはないのよね」

「そうねぇ・・・そう言えば・・・」

何度か行ったことはあるわよ。所謂デートってヤツ・・・。

でも、何故か最後には誠さんの溜息で終わっていたような気がする。
動物園に行ったときは像の重さに耐えられる超薄型ボディのスマホの開発が気になって、水族館に行ったらあの水圧に耐えられる激薄ガラスと水質汚染を最小に抑える装置が気になって係員を呼び出したわね。

遊園地に行ったらもうそこはパラダイス!
乗り物の構造が気になって乗るどころじゃないわ!もう少し空気抵抗を抑えられないか、もう少しスピードを出しても安全に運転出来ないか、物理工学の最大の実験室みたいなものですもの。

確かに最後の方は誠さんの姿がなかったような・・・それって、デートだったのかしら。

「どうかしたの?翔子ちゃん」
「い、いいえっ!何でもないわ。誠さん・・・私のどこがいいのかと思ってちょっと考えたの」

「ふふっ!気になりますよねぇ!好きになればなるほど自分のどこが好きなのかって・・・私もいつも気になるの。類ってあんなに素敵でしょう?なのに私のどこが良くてこんなに守ってくれるのか・・・今でも聞いちゃうもの!」

「え?聞くの?自分のどこを好きなのかって?」
「うん、すっごく優しくされたときとかにね・・・恥ずかしいけど!」

「な、なんて答えるの?類さんは!」
「・・・全部って言ってくれるの!いやん、恥ずかしいっ!もう、翔子さんったら!」

バシッ!っと私の肩を思いっきり叩きながら顔を真っ赤にして話すつくしさん!
いや、自分で喋ったんでしょうよ!そんなに恥ずかしいなら言わなきゃイイじゃないの!って思ったけど、そういう仕草がイチイチ可愛らしい・・・。

チラッて男性陣を見たら3人共が私達を見ている。
類さんはつくしさんを微笑んで見てるからいいとして、総二郎お兄様はニヤけてるし、誠さんはもしかして怒ってる?
怖い顔してるのは何でなの?私、何もしてないわよ?今だって叩いたのはつくしさんだし!


**


「何話してるんだろ・・・つくしが赤くなってる」
「いいじゃねぇの!女同士、恋バナぐらいするんだから!って、翔子に恋バナが出来るぐらいの経験があるのかが問題だな!」

総二郎が楽しそうにそんな事言ってる。

一応何度かデートには誘ってるし、キスぐらいしてるし・・・それ以上になるとこの2人の前で自慢できる話はない。
だからイチイチ言わない!

「どうなんだよ!誠・・・翔子に実験以上に夢中になれること、教えてやってんのか?あいつ、昔っから勉強しかしてないから直球で勝負しようとしてもダメだろ?いつもどんな会話になるんだ?」
「なんでお前に教えないといけないんだよ!いいんだよ、俺たちは俺たちのペースで進めば・・・総二郎みたいに今日出会ってすぐに何処かで泊まれるほど安売りしてないんだよっ!」

「そんなに高いモノでもなさそうだけどね」

今度は花沢が横からボソッと・・・って全然こっち見てないのに!

俺たち3人は少しだけ離れた席で楽しそうに話すつくしと翔子を見ていた。
いや、確かにつくしは楽しそうだけど、翔子は難しい顔してる・・・多分、つくしの花沢自慢が止まんなくて会話についていけないんだろうな。平気で惚気話をする夫婦だから、初めて会うヤツは絶対驚くと思う・・・いや、初めてじゃなくても毎回ドン引きするけどな。

マジでどうかと思う。
今この場で、僅か数メートルしか離れてないのにそこまで切なそうに見る男ってコイツぐらいしかいないだろう?

「誠さぁ、翔子とはどうなりたいわけ?プロポーズとかしてんの?今からすんの?」
「は?プロポーズ・・・翔子に?」

「他に誰がいるんだよ!心配しなくても西門は翔子が結婚できるんなら喜ぶと思うぞ?おばさんなんか一生独身だと諦めてるからな!それに、翔子も誠みたいな物好きを逃すと結婚できそうにないじゃん?・・・どうよ?考えてないの?」

総二郎の一言にドキッとした。
知り合ってからまだそんなに経ってないってのもあるけど、翔子に必要とされているのかが疑問だったんだ。
俺は何度かその話を切り出そうと思ったことはある。だけど、その度に眼についた他のものに興味を示して、その分析に入られるんだ。
だから俺はダイヤモンドを「婚約指輪」としてじゃなく「世界で硬い鉱物の一種」って意味に取られそうで怖いんだよっ!

いや、わかってるさ。
俺が臆病だって事ぐらい。
その原因は目の前の男だけどな!あんな失恋の仕方をすれば誰だって恋をするのが怖くなって当たり前だ!


「考えてないわけじゃない。まだ時間がそこまで経ってないだけだよ。もう少し後でするつもりだけど!」

「・・・そんなの関係ないんじゃない?好きなら言えば?先に延ばせるんなら本気じゃないんだよ」


花沢の言葉にもビクッとする。図星だけに・・・。
恋に臆病な俺と恋に鈍感な彼女・・・どっちかが変わらないと先に進めないってのは気が付いてたさ。


**********


「そろそろ今日は帰ろうか!誠、明日の夕方時間取れねぇの?俺たちこっちにいるのが明明後日までだから明日の夕方5人で飯でも食わないか?迎えに行くよ」

総二郎お兄様がそう言ったら誠さんはスマホで明日のスケジュールのチェックをしていた。

あぁ・・・そうか。今日もわざわざお仕事休ませたんだったわ。
それなのに私が大学で待ち合わせたから、誠さんと全然まともな会話してないかも。

「明日なら大丈夫だと思う。明後日はイギリスとのテレビ会議が入ってるからダメだけど、明日は何もないから。翔子は?明日何かの実験するんだろ?夕方間に合いそう?」

「え?う、うん、大丈夫だと思うわ。実験って言ってもそこまで時間はかからないと思うから」


私達は明日の夕方、また5人で食事をしようと約束をしてこのお店で別れた。

お店を出たら類さんはすぐにつくしさんの肩を抱いて歩いてる。
本当に仲がいいのね・・・何だか凄く羨ましいって初めて思った。


「翔子、送って行くよ。どうかしたの?」
「ううん、あの2人、仲がいいなぁって思っただけ。結婚して6年過ぎてるんでしょう?凄いなぁ・・・新婚さんみたい」

「花沢がつくしに夢中だからね。結婚期間は6年でも恋をしてからは26年経ってるから。誰も間になんか入れないんだよ」
「・・・そうなんだ」


「花沢が気になるの?」

え?って誠さんを見上げたら、少し不機嫌な顔をしていた。これって・・・ヤキモチっていうもの?私の顔を見ないで少し目線を下げてる。何処を見てるってわけでもないけど、完全に私からは眼をそらせていた。
私が実験の話をする時に呆れて聞いてるあの顔じゃなくて、拗ねたような表情を見せる誠さんなんて初めてだった。

「ね・・・花沢を初めて見た時、赤い顔したよね?あれってどういう事?そんなに見とれたの?」
「だ、だって、普通に見て格好いいじゃない。それだけよ」

「そう・・・まぁ、認めるけどね」

聞いてみようかしら、つくしさんみたいに・・・私のどこがいいのって。


「あの、誠さん、あのさ・・・」
「ん?なに?」

「あのね、聞きたいことがあるんだけどさ・・・」
「翔子が俺に?何だろ・・・わかることかな。花沢の事ならお断りだけど」

「そうじゃなくてね!あの、あの・・・わ、私の・・・あ、明日も帰りは送ってくれるよね!」
「・・・いつも送ってるじゃん。何を今更言ってんの?」


ダメだわ・・・私のどこがいいなんて、探されたら立ち直れない!探しても見つからなかったら・・・?


誠さんはこうしてても肩を抱いてくれない、私も腕を掴めない・・・これってどこに原因があるんだろう。
この世の中で一番苦手な「恋愛」っていうジャンルに私の頭はパニックになっていた。




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2018/01/08 (Mon) 00:27 | EDIT | REPLY |   
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2018/01/08 (Mon) 11:28 | EDIT | REPLY |   
plumeria  
Re: タイトルなし

さとぴょん様・・・こんにちは♥

そんな萌えないことを想像しないで下さいよーっ!(笑)
このお話しには2人のそういうのは要らないって!絶対誰も期待してないし(笑)
書く方も萌えないしね・・・そこ、重要。

って、さとぴょん様の会話につい「割り箸」を思い出しちゃった!

やっぱり考えたら痛ーーい!!
流血だよね!しかも怪我したら治療は祥兄ちゃんか?って思ってしまった。(クソバカ!)


今から翔子ちゃんがどう変わっていくか・・・ふふふ。
類君とつくしちゃんを見て変わっていくのをお楽しみ下さいませ!


最近はすべすべした割り箸もあるよね?(まだ言うか!)

2018/01/08 (Mon) 11:31 | EDIT | REPLY |   
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2018/01/08 (Mon) 11:51 | EDIT | REPLY |   
plumeria  
Re: タイトルなし

わんこ様、今晩は♥

あはは!誠君が本編の時と性格がかなり変わってますもんね!
本人もその自覚はあるんですよ?俺、こんな男じゃなかったよな?的な!

で、類君のような男性は妄想の世界の生き物なので(笑)現実世界にはいないものと思っております。
いたら見てみたいけど・・・見た目で似た人はいそうだけどなぁ!性格が異星人ですから。

で、わんこ様~💦
このお話はラブストーリーですわよ?そんな笑う所なんてないはずなのにっ(笑)
次回も真面目なお話しになっております!えぇ、もちろん!

番外編とはいえ、恋愛物語ですから!(クドい?)

2018/01/08 (Mon) 18:07 | EDIT | REPLY |   
plumeria  
Re: タイトルなし

みわちゃん様、こんばんは!

そうそう鈍感女に臆病男・・・現実なら絶対に成功しないパターンですね!
今回は花沢夫婦と総ちゃんに助けてもらって一歩進ませてみようかと思っております!

とにかく翔子ちゃんに「恋」を教えないとっ!
そのほかの事は十分知り尽くしてるので誰か「恋」ってものを教えてあげてーっ!!
っと叫んでおります。もう、花沢夫婦を見るしかないんですけどね(笑)


あぁ、向日葵・・・(笑)
少し類にいい思いをさせ過ぎてる気はしております・・・反省。

苦しんでる総ちゃんに萌えちゃう私はこれが好きなんですよね(笑)
ヤバい・・・毎日違うテンションの話を書いてるので、余計に向日葵を暗く感じるのかしら。
(いや、事実暗い話だけど)

何とか総つくに戻すよう努力しております!はいっ!

今日もありがとうございました!

2018/01/08 (Mon) 18:15 | EDIT | REPLY |   

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