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plumeria

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気がつくと大きな桜の木の下に座っていた。
すでに風もおさまっていて来たときのような静けさだ。

「あれ?・・・いま・・・?」

辺りを見回すけど誰もいない。あの花魁は?・・・牧野は?


カサッと、後ろから音がした。

「え?まさか・・・花魁?・・・・・・って、牧野?!」

仁王立ちした牧野がもの凄い顔して立ってる・・・って怒ってんのか?!

「なんだよ?びっくりした!!・・・お前、どこ行ってたんだよ!」



「ねぇ・・・らんって誰よ?」

「は?」

「おい、らん!って呼んでたじゃん!誰なの?私、そんな人知らないんだけど?」


「・・・・・・あぁ・・・それか」

すげー聞き間違いだけど、これ説明できるのか?一瞬ここで花魁見たって?
しかも、その花魁に迫られたって?あまりに美人だったからあんなトコに手をっ・・・て?それはいいか。

「らんなんて知らねーよ。聞き間違いだろ?」
「あぁ、それか!って言ったよね?」

そんな事だけ聞きやがって!普段人の話はほとんど聞いちゃいないくせに!
そんなに怒んなよ、こんな夜桜見てるいい気分のなかで。

「悪かったって!ちょっと夢見てただけだから・・・ほら、日頃働き過ぎて疲れてるからさ」

早く誤魔化さねーとネチネチうるせーからな、女ってのは。

もうっ!!てな感じにはなってるけどもう何も言いそうになかった。
さて、機嫌でもとらねーとな。



「牧野、ほら。この桜、見上げてみ?」

一番花開いている大きな桜の下に立ち、2人で見上げた。

「うわぁ・・・綺麗だね、桜と月!」

「すげーな。初めてだけど、来て良かったよ」

牧野を後ろから抱いて、ちょっと寒いから俺のジャケットの中に入れてやった。
しっかり両手を牧野の前でクロスさせて・・・その俺の腕を抱え込むように掴んで身体を預けている。
ずっとこうやって牧野の体温を感じときたい。

ふっと香る髪の匂いにちょっとクラッとする・・・こんなとこでヤバいって、俺!!

こりゃ、身体離さないととんでもないことになりそうだったんで近くのベンチに座らせた。



「なぁ・・・また来年も見に来ようぜ、夜桜」

「うん!夜桜なんだね?そんなに気に入ったの?」

「ん・・・なんか、すっげー気に入った」

暗い夜に白く浮かぶ桜・・・なんか西門に咲いた牧野みたいじゃね?
この日の桜は本当に美しかった。

「牧野・・・やっぱり俺、お前選んで良かったよ」

「なによ?急に」

赤くなった牧野にキスをした・・・また、さわさわと風が吹く。

2人の間に桜の花びらが舞う。ほら・・・やっぱりまだその辺にいるだろう?



俺に恋した花魁には悪いけど、あきらめてくれ。俺にはこいつしか見えないから。
俺をあんたの世界に連れて行こうとしても無駄だ。
こいつと離れるわけにはいかないからな。行ったとしてもあんたの相手は出来ねーよ。


あの花魁・・・もしかしたら、俺の先代とでも恋に落ちてたのか?
先代と俺が似てたりしたのかな。総さん・・・って呼んでたっけな。

じゃあ、人違いだ。尚更あきらめてくれ。
代わりにあんたのことを先代の墓にでも行って伝えといてやるよ。


そう呟いたとき・・・
もう一度強く吹いた風と共に花魁の気配はなくなった。



『総さん・・・私の負け・・・お幸せにね』

yozakura5.jpg
こんなお花見してみたい・・・
うちの庭の桜はまだ2mくらいなので、うずくまってお花見します。
ちょっとだけ咲きます・・・。
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Comments 2

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2017/03/21 (Tue) 09:00 | EDIT | REPLY |   
plumeria  
Re: おはようございます

えみりん様、おはようございます🎵

いつも、ありがとうございます。
やっぱり総二郎は吉原のイメージですよ!
よくわかりましたね?さすがですね!

どうしてもそっちにもっていく私ってどうなんでしょうね❤
桜の木、確かにケムシがつくんですよね。

では、また!今後とも宜しくです!

2017/03/21 (Tue) 09:28 | EDIT | REPLY |   

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