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plumeria

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「あきら、今年のクリスマスパーティーは盛大にやるらしいじゃん!俺の所にもわざわざ招待状が美作から来てたぜ?親父さん達本気なのかよ!」

「あぁ!マジで面倒くさいったらないさ。どれだけ客を呼んでるのか知らないけど、半分俺を脅迫してるみたいなもんさ。自分たちは思いっきり恋愛結婚だったくせに息子にはそれを押しつけるんだぜ?おかしいよな!」

総二郎と一緒に昼飯を食べた後にこんな話をしながら中庭に向かう通路を歩いていた。

この話は先月、突然親父から出されたものだ。今年のクリスマスパーティーには将来の花嫁候補を連れて来いと。
そんなもの・・・言われてすぐになんて用意できないのに、もしも自分で選べないなら美作が用意した女性との結婚を考えるようにと言い残してまたスペインに行きやがった!

もちろん、いないわけじゃないさ。はっきり言えば1人だけいる。
俺の中でずっと、太陽のように輝いてるヤツが1人だけ。

司の事は吹っ切れてるみたいだけど、こんな家にはもう関わりたくないかもしれないしな。
あの笑顔が沈んでしまうのはイヤなんだ。あの飾らない自然で素直なあいつが一番好きだから・・・。

だから悩ませたくなくて言わずにいるんだ。もう少し、あいつが大人になるまで・・・もう少し、俺に自信がつくまで。
そしたらその手をとって、美作に迎え入れたかった。何も怖がらなくていいからってさ。

それなのに急かしやがって!だから仕方なく色んな所に手配して・・・

「・・・何ブツブツ言ってるんだよ。なぁ、あきら。今日の夜、久しぶりに飲みにいかないか?赤坂のルシアン、どうだ?」
「そうだな。最近行ってないもんな。・・・行くか!」

総二郎と飲みに行く約束をしてお互いに別の講義に向かった。


********


昨日の美作さんの姿が頭から離れなくて、ほとんど寝なれなかった。だから今日の講義はほとんどが身に入らず・・・。
こんな事じゃ特待生脱落して、当然ながら学費払えなくて退学という悲劇が待ってるわけで。どうにかしてこの眠気を覚さないとってことで中庭のベンチで昼寝でもしようかな・・・ぼーっとする頭を掻きむしりながらフラフラとそこに向かっていた。

「あ~っ!ホントにダメだわ。こんなんじゃ私の将来が・・・あれ?」

大学校内の中庭の通路を歩いていたら、前方から歩いてくるのは西門さんと美作さん?今日は後藤助教授じゃないのね?
何だか安心だわ・・・西門さんなら。私は急いで校舎の壁にへばり付くようにして隠れた。
そして私の隠れた場所を通り過ぎていったから、やれやれと思って通路に戻ったら!

「よっ!牧野、何やってんの?さっき隠れただろ?」
「うわっ!西門さんっ、見てたの?」

「ばーか!バレバレだってーの!。お前みたいなトロいヤツが隠れたって丸わかりだよ。・・・あきらは余所見してたけど」

え?美作さんは余所見してたの?そんなバカな!
私が彼の歩いて行った方向を覗いて見ていたら、耳の側まで唇を寄せて西門さんが囁いた。

「今日2人で飲みに行くんだけど・・・牧野も来る?」
「うわぁああっ!どこで話しかけてんのよっ!っていうか飲みに行く?私は未成年だよ、行かないわよ!」

「残念だなぁー!赤坂のルシアンって店だけど。まぁ、仕方ないな、牧野はどうせ勉強かバイトなんだろ?じゃあな!」


一体なんなのよっ、あの人は!まったく油断も隙もあったもんじゃない!近寄ったら妊娠するって噂、ホントなんじゃないの?
西門さんが囁いてきた耳元が妙に熱いんだけどっ!って思いながらもう一度美作さんの後ろ姿を見ようとしたけど、その通路の向こうに消えてて見られなかった。あぁっ!西門さんなんか見ないで彼を見ときゃ良かったっ!!
おかげで眠気は何処かに飛んでったわ。

それにしても、赤坂のルシアン?どこよ、それ。


*********


「あのー、先輩。私が何で先輩とこんな店に来ないといけないの?しかもすごく似合いませんわね。そのドレス・・・」

「あんたがこんな胸の開いたドレスをチョイスしたんじゃないのっ!あんたと私じゃそこのサイズが違うってわかんなかったの?」
「そんな事言っても桜子はこんなものしか持っていませんわ。それでも一番子供っぽいと思いますわよ?」

そう・・・私は美作さんが誰かと会うんじゃないかと思って、どうしてもそれが心配で桜子にドレスまで借りて赤坂に来ていた。
来てみたらびっくり!一般客なんて入れないような超高級会員制のバーみたい。さすが桜子、すでにこの店の会員だったらしい。
もちろん未成年だから本当は入れてもらえないんだけど、そこは桜子のお色気をフル活用して潜り込んだみたいなもの。いや、桜子だって未成年なんだけどね?そこは・・・家の力なのよね、多分。
ゴージャスボディの桜子に隠れるようにして店内に入ったけど、胡散臭い店員に全身見られてるんだけどっ・・・!

「三条様、お久しぶりでございます。そちらの方は・・・まだ当店に入れるようなお年ではないのでは?申し訳ございませんがお子様はご遠慮いただいておりますが」

「あら!こう見えて私より一つ年上なのよ?色んなものが足りない人だけど心配いらないわ・・・ね?お席に案内して?」
「はっ、はい!三条様がそう仰るのでしたら・・・それではこちらの奥のお席に」

何それ?色んなものが足りないって、ホントのことだけど失礼しちゃうわ!

桜子はいいのよ!ボン、キュ、ボン!だから何を着ても滲み出る色気が溢れすぎて困るくらいだから!だけどこの私にそんなドレス選んでも肩紐が落ちちゃうんだって!落ちたら最後、あんたみたいに胸で止まったりはしないのよーっ!
おかげてゆるゆるの肩紐を気にしながらコソコソと隅っこのボックス席であの2人を待っていた。


「いらっしゃいませ、西門様」
「あぁ、今日はカウンターでいいや。いつものヤツ2人で」

「畏まりました」

その声で身体がびくんと硬直した。
美作さんが来たんだ・・・2人って言ったよね?と、いうことは西門さんだけ?女の人はいないのね?

「あら!先輩、あそこにみま・・・」
「しーーーーっ!!黙るのよ、桜子っ!!静かにするの!・・・いいわね?」

「・・・そういう事ですの?アホらし・・・」


桜子は呆れてシャンパンを飲み出した。それから暫くしても2人の所には誰も来ないみたい。2人の声しかしなかったから。
恐る恐る振り向いて、カウンター席に眼をやったら・・・ものすごく大きな眼を見開いた西門さんと眼が合った!

やめて・・・やめてよ!何も言わないでっ!言ったら殴るわよっ!
私がブンブン手を振って×印を送ったら、飲もうとしたカクテルをブハッ!って噴いた。


「何やってるんだよ、総二郎!きったねーな!」
「わ、悪い!ちょっと今不思議なもんが見えてさ・・・耐えられなかったんだ」

「不思議なものって?・・・あ?」


噴き出した西門さんに腹が立って、思わず立ち上がった私を美作さんが見つけてしまった。
ズルって落ちた肩紐・・・それを見て、美作さんがグラスを落とした。


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2017/11/26 (Sun) 13:05 | EDIT | REPLY |   
plumeria  
Re: こんにちは!

えみりん様、今晩は!っていうか大丈夫ですか?病院行かなくていいの?

いやいや、皆さん笑っちゃダメなのよ~💦
どのくらいの高さから?一番上とか言わないで下さいね?怖いよ~!
親指・・・ポキンとかいってない?心配だわ・・・(経験者語る)

で、このお話は・・・そうそう、そんな感じのじれったいというか
あきらくんが困っちゃうっていうか、つくしちゃんが天然って感じの・・・

そんな事はいいから病院に行って~💦

で、短編だから(笑)今度こそ!

あ、すみません、変なコメ返で・・・。

2017/11/26 (Sun) 18:41 | EDIT | REPLY |   
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2017/11/26 (Sun) 19:21 | EDIT | REPLY |   
plumeria  
Re: 今晩は!

えみりん様~!どっひゃーっ!!

よくそれで何ともなかったですねぇ・・・いや、○○斑が出来てるんだけど。
すんごい音がしたんじゃないですか?いやいや、明日になったらもっと痛いんじゃないですか?

私は手の小指、ポキンってしたんですけど痛かったですよ!

バレーボールでアキレス腱切ったんですけど、その時はね・・・不思議なんですがコート上では捻挫だと思ったから
引きずりながらでも歩いたんですよ。次の日も外科に自分で運転していったんです。ちなみに右足。
そこで、「アキレス腱完全断裂」って診断されたら・・・歩けなくなったんです。
人間って不思議なのよ・・・それまではなんとか歩いていたのに。

聞いた途端、まったく力が入らなくなりました。
えみりん様も明日になって異常があったら病院に!GO!ですよ?

あぁ、短編です(笑)すでに1話予定より多くなったけど短編です!キリッ!

お大事に~!

2017/11/26 (Sun) 21:31 | EDIT | REPLY |   
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2017/11/27 (Mon) 01:14 | EDIT | REPLY |   
plumeria  
Re: タイトルなし

さとぴょん様・・・こんにちは~!

総二郎、可愛かったでしょ?
え?つくしが可愛かったかって?それとも胸が可愛かったかって?
驚くほど可愛い胸だったんでしょうねぇ・・・サイズ的に。

珍獣・・・(笑)どっちかって言うと桜子の方が獣ではなかろうか!
つくしちゃんは小動物だよね!

前にも書いたような気がするんだけど
司がライオン、総ちゃんが黒豹、あきらがあらいぐま、類はナマケモノです。

2017/11/27 (Mon) 11:18 | EDIT | REPLY |   
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2017/11/28 (Tue) 12:30 | EDIT | REPLY |   
plumeria  
Re: タイトルなし

あおさーん!!本物のあきつく、来たーーっ(笑)!!

やめてっ(笑)本物は読んじゃダメっ!このお話し、ホントに遊んでるんだからっ!
超恥ずかしいんだけど・・・マジで!

あきらくん、書くのは好きなのよ。でも、ほら、専門外だからさ。
もう、あおさんに読まれたらどうしようかと思ってたのに(笑)

いやいや、書こうよ、あおさん!
こたつの中でも書けるから!私なんか会社で書いてるから(就業規則違反💦)
ほらほら、動いて動いて!

実を言うともう告知したから言うけど、イベント中から総ちゃん誕生日書いてたからね。
なんだか終わっても忙しかったよ。
でも確かに、皆さん超お疲れだったけど何で私は1人で元気なんだろう・・・。

あおさんも頑張れっ!(コメント出来ないだけで)私も待ってるよ~♥

2017/11/28 (Tue) 13:00 | EDIT | REPLY |   

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