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青山にある桜子ご贔屓のお店にパーティードレスを選びに来たのは23日。
桜子が何かと忙しかったのと、私のバイト代が20日に入るからこの日に付き合ってもらっていた。

「桜子・・・どうしよう。なに着て行ったらいいかなぁ!やっぱりドレス?私、この前のスリップドレスしか持ってないんだけど、あれってもう見られてるらインパクトないよねぇ?」

「先輩・・・インパクトならあの時に十分ありましたわよ?あんなに似合わない人はいないって西門さんも言ってましたもの。やめておいた方がよろしいんじゃないの?」

美作さんからもらった真っ白なクリスマスパーティーの招待状・・・美作家の家紋入りの封筒はこれだけでも薔薇の匂いがしているわ。何回クンクンしたかわかんないくらい。それにちゃんと名前が彼の手書きなの。
牧野つくし様・・・はぁ、うっとりしちゃう!

「先輩、封筒に酔ってどうするんです?ほら、ちゃんと色々決めないと!当日は私は彼とホテルなのでご一緒できませんし、花沢さんはフランスに行っちゃったし、西門さんもご自分の家のパーティーに出るんでしょ?しかも・・・忘れてないでしょうけど道明寺さん、どうするんです?」

「・・・あ!忘れてたわ!」


道明寺の事はどうでもいいというか、そもそもついて行く気がないし。
もうこれ以上一緒にいてもお互いのためにはならないって話し合ったはずなのに、なんで今頃迎えに来たのかさえわかんなかった。25日にアメリカに行くって言ってたっけ?どうぞ、お一人で!って感じよ!

それよりも美作さんに見せるドレスよっ!
と、思ったけどやっぱりどれを見ても大人っぽくて私には似合わないような気がする。それに・・・彼も同じ事を言うんだろうな。
店員さんが持ってくるものは綺麗なんだけど、素敵なんだけど、それを着た鏡の中の私は全然自分らしくなかった。

それでも桜子は次から次へと魅惑的なドレスを持ってくる。もううんざりしていたときにお店の端にある比較的おとなしめなデザインの服がある所にすごく気に入ったものを見つけた。
それは紺色の普通のワンピースなんだけどスカートから少し見えるレースや胸のベルベットのリボンが可愛い!

「あの、これがいいんですけど着てもいいですか?」

店員さんは一気に値段が下がったからなのか嫌そうな顔したけど、それを取ってくれて試着した。

うん!やっぱり好きかも!
桜子も子供っぽいって散々バカにしたけど、自分の気に入ったものでいいやって思ってこれにした。
あとはこの上に羽織るクリーム色のフワフワのボレロ!シルバーのバッグとお揃いのハイヒールを買ったら、1ヶ月のバイト代は全部なくなってしまった。

でも、いいの。少しでも彼に私らしいって思ってもらえたら。

このあと桜子は私にクリスマスプレゼントって言って、このワンピースに似合う一粒真珠のネックレスとお揃いのピアスを買ってくれた。むしろこっちの方が本真珠だったから高かったわ!

「どうもありがと!桜子、付き合ってくれた上にプレゼントまで。25日、頑張ってくるね!」
「どうでもいいですけど、美作家のパーティーなら何処か企業ののお嬢様がすごいんじゃありません?本当にいいのかしら、あんなワンピースで・・・。気が変わったらまたお貸ししますからいつでも仰ってね!」

そんなバカな!って笑っていた時だったわ。
青山のお店の真ん前で桜子と買ったばかりのワンピースが入ったバッグを持って立っていたら、そこに1台の黒塗りの車が横付けされた。
は?って2人でキョトンとしていたら、中から2人組の男の人が出てきていきなり私の両腕をガシッ!と掴んだ!

「きゃあぁーっ!なにっ?何すんのッ!離しなさいよ!」
「いやぁあっ!先輩っ!誰かーっ!」

ものの1分もかからなかったと思う。
私はこの人達が乗ってきた車の後部座席にポンッ!と投げ入れられてそのまま急発進された!!


「・・・ちょっとっ!なんで牧野先輩の方なの?!おかしいでしょ・・・普通はあたしじゃないのーっ?!」

何気に聞こえた桜子の叫び声!
あんたの方こそおかしいわよっ!それより助けを呼びなさいよーーーっ!!


********


「うちのクリスマスパーティーの招待状だ。待ってるから必ず来て欲しい」

1ヶ月前に牧野に渡した美作のパーティーの招待状。
ほんのり頬を染めて受け取ってくれたのを見た時、俺は自分の夢が叶うような気がして凄く嬉しかった。


大学の今村香織に頼んでいたのはイタリアで特別に作らせた生地を使ってのウエディングドレスのデザインだった。
もちろん最終的には俺の希望を取り入れた仕上げになっていて、それが1ヶ月かかって手元に届いた。

真っ白なレースの袖と胸元の刺繍以外はいたってシンプルなデザインだけど、ドレスの広がり方が絶妙で上品。袖のレース部分にはダイヤを細かく縫い付けているから動く度に輝いて美しかった。

全部が派手でゴテゴテしたものよりこの方が牧野に似合いそうだと思って、香織に細かく注文した。彼女は国際コンクールにもエントリーするほどのデザイナーの卵で、美作がプロデュースしてこの春から自社ブランドを起ち上げる契約になっていた。
その第一作目・・・それが牧野のためのドレスだった。

これで気を引こうなんて思ってないけど、25日に司じゃなくて美作に来てくれたら気持ちを打ち明けるつもりだ。


そして後藤助教授に頼んだものはブルーダイヤの原石。

あの時にその原石を受け取ってから加工したのは台座のない指輪用の石。
ブリリアンカットにしたこのブルーダイヤは、今はこのまま贈る。
いつか俺が美作の当主になったときに、その妻には先代の夫人、つまり俺の母親から一つの指輪が継承される。
その台座に乗せる石はその当主が選ぶというのがこの家に伝わるしきたりのようなもの・・・このブルーダイヤがいつか牧野の左手で輝くように願いを込めて作らせたものだ。

それまではその同じ原石から取ったドロップ型にカットしたネックレスをつけてもらいたくて用意したんだ。

これが俺からのクリスマスプレゼント。


牧野・・・お前は今どうしてる?
25日にはここに・・・美作に来てくれるって、俺は信じてるからな。


*********


「ちょっと、何なのよ!どうせまたあいつでしょ?なんでこんなやり方しか出来ないのよ!あのクソバカっ!」
「牧野様・・・少々お言葉が過ぎますよ?司様の愛情表現ですから。ご理解いただけませんか?」

「出来るわけないでしょぅ!!何回も言うけど別れたんだってばっ!」

黒塗りの車には私を引っ張り込んだ男の人以外にも数人乗っていて、その制服みたいなスーツには見覚えがあった。
道明寺のSPって人達・・・こんな風に人さらいみたいなことしなくても話せばいいじゃないの!
まぁ、話されてもアメリカになんか行かないけどさ。


この人達と睨み合いをしていたらいつの間にか車は無駄にだだっ広い道明寺邸に着いて、そこでは一応恋人的に扱われた。

「はぁ・・・久しぶりに見るわ。この家・・・まさか、また来るだなんて」
「お帰りなさいませ、牧野様。司様はお留守ですのでお部屋の方でお待ち下さいませ」

「ただいま・・・イヤ!そうじゃないわよ!ここは私の家じゃないし!」

道明寺の部屋の隣に作られてた私専用の部屋に通されて、そこであいつを待つように言われた。

「司様は12月に入られてからお仕事でドイツに行かれております。明日、お帰りになりますので今日はここでおくつろぎ下さいませ。それとお部屋に用意したドレスは牧野様へのクリスマスプレゼントです。お好きなものをお選びいただいて、アメリカで行われるパーティーにはそれで出席して欲しいとのことです。それでは・・・」

お手伝いさんが言ったみたいに部屋の真ん中には沢山のドレスが掛けてあって、どれを見てもすごく大人っぽくて好みじゃなかった。 そう・・・私には似合わないものばかりじゃない。道明寺は私の何を見て、これを選んだのかしら。
少しでも私の顔を思い出して選んでくれたのなら絶対にこんなの、並ばないと思うんだけど。

確かにどれも綺麗で上品で一流のものだって言うのはわかるのよ。ドレスを単品で見たらね・・・。


結局これが私達のダメな理由だったんだよ?道明寺・・・何もわかんなかったの?



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amour sfortunatoの後半のお話し・・・あきら君のクリスマスストーリー始まりました!
Buon natale、イタリア語のメリクリです!
3話の予定がまさかの5話!(笑)
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2017/12/22 (Fri) 15:48 | EDIT | REPLY |   
plumeria  
Re: タイトルなし

さとぴょん様・・・今晩は!

そうねぇ!言わなきゃねぇ(笑)
実はあきらって好きだけど、どんな人か良くわかってない(笑)

いい人っていう認識で、旦那にしたい人って事はわかる!
で、何となく私の中では「忍耐の人」なので、自分から中々言わないってイメージ?なんですよ。

あ!ギャグのお話しの時はバンバン言ってるけど(笑)

これ書きながら「私、あきら無理だわ!」って思いましたが、書いたので公開します(笑)
マジごめんなさい!!あきら好きの方ーーーっ!!って何処かで叫びたい。

2017/12/22 (Fri) 23:22 | EDIT | REPLY |   

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