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窓の外はすっかり暗くなっていて、そういちろうも背中に首を突っ込んでおとなしくなっていた。
2杯目のコーヒーを飲み干して、牧野もすっかり落ち着いて穏やかな空気に変わっていた。そろそろ夜の客が来るからもうお帰りとマスターに言われて、席を立ったときだった。

「花沢さん、本当に良くここまで探しに来てくれました。つくしちゃんを東京に連れて帰ってもらえると聞いて本当に安心だ。
ここにいつまでもいなくていいんですよ。好きな人の所で暮らさないと人生が台無しだ!こんなおじさんとは一緒にいることはないんだから」

牧野の肩を抱く俺にマスターはそう言った。
とても嬉しそうに、だけど少し悲しそうに、目尻に皺を寄せて牧野の顔を見ていた。

「マスターにはもう一つ俺からも頼みがあるんですよ。これはビジネスになりますが」
「ビジネス?・・・さて、どういう事だろうか?」

これはあの夜、母さんと話したことだった。そういちろうがいるんならマスターは絶対に一緒にその島にいるはずだ。
暮らしていくのに困らないような仕事を・・・そういちろうと楽しく暮らせる環境を与えてあげたかったんだ。


「実はここに花沢がホテルを作ろうかと思っているんです。大きなものではなくてこの島に合うような・・・コテージのような感覚の小さなものですけどね。そこで働いていただきたい。そういちろうと一緒にそこで暮らしませんか?」

「・・・花沢さん、お話しは有り難いがそんなつもりはありません。つくしちゃんさえ幸せになれば嬉しいんです。私が見ることが出来なかった子供の幸せをこの子で見たいんですよ・・・それだけです」

「それならなおさらでしょう?牧野とここにいつでも帰ってきますから。今度は俺たちの事を待っていて欲しいんですよ」

今度はマスターに待っていて欲しいと頼むと、彼は眼を潤ませて承知してくれた。
待っているよ・・・言われる方はどれだけ嬉しいだろう。そういちろうがいつも俺に言ってくれたよね。マッテルヨって。

契約書の代わりに握手をして、俺はそういちろうを連れて牧野の小さな家に帰った。


*********


「んっ・・・!はぁっ・・・類っ・・・」
「黙ってて。置いていったんだからその罰だよ?待っててって言ったのに逃げたんだから・・・」

類が私の顔を押さえ込んでキスを繰り返す。何度も何度も、少しでも離したらすぐに掴まえられて唇を塞がれる。
亮とはキスしたとしてもホントに触れる程度だったから、こんなにも情熱的なのは初めて・・・もう夢中で類のジャケットを握り締めていた。皺になっちゃうからいけないって思うのに、夢中で背中に手を回していた。

そのうち類が私を抱き上げて、窓際のベッドに運んだ。ゆっくりとそこに降ろされると彼は上着をベッドの横に落とした。
そんなところに置いたらもっと皺になっちゃう・・・って身体を起こそうとしたら、それを止められて私に身体の上に覆い被さった。

私の両手首を類の手が掴んで、私の顔の横で押さえ込む・・・だから全然動けなくて、切なそうな類の瞳がすぐ眼の前に来た。

「ホントに心配したんだ。毎朝あの店がなくなっても見に行ったんだ・・・あんたが来そうな気がしてさ」
「ごめん・・・だって、もう嫌われると思ったの。あんな事されてるんだもの、もし本当にネットに流されたらと思うと・・・」

「いくらでも助けてあげたのに・・・それこそ頼って欲しかったよ」
「類の家に迷惑かけたくなかったの。私みたいな女のせいであなたの将来に傷なんてつけたくなかった・・・」

「やっぱりわかってない・・・教えてあげるね」

また唇を塞がれて類の手は私の素肌に触れてくる。服の中に入れられた指先が私の胸を優しく撫でていくと、塞がれた口元から声が漏れた。今まで誰にもこんな風にされたことがなかった私は頭の中で火花が散るような快感が走った!
類の舌が今度は耳朶を少し噛んでくる・・・思わずブルッと震えて肩を竦めたらクスって笑って「可愛い」なんて囁かれた!

あっという間に私の服は脱がされて、類も着ていた薄手のセーターをバサッと脱いでベッドの横に投げるように落とした。


「怖がらないで?今、目の前にいるのはあいつじゃなくて俺だから。綺麗なままのあんたを・・・抱くのは俺だから」


その後のことはほとんど覚えてはいない。
ただ類の熱い身体が私と重なって、初めての感覚と初めての痛みが襲ってきて、怖いけど嬉しくて、わけもわからず彼にしがみついていただけ。絡めた指が汗で緩んでも、すぐに強く引き戻される・・・上から見下ろす類の熱を帯びた瞳が光っていた。

「あぁっ!だめっ・・・もう、壊れちゃ、うっ!類っ・・・あぁーーっ!」
「大丈夫だって・・・!壊したりしないから・・・牧野、上においで?」

そんな事を言われてもどうしたらいいのかわからない。もう息をするだけで精一杯だったのに、ニコッと笑った類は私を抱き上げると身体を逆転させて、私が彼の上に乗っかるような姿勢に持っていかれた!

「あぁっ・・・!いやぁ・・・類、待って、これって!」
「うん、もっと繋がっちゃう感じがしない?力抜いて俺を受け入れて・・・牧野」

「はぁっ・・・いやぁ!もう、だめ!・・・類が来て?」
「クスッ!意外と大胆だね!」

これ以上の刺激には耐えられそうになくて、とても類の身体の上になんかいけそうにない・・・だから、ついそんな言葉を出したら類の方が身体を起こして、抱き合って座っちゃうような姿勢になっていた。
あっ・・・これはこれで恥ずかしい。乱れまくった私の顔が類の瞳に映ってる。
顔を背けたら、それを元に戻されて類がまたキスをくれる。まるで噛みつかれるような激しいキスにどんどん早くなる腰の動き・・・。

「すごい・・・牧野、あんたの中、すごく気持ちいい・・・!」
「うん、はぁっ・・・!る、い・・・私も、何だか変になりそうっ・・・」

大きくなっていく私の声がこの家中に響いた。
そして最後、私はガクンと彼の腕の中に落ちて意識を手放した・・・それでも私の中に残る違和感はずっと続いていたけど。


愛してるってこういうことだって・・・類が教えてくれた。


*********


朝になって眼を開けたとき、すぐ傍にある幸せな寝顔。やっと探し出した宝物は疲れ切ってなかなか眼を覚まさなかった。
小さな寝息が耳を擽る。重ねた胸から規則正しい音が伝わる。なんて愛おしい存在なんだろう・・・。

あの日、あの張り紙に惹かれて「陽だまり」に入って正解だったよ。
まさかあんな小さな店に、俺の人生を変える程の子が現われるなんて思いもしないじゃない?


「牧野、おはよう・・・もう朝だよ。そろそろ起きないと」
「・・・ん?う・・・ん、類?おはよ・・・いま何時なの?」

「うん、もう10時かな」

「・・・・・・!」


このあと牧野の悲鳴にそういちろうがびっくりして部屋中を飛び回った!
あっはは!これが今からの朝の光景かと思うと楽しいね!慌ててベッドから飛び上がる牧野は・・・素っ裸だ!


cappuccino-1933959__340.jpg
この数日間、実は非常にマズいミスをしていたことに気が付きました。
ふふふ、こっそり修正済み。
気が付いた方・・・今度から是非、ご一報ください(笑)
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Comments 4

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2017/12/10 (Sun) 07:21 | EDIT | REPLY |   
plumeria  
Re: タイトルなし

ないない様 おはようございます!

あはは!途中はご心配をかけましたね!いきなりの展開で驚きますよね!
書き始めに色んな方から「安心して読めます~♥」ってコメントもらっていたので
どうしようかと思っていました(笑)

そういちろう・・・(笑)聞いてますよね。狭い部屋だし。
でも、1回や2回じゃ覚えないし・・・って思っておりますが・・・ダメかな(笑)
怖いですよね!マスターに喋ったらっ!

「ソウイチロウ、イヤァ!ヤメテエ!オカシクナル~!」
「そういちろう・・・それは誰が教えたんだい?」


ふふふ、類宅のアイツは動かずに待っておりますよ。
ご対面は明日ですかね!お楽しみに!

今日はありがとうございました!
カフェラテはあと2回になりました。最後まで宜しくです♥


2017/12/10 (Sun) 08:19 | EDIT | REPLY |   
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2017/12/11 (Mon) 10:08 | EDIT | REPLY |   
plumeria  
Re: タイトルなし

さとぴょん様・・・今晩は♥

何だか「早く腰振る」っての笑えるんだけど!
すごくせっかちな人みたいっ!情熱的なの・・・愛情なのよ?(笑)
そういちろうも見てるしね、焦るかもしれないですよね!

人の眼じゃなくて、インコに見られながら・・・。

そういちろう、割り込まなくてよかったですよね。うんうん!
お利口さんだ!(爆)

2017/12/11 (Mon) 19:56 | EDIT | REPLY |   

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