FC2ブログ

plumeria

plumeria

ルシアンで牧野を怒鳴って以来、大学で会っても顔を背けられて話さなくなった。総二郎や類がいればそっちとは話すくせに俺が身を乗り出すと途端に逃げる。類は全然わかんないみたいだけど、総二郎はニヤッと笑って口を塞いでた。

「優しいお兄ちゃんが牙をむいたから拗ねてんだよ!お子ちゃまな妹がな!」
「誰が兄貴で誰が妹だよ!・・・俺は別に兄貴の役目なんてしてねぇよ!」

「うん・・・普通にしててお兄ちゃんやってるもんね」

そんな日が暫く続いたが俺から牧野に理由を聞くこともなく、向こうも何も言わないから放っておくことにした。
俺としてはもう牧野があんな店に出向いたり、他の男にあんな姿を見せなければ・・・とにかくゆっくりでいいって思っていたから。

**

ある日、2階にある大学のラウンジで俺1人がソファーに座って本を読んでいたとき、鼻歌交じりで牧野が階段を上がってくる足音が聞こえた。
俺にはすぐにわかったけど、牧野は俺が1人だと思わなかったんだろう。すぐ近くまで来て俺しかいないとわかった時、ピタッと動きを止めて、くるっと向きを変えたんだ!それはいくら何でも酷くないか?


「おいっ!牧野・・・何だよ、この前から感じ悪いなぁ!俺が何かしたのかよ!」
「・・・別に、何もしてないけど。美作さんが本読んでる邪魔したら悪いと思っただけだもん!」

「邪魔だなんて思わないけど?せっかく来たんなら座ればいいだろ?ほら・・・来いよ」

そう言うと何だか怒ったような、照れたような赤い顔してブツブツ何かを言いながら俺から1番遠い席に座った。
何だかその態度が可笑しくてクスッと笑うと、ムッとした顔で睨んできた。そんな顔、牧野らしいけど可愛くないのに・・・。

「何かあったのか?そんな顔してたらせっかくの顔が台無しだぞ?女性はやっぱりにっこり笑ってないとな」

「む、無意味にに笑うなんて出来ないもん。誰かさんと違うから!」

「また、そんな言い方して・・・最近変だぞ?やけに絡むんだな・・・それって俺だけか?類や総二郎にはそんな態度とらないじゃないか。俺、何か牧野にやったっけ?恨まれるようなことした覚えないんだけど」

「恨んでなんかないよ?ただその・・・あぁ!そういえば前に借りた上着、クリーニングしてるから今度返すね。まだ家にあるの」

「そんな事?いつでもいいよ。牧野がちゃんと着て帰ってくれたんならそれでいいから。それに羽織っただけでクリーニングに出したらそれだけで牧野の一食分飛ぶんじゃないのか?勿体ないんだろ?そういうの!」

貸した上着の事なんてすっかり忘れてた。いや、正直言えばその下のドレスの肩紐が落ちた時の事は覚えてるんだけど。
何となくそれを思い出して笑ったら 牧野もつられたのかあはっ!って笑った。

うん、やっぱりその方がお前らしいよ。
牧野に似合うドレスはそのうち俺が絶対に作ってやるから。できたら来月にはそれを・・・。


その時に1階から声をかけてきたのは「ミス英徳」の今村香織だった。
さすがアパレルメーカーの社長令嬢だけのことはある。今日も上から下までコーディネートはバッチリで、しかも彼女に似合ってるんだ。自分の見せ方ってもんを知ってる人なんだよな。

「美作くーん!この前頼まれたもの、準備出来てるから私の所に後で来ない?待ってるから!」
「あぁ!ありがとう。後で見に行くよ!」

そう答えた時、いきなり席を立って牧野がラウンジから飛び出して行った。
一言も言葉を出さずに・・・その時、あいつがどんな顔をしていたかなんて俺は全然わかんなかった。


**********


あのお店で美作さんに怒られて以来、どうしても素直に顔を見られなくなってしまった。
確かに美作さんを言うとおりなのよ。それは、わかってる。私にあんなドレス似合わないって・・・だけど、大人の女性が好きな彼なんだもの、少し背伸びした方が女性として見てもらえるんじゃないかと思ったのに。
まったく子供扱いで「帰れ」だなんて・・・惨めだったなぁ!

そして今だってそうだよ!ちょっと気分が変わったと思ったのに、ミス英徳が話しかけてきたらもうそっちに笑顔で答えちゃって!
やっぱりあんな人がタイプなんだよ、美作さん・・・!でも、私があんな格好で大学に来ても、どうせまた似合わないって嫌な顔すんのよ!じゃあ、私に似合うもの、選んでくれたらいいじゃない・・・美作さんのバカ!


ミス英徳の横を通り過ぎて教室に向かおうとしたとき、彼女からすごくいい香りがした。

あっ・・・なんだろ。優しい香り・・・!

そういう事なのかな。女らしいって・・・男の人が惹かれる部分って、こんな感じなのかな。
擦れ違った彼女の後ろ姿。どうしてだろう、後ろ姿なのに大輪の薔薇みたいに華やかな人・・・さすが大人の女性だわ。


それに比べて・・・何なの?私。Gジャンにスニーカーに膝丈のスカート?中学生みたい!
窓ガラスに映った自分を眺めて溜息ついていたら、遠くから女子生徒の叫び声なんだか歓声なんだかわかんない声が響いてきた。この感じ、何処かで覚えがあるんだけど?ってその声のする方を見たら、甲高い靴音を響かせてアイツが現われた!
大勢の生徒が道を開けて、アイツが私の方に向かって歩いてくる・・・夢かと思って目を疑った。


「よぉ・・・久しぶりだな!牧野、元気してたのかよ!」
「げっ!道明寺?」

そこに立っていたのはアメリカ留学のために休学中の道明寺!後ろには楽しそうに笑う西門さんと欠伸してる花沢類!
どおりでみんながあれだけ騒ぐはずだわ!久々の3ショットだもの。これで美作さんがラウンジから降りてきたら何か月ぶりかのF4揃い踏み?
それにしても相変わらずの王様ぶり!ロングコートにスーツ決め込んでネクタイまでしちゃって。大学生じゃないっつーの!

まぁ、この人が私で言えば元カレなんだけど、今でも信じられないわ。こんな人と一時期でも付き合っただなんて。


「さっきからなんでそんな変な顔してんだよ!ちったぁ嬉しそうな顔しやがれ!」

「だって嬉しくないんだもん。もう別れてからどのくらい経つと思ってんの?今更笑顔作れって言われても無理だよ。まぁ、前向きなお別れだったから話ぐらいはしてあげるけど!」

この言葉のとおり、道明寺とは引き裂かれたとか環境のせいだとかじゃなくて、お互いに離れた方が前に進めるんじゃないかって話し合って別れたから、こうやって再会しても特に気まずいことはなかった。・・・と、思っていたのは私だけ?


「お前は俺と別れたって言うけど、俺はあの時もお前をもう一度迎えに来るつもりで一時的に別れただけだと思ってるんだが?」

「・・・は?何言ってるの、道明寺」

「やっぱりお前がいないとどうしてもやる気が起きねぇんだよ。何か大きな忘れもん、したような気分になるんだ。だから、牧野。
もう1回俺とアメリカに行ってやり直さないか?・・・今日は迎えに来たんだ」


花沢類の欠伸が止まって、西門さんの口元も下がった・・・当然私の動きも思考も完全停止状態。
その辺にいたギャラリーもシーンとした・・・そして、その一番後ろから声が聞こえた。


「司、今なんて言った?」

F3が振り向いたそこには・・・びっくりした顔の美作さんが立っていた。


yjimageWQPOGDNL.jpg
総ちゃんイベントの関係でこのお話は次回 12月5日11:00予定です
関連記事
Posted by

Comments 2

There are no comments yet.
-  
管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

2017/11/30 (Thu) 13:02 | EDIT | REPLY |   
plumeria  
Re: タイトルなし

さとぴょん様・・・こんにちは♥

すみませんねぇ!総ちゃんのお誕生日は特別なもんですから!
リレー以外でも書いちゃったもんでそれをアップしますので♥許してね!久しぶりに書いたのでどうかなぁ?

あはは!まぁ、あきらくんSSですからお話しは難しくはないのでご想像にお任せします!
この前半storyは多分5日で終われるかな?後半はクリスマスですから、あきらくんが何を頼んだのかはそこでわかります!

可愛いあきらくんにまた会いに来て下さいませ!

2017/11/30 (Thu) 16:57 | EDIT | REPLY |   

Leave a reply