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総二郎が戻ってこない・・・玉子を買うだけですぐに戻るって言ったのにもう20分以上経ってる。お腹が痛いのは治まらなかったけど1人で待っていると嫌なことばかり考えて怖くなった。
もしかして、この中で誰かに見つかったんじゃないかしら。そんな事を思い始めたら落ち着かなくなって車を降りた。

「痛た・・・やっぱり夜にでも祥兄ちゃんの所に行こうかな・・・いつもより痛いんだけど」

お腹を摩りながら店内に入って玉子の売り場を覗いてみたけどそこに総二郎は当然いなかった。じゃあ、他のものも見てるから遅いのかな?って思ったけど総二郎に限って私を待たせたままウロウロするはずはない。
ゆっくりとレジの方に行ってみたけどやっぱりいなかった。

「あれ?・・・入れ違いになんてなってないと思うんだけど。間違えて他の入出り口に行くなんて間違い、総二郎がするわけないし」

そうは思ったけど何となく自分たちが車を停めてある場所とは反対側の入り口に向かってみた。
まさかね、なんて思ってそこから顔を出したら・・・少し離れた所にある自販機の陰に総二郎の服が見えた。

「なんだ!ホントにこんな所に・・・え?」


総二郎の向こうに女の人が見えた。しかも若くて茶髪の・・・ここからだとよく顔が見えない。総二郎が私の方に背中を向けていたからちょうどその女の人は総二郎で隠れて誰かわからなかった。
もしかしたら生徒のお母さんだろうか、って思ったけどそんな年の人じゃない。服装はどう見ても20代前半で派手だし・・・。
でも、中にはそんな若ぶったお母さんもいるかもしれないし。勇気を出して2人に近づいてみた。

建物の壁に沿うように歩くから私に気が付かないのか、総二郎と女の人は何かを話しているみたい。

そのうち、女の人の顔が少しだけ見えた!

「え?上野・・・さん?上野明日香さんなの?」


でも彼女は総二郎の顔を見ていて私にはやっぱり気が付かない。
一瞬足が止まったけどあの人なら問題ないわ!総二郎に何を言ってるのか知らないけど文句言わなくちゃ!
そう思ったときだった。明日香さんの手が総二郎に伸びて、彼の首に巻き付いた。


うそ・・・総二郎、何で振り払わないの?どうして彼女の手を退けないの?

そして、明日香さんの顔が総二郎に近づいて・・・はっきり見えなかったけど2人の顔が重なった!!


嫌だっ・・・!嫌だ、見たくない!車に戻ろう・・・!
絶対に違う・・・総二郎は私を裏切ったりはしない!あとで聞けばいいのよ、そうしたらあれは何でもないって話してくれるはず!
どうしてなのかわからないけど、私は二人に声をかけずに向きを変えて、今出たばかりの出入り口から店内に戻った。
上野明日香の声を聞きたくなかったのかもしれない・・・私は総二郎の言葉しか信じない!

車に・・・早く車に!


********


俺の首に手を回したかと思えばいきなり顔を寄せてきやがった。こいつの真っ赤な唇が今にも俺に触れるかって時に声を出した。

「おい・・・誰が寄ってこいって言ったよ!離れろ・・・鬱陶しい!」
「・・・な、何ですって?」

「一応、僅かでも人目のある所だから気を遣ってやるよ。自分から離れな・・・男に振り払われる女なんてみっともないぜ?」

そう言うとすげぇ勢いで俺から離れ、腕組みをして睨みつけられた。さっきまで色目を使っていたくせに俺が乗らなかったからってすでに態度を一変させた。


「バカじゃないの?私の言うことを聞いてりゃいいのに・・・まぁ、いいわ。さっきメールであんたの事を知らせたからここに西門って家の連中がそろそろ来るはずよ!さっさと掴まればいいのよ!」

「・・・ここに来てすぐにスマホを触ってたのはその連絡だったのか!悪ぃな・・・まだ捕まるわけにはいかないんだ・・・帰るわ」

少し油断した!
話を聞く前にこいつがどういう手段で西門に連絡を取るつもりなのかを先に考えるべきだった!

つくしが待っている・・・踵を返して車の方に向かおうとした時、どこから現われたのか前方から数人の男達がこっちに向かって来た!見たことはないが訓練を受けている連中だということだけはわかる。振り向いたら上野明日香の横にも2人が回り込んで、全部で6人の男に囲まれた。

たった数分で・・・すでに近くまで来ていたってことか!

「西門総二郎様、お家元のご命令ですので東京にお戻りいただきましょう。大人しくした方が身のためだと思いますが」

その中の一人が低く小さな声で俺に話しかけた。こいつがこの中のリーダー・・・瞬間それを感じ取った。特に殺気だった感じでもなく、悪意なんてものもない。任務として俺を拘束するために来た・・・それだけのようだ。


「・・・誰だ!お前・・・親父に雇われたヤツか!かかってくるなら来いよ・・・そう簡単にはやられねぇけどな!」
「護身術程度では私どもには敵いませんよ?そのぐらいあなたなら見てわかるのでしょう?。さぁ、車にお乗り下さい」


乗ってたまるか!つくしが待ってるんだから・・・数人の男相手に俺は拳を固く握った。


**********


私は向きを変えて総二郎が車を停めたほうの駐車場に向かっていた。
頭の中では2人の重なった姿が離れなくて、彼女が総二郎の首にまわした手がちらついて、それを振り払うために早歩きで車に向かった。でも、どうしてもあの光景が離れない!総二郎はあの人を何故振りほどいてくれなかったの!

頭に血が上って身体が熱くなってるのがわかる。胸が苦しくて心拍数が上がってるのもわかる・・・息苦しくて喉の奥が痛いのも、眼の奥に熱いものが溜まっていくのも全部わかるのに、何も考えられなくてお店の外に出て車のすぐ側まで戻ってきた。


「・・・あっ!・・・痛いっ!」

あと30メートルぐらい歩いたら車なのに、駐車場の真ん中で急にお腹が痛くなって立ち止まってしまった。すごい痛み・・・お腹が張り裂けそうなぐらい痛くなって、その場に膝をついて座り込んだ!
汗が流れてきて顔の横を落ちていく!はぁはぁと肩で息をしながら自分の車を見た。

もうちょっとなのに・・・!車まで行けば総二郎を待つだけでいいのに・・・!


「いやぁっ・・・助けて・・・!誰かっ、誰か・・・痛いっ!・・・お腹が!」

座り込んでお腹を抱えていたらどんどん痛みが酷くなって、両手も地面につけて踞ってしまった!
痛い!痛い・・・痛いっ!誰か助けて!・・・赤ちゃんを助けてっ!気が遠くなる程の痛みでとうとうその場に倒れ込んでしまった!


「きゃあぁーっ!誰か救急車呼んでーっ!!妊婦さんが倒れてるわ!」
「うわぁっ!あんた、大丈夫か!おいっ!おいっ!・・・しっかりしろ!おーいっ!!」

通りすがりの人が数人寄ってきて私の身体を起こしてくれたけど、もう痛みで何も話すことが出来なかった。
薄く眼を開けて見るけどそこに総二郎の姿はなかった。沢山の人の声がするけど、もう耳も聞こえなくなってるみたい・・・。


このまま赤ちゃんと一緒に死んでしまったらどうしよう・・・誰か、私はいいから赤ちゃんを助けて・・・助けて下さい!

声にならないその言葉を頭で叫んだときに、遠くから聞き覚えのある声が聞こえてきた。


「牧野っ?!・・・牧野、しっかりしろ、牧野!」

・・・誰だろう、私のことを牧野って呼ぶ人がここにいるなんて。その声のする方に顔を向けたら泣きそうな顔の人と眼が合った。


「花沢類・・・!あ・・・た、助けて、類・・・!赤ちゃん、助けてっ!!」
「わかった!すぐに祥兄の所に行こう!もう少し頑張りな!」

類が私を抱きかかえて花沢の車に乗せて、救急車を待たずにスーパーを後にした。
車の中では類が自分の膝の上に私を乗せたまま、しっかりと抱きかかえてくれていて、私も痛みのあまり類の服を右手で握り締めていた。震える左手はお腹を押さえ込んでて、類の右手がそんな私の手を包んだ。

「大丈夫だよ。すぐだから・・・負けるな!今まで耐えてきたんだから、負けるなよ、牧野!」
「・・・花沢類、痛い、痛いよ・・・!どうなるの?赤ちゃん、どうなっちゃうの?」


総二郎は・・・どこなの?総二郎、お願いだから赤ちゃんを助けてよ・・・!
花沢類にしがみつきながら必死に総二郎を呼び続けた。



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このような場面で申し訳ありません。
クリスマスストーリーが重なってしまったため「10月の向日葵」は12月25日まで
お休みして、26日から再開します。

明日の12時は総ちゃんのクリスマスストーリーです。
宜しくお願い致します!
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2017/12/21 (Thu) 12:38 | EDIT | REPLY |   
plumeria  
Re: こんにちは!

えみりん様、こんにちは。

出た!えみりん様の雄叫びがッ!(笑)
昨日とはエラい違うじゃないですか!え?もういいの?このままでも?そんなぁ・・・これ、総つくなんだもん。
いくら私が浮気者と言っても100話目からカテゴリを類つくに変える勇気はないわぁ・・・。

2時間ドラマサスペンス劇場ですよね!この偶然!
どんだけ大きなスーパーなんだ(笑)
私の中ではイ○ングループの大型スーパー的なイメージ持ってるんだけど、じゃあそこに玉子1パックかい!?みたいなね!
地元でよく行くスーパーがモデルです。

時々ね・・・自分が停めた駐車場がどっちだったかわからなくなるの(笑)
私の場合は年なだけですけどね!よく行くところは3カ所あるんですよ。屋上と左右に。
重たい買い物の時に間違えたらかなりの衝撃を受けます。

2017/12/21 (Thu) 15:46 | EDIT | REPLY |   
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2017/12/21 (Thu) 18:35 | EDIT | REPLY |   
plumeria  
Re: タイトルなし

わんこ様・・・こ、こんばんは!

とうとうわんこ様までそんな発言を・・・(笑)
名寄は海ないです・・・内陸です。怖いよ~💦何だか皆さんのお怒りが凄いので、私、これからどうしたらいいのか(笑)
最後の爆弾はそりゃスペシャルなんですけど!
これがないと最後のシーンに持っていけない・・・!

でもですね、でも最後は・・・HAPPYになるんですよ♥(私的には)
あー、良かった!って言ってもらえるように頑張ります!

あ、類君の問題があった(笑)
また類君ファンに怒られそうだけど!

お気持ちを鎮めてお待ち下さいませ。


2017/12/21 (Thu) 19:27 | EDIT | REPLY |   
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2017/12/22 (Fri) 01:50 | EDIT | REPLY |   
plumeria  
Re: タイトルなし

さとぴょん様・・・こんにちはっ!

すみませーん💦西門軍団が早くてねぇ!
どこでもドアから類・・・(笑)

そうなんですよ、実はね、この辺は総ちゃん目線、つくしちゃん目線、類目線、祥兄目線、って沢山あって
一度に書けないので次が類目線だったんです。だけど、このクリスマスストーリーが大量にあって(増えちゃって💦)
22日から25日までで16話ぐらいあるんですよ(笑)

その話に「向日葵」入れたらわけがわからなくなりそうだったのでお休みを・・・(笑)

そうよね、多分いきなり類来たぞ?ってなるよね!(笑)ごめんなさーい!
少し待ってて下さいね。

2017/12/22 (Fri) 11:37 | EDIT | REPLY |   

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