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plumeria

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24日の朝・・・何だかどんよりとした気分で眼が覚めた。
今日は恋人達が浮かれまくるクリスマスイブなのよ。ただ、今年も私には関係がなかっただけ。
普通にバイトに行く日曜日であって特別な日じゃないわ。

着ていく服だってわざわざ可愛い服を選ぶ必要もないし、少しだけ持ってるアクセサリーをつけることもしなくていいのよ。
それなのに人間ってさみしがり屋なのね・・・お気に入りのピンク色のワンピースに袖を通して、上に羽織るのは白いコート。
白いファーがついたベージュのブーツを履いてアパートを出た。普段つけないピアスまで光らせて。

どこからどう見てもデートじゃない!って自分で突っ込みを入れるのよ。
いいの、いいの!知らない人が見たら私がクリスマスイブに独りぼっちだなんて思わないでしょうよ!


そして予定の時間よりも早くにお店に着いて、この日の制服「ミニスカサンタ」に着替えた。腰にも背中にもカイロを貼って防寒対策もバッチリ!
良かったわよ。こんな姿、間違っても西門さんには見せられないわ・・・。

そのうち恵美達も出勤してきたけど会話もせずに一足先にお店に出た。


**


「いらっしゃいませ!クリスマスケーキの準備はお済みですかぁ!」
「生クリームもチョコレートもご用意していまーす!いかがですかぁ!」

ほんの少し雪が舞う中、店頭前のワゴンに箱入りのケーキを並べてミニスカサンタ姿の私達が路上販売をする。今時どうなのって思うけど、やっぱりおじさん達にはウケが良くて何人かは会社の女の子にって買ってくれる。
夕方5時まではそれでも交代で2人で販売だけど、それ以降は約束で私1人が外に立つことになっていた。
今日の販売目標は朝から夜までで200個!東京のド真ん中だから人は多いし上手くいけば9時ぐらいには完売出来そうだった。

だけど、今年のお客はお財布の紐が固いわ・・・お昼まで頑張ったけど、まだ55個しか売れていなかった。

「ヤバくない?これ・・・何時に完売すんの?売れ残ったら怒られるんじゃないの?」
「そんな事言ったって仕方ないじゃん?私達のせいなわけ?」

「いいんじゃない?だって・・・つくしが最後まで1人で頑張って売ってくれるんでしょ?ねぇ。つくし!」

「・・・・・・」

わかってるって!どうにかして売るわよ!
そう言いたかったけど、もう何だかどうでも良くなっちゃった!いや、バイトだから頑張るんだけど。
それよりも今、西門さんが何をしているのかを考えていた。

仕事って言ってたけど本当に仕事してんのかな。もしかして何処かのお姉さんのところに行ってたりして・・・。
お酒飲んでいい気分になってそのまま・・・なんて事にならないかしら。そのお姉さんは絶対に上下セットの下着なんだろうな。

なーんて、バカなことを!私は彼女じゃないって!・・・賭けに負けたんだから。
でも、告白だけはしたんだからね?休憩中、ホットコーヒーを飲みながらそんなことばかりを繰り返してた。


5時になって恵美達はさっさと帰り支度を初めて、私は防寒用のジャンバーを着させてもらって1人路上に立っていた。

「つくし、ホントにいいの?1人で大丈夫?」
「大丈夫だって!沙織も早く帰らないと彼氏が待ってるよ?」

「うん・・・ごめんね」

みんなは店長に挨拶して事務所の方に消えていって、本当に私1人になった。
雪は昼よりも少し酷くなってもしかしたら明日の朝は積もるんじゃないかしらって思うほど。手も足も悴んじゃうけど、ここで黙っていたら完売できないもの!残り20個まで減ったケーキの箱を睨んで、私のラストスパートが始まった!

「クリスマスケーキ、いかがですかぁ!ご準備まだの方、いらっしゃいませんかぁ!」


********


24日、仕事が終わった後、牧野が言ってたケーキ屋に行ってみた。時間はもう4時半・・・雪が降ってて凍えそうな気温だった。
それなのにミニスカサンタ姿の女2人が店頭でケーキなんて売ってて、1人はどう見ても牧野だ。
わざわざこのくそ寒いのにあんな格好でバイトなんかしやがって・・・それじゃなくてもこの前まで高熱で魘されてて体力使い果たしてるのに。

ま、そろそろ終わるんだろうと思ってその店から少し離れた場所で待ってやることにした。
せっかくのクリスマスイブ・・・ガラじゃねぇけど俺から告って牧野と明日を過ごしてやるか!ってなことを考えて、もうその準備もしてあるんだ。

「寒っ・・・!この俺を外で待たせる女って牧野ぐらいだよな・・・早く終わんねぇのかな」


5時になって動きがあった。
牧野以外の女が引き上げていく。それなのにあいつはもう一枚上着を重ねてまだ外に立っていた。どういう事だ?バイト、終わったんじゃねぇのか?俺は悴む手をコートの中に入れて、いまだにミニスカの牧野をジッと見ていた。

そして店から数人の女が出てきて牧野になにか声をかけて出ていく・・・そいつらは俺が待っている方向に歩いてきた。

「ねぇ、つくし、ホントに売り切るまでやるのかな。20個ぐらい残ってたけど」
「やるんじゃないの?賭けに負けたんだからなにも言わないわよ。だいたい告る彼にもいないくせに見栄張る方がいけないんじゃない?最初から彼氏作るなんて無謀なこと言わなきゃいいのよ!」

「9時には終われるかな。下手したら売れ残るんじゃない?」


告る相手?クリスマスまでに彼氏を作るって友達と約束したって・・・あんな夜間バイトを賭けてたのか!


バカじゃねぇの?
じゃあなんでそう言わないんだ?それを早く言って護摩かしゃ良かったんじゃねぇのかよ!


いや、牧野は言えなかったんだろうな。
くそ真面目なヤツだから。

成り行きで賭けにしちまったけど、それを理由に恋人になんかなりたくなかったんだ。


「仕方ねぇな。見届けてやるか!バカな賭けした罰だな!」


俺は近くの喫茶店に入って、寒そうに足をバタバタさせてケーキを売るミニスカサンタを見守ることにした。
今日の終りには・・・こいつを独りにさせるわけにはいかねぇからな。


christmas-2911520__340.jpg
本日は特別に2本立て!(笑)
13:00に15話が公開です!
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2017/12/24 (Sun) 16:19 | EDIT | REPLY |   
plumeria  
Re: タイトルなし

さとぴょん様・・・今晩は!

マジで痛いですよ・・・一番何が出来ないか・・・ジッと考えることが出来ないんです。痛すぎて・・・。
つまり、お話しが書けない(笑)
明日も病院に行ってきます!このままだとあと3日ぐらいで死ぬかもしれない・・・寝られなくて(笑)

くっそーっ!!あの藪歯医者めっ!(20年以上前の歯医者に向かって毎回叫ぶ私)

明日・・・全部で6話です(笑)みんなにプレゼント!私には薬をください・・・。

2017/12/24 (Sun) 17:23 | EDIT | REPLY |   

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