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茶道表千家西門流の若宗匠、西門総二郎氏の愛妻つくしが産気づき、悪友3人によって病院に運び込まれたのは大晦日の事。
何故か1人置いていかれた総二郎はハーレーをぶっ飛ばしてつくしの待つ病院へと向かっていた。

産まれるのが男子であれば西門流の跡取りでもあるため、家元夫妻も当然病院に向かっている。
年末年始、この病院は大騒ぎとなった。

日本を代表する企業の御曹司3人に加え、茶道西門流の現家元夫妻が夜中に押しかけたのだ。
慌てて特別室がもう一部屋用意され、つくしの出産もさることながら看護師達はそっちの対応にも追われることとなる。

静かだった大晦日の夜が一変した。
「こんな事なら早くから入院しろよ!」と、職員一同そう思ったが並んでる3人の顔を見たら誰も声には出せなかった。


総二郎が病院についた時、すでに司の車はそこにあった。
ハーレーを飛び降りた総二郎はヘルメットも投げ捨てて病院内に駆け込んだ!


・・・間に合ったのか?総二郎!


**********


つくしが運ばれた病院の中、奥の方からとんでもない声が聞こえてきた!・・・この声はあいつらだ!
畜生ーっ!この俺を置いてつくしを運び込むなんて何考えてんだっ!コトが終わったら一人ずつぶん殴ってやるっ!


「いいっ?恨みっこなしだからね!」
「いいだろうっ!俺、これには自信があるんだ!」
「嘘つけ!パーしか出さねぇくせに!」
「ダメじゃん!司、そこであきらの弱点言っちゃ!」

は?何やってるんだ?あいつら・・・何で分娩室の目の前でジャンケンなんか・・・しかも3人とも超真面目な顔で腕まくりなんてしてるぞ?眼が血走ってる司、汗掻いてるあきら、何故か笑ってる類・・・気持ち悪い構図だ!

「「「最初はグー!」」」
「おいっ!お前ら何やってんだよっ!よくも俺を置いて・・・つくしはどうしたんだ!」

「あ!総二郎、牧野ならちょうど今、分娩室に入ったんだよ!だから誰が立ち会うかのジャンケンをしてたとこ。1人しか入れないって言うからさ!総二郎も入る?ジャンケン!」

「・・・・・・は?」

何言ってんだっ!ジャンケンしなくても入れるのは俺に決まってんだろうがーっ!!


わけわかんないこいつらのことは無視!
俺は急いで看護師に言って「旦那は俺だ!」って変な説明をして分娩室に入った。
中に入るとつくしがすでに苦しそうにしていて、凄い汗を掻きながら頑張ってくれていた。その姿を見ただけで涙が出そうだ!

「つくし!ごめんな、遅くなって!頑張れよ!つくしっ!」
「総二郎・・・っ!ごめんね、お守りとか取りに行かせたから・・・うん、頑張るからね!」

「お守り、持ってきたから!でも、俺がついててやるから心配すんな!気合い入れていけよっ!つくし!」
「うんっ!・・・って痛ーーーいっ!」

「つくしーーーっ!!」
「ご主人、すみませんがもう少しテンション下げて下さいっ!励ますのと騒ぐのは違いますから!」

騒いで何が悪いっ!こっちは初めての子供で無茶苦茶楽しみにしてたんだ!そりゃ騒ぐさ!って言葉は出さないようにした。
これじゃあ外にいるあいつらと同じ・・・今でも廊下で中に入れろと怒鳴ってるのが聞こえていた。司だな・・・ありゃ!

随分と長い時間が過ぎた気がするがつくしはその間、痛みが強まったり落ち着いたりを繰り返して、いよいよその痛みが最高潮になってきたときに医者から「そろそろですね!」なんて言葉が出た!


そ、そろそろ?・・・そろそろってことは俺が子供に会える時が来たって事か!
時計を見たら12時を回った!元旦生まれか・・・よしっ!!

「つくしっ!頑張れ!つくし・・・もう少しだぞ!もう少しで子供に会えるぞ!頑張れっ!」
「総二郎っ!うんっ!ハァ、ハァ、頑張るっ!ハァっ!総二郎・・・やっぱりもうダメーーっ!」

「ダメとか言うなーーっ!頑張れーっ!」
「いやぁあっーー!んーーーっ!!」

つくしが俺の腕の骨を折るんじゃないかってくらい強く握って踏ん張った時!悲鳴と共に小さな声が聞こえた!

ふんぎゃあ・・・!ふんぎゃあっ!・・・ほぎゃあああっーーっ!



はっ!・・・う、産声?産まれた・・・産まれたっ?!

汗まみれのつくしと俺は足元の医者の手元を見た・・・そこに現われたのは、まだ真っ赤な赤ん坊の姿・・・。
それを見た時につくしがボロボロ泣き出して、俺もそれまで止まっていた呼吸が出来るようになった!


俺達の子供が・・・産まれたんだ!


「つくし・・・ありがとう!よく頑張ったなぁ!本当に、ありがとう!」
「・・・総二郎、うん・・・頑張った・・・ははっ!うん、頑張ったぁ・・・」

つくしの手を握って汗まみれの額にキスして、俺も涙が止まらなかったよ!すげぇなぁ・・・命って!

そして綺麗にしてもらった赤ん坊が俺たちの所にやってきた!真っ白なタオルに包まれて、まだふにゃふにゃの子供だ!


「おめでとうございます!女の子ですよ?お二人に似て可愛らしいお顔ですわ」


女の子・・・女だったんだ!
看護師がくたびれてるつくしに代わって俺に赤ん坊を渡してくれた。軽いんだけど、なんて重い命なんだろう。
俺がこの先守っていっていってやらないといけない命だ・・・愛おしくて愛おしくて・・・俺は何度も子供にキスをしていたらつくしがヤキモチ焼いて怒り出した!頑張ったのは私なのにって・・・お前は後でな!そう言ってまた、子供にキスをした。


*******


つくしにはまだ処置があるからって俺の方が先に廊下に出た。
そこでは親父とお袋がすげぇ顔して待っていたから、にっこり笑って「元気な子が産まれたぜ!」って言ったら2人共が泣き出した。
まぁ、気になるのは性別だろうが、ここは少し両親には残念だったかな。

「女だった。でも、すっげぇ可愛いぜ?後で新生児室で見られると思うから」

そう言うと「そんなのどっちでもいいんだよ!」って親父は満面の笑みで答えた。お袋なんかは京都で作った巨大雛人形がさっそく飾れると喜んでいた。いや・・・あれは怖いからやめた方がいいと思うけど。



「いい?今度はこれでやろう!」
「いいだろう。これなら癖ってものはないしな!」
「1人が線を引いたら不正が行われる・・・類が書いた後に俺とあきらも書こうぜ!」
「・・・そ、そんな事しないよ!失礼だな!」

ん?今度はなんだ・・・こいつら、何やってるんだ?

興奮気味のうちの両親の横で3にんが今度は棒線を引き出した・・・どう見てもそれはあみだくじ。

「おい・・・何やってるんだ?今度は何をする気なんだよ!」

「あっ!総二郎も入る?女の子だったんでしょ?俺たち名前を決めてたんだけどさ、どれを選ぼうかと思って!総二郎も決めてるんなら入ってもいいよ?後から文句なしだからね!」

「・・・・・・は?」


何でお前達が俺の子供の名前を決めるんだよっ!それも俺の役目だろうがーーっ!!


「バカか!そんなものもう俺が決めてるんだよっ!早く帰れ!迷惑なのがわかんねぇのか!」

せっかく人がいい気分でいるときに何考えてんだ!まったく!

俺は生まれたての子供が早くこの新生児室に出てこないかとワクワクして待っていたんだ。そうしたらつくしの処置が終わったって分娩室から出てきたから駆け寄ろうとしたら・・・ドンッ!って衝撃と共に俺はつくしを通り過ぎてその向こう側に飛ばされた!

「牧野っ!牧野っ!お疲れ様ーーっ!頑張ったねぇっ!ありがとうーーっ!」
「牧野、俺も妹の時を思い出して感動したよ!ゆっくり休めよっ!」
「やったな!牧野、正月早々いい仕事したじゃねぇか!これで俺も安心だ!」

ちょっと待てっ!類のありがとうって何だ!あきらの感動ってどういう事だ!なんで司が安心するんだよっ!
俺を弾き飛ばしてまでつくしに近寄るなーーっ!!

「みんな、どうもありがとう!可愛い女の子でしょ?将来は総二郎に似て美人になるよ?」
「「「・・・・・・」」」


そこは何で黙るんだよ!上等じゃねぇか!


**********


「今度はこれでやる?端っこが赤い人が勝ち!・・・どう?」
「いいだろう!3人同時だな?恨みっこなしだな!」
「ふん!俺は運が強いからな・・・間違いねぇな!勝つのは俺だ!」

何だ?今度は棒くじ・・・こいつら、まだ何か決めようって言うのか!懲りないヤツら・・・もう怒る気もしねぇ。
好きにすりゃいいさ!俺はこれからつくしの部屋でたっぷり感謝のキモチを伝えるんだからな!

俺はもうこいつらを無視して病室に行こうと背中を向けた。


「じゃあ、これで赤いの引いた人が将来牧野の子供と結婚だからねっ!せーのっ!!」
嘘だろっ!ちょっと待てーーーっ!!


********


2018年1月1日 この日、若宗匠総二郎氏には第一子となる女子が誕生した。

名前は  西門 涼華(すずか)

この騒々しい西門家で健やかに育っていただきたいものである。
これからもあのやかましい「おじちゃま」達に囲まれながら・・・。


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明けましておめでとうございます!

先日沢山のお名前を考えていただきました!応募下さった皆様、ありがとうございました。
凄く悩んだんですが、今回はこのお名前に決定しました!

考えていただいたのはmaryu様です!maryu様、ありがとうございました!

可愛いお名前がありましたので今度この涼華ちゃんに兄弟姉妹が出来たときもその中からまた選ばせていただきます!

そして今度は「茶と華と」のお子様の名前・・・今度はどっちかな?2月頃には誕生します!
それと、「向日葵」にも最終的には兄弟姉妹が出来ますので、そのお名前もその中から選ばせていただきます!
こっちが先かな?(笑)

どうぞ、西門 涼華ちゃん、宜しくお願い致します!
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Comments 8

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2018/01/01 (Mon) 13:21 | EDIT | REPLY |   
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2018/01/01 (Mon) 13:55 | EDIT | REPLY |   
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2018/01/01 (Mon) 14:15 | EDIT | REPLY |   
plumeria  
Re: タイトルなし

わんこ様 明けましておめでとうございます。

お忙しい中コメントありがとうございます!
あはは!大丈夫ですよ、無理しないように頑張ります!

若宗匠、女の子でした~♥
寸前まで全然決めてなかったんですけど、女の子の方があの3人が燃え上がるかな?と思いましたので♥

これで総ちゃんはつくしちゃんだけじゃなく、涼華ちゃんでもあの3人に振り回されること決定です!
男の子が産まれるまで頑張っていただきましょう!!

いや・・・涼華ちゃんに継いでもらってもいいかな(笑)
今年もある日突然思いついたら若宗匠が登場すると思います。

どうぞ今年も宜しくお願い致します。

2018/01/01 (Mon) 15:34 | EDIT | REPLY |   
plumeria  
Re: ありがとうございます🎵

maryu様 明けましておめでとうございます。

お名前考えていただいてありがとうございました。
応募は女の子の名前の方が多かったんですよ。
いくつかいただいたお名前の中で西門の後に声に出して呼んでみて、一番しっくりきたのが涼華ちゃんでした。

あの3人が呼ぶ時も渾名をつけるでしょうから、それも考えてみるといいかな♥と!

本当に助かりました。
これからも何度か涼華ちゃんは登場すると思うので会いに来て下さいね(笑)

どうぞ本年も宜しくお願い致します。

2018/01/01 (Mon) 15:40 | EDIT | REPLY |   
plumeria  
Re: タイトルなし

るいかさん、明けましておめでとうございます。

お帰りなさーいっ言ってもすぐ、また戻られるんでしたよね?
そんな忙しい中コメントありがとうございます!

そちらの総太君(あれ、間違えてないよね?)のお話しも素敵でしたねぇ!
コメ返が大変そうだから失礼してしまいました。ごめんなさいね!

私、「向日葵」もそうだけど、総ちゃんにお子さんが出来た話は書いたことあるけど、
親子の会話としては書いたことがないんですよ!
だから楽しみだなぁって思ってます。

あと3ヶ月ぐらい向こうですか?

大変なんでしょうね💦私は子どもがパリのクリスマスの画像を沢山送ってくれたので
それを眺めては「るいかさん・・・ここにいるのね?」って思ってましたよ(笑)

どうぞお身体に気をつけて、頑張って下さいね!
お帰りを待ってまーす!

2018/01/01 (Mon) 15:51 | EDIT | REPLY |   
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2018/01/01 (Mon) 21:23 | EDIT | REPLY |   
plumeria  
Re: タイトルなし

さとぴょん様・・・今晩は!

もう総ちゃんを何処までも落とす女ですから!はいっ!
向日葵では辛い思いをさせたので、ここでは思いっきり叫んでいただきたかったの!

そしたらあんな事に・・・(笑)

個人的には

「やっぱりもうダメーーっ!」
「ダメとか言うなーーっ!」

が好きです(笑)
これは私がいた会社の若い子が産むときに本当に言った言葉です。
ご主人が慌てて「ダメって言われてもっ!」って答えたらしくて爆笑しました。

で、お約束ですよね!つくしちゃんの子どもとの結婚!
ただこれを棒くじで決めようとしたのはこの3人だけかも知れませんけどね!

何歳離れてんだろ・・・多分25か26ぐらいの設定だから、涼華ちゃんが16になったら41ぐらい?セーフだよね!

そこまで書く気はありませんけどね(笑)

今日もありがとうございました!!

2018/01/01 (Mon) 23:33 | EDIT | REPLY |   

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