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plumeria

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「寒ーーいっ!あ~、あと3個なのに!誰か買ってくれないかなぁっ!帰りたいよ~!」

時間はどんどん過ぎて今は午後8時半・・・もう自宅に帰る人はほとんどいなくなっちゃって、飲んで帰る人や2件目に行く酔っ払いが多くなってきた。これは結構ヤバいサインなのよ。
早く終わらせないとこの酔っ払ったおじさん達が絡んでくることがあるから!

最悪な場合はお店の中に避難するけど、中にはそれさえさせないようにって道を塞ぐエロジジイがいるんだからっ!
しかも今日は特別にこのお店は10時までやるからあと1時間30分もある!あと3個とはいえこれから先が大変なのよ!
それに完売したらそこでバイトは終り・・・10時を待たずに帰れることになっていた。

私は必死になって声を出してお客さんを呼んだ。
紳士的はお父さんが1人、9時前になって現われて1個買ってくれた。どうやら電車にケーキを置き忘れてしまったらしい。
こんなラッキーなお客さんは珍しいわ!これであと2個・・・なんとか10時前には完売して終わらせたいっ!


でも、こういう時に限って現われるのよ。こういう困ったお客さん。
私の前に現われたのは酔っ払って千鳥足のネクタイ外れそうなおじさん・・・こりゃ、マズいわ。

「よっ!ネェちゃん・・・このケーキ買ってやろうか?買って欲しかったら1回触らせてくんない?ヒック・・・!」


********


喫茶店から牧野を見ていたら、この寒いのによくやるなって感心する。

素通りして行くヤツがほとんどなのに・・・それでもいくつか置いてあったケーキの箱は少しずつ減っていった。
ここまでは聞こえないけど、多分大声出して叫んでるんだろうな。でもこの時間だ。そんなにケーキなんて買って帰る人間はいない。どっちかって言うとすでに昼間手配して、この時間には食ってんじゃねぇの?もう9時だし。

よく見えないけど残りは僅かみたいだ。
あれが完売したらお役御免ってことか・・・もうすぐかな。

俺はもう何杯目かのコーヒーを飲みながらずっとあいつの仕事を見ていた。ビールの時もそうだったけど、なにをやるにも全力で、手を抜くって言葉知らねぇのかな。見てる方が疲れるじゃねぇか・・・。
からかうとすぐに赤くなるくせに今日は寒さでほっぺたが真っ赤だ。いくら白いブーツ履いててもチラチラ見える太腿が寒いっての!


「あれ?なんだ・・・あのオッサン」

酷く酔っ払ったように見えるオッサンが牧野の目の前で足をふらつかせてなにか言ってるようだった。どう見たってケーキ買おうって人間じゃねぇだろ!この前と違って店の目の前だけどあいつは1人だ・・・ヤべっ!

俺は慌てて喫茶店を飛び出して牧野のバイト先まで走った!案の定、牧野はオッサンに詰め寄られて困ってやがる!
公衆の面前で思いっきり痴漢行為ってか!もう少しで店の前に辿り着くって時に聞こえてきたのは牧野の怒声だった。

「気安く触るんじゃないわよッ!このエロジジイッ!それ以上近寄るとその顔面殴るわよっ!」
「何言ってやがるんだっ!お前みたいなチビに殴られやしねぇよっ!・・・ほら、触らせてくれたら買ってやるって!」

「きゃあぁーっ!何すんのっ!」
「誰も触ってくれねぇんだろ・・・・・・ありゃ?」

この汚ぇオッサンの手が牧野の腕に届こうかって時、間に合った俺の手がその腕を掴み上げた!
牧野は両手で顔を隠して地面に踞ってたから、この急な展開に驚いてデカい眼を見開いて俺を見ていた。


「・・・に、西門さん、どうして?」
「ばーか!こんなオッサンに触らせてんじゃねぇよ!俺だってまだ触ってねえんだから!」

「・・・はぁ?!そこなの?」

もちろんそこだよ!俺以外の男に触らせんなって言ってんだよっ!鈍感女だな・・・マジでムカつくわ!


********


酔っ払ったおじさんが私に近づいてきて、身体を触らせろって迫ってきた。たまにこんな人はいるんだけど今までは仲間がいたからそこまで怖くなかったし助けを呼びにいけた。でも、今は1人だし、店の真ん前だけどこのおじさんが邪魔でドアまでいけない感じだった。チラッて店内を見ても店長達が見えない・・・多分もうお客さんが少ないから奥で片付けでもしてるんだろう。

「減るもんじゃないんだからちょっとぐらいおじさんに触らせてくれたっていいんじゃないのぉ?ネェちゃん」

そう言って赤黒い手を伸ばしてきたっ!

「気安く触るんじゃないわよッ!このエロジジイッ!それ以上近寄るとその顔面殴るわよっ!」
「何言ってやがるんだっ!お前みたいなチビに殴られやしねぇよっ!・・・ほら、触らせてくれたら買ってやるって!」

「きゃあぁーっ!何すんのっ!」
「誰も触ってくれねぇんだろ・・・・・・ありゃ?」

触られるって思って身体を屈ませたら、そのおじさんの動きと声がピタッと止まった!
あれ?どうしたの?って顔を上げたら・・・そのおじさんの腕を捻り上げたのは西門さんだった。

はぁはぁと肩で息をしながら、片手でおじさんの腕を持ってるけど、思いっきり怖い目で私のことを睨んでる?えっ!こんな時まで私の方が悪いって言うの?怒られるのは私なのーっ?

「オッサン・・・汚ぇ手で触ってんじゃねぇよ!早く消えやがれっ!」
「痛てててっ!なにすんだよっ!てめぇには関係ないだろうがっ!離せよ!」

「関係あるんだよっ!この女は俺のものだからな・・・クソジジイに触らせるわけねぇだろうがっ!」

西門さんはこのおじさんに残ったケーキ2つを投げつけて追い払ってくれた!当然おじさんからケーキ代金7000円を奪いとって・・・いや、払ってもらって。

あまりにもびっくりして声が出なかった・・・い、今、なんて言ったの?俺のものって言わなかった?


「・・・に、西門さん。どうして?」
「ばーか!こんなオッサンに触らせてんじゃねぇよ!俺だってまだ触ってねえんだから!」

「・・・はぁ?!そこなの?」
「いいから!早く帰ろうぜ・・・準備してるんだから。もう完売したんだろ?」

はっ!そうだった!今のおじさんに2つ無理矢理買ってもらったからケーキは完売したんだ!
急に元気になってすっと立ち上がると売上金を持って店内に入って、急いで着替えようとしたら再び西門さんの怒った声が店内に響いた!

「牧野!そのままのカッコでいいから早くしろっ!俺はもう限界だ!」
「いや、ちょっと待ってよ!この格好で?ミニスカサンタのままで?そ、それは・・・」

「いいって言ってるだろ!もう何処にもいかねぇんだから!急げ!」

あんまり怒鳴るから私はパニックになってせっかく着てきたピンクのワンピースに着替えないまま、カイロを貼った状態でコートだけ羽織って店を出た。
でもさ、この前インフルエンザの時・・・この人、私に抱き付いてるんだけど。それは触ったうちには入らないの?
くすっ・・・子供みたい。自分で何を言ってるのかわかってないんだね?


店の前では雪の中西門さんが震えながら待っていて、私を見るとスッと手を出してきた。

「・・・繋ぐの?」
「そりゃそうだろ。普通恋人ってのは手を繋ぐだろ」

「いつから恋人なの?」
「さぁ・・・いつでもいいんじゃねぇの?それともはっきり記念日が作りたいなら・・・今からかな」

差し出された手に自分の手を重ねたら、そのまま彼のコートに入れられた。

「冷たくなっちゃって。バカだな、お前」
「働き者の手なのよ。バカじゃないもん。そっちこそ、何にも言わなかったくせに見張ってるなんてさ・・・」


コートの中でいつの間にか指を絡ませてる。
私、もしかして今すごく赤くないかしら。彼の方を見上げたらクスッと笑われた!


「牧野、今夜は帰さないから」


・・・・・・え?そ、それって!もしかして・・・!


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2017/12/24 (Sun) 13:13 | EDIT | REPLY |   
plumeria  
Re: タイトルなし

みわちゃん様、こんにちは。

あっはは!ただ纏められなかったんですよ(笑)
計算して始めたんですけどねぇ。類君も明日は2話あって26日まで延びたし、
あきら君も明日は2話あります。
総ちゃんは明日で終りですが・・・若宗匠総二郎の試練・道明寺司君があります。

明日は6話あるんですよ・・・冗談みたいでしょ(笑)

今晩のチェックで死ぬかもしれません(笑)

ここの総ちゃんは、明日甘くやってくれるでしょうから良し!と言う事で。
突然の総ちゃんのオオカミぶりを楽しんで下さいませ♥あはは~!

2017/12/24 (Sun) 14:59 | EDIT | REPLY |   
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2017/12/24 (Sun) 16:29 | EDIT | REPLY |   
plumeria  
Re: タイトルなし

さとぴょん様・・・今晩は!

えぇ!ここまで来てそれ聞く?(笑)
総ちゃんですよ?類にはないけどさ・・・総ちゃんですよ(2回目)

え?・・・公開しなくていいなら今からでもここで終わろうかしら・・・。
私もね、こういう時の修正って恥ずかしいのよ。

1人で小さい声で読んだりするけど、それも出来ないし。
明日のヤツ・・・頑張ったんだけどなぁ。ちょうど歯も痛いし、やめようかなぁ・・・。


ってなことは今から出来ないんで、明日、楽しみにしててくださいねっ!

今日もありがとうございました!


2017/12/24 (Sun) 17:31 | EDIT | REPLY |   
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2017/12/24 (Sun) 23:36 | EDIT | REPLY |   
plumeria  
Re: タイトルなし

さとぴょん様・・・今晩は!

どはははは!一応・・・書いてはみたんです。類のはないけどね。超ソフトにしか書いてないけど、
総ちゃんは必要なのかと思いました(笑)
なかったら怒られるのかと思って・・・あきら君もほんの少しね。マジ、ほんの少し(笑)
あの状態のあきら君でがっつり書いたらびっくりでしょ?

でも、ホントに歯が痛くて(笑)
何にも出来ないんですよ!修正したくても集中できないのーーっ!!
なのに明日6話もあって、どうしたらいいんだか!

まぁ・・・期待薄でお待ち下さい(笑)

2017/12/25 (Mon) 00:18 | EDIT | REPLY |   

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