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西門さんの家で二日酔いに良いっていう朝ご飯をいただいたけど、お昼近くまで起き上がることも出来なかった。
あんなに飲むんじゃなかった・・・いくら西門さんがホイホイ注ぐからってあんまり強くもない私が何杯飲んだんだろう。

横にはまだワインボトルが2本転がっていて、昨日の最悪なクリスマスイブが思い出されるわ・・・。

「痛い・・・ホントに痛いんだけど。西門さんはどうしたんだろ・・・まさか今日もお仕事だっけ?」

やっと起き上がれたのはお昼過ぎ。時計を見たら1時半だった。
美作さんの家のパーティーは午後3時から。もう支度しなきゃ・・・そう思って桜子と買いに行ったワンピースを出した。
ちょうどその時、午前中の仕事を終えたっていう西門さんが帰ってきて、いつも通り調子のいい口調で話しかけてきた。

「おぅ!やっと起きたのか?牧野、酒弱いんだな!」
「西門さんと一緒にしないでよ!やっと頭痛が取れたわよ・・・あのさ、お願いがあるんだけど」

私は西門さんに美作さんのお屋敷まで送って欲しいって頼んだ。もちろん西門さんは車を出してくれるって言ってくれたけど、この時にあいつの事を教えてくれた。

「そう言えば司から連絡があってさ。あいつ・・・もうわかったのかもな。何があったか知らないけど、1人でアメリカに帰るから牧野に会ったらそう伝えてくれってさ。今日の夕方プライベートジェットで行くらしいぜ。お前はそれでいいのか?」


そうなんだ・・・1人でアメリカに帰るって決めたんだ。
私のメモを見てわかってくれた、そう思っていいのかな。

「うん!ありがとう・・・あいつにもいつか一緒に笑える人が出来たらいいね!」
「そんな女いるかぁ?だいたい司の笑顔・・・怖くねぇか?」

ううん、そんな事ないよ。楽しそうに笑う道明寺も私は知ってるもん!今はそれを見失ってるだけだよ。
早く思い出して欲しい・・・心からそう思うよ。

「時間ねぇんだろ?急いで着替えろ!1人うちの人間つけてやるよ。牧野の場合、少しは磨かないとな!」
「一言多いって!・・でも、ありがと!助かるよ」


それから私は西門さんの家で紺色のワンピースに着替えてボレロを羽織った。
それを見て西門さんが「本気でそれで行くのか?」って呆れた顔したけど、「前のよりはお前らしいや!」って笑っていた。
よく見たら道明寺の家で飛び降りた時の擦り傷がワンピースからでてる膝や脚に沢山あってみっともない。でもこれが私なんだって思ったの。

お弟子さんが私の髪をワンピースに合わせて巻いてくれた。
少しだけいつもと違うメイクもしてもらってピンク色のルージュもつけてくれた。

「ほら!これは俺からのプレゼント・・・意味はねぇからな!」

西門さんがパールのブレスレットをつけてくれた。

「ありがとう・・・なんで?私に用意してくれたの?」
「お前にっていうより俺のダチが喜ぶと思ってな!好きな子が可愛いのは嬉しいだろ?」

それって!一気に顔が熱くなって耳まで赤くなったような気がする!西門さんは早く行ってこいって私を玄関まで送ってくれた。
西門さんには別のパーティーがあるらしくて一緒には乗れないんだって。だから西門の運転手さんに頭を下げて車に乗った。

「それじゃ牧野、俺も招待されてたけど今日は行けねぇからあきらに伝えといて!・・・今日は飲むなよ?帰れなくなるぞ!」
「み、美作さんはそんな人じゃないもん!・・・ありがとう、行ってきます!」


********


車は予定の時間を少し回って美作さんの家に着いた。

何度か来たことはあるけど今日は特にお庭中にイルミネーションが輝いてて綺麗だった。
玄関までのアプローチにも小さなサンタやツリーが飾られてて、ここに小さな妹さんがいる事を改めて感じる、とっても可愛らしい飾りが沢山あった。

そして会場に入るとすでに沢山の人が集まっていて、その華やかさに驚いた。
いつもなら花沢類や西門さんがいるから安心だったけど今日は1人だ。知った人は誰もいない。それに招待されている女の人はみんな綺麗なカクテルドレスを着てる。ワンピースなんて私1人だった。


どうしよう・・・桜子が言ったとおり、私、間違っちゃった?こんな子供っぽいものはダメだったの?

怖くなって会場の隅っこで下を向いて立ち竦んでしまった。
帰った方がいいんじゃないかな。こういうの場違いって言うんだよね?
私の前を通る人がクスクス笑ってる。あ、もしかしたら足の傷が目立つのかしら・・・それともみっともないって思われてる?
シャンパンを持ってる美作さんちのお手伝いさんでさえ私の事は無視・・・招待客だと思われてないかも?
明らかに小学生と思われる女の子でさえセクシーなドレス着て私の前を気取って歩いて行った。

そうか・・・やっぱりこれは間違えたのね!同級生達とのクリスマス会じゃなかったって事だわ・・・。

美作さんにはまだ会ってなかったから、このままこっそり帰ってしまおう・・・私の脚は今来たばかりの玄関の方に向った。


********


「遅いな・・・牧野」

俺はパーティーが始まる少し前から牧野の事をずっと待っていた。時間にあまり遅れるヤツじゃなかったから不安だった。
まさか、司が本当につれて行ったんじゃないかって思って。

「あきらくん、久しぶりだねぇ!随分と男っぽく立派になったじゃないか!これはうちの娘で葵と言うのだがあきらくんと話したいと言うから連れてきたんだよ!」
「お、お父様ったら嫌だわ、そんな、まだご挨拶もしてないのに!」

「これは佐藤建設の・・・お久しぶりです。葵さんと仰るのですか?初めまして。美作あきらです、宜しく」

やっぱりこういう奴が来るんだ!
少しうんざりだけど仕方なく相手をしていたら、入り口の方から牧野が入ってきた!

プッ!なんだ、あいつ・・・今回はえらく子供っぽくしちゃって!良かった・・・あのドレスは着なかったんだ。
牧野が来たことでホッとしたけど目の前の佐藤社長が中々話をやめなくて、娘と一緒になって俺を離さなかった。
誰も知り合いのいない牧野は壁際に立ってキョロキョロしてる・・・迷子の子供みたいに頼りなくて、俺はすぐにでも側に行きたかった。


そのうち牧野は向きを変えてドアから出ようとした・・・!ヤバい、逃げる気だ!

「佐藤社長、話の途中申し訳ない、大事な人が来たので失礼します!」

「え?あきら君、まだ私の話は終わってないんだが!」
「あきら様!大事な方って・・・!」

「今日ここに招待していた私の大事な人です・・・そのうち紹介できると思いますが」

いい加減話をやめない親子に一言言って俺は牧野の後を追った!


こんなところで帰られてたまるか!
やっと、やっともう少しで牧野を掴まえられるんだから!

会場の人混みを掻き分けるように擦り抜けて、牧野が出て行ったドアを開けて俺も玄関の方に向かった!

紺色のワンピースの牧野の後ろ姿・・・それが見えたとき、大声で呼び止めた!


「牧野っ!帰るなっ!・・・戻って来い、牧野!」

びっくりして振り返った牧野に向かって俺は凄い勢いで走って行った。
そして立ち止まった牧野の腕を思いっきり強く掴んで俺の胸の中にその身体を引き込んだ!

「きゃあぁっ!み、美作さんっ!」
「ダメだ・・・!帰るな、牧野・・・待ってたんだから!」

小さくて細い身体が折れてしまうんじゃないかってぐらい抱き締めたら、牧野の腕がやっと俺の背中に回った。


「待っててくれたの?美作さん」
「あぁ、もう何年もな・・・待ちくたびれたよ。もう、待てない・・・だから、帰るな」



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今日はこのお話ももう1話あります!
時間は18:00!あきら君のクリスマスストーリー、ラストになります!
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2017/12/25 (Mon) 13:58 | EDIT | REPLY |   
plumeria  
Re: タイトルなし

みわちゃん様、こんにちは。

あら!ちょっとは格好良く書けました?ドキドキ・・・あきら君なのに登場が少なくて反省してますが。
ラストは誰も邪魔せずあきら君だけです!
どうだろう・・・上手く書けたかなぁ(笑)

クリスマスなんでどの話も楽しくしたつもり♥
楽しんでいただけたら私も嬉しいです!

応援コメントありがとうございました!
あきらきゅんの冬のお話しも今考え中です!待ってて下さいね~!


2017/12/25 (Mon) 14:16 | EDIT | REPLY |   
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2017/12/25 (Mon) 19:05 | EDIT | REPLY |   
plumeria  
Re: タイトルなし

さとぴょん様・・・今晩は!

ハシビロコウ(笑)好きですねぇ~!!お腹痛いっ!!
それ、「だるまさんが転んだ!!」じゃないですか!

あきらとハシビロコウが「だるまさんが転んだ」やったら勝負にならないよね。

ラストもあきら動きますよ(笑)
動かないと運動できないからね!今度はつくしちゃんに怒られちゃう(笑)

「ちょっとはそっちが動いてよ!疲れちゃう!」
「あ、ごめん。基本受け身だから」

そりゃRにならないねぇ・・・。

今度はものすごく活動的なあきらの話でも書こうかしら。
動きまくるあきら(笑)全然浮かばない・・・。

それでは、今日も沢山ありがとうございましたーーっ!!

2017/12/25 (Mon) 19:57 | EDIT | REPLY |   

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