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plumeria

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おえ・・・、マジ、船酔い。

ツクシもマスターも飯食いに行ったけどさ。当然俺はペット同伴許可の部屋から出られないんだけどさ・・・おえっ!気持ちわる・・・。
もちろんフェリーなんて初めてだし?どうなるかなんてわかんなかったけどよ。
何となく予感はしてたんだ。俺、酔うわ!ってな。

絶対に俺には合わねぇって!フェリーなんてもん、インコに強要すんなよ!
もうこうなったら誰とも口をきかねぇぞ!マスターの田舎ってとこにつくまで2人とは絶対に口きいてやらねぇからな!俺の言うこと無視するから!

1人で部屋の隅の俺専用スペースでぐったりしていた。

そうしたらマスターだけが戻ってきたんだ。

「そういちろう、エサ食べないのか?少し揺れるから気になるのか?・・・ごめんな、無理させて」
「・・・・・・」

「長崎に着いたらもうそこから動かないよ。都会はもう嫌だな。実はさ、店の前をバイクが走るだろ?あれが嫌でね・・・里美と裕太をはねたバイクじゃないってわかってても耐えられないんだよ」

マスターは俺の背中を撫でながらそんな話を始めた。
そうか、だからあんまり窓の外を見なかったのかな。マスターは店の前を大きな音で走るバイクってものが通るときは背中向けてたもんな。俺はそれには気が付いてたよ。

「島でもバイクは走るだろうけどさ、見通しってもんが違うだろ?通行人もバイクの人間も見落としは少ないと思うんだ。交通事故の少ない所がいいな・・・もう沢山だ。あんな思いはね・・・」

そうだな・・・俺も同感だ。
マスターが笑えるとこなら何処でもいいぜ?買ってもらった仲だ・・・最後まで付き合ってやるよ。

「つくしちゃんもね、落ち着いたら東京に戻そうと思うんだよ。それはいいよな?あの子には花沢君がついててくれたら大丈夫だと思うんだよ。だけど今はまだ決心がつかないんだろうからね・・・花沢君がきっと今頃探してるだろうね。気の毒なことをしたな。
最後にもう一度、彼とは話がしたかったよ。もう、それも出来なくなったね・・・そういちろう」

今頃言っても遅いって!マスターとツクシが選んだんじゃん。
俺は初めから反対だったぜ?



暫くしたらツクシが戻ってきた。
そして部屋の隅でジッとしていた俺を抱きかかえて膝の上に置いたんだ!ツクシは俺が大人しいって心配してるんだけど、実は船酔いしてるんだって!出来たらそっとしといてくれ・・・マジ、吐きそうなんだから!

ツクシもマスターも俺が船酔いしてるって知らないから何度も背中をさすってくれる。
悪いが有り難迷惑だ・・・さすられたら余計気持ち悪い。仕方ないからツクシの膝の上で黙って眼を閉じてたよ。

そしたらまたツクシがルイの事を思いだして泣き出した。
その涙が膝の上にいる俺の背中にボタボタ落ちてきたんだ!
冷たいってーーっ!!って言いたかったけどさ、ツクシがあんまり泣くから反論出来なくて黙ってた。男はこういう時ひたすら我慢するもんだって、何となくそう思ってる。インコだけど。

「つくしちゃん、良い恋をしたんだねぇ。その想いは大事にしなさい。また会えるかもしれないんだからね」
「ううん・・・きっと類は私のことを嫌いになるわ。そして彼に似合った素敵な人を探すと思う。私もそれでいいんです」

嘘つけ!絶対に思ってないだろう・・・そういうとこ、素直にならないと幸せを逃がすんだぜ?

「そういちろうさん、ごめんね・・・こんなに濡れちゃった!ごめんね・・・」
「ソウイチロウ、マッテルヨ・・・ダイスキ」

俺の背中なんて乾いたら元通りだけどさ、ツクシとルイはこのままだと元通りにならないじゃん。

まだ泣いてる・・・はぁ!世話が焼けるな!仕方ねぇ・・・ほら!俺の頭でも掻いとけ!って俺はツクシに頭を差し出した。
泣いてるのに笑いながら、ツクシは俺の頭を掻いたよ。
ルイと同じように出来たって嬉しそうに言いながらさ。


ほら、そうだろ?結局ツクシはルイの事、忘れられないんだよ。
おえっ・・・気持ちわる!ツクシ・・・ちょっと待ってろ。俺が船酔いから解放されたらどうにかしてルイと会える方法を考えてやるから!今は無理だ・・・!

おえーっ!!マジ、吐きたい・・・!



それなのに、衝撃の事実・・・フェリーってもう1日あるんだと!
俺は何処か知らないけど船が停まったから降りられるもんだと思ったら、マスターがそんな事言ってきたんだ!

マジで?・・・勘弁してくれよ。俺、ホントに死ぬぞ?


「つくしちゃん、明日の朝にはもう九州に着いてるから大丈夫だよ。そういちろうは結構丈夫なインコだからね。疲れてしまうだろうけど、向こうについて数日もすれば元通りだよ。さぁ、私達も食事をしようか」

「はい、マスターは大丈夫ですか?いつもそんなに笑ってて疲れませんか?」

・・・なんて言った?マスター・・・俺たち結構長い付き合いだけど、今の一言はどうかと思うぞ?
確かに丈夫だとは思う。思うけど、だからってフェリーに強いとは限らないってのっ!1回インコになってみたらいいんだよっ!
そんなに簡単に片付けたれちゃ堪んないって!

もう2日間ほとんど食べてないんだ。
インコが1日食べないと命に関わるって知ってるか?鳥ってのはな、飛ぶために身体に最低限の栄養しか貯めないの。重かったら飛べないだろ?だから1日食べなかったら危ないんだよっ!

それなのに2人で楽しそうに飯を食いに行ってしまった。
いや、この方がいいや・・・これ以上羽が濡れるのも嫌だし、背中をさすられるのもごめんだ!
俺は暫く1人で静かな部屋にいた。


シーンとして・・・微かに船体が揺れるから落ち着かない。
マスターが照明は付けてくれてるから明るいけど、何だか凄く寂しくなってきた。

あれ?どうしたんだ?・・・俺まで悲しくなっちまった?
どうしてだ?俺ははっきり言って被害者みたいなもんだろ?こういうの、とばっちりっていうんだよな?

なのに何でこんなに寂しい気分にさせられるんだ?ツクシの涙が移っちまったのか?

この時思い出したんだ。

サトミサンがいなくなった時、独りぼっちで部屋に残されたこと。
喫茶店に連れて行かれて、そこで寝泊まりするようになった時の事・・・誰の声もしなくて、呼んでも返事がなくて・・・そんな日々を思い出して悲しくなってしまったんだ。


そんなビクビクしてたとき、ツクシたちが帰ってきたんだ!
俺は思わず大声で叫んだよ!

「ソウイチロウ、マッテタヨ!ソウイチロウ・・・オカエリ!」
「あら!そういちろうさん、お帰りも言えるんだ!初めて聞いたと思うんだけど?」

あぁーーっ!しまった!オカエリってのはもう言わないって決めた言葉だった!
つい、いろんな事を思いだしてたら言っちまった!マスター、怒んないかな・・・?

「あぁ、久しぶりに聞いたな。妻がよく言ってたからね。お帰り・・・って」


マスターは急に俺を抱き締めて泣いた。
ごめんな、マスター、聞きたくないって言ってたのに喋っちまって。

でもな?オカエリって言葉はいいんだぜ?そこに誰かがいるって事だろう?

どうでもいいんだけどさ、今度はマスターが俺の羽を濡らしやがった!
せっかく乾いてたのに・・・まぁ、いいけどよ。


そうしてやっと九州って所について俺はフェリーから開放された・・・もう二度と乗らねぇからな!
って思ったら今度は車で夜まで走るってよーーーっ!!勘弁してくれーーっ!



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2018/01/07 (Sun) 08:40 | EDIT | REPLY |   
plumeria  
Re: やっちまったのね(笑)

えみりん様、こんにちは。

えぇ・・・やっちまったの(笑)
そんなに落ち込んではないんだけど、5時間はねぇ・・・(笑)
一応2.3カ所修正はしたけどそこまでびっくりする間違いはなかったけど
自分の中で追加の公開時間は11時!って決めてたから(笑)

うちのオカメインコはよくドライブに行くんですが、本人はストレスみたいです。
助手席の背もたれに乗ってますけどね。
何回か忘れてドア開けてビビったことはあります。

ペットショップの店員さんに「鳥は運送手段に弱いからそこでショック死することもあるんですよ」
って言われたことはあります。

そういちろうは特に弱いようです(笑)
言葉は乱暴なのにね!

車は不思議と人に運転してもらうと酔うんですよね。
自分が運転するのは問題ないのにね!
うちの旦那は急停止急発進の人なので、乗ると必ず酔う(笑)
いつの娘は乗り物酔いが酷いんです。飛行機も新幹線も苦手らしいです。
耳が弱いんですかね・・・?

私はそういちろうと一緒でフェリーはダメです。
もう海の上ってだけで酔った気分になります。海がダメなのかな?
水に顔浸けられないから(子どもか!)

次は間違えないように頑張ります・・・あぁ、まだ気分が浮上しない・・・。

2018/01/07 (Sun) 10:14 | EDIT | REPLY |   
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2018/01/07 (Sun) 23:53 | EDIT | REPLY |   
plumeria  
Re: タイトルなし

さとぴょん様、こんにちは!

そうそう、出だしが「おえ・・・」だからね!
自分でも書いてて笑ってしまったわ。おえ・・・で始まる二次小説ってこれぐらいじゃないかな(笑)

鳥類に関する本を結構持ってるんですが、それに書いてありました。
飛ぶために身体を軽くしなくちゃいけないから、食べても栄養をとったらすぐに糞で出して重くならないようにするんですって!
毛繕いは自分を健康に見せて、敵に「自分はまだまだ元気だよ!」って知らせるためだそうです。
毛並みが悪い鳥は弱ってるって見られて、狙われるそうですよ。

ちなみにうちのインコはボサボサです。
何故なら・・・私が触りまくるから。敵は私かもしれませんね!

で、うちのインコはもの凄く抵抗するのに私が乗せていきます。旦那曰く「虐め」だそうです。
でも、乗ったら楽しそうなんだもん!(自己解釈だけど)

まぁ、そういちろう、ヘリコプターが待ってるから、乗り物には強くなって欲しいものです!

2018/01/08 (Mon) 11:45 | EDIT | REPLY |   

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