FC2ブログ

plumeria

plumeria

会場にエスコートして入ると一瞬どよめきがあがる。

俺は慣れてるけど、これは俺にじゃない。初めてこういう場に出るこいつの美しさにっ・・・てことだろうな。

こりゃまた、大変だ。

****

さっきからすごいんだけど!会場にいる女性の、私を見る目がすごくて怖い!
何なの?私が何かした?

もしかして、総二郎さんと居るからなのかしら?この人、本当にモテるんだ。そうだよね・・・。
でも、怖くて総二郎さんの手が離せない!

こんなの毎回参加してたら私の場合、間違いなく倒れるわ。

「ちょっとここで待ってて。仕事の連絡わすれてたわ。すぐ来るから動くなよ」

そう言って彼が会場を出て行ってすぐだった。

『ちょっと、あなた・・・こちらにいいかしら?』

うわ!すごい綺麗な人!私と違って大人の女性って感じ・・・この体型の差はなんなの?あ、いや、そうじゃないけど・・・。
後ろにはあと2人、これまた結構な美人が・・・。

「でも・・・」
『会場の中ですもの。よろしいでしょう?さ、こちらよ』

3人の美人に腕を捕まれて会場隅のボックス席に連れられてしまった。

『あなた・・・総二郎様の何なの?さっきからずっとくっついちゃって。私はね、西門流の一門で京都支部の者ですの。
お爺さまとお家元は昔からのお付き合いで、そのうち総二郎様との婚約をとお願いをしているのよ』

「えっ・・・あの、私は・・・」

『あんな風にくっつかれたら総二郎様も迷惑よ!そんなこともわからないの?大体、あなた、どこの誰よ!見たこともないわ!』

他の2人も一緒になって文句を言われ、とにかく慣れない私は言葉を出すことも出来なかった。
もう耐えられなくて、このまま1人で帰ろうかと考えていたら


「どうした?つくし」

総二郎さんが電話を終えて帰ってきた。違う場所にいたから、わかんなかっただろうな・・・。
色々言われてしまったからどうしていいかわからず、俯いてしまった。

『総二郎様!!』

「あぁ、香織さんですね。どうかしましたか?つくしがなにか?」

『あら。彼女が総二郎様のお側で色々と邪魔をされるのでご忠告さしあげたのですわ』

「邪魔・・・ですか?彼女は私の婚約者ですが?」

『えっ!!』

真っ青になった香織という人は、2人のお供を連れてそそくさと出て行った。
私は連れてこられた会場の隅でただボーゼンとしていた。1人でこんな場所にいることがこんなに心細いなんて、
今更ながら今日一日、私はこの人に支えられて過ごしたんだと思うと涙がでてきた。


「大丈夫か?こんぐらいでビビってたらこの世界じゃやってけないぜ?」

「ごめんな・・・さい。初めてだから・・・うちのお父様は私をこんな場所には出したがらなかったから・・・。
私のこと、誰も知らなくても当然で・・」

「だから言ったろ。断りたかったら断れって」

「断ってほしかったの?」

「初日に断るっつったのはそっちだろーよ」

****

くすっ・・・と笑う声がした。まぁ、笑えるんなら問題ないだろう。
でも、あんまり笑ってると・・・ほらまた、あちこちから男の目が・・・。
ふん、仕方ないな!

「ちょっと、悪いな。 大声出すなよ?」

「は?わっ・・・ちょ・・ちょっと・・・」

俺はこいつの腰をぐっと引き寄せて躰をくっつけてから、片方の手で顎を持ち顔を近づけた。
そして見せつけるようにキスをした。もちろん、触れるだけの軽いキス。

真っ赤になってるこいつとそのまま寄り添って退場だ。



kadou4.jpg
関連記事

Comments 0

There are no comments yet.

Leave a reply