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plumeria

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次の日の朝、すぐ近くで聞こえる波の音で目が覚めた。

隣でまだ牧野が眠っている。
そうだろうな・・・朝早くに俺に叩き起こされて、こんな所に強制的に連れてこられて。
そして昨日の夜は飲ませたあげく・・・

しかし、こいつは不思議な女だ。
今の寝顔なんて子供のようなのに、時々見せる女の表情といい、正装したときのハッとする美しさといい・・・
この俺がこんなに引きつけられてんだからな。

1人の女に夢中になるなんて思ってもなかった。

「・・・・・ん?・・・あれ?・・・朝?」

「まだ寝てていいぞ?早いから・・・」

そう言うと、またすぅっ・・・と寝てしまった。
起きたら怒られるんだろうな。色んなところが赤くなってる・・・

すっかり目が覚めた俺はコーヒーを入れて1人で飲んだ。
今日は船で隣の島まで行く予定だ・・・それまでには起こさないとな。


****


「何でこんなことになってんのよー!!もう!」

やっぱり怒った。仕方ないじゃん。
お前のことが好きすぎてなっちゃったコトなんだから・・・。
声に出したら殴られそうだから、知らんふりするに限る。

「何着たら隠せるのー?これ!持ってきた服じゃ無理じゃないの?」

「パーカーがあったろ?あれ着とけば?」

「誰のせいよっ!」

お前だよ!何回も言うけど。
俺だってその気になんなきゃそこまでやらないんだから。
その気にさせたお前が悪い。

「さっさと朝飯食っとけよ?今日はちょっとだけ船にのるから」

ぶつぶつ言いながらも飯を食えば機嫌は直る。

サマーセーターにパーカーを羽織り、ジーンズの短パンに着替えた。
白くて華奢な脚が丸見えで、これを他の男の前で晒すってのもどうなんだ?
自分で用意した服だけど失敗したかもな。


今日はグアムの最南端から船で15分でつくココス島に行く。
船から見る海はコテージ前の海とも違うエメラルドグリーンに変わり、その透明度に牧野は絶叫している。

「このあたりはイルカもみられるらしいぞ?運が良ければだけど」

「そうなんだ!でも、本当に海が綺麗・・・下の方まで見えるよ?」

「お前が出来るんなら潜ってもいいけど・・・無理だろうな」

「意地悪だね!自分が何でも出来るからって・・・!」

どっちにしてもたった3日しかない休みだ。
そんなわざわざ体力使うような事はしないさ。夜は別だけど・・・
この島で一日のんびり過ごして南の島を満喫できたらそれでいい。

毎日必死にバイトしているこいつが息抜き出来たらいいんだから。


他の観光客はボートを出したりシュノーケルをしたりだったが、俺たちはここでも2人で手をつないで散歩をした。


「総二郎・・・お仕事良かったの?」

「あ?そんなの今心配するか?大丈夫だって。調整してきたんだから」

「無理したんじゃないの?春の行事・・・多かったのに」

「忙しいから息抜きも必要なの!帰ったらまたすっげー量の仕事が待ってるんだから」

仕事の心配なんていいんだって。

「お前、何か土産でも買って帰るか?結構店があるぞ?」

「うん。じゃあ記念に一つだけ」

「何で一つ?」

「またいつか・・・2人で来たいから。今日は一つでいいの」

フフって笑いながら、土産物屋に入っていく。

ハワイアンジュエリーの中でも花を象ったリングを選んだ。
アクアマリンのような色でちょっとオリエンタルなデザイン。
一つなんて言わないでもっと選べばいいのに・・・

これは俺の悪い癖だ。

なんでも買い与えてしまいたくなる・・・そうしたら繋ぎ止められそうな気がして。
牧野はそんなんじゃないってわかってるのに。

「それいいな・・・ここの海みたいな色で。似合ってるよ」

「そう?私こういうの好き!」

せめてこれはプレゼントさせてくれよ?
ホワイトデーの贈り物にしちゃ安物だけど。


ゆっくりと島で一日過ごしてから帰った。


その日の夜も俺はコイツを離すことは出来なくて・・・
こりゃ、休みなんかじゃねーな・・・。

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ラストは18:00!
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