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plumeria

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東京よりも少しひんやりとしてる朝の空気・・・でも金沢にいた時より温かい。腕ん中に・・・こいつがいるからだ。

久しぶりに幸せな気分で目覚めた。
すぐ隣にあるつくしの寝顔にすげぇ安心する。本当にこいつの所に戻ってきたんだと。


久しぶりにつくしを抱いたけど、余りに気持ち良くてちょい無理させたかもな・・・なんて思ってたらつくしも眼を覚まして俺の方を見た。急に照れて赤い顔して、布団を頭まで被ってやがる。

「バカだな、今更だろうが!ほら・・・顔出せ!」
「イヤだ・・・総二郎のバカ!」

「バカ・・・?愛し合ってなんでバカ?そういうこと言うとまたバカなコトするけど?」

ガバッと布団を剥いだら「うわぁっ!」って色気のない声をあげて素っ裸のつくしが出てきた!それをまた上から押さえ込んで見下ろしたら涙眼で抵抗しやがった!くくっ・・・全然変わんねぇこの態度には苦笑いしかねぇよな。

「朝から無茶しねぇよ・・・でも、これだけな」

そう言って触れるだけのキスをして、すぐに離してやった・・・そしたらつくしの方が手を伸ばして俺の首にしがみついてきた。

「総二郎・・・良かった。目が覚めてもちゃんといてくれて」
「当たり前だろ?もう何処にも行かねぇよ・・・つくしの傍にいるよ」

もう一度キスしようかと思って顔を寄せたら・・・

「うわ~~ん!!あ~ん!あ~ん!」


蒼が目を覚ましやがった。

クスッとお互いに目を合わせて笑った・・・そうだよな、俺達はもう2人じゃねぇもんな。


*********


西門からその日にとんでもない荷物が届いた。
茶道具はもちろんのこと、俺の部屋にあったものや洋服に着物、日用品から食品に至るまで!その量が半端じゃねぇ!

「何考えてんだ!お袋のヤツ・・・まだそこまでの仲じゃねぇっての!それなのに送りたいだけ送りつけやがって・・・片付ける方の身にもなれってんだ!アホか・・・日用品ぐらいこっちでも売ってるって!これだから自分で買わないヤツは・・・!」
「あはは!何言ってるの!総二郎だってそうだったでしょ?ちょっと自分で買い物に行くようになったからってエラそうに!家元夫人も心配なんだよ・・・総二郎とのこと、ホントはずっと仲良くなりたかったんじゃないかな。そんな気がするよ?」

「・・・何処がだよ!全然思わねぇ・・・って、あれ?」

俺の着物が入っていた箱を開けたら小さな包みが出てきた。
広げてみたらそれは子供用の着物。しかも男の子用・・・でも、新品じゃない。

これは俺が小さいときの着物だ・・・まだ、取ってあったのか。

「あら・・・そう言えばお宮参りっていうのもしてやってないわ。早くしてあげないといけないわね」
「・・・そっか。じゃあ、今度行こうぜ?蒼の宮参り。調べておくよ」


西門の正式な宮参りは産まれた子供と父親と家元夫妻・・・女性は産後の忌み明けがあるから参列はしなかったはず。
だけど蒼にはつくししかいなかったし何の支度も出来なかったから行けていなかったんだ。
もう生後5ヶ月を過ぎてる・・・本来のやり方ではないがこうしたしきたりは続いてもいいものだと思うから、さっそくこの辺の神社を探した。

しかも子供の着物は母方の家がその財力に応じたヤツを特注してやるのが今までの習いだ。だから、俺の着物はお袋の実家が作ったもの。最高級品だろうと思われる男用にしては派手なものだった。

でも、つくしには両親がいない。こんな着物作ってやることは出来ないから、お袋が気を遣ったんだろうな。

その他にも俺の小さいときの着物が何枚も入っていた。
蒼が茶道をやるかどうかもわかってないのに・・・。


「これは祥兄ちゃんからかしら、育児本が入ってる。『子供の病気と対処法』・・・電話の方が早いんじゃないの?祥兄ちゃん、産婦人科で小児科じゃないからやっぱり聞いちゃいけないのかしら」
「これからは祥兄も忙しくなるからな。電話に出られないんじゃないか?この先は大炉を開くし新茶の手配に初釜だろ?祥兄、久しぶりだからキツいだろうなぁ!」

「そっか、そうだよね。あんまり頼っちゃいけないね」

「いや、頼ってやれよ。喜ぶから」

千春とつくしは別。祥兄はつくしのこともずっと同じ気持ちで見てると思うから・・・妹を少し超えた存在ってやつかな。

「あら!これは千春さんだ・・・私の服が沢山ある!嬉しいなぁっ!」
「あいつら、よっぽど俺達が金持ってないか、住んでるとことが田舎だと思ってんのかな・・・笑えるな!」

この俺がこんな事思うなんて今でも信じられねぇな。
金がなくても田舎暮らしでも・・・1人の女がいればいいなんて。

あの夜の街をド派手に着飾った女を連れ回していた西門総二郎が、さ。


「あ、そう言えば志乃さんからつくしに渡すようにってアルバム預かってた。忘れてた・・・悪い!」
「アルバム?志乃さんが?」


********


総二郎が出してくれた志乃さん手作りのアルバムには懐かしい写真が沢山貼ってあった。私がもう忘れかけていたものもある。
その中に雪だるまの写真があって、それに目がとまった。

「うわぁっ!懐かしい・・・総二郎と祥兄ちゃんが作ってくれた雪だるま・・・志乃さんったら写真に残しておいてくれたのね?嬉しいなぁ・・・この頃は毎日お母さんとお父さんに会いたくて堪らなかったのよね。だから雪が降ったらすぐに雪だるま作りたくなって・・・」

「名寄でも何体作ったと思ってんだ!ここではすんなよ?蒼がビビるぞ?」
「あはは!もうしないよ・・・だって寂しくないもん!」

西門からの荷物を総二郎は文句ばっかりいいながら片付けていった。
でも全然怒っていないの。この言い方は怒った時の言い方じゃない・・・照れくさいときの言い方だから。

茶道具を大事に棚にしまっていき、釜や炭や茶菓子の道具や茶懐石の道具まで・・・小さな道具まで入っていて、それを片付けるのにどのくらい日にちがかかるのかわからないぐらい。
着物や洋服は少しずつしまおうということになって、今日から自分たちが使う寝室の移動をしてもらったりと、総二郎の休む間はなかった。


戻ってきてから5日目の土曜日、総二郎が探してくれた近くの神社で蒼のお宮参りもして、親子で記念写真も撮りに行った。
メインは総二郎じゃないのに、若いアシスタントの女の子が真っ赤な顔して総二郎の隠し撮りしているのを見て可笑しくなった。「格好いい旦那さんですね!」なんて言われて真っ赤になってたら、総二郎が「2人で撮ろうぜ!」だって。

蒼を抱っこしてもらって2人で撮ってもらった。



そして数日後弁護士さんからも色んな書類が届いた。それを見て総二郎は嬉しそうに私の所に走ってきた。

「つくし、すぐに役所に行くぞ!」
「え?何しに・・・?」


「婚姻届・・・出そうぜ!」



この日、私はようやく「西門 つくし」になり、蒼は「西門 蒼」になった。



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Comments 4

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2018/02/14 (Wed) 12:39 | EDIT | REPLY |   
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2018/02/14 (Wed) 14:11 | EDIT | REPLY |   
plumeria  
Re: 幸せ~

キャン様 今晩は♥

あはは!幸せになっていただいて良かった!
是非是非旦那様と仲良くなさってください(笑)

この時間だともうケーキも焼いちゃったかしら?


このあとは総ちゃんとつくしちゃんのような夜を・・・♥
結果報告待ってます!!(余計なお世話だって?)

2018/02/14 (Wed) 20:15 | EDIT | REPLY |   
plumeria  
Re: タイトルなし

さとぴょん様、今晩は!

ほんと・・・長い間ありがとうございました。
さとぴょん様、毎回コメント下さって本当に嬉しかったです。

これでもう思い残すことはありません・・・これをもって二次の世界から消えたいと思います。

雪の結晶のように・・・


って話が違うってっ!(笑)

そうなのね~!後は最後の祥兄の爆弾と書き残した諸々を書き終えて・・・2月いっぱいで終りです。

え?まだそんなにあるのかって?(笑)
まぁまぁ、そう言わないで?延びたついでってヤツですよ。


感謝してます・・・ありがとうございました。

(そう言ってそっとペンを床に置くplumeriaでした)完!

2018/02/14 (Wed) 21:00 | EDIT | REPLY |   

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