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「だから言っただろう・・・変わったのはお前だ。お前はアメリカに来る前から俺と類・・・どっちを取ろうか迷ってただろう?」

「・・・そ、そんなこと!」
「言わなくてもわかってた。お前はいつ頃からか類のことを目で追うようになってたからな。俺がババァに何度もお前の事を認めさせようと踏ん張ってたときも、お前の熱が冷めてきたのは感じてた。お前の卒業パーティーの時、類がフランスから戻って来るって聞いて俺はお前達の事を見ていた。類がどうするか・・・お前がどうするのかをな」

気付いていた?気付いてて黙ってたの?・・・どうして?

確かにこの人に夢中だった時、あのお母さんに怒鳴る時は2人で怒鳴った。でも、少しずつ私が類のことを見始めてからは道明寺だけが怒鳴ってて、私はそれを隣で見るだけになった。

そして終りの方は・・・もう怒鳴るのさえやめて欲しかった。


「類がそっけない態度をとったからお前はあいつの手を取れなかった・・・だからアメリカに来た。違うのか?」
「・・・・・・」

「俺が卒業して日本とアメリカを行ったり来たりしていた時も、お前はそれまでと違う態度をとったよな?連絡がつかない時もあったし、会えないと言われたこともあった。会ってもキスの後、悲しそうな顔をするようになった・・・違うか?」

「そんなことないよ!会わなかったのはまだ学生だったからでしょ?バイトだってしてたし・・・何もかも花沢類と結びつけないで」

「俺のことだけを見てたって言えるのかよ」

道明寺は全然私の方を見ない。
随分暗くなってきた窓の外・・・その下のイルミネーションを眺めてる。いや、その目は何も見てないのかもしれない。


道明寺の事だけを見ていたか・・・それは、違う。
私は確かに道明寺とは別の温かさを持つ花沢類のいるフランスを見ていた。気が付いたらアメリカよりもそっちのことを調べてしまう自分がいた。

今、それを認めなければこの人から離れられない・・・そう思った。


「ごめん・・・あんたの言葉を全部認めるわけじゃないけど、確かに少し当たってる。辛かったの・・・あのお母さんと闘うことも大きすぎる組織と闘うことも。初めのうちはそれも何とも思わなかった。あんただけを見ていた時はそれすら楽しいと思える時間が確かにあったの。でも、疲れてきて・・・どうしようもなく疲れて来た時に支えてくれたのが花沢類だった・・・」

「・・・・・・」

「認めるよ・・・道明寺。私はあんたの婚約者だったとき、途中から少しずつ花沢類の事を見始めた。ハラハラする毎日から助けてくれたのはあの人だったの。燃えるような熱さのあんたからホッとさせてくれたのは花沢類の温かさだった・・・そこにいつの間にか惹かれていったことは認めるよ」

道明寺の拳がグッと握られたのが見えた。
唇を噛んでる?横顔だからよくは見えなかったけど、元々上がり気味の眉が余計に険しくなってる。


「・・・俺は一生懸命だったのが俺だけかもしれないって思い始めたとき・・・すげぇショックだった。それでもお前を信じようとする自分と疑ってる自分と・・・こう見えても結構悩んだんだ。だから目の前にいてもお前の事を抱くことが出来なかった」

「・・・そうなんだ。ごめん、私の弱さがあんたを迷わせたんだね。でもさ・・・」


その時に道明寺の電話が鳴った。その画面を見た道明寺の目付きが・・・変わった。


*********


こんな事は初めてかもしれない。こんなに危険な状況なのにすごく冷静・・・だけど、自分の中では怒りが湧き上がってる。
その相反する感情が同時に自分の中にあることが不思議だった。

1つは牧野が自分からは離れないという安心感、もう一つはそれを強引に奪おうとする司の行動・・・無理もないとは思うけど、話し合いに持ち込まずに連れ去ったことは許せなかった。

電話のコール音が続いてる・・・出る気がない?そう思っていたらやっと電話が繋がった。


『なんだ・・・今、いい所なんだ、邪魔するな、類』
「・・・久しぶりに話す内容がそんなことだとはね。どうでもいいけど、今何処にいるの?牧野を迎えに行くから返して」

『返す?こいつは勝手に出て行っただけで俺との話し合いなんてついちゃいねぇよ。アメリカに連れて帰る』

全然感情のないしゃべり方・・・何がいいところだよ。牧野が司に触れさせるわけないのに。

それでもあのバカ力を使われたら抵抗のしようがない。それが1番恐ろしかった・・・無理矢理、だなんてただの悲劇だ。そんなこと絶対にさせない。それまでに助けてあげないと・・・多分牧野は今、司の傍で怯えているはずだから。

「もう、解放してくれない?全部わかってて縛り付けても牧野の心は司には一生向かない。そんなあいつを見続けたいの?それがお前の愛情?」

『道明寺と契約済みの女によく手を出したな・・・類。自分のしてることがわかってるのか?花沢がどうなってもいいのか?』

「・・・出来るものならやればいい。俺はそんなものより牧野の方が大事だからね。いいから場所教えて。家?それともいつものホテル?そのどっちかだよね?」

『来て会えると思うのか?この道明寺を舐めてんのか?』

「会うよ。どんなことをしてでも会うよ・・・もう俺達は確かめ合ってるからね。司には悪いけど牧野の心は俺から離れないよ?もう司が入る隙間はない、そう思ってくれる?」

今、司がどんな表情をしているのか何となく想像出来る。無表情・・・だよね?


もう、司はわかってる。
牧野が自分の所に戻って来ないということを、その気持ちを感じてる。

それでも離せない、そんなところだろうけど問題はそれがわかってて起こす次の行動だった。
それよりもっと怖いのは・・・牧野が起こす行動だ。

俺の立場を考えて司の言うことを聞くか、無茶をして司を怒らせて無理矢理・・・それも考えられるし、最悪なのは飛び出して行方がわからなくなること。やっと再会したのにもう何処にも行かせたくない・・・行き先がわからなくなることだけは絶対に避けたい。

そっちの方が心配でさすがに冷静だった俺の方も焦ってきた。


『探したければ自分で探すんだな。牧野をお前に渡す気はない』
「司・・・!決めるのは牧野だ!!」

思わす叫んだ俺の言葉を聞く前に司は電話を切った。


探したければ探せ?・・・あぁ、言われなくてもそうするさ。
必ず牧野はここに連れて帰る。


俺はコートを手に持ってマンションの部屋を出た。


*********


「なんだ・・・今、いい所なんだ、邪魔するな、類」

その電話はやっぱり類からだった。
道明寺はやっぱり窓の外を見たまま何一つ動かずに類と会話をしていた。

スーツのポケットに手を突っ込んで少し視線を落としたまま、感情を押し殺して言葉を出してる・・・その無表情な道明寺が余計に怖かった。
類は何を言ってるんだろう・・・道明寺の受け答えからだと、返すように言ってるんだろうけどやはりアメリカに連れて帰るって言葉が出た。それに花沢がどうなってもいいのか・・・と。


私のせいで類が困る事だけは避けたい。
こんな想いをするために日本に帰ったわけじゃない。


類を苦しめる自分の存在が・・・許せなかった。




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2018/02/13 (Tue) 07:00 | EDIT | REPLY |   
plumeria  
Re: おはようございます!

えみりん様、おはようございます。

難しいんですよね~・・・シリアスにこの人達の恋愛を考えると・・・。
ホントにつくしちゃん4人作って配りたいですよね!

ほんっ・・・・・とに苦手です。こういうシーン(じゃあ書かなきゃいいんじゃないのか?その通り!)
だから結構時間がかかるの・・・こういう時は1話に3日ぐらい(笑)
ギャグだと2時間でいいのに(笑)

この後のペアコーデで楽しんでいただいて・・・向日葵?

ふふふ・・・そんなことないですよ?♥
ちょっとした手榴弾ぐらいです。それも今日じゃないし。

その時はノークレームでお願いします(笑)
今日もありがとうございました。

2018/02/13 (Tue) 08:31 | EDIT | REPLY |   
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2018/02/13 (Tue) 14:00 | EDIT | REPLY |   
plumeria  
Re: タイトルなし

さとぴょん様・・・今晩は・・・ってか無茶言うなぁ(笑)

私にそれを言いますか?ねぇ(笑)
誰かつかつく作家さん、呼んでこなきゃいけないじゃないですか!
しかもつかつく作家さんは皆さん忙しそうよ?助けてくれそうな人・・・

ってか、類つくに飛び入り参加してくれそうな人はいないか!(笑)
グイッとつかつくに変更させられちゃうわっ!

つくしちゃん・・・逃亡したくてもこの類君、なかなか手強いかもね。
背中にマイクロチップとか埋めてたり・・・そりゃ上野明日香か!(笑)

失礼しました!
今日もありがとうございました!

2018/02/13 (Tue) 20:19 | EDIT | REPLY |   
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2018/02/13 (Tue) 21:15 | EDIT | REPLY |   
plumeria  
Re: 一気読み

キャン様、今晩は!

おおおーーーっ!!そんな💦
こんな場面の所で一気ですか?そ、それはまたなんといっていいのか・・・。

猛愛類君の所じゃなくて司君の所で(笑)

明日から来たくなくなったらごめんなさい!
何故かバレンタインにこんなシリアスなシーンが来てしまった!

えーと・・・最後はきっとほんわかです♥し、信じてね?

今日もコメントありがとうございました。

2018/02/14 (Wed) 00:16 | EDIT | REPLY |   

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